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折れそうな天使の羽
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真木麗 公立小学校入学。
姉の咲は名門私立小学校に通っている。
咲は制服が着たくてその学校を受験したいと両親に訴え見事合格した。
麗も姉に憧れ、受験するが失敗に終わった。
「おい!俺の母ちゃんが言ってたけど家族みんな美男美女なのにアイツだけブスなんだってさ。」
「そうそう!名前もまきれいだろ?」
「え、マジで?どれどれ?」
と麗の顔を覗き込んでは
「ま、キレイ!」
と笑われ、馬鹿にされた。
麗はなるべく目立たないように静かに学校生活を送った。
髪型も顔をなるべく隠せるようにおかっぱ頭にした。前髪は目が隠れそうなくらい長かった。
掃除の時間もみんながやり残した仕事を最後まで一人でやり遂げ、道端にゴミが落ちていれば拾った。
自分に出来ることは
(心だけでも綺麗でいよう)
ということだけだった。
そんな麗のストレス発散はダンスだった。
韓国アイドルが大好きで動画を観ながら自宅の庭で見様見真似で歌って踊った。
ダンスの腕前は中学生になる頃にはかなり上達していた。
踊っている時の麗は別人のようにカッコ良かった。
兄の誠はベランダからいつもそんな麗を誇らしげに見ていた。
学校では相変わらず目立たず騒がず存在を消していたが、成績はいつも学年でトップだった。
そんなある日
「もし、良かったら付き合って下さい。」
クラスで人気者の陽助に告白された。
麗は告白なんかされたことがないので戸惑ったが、少し嬉しかった。
返事をしようと笑顔を作った瞬間
「やっぱ、無理!笑うとキモい!」
と陽助は逃げ出した。
その先に数人の生徒がいた。
「他の罰ゲームにしてくれよ!」
陽助が言ったその言葉に麗は納得した。
「やっぱりそういうことだよね。」
誰にも見えない麗の天使の羽は今にも折れそうだった。自分には勉強しか取り得が無いとひたすら勉学に励んだ。
中学三年になっても麗は学年一位だった。
ある日担任から呼び出された。
「私立徳才学園高等学校から真木さんに特待生の話が出てるんですが、どうですか?ご両親ともよく話し合って決めて下さい。」
そこは姉が小学校から通っている名門の小中高一貫校だ。
行きたかった学校だったこともあり麗は嬉しかった。
家に帰って家族にその話をすると
両親は万歳して喜んだ。
「よく、やった!特待生なんて凄いぞ!」
「本当に凄いわ!」
兄も「頑張ったな。」
と頭を撫でてくれた。
しかしただ一人喜ばない人物がいた。
「えー!なんであんたが来るの?私のこと姉だなんて絶対に内緒だからね!」
咲はそう言い残して自分の部屋の扉をバタン!と閉めた。
「あの子のことは放っておきなさい!」
桜が笑って言った。
その夜、桜が腕を振るって料理をした。
咲はみんなが食べ終わるまで拗ねて部屋から出て来なかった。
姉の咲は名門私立小学校に通っている。
咲は制服が着たくてその学校を受験したいと両親に訴え見事合格した。
麗も姉に憧れ、受験するが失敗に終わった。
「おい!俺の母ちゃんが言ってたけど家族みんな美男美女なのにアイツだけブスなんだってさ。」
「そうそう!名前もまきれいだろ?」
「え、マジで?どれどれ?」
と麗の顔を覗き込んでは
「ま、キレイ!」
と笑われ、馬鹿にされた。
麗はなるべく目立たないように静かに学校生活を送った。
髪型も顔をなるべく隠せるようにおかっぱ頭にした。前髪は目が隠れそうなくらい長かった。
掃除の時間もみんながやり残した仕事を最後まで一人でやり遂げ、道端にゴミが落ちていれば拾った。
自分に出来ることは
(心だけでも綺麗でいよう)
ということだけだった。
そんな麗のストレス発散はダンスだった。
韓国アイドルが大好きで動画を観ながら自宅の庭で見様見真似で歌って踊った。
ダンスの腕前は中学生になる頃にはかなり上達していた。
踊っている時の麗は別人のようにカッコ良かった。
兄の誠はベランダからいつもそんな麗を誇らしげに見ていた。
学校では相変わらず目立たず騒がず存在を消していたが、成績はいつも学年でトップだった。
そんなある日
「もし、良かったら付き合って下さい。」
クラスで人気者の陽助に告白された。
麗は告白なんかされたことがないので戸惑ったが、少し嬉しかった。
返事をしようと笑顔を作った瞬間
「やっぱ、無理!笑うとキモい!」
と陽助は逃げ出した。
その先に数人の生徒がいた。
「他の罰ゲームにしてくれよ!」
陽助が言ったその言葉に麗は納得した。
「やっぱりそういうことだよね。」
誰にも見えない麗の天使の羽は今にも折れそうだった。自分には勉強しか取り得が無いとひたすら勉学に励んだ。
中学三年になっても麗は学年一位だった。
ある日担任から呼び出された。
「私立徳才学園高等学校から真木さんに特待生の話が出てるんですが、どうですか?ご両親ともよく話し合って決めて下さい。」
そこは姉が小学校から通っている名門の小中高一貫校だ。
行きたかった学校だったこともあり麗は嬉しかった。
家に帰って家族にその話をすると
両親は万歳して喜んだ。
「よく、やった!特待生なんて凄いぞ!」
「本当に凄いわ!」
兄も「頑張ったな。」
と頭を撫でてくれた。
しかしただ一人喜ばない人物がいた。
「えー!なんであんたが来るの?私のこと姉だなんて絶対に内緒だからね!」
咲はそう言い残して自分の部屋の扉をバタン!と閉めた。
「あの子のことは放っておきなさい!」
桜が笑って言った。
その夜、桜が腕を振るって料理をした。
咲はみんなが食べ終わるまで拗ねて部屋から出て来なかった。
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