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アトラクション4 ホラーレストラン
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ズキ、ズキ。
「……」
喉の痛みのせいで、だんだんと意識が戻ってくる。多分、泣き叫び過ぎたからだろうけど。
「――ぁ」
やがて耳から侵入してくる、回転木馬の音楽にて、無理矢理に起こされた。私は、腐りかけの長椅子に横たわっていた。
「ぅ、ぇ」
真っ先に取り戻した感覚は、股間付近の湿った冷たさであった。いや、湿ったなんてレベルじゃねぇ、ペットボトル一本分をぶちまけたような濡れ具合だった。
下品な夜風が股に入り込み、私の鼻へ小便臭い匂いを届ける。
「――臭くて寒み」
見上げる夜空は、やはり真っ暗だった。
「うぅ、づ」
仰向けのまま、目を腕で隠す。悔しくて悲しくて怖くて、ほんとう、頭がどうにかなりそうだ。いや、もうなりつつあるのかもしれない。
「なんなんだ? なんなんだよぉ」
本当にどうして私がここまでの目に合わねーといけねーんだ。この遊園地をボロカスに言ったせいか?
だったらエリカだって、似たような感じだったろうが。
「? そういや、エリカは?」
女になり、陵辱され続けてきたため、気を回す余裕も無かった。
「(あいつもココに来ているかもしれない。なら見つけて、二人で話し合えば、脱出する案が出るかも)どこ、に」
もうそれに賭けるしかねぇ。少なくともこんなネジの外れた世界で、一人で生き抜くなんてぜってー無理だ。
「(にしても)股間が気色わりぃ」
未だにジンジンする膣は、蓋をする下着すら無かった。ノーパンでこんな丈が短いスカートを履いているなんて。それこそヤッていいよ? と言っているようなものだ。
風が吹く度、腸の中が冷えるみたいで調子も悪い。
「(スカートも濡れてる。どこかでまた着替えねーと)それに、ここは見晴らしが良すぎる。どこかに身を隠しながら、エリカを――」
相変わらずドギツイ音や光と共に回る、いくつもアトラクションから目を逸らして、コソコソと移動する。
「!」
今、何か動いた。また道化師野郎か? でもだったらもっと騒いでいるはずだから、多分違う。
目を細めるに、前方に妙ちくりんな食堂みてーなのが見える。
「(営業しているとは思えねーが)ここで突っ立ってるよりはマシだろ」
私は服の袖で、乱暴に股の付近を拭いつつ、警戒しつつ建物を目指す。
ガチャ。
「――なんだ、こりゃ」
盗み食いを期待して入った、薄暗い食堂の厨房は、B級ホラー映画のような惨状だった。
ある皿の上には、壊れた何かの部品? や錆びた鉄くずが統一感もなくひたすら積まれていた。また、カウンターの上には、見たことのない肉が置かれ、さらに蠅がたかっている。
厨房の大鍋からは、人の足らしきものが覗いていた。
「(オ、オエッ)――せ、せめて水だけでも飲ませてくれよ」
蛇口をひねると水は出た。濁りや錆びは無いみたいで、カラッカラの喉をうるおす。ゴク、ゴク。
「ぱぁ。ふぅ」
さてと、次はエリかを探しながら新しい服を探さないと、
「――って、飲み過ぎて身体が冷えたか?」
尿意が催される。周囲に生き物の気配は無い。近くの排水弁の上にて屈む。
「絶対来るなよ、クソ道化師」
ノーパンのため、そのまま腹筋に力を加え、放尿する。
チロチロチロ。
「ほんと……情けねぇ」
また目頭が熱くなる。女になってから泣きやすくなって仕方が無い。
やがて尿も止まる。さっき漏らしたせいか、量はそこまでは無かった。
カン。
「!」
奥の通路から何かが鳴った気がした。尿道口を拭くのも適当に、音の主をそっと追う。
「……くそ、どこだ?」
カン。まただ。クソ道化師では無いような動きの一方、なにやら誘っている風な感じがしなくもなかった。
「(オレと道化師野郎とは別に、この世界に誰かが?)まさか」
エリカ? 蚊ほどの希望を胸に、不気味で薄暗い通路へと入る。
このレストランは他のスタッフのための複合施設でもあるみたく、シャワールームやトイレ、倉庫があるようだった。
タッタッタ。
「更衣室?」
途中で足を止める。音源を探る前に、服の新調ができないかと、さび付いた扉へ手をかけ、足を踏み入れる。
「カビくっせ」
更衣室とは名ばかりで、あちこちに服やら着ぐるみが乱雑に脱ぎ散らかされている。奥の方で大量に積まれている服の山から、とりあえず適当なのを掴んで引っ張り取る。
「って、おいおい」
なぜか、現勤務先の女子用社員制服とそっくりの服を掴んでいた。サイズ感は合ってそうだったが、コレを着るのか――?
カカン。
「(! 迷ってる暇はねぇ)ちっ」
急ぎ上着を脱ぎ着替え、スカートも履く。探せば下着やもっと他の動きやすい服も出てくるかもしれないが、音を追うのが先だ。
すぐに通路へ戻り、奥へ進む。やがてドン付きへ辿り着き、シャワールーム、の立て札が目に入る。
おそらく、着ぐるみやらで汗をかいた係員が利用する場所なんだろう。中を覗くと六つの個室が用意されていた。
「(んで、それぞれ扉が)――おい、いるんだろ?」
状況から考えて、どれかに隠れている可能性は高い。突然、飛び出てくる可能性も覚悟しつつ、一つ一つを開けていく。
ガチャ。
だがほとんど空で、まだら模様に変色した、気色悪い空っぽの空間に入り込むだけであった。
そして、最後の部屋を――、ガチャリ。
「……!」
ドクン。
目が見開かれ、激しい動悸を感じた。
「ユ、ユウ?」
狭い個室の隅に、腰を降ろし、震える身体と共に、私を見上げるエリカがいた。紫色に変色した唇には血の気がなく、髪もボサボサだった。
バァン!
あらん限りの力で扉を閉めて、外側からロックの部分を足で何度も蹴り、わずかでも変形させる。
「くそ、――クソ糞!」
スーツ姿で走りにくかったが、それでも息も忘れて来た道を戻り逃げる。
「ちょ、ちょっと。何するの? ねぇ、ユウ。待って……ヲい、聞イてンのカ? マテっつってんだろ、ユウウウゥゥ!」
背後から扉が蹴破られる激しい音が鳴り響く。女らしき声は徐々に男みたく野太く変わり、ついに発狂しているかのような響きを帯びてくる。
「(いい加減にしてくれよぉ)ひぃ、ひぃ!」
――もしも本物のエリカなら、女の私を見て、即座にユウと呼ぶわけがねぇ!
驚愕と恐怖で口から心臓が飛び出そうなまま、食堂を後にして、遮二無二に走る。
「ハァ、ハァ。もう、もう――」
どうすりゃいいんだよ。出口の無い迷路なのか? あちこちから聞こえる笑い声が、不気味と腹に溜まる。
やがて見えてきた、灰色の建物の壁に背を預けて、屈みこむ。
「……ハァ、ッ、くそ」
どれだけ走ったかはわからないが、得体の知れない、エリカもどきの声は、聞こえなかった。
ようやく息を整える。その時、あの道化師の言葉を、今更ながらに思い返した。
「――初めて遭った時は五つ目、次は四つ目、そして三つ目、って言いやがったよな?」
口にするまでも無いが、アイツに捕まる度に状況は悪化している。
「意味わかんねーけど、おそらく残機はあと二回? それまでに……」
「ヨアケ ヲムカエナイト」
気が狂いそうになる頭は、残念ながら寸での所で狂わなかった。
ポン。
生き物でも機械でもないであろう、得体の知れないナニかが、隣から伸びて、私の肩に触れた
「……フーターツーメッ、ツカマエタァ!」
呆然とする私の脳に飛び込んできたのは、いつもの仕事先の事務室と酷似している部屋だった。
「――もう、ぃやだぁ」
ギィ。
自分のデスクに突っ伏し、椅子のローラーが少し動く。泣きながら顔を両手で覆う。
「なん、で。どう、すれ、ば?」
その部屋は、十五畳ほどの広さで、端末が配置されている購買課であった。誰もおらず、窓は真っ暗だった。
「……」
カチッ。震える手でパソコンの起動ボタンを押す。だが画面は真っ暗のままだった。
「もう、もぅ」
頭を抱えて俯く、だって頭が壊れそうだから――、
ガチャ。
びくっ、っと身体を震わせながら扉の方を、怯えるように見る。
「あ? 珍しいな。お前が残業してるなんてよ」
「……っ」
瞳孔が開きそうになり、立ち上がって後退る。
「あんだぁ? せっかく課長が慰労に来てやったのに。その引きつった表情はよぉ」
五十代くらいの、やたら整髪剤を塗っている小男は、例えようも無い下品な笑みを浮かべて、扉に鍵をしやがった。
「か、ちょう」
――いや、これは課長じゃねぇ。
だって、さっきまで私は気色悪い遊園地にいたのに、勤め先の会社に来られるわけがない。
だがその見た目は、部長にいつも媚びへつらって、部下を苛め、女社員にはセクハラ行動を連発する課長そのものであった。
ガシッ。
「!」
課長らしき奴は、見下しながら私の細っこい手首を掴んでくる。脈のあたりを親指で擦りつつ、
「……おいユウ。この前、急に会社を休んだよな?」
この前? って、この遊園地に来た時か? エリカに急に誘われて、有給も余ってるし、別にいいかと思って、
モニッ。
「いっ!」
突然、腰へ手を回してきたかと思ったら、スカートの上から尻を揉み撫でてくる。驚きと恐怖と気色悪さでビクッと腰が引ける。
「生理で休んだんじゃねーのかぁ、お前ぇ?」
頭が膿んで腐ってんじゃねーのか!
「ち、ちが、違います!」
否定しつつも、スカートの上を縦横無尽に蠢くその手により、声が強張る。
「男の俺にはわかんねーけど、月のモノで頻繁に休まれるのは、ウチみたいな小規模経営の会社としては大変なんだよ」
てめぇの会社じゃねーだろ!
「で、だ。俺はあんまやりたくねーけど。立場上、部下の指導ってのは、業務範疇内に含まれちまうんだよなぁ」
言葉の内容とは裏腹に、嬉々とした表情で顔の距離を狭めてきやがる。
「か、課長、本当に――」
「ユ~ウ」
手首を掴んでいる方の手を引き寄せられる。もう三十センチメートルくらいの位置に脂ぎった顔が接近する。
「お前はちょっと見た目がいいからって、いつも一言、二言多いんだよ」
ヤニ臭い息を吹きかけつつ、説教を垂れてくる。
「課長、もう本当に」
「それにお前のせいで、若い男社員は気が散ってしょうがねーんだとよ」
はっ? 何が?
「このスカートの中身が、気になってなぁ!」
ベリリッ!
「!」
力任せにスカートを捲られたせいで、裾が解れて引き裂かれ、
「やめっ!」
「――ぶっはは! おいおい、なんでノーパンなんだよお前ぇ!」
白灯の下、薄い陰毛が課長の視界に入ってしまう。そしてこの上なく愉快に嗤いやがる課長野郎は、人差し指で尻の感触を確認し出す。
「(さっき、教師に脱がされたから)ち、違う。これには訳が――」
「……おいクソ痴女! 敬語が抜けてんぞっ!」
パァン!
「っ、痛い!」
いびつな形の爪が生えた手から繰り出される平手が、私の柔らかく震える尻の肉に直撃する。
「おいっ、可愛い桃尻が、震えてん、ぞっ!」
パァン! パァン!
「痛いっ、ひたい!」
さっきの教師ほどじゃねーけど、それでも私が抵抗できないくらいの力で、腰元部分を抱き締められつつ、空いた手で、私の、――ケツを!
「すみ、すみません!」
紅葉型に赤くなった尻を震わせつつ、この上なく無様に、大嫌いな課長の胸板に軽く額を擦りつけて謝罪する。
ピタ。
課長の手が止まる。
「何がすみませんなんだぁ。ユゥぅ?」
嬉しそうに見下す声に吐き気がする。
――だが、ここでまごついたら、さっきより酷い事をされるのは目に見ている。
「(とりあえず今は下手に)ほ、他の男性の集中力を無くしてすみません!」
少しの間の後、腰を掴んでいる課長の手に力がこもる。
ガッ。
「……っ」
顔を少しでも上げると、不細工な気持ち悪い表情の、脂が噴いたようなソレが目の前に迫る。
「本当に反省してんのか?」
「――して、してます!」
鳥肌が止まらない。目がチカチカする。
「じゃあ本当に反省しているのか確認だ」
か、確認?
そう言うと、私の小さな顎を、クィッ、っとまるで恋人気分で上げてくる。
――視界に飛び込んできたのは、蛸みてーに口を押し出した、生理的嫌悪の集大成みたいな顔であった。
「……いゅ、な、なにを――」
嘘。嘘――だよ、なっ?
ブチュバッ。
「~~~んんんん!」
やだっ、もやだぁ!
唇に、きもいクソ課長の乾いてひび割れた感触がこれでもかと押し広がる!
さらに、ケツを叩いていた手で私の後頭部を掴み、押し出してくる。
「ジュル。あ"~、やわらけぇ。――ほい、ゆう、くちあへろ」
口、開けろだぁ? ぜってーに開けるかボケぇ!
モニ、ムニュ。
「ひゃっ!」
顎に触れていた手がスカートの中へと侵入し、生の尻を鷲掴みにしたきた。驚いて僅かに開いた口へ目一杯に、
チュバ、チュバ。
「っ!」
信じられねぇ、くせぇ舌を捻じり込んできやがった!
「ンンン!」
急いで口を歯を閉じようとするも、
ジュポ。
「うるへぇっ」
尻の肉を痛いくらい掴まれる。さらに、課長のやたらと太くて力強い舌によって、簡単に邪魔された。
ジュブ、チュパ。
心底頭がおかしくなりそうな水音が購買部の室内に響く。
「……ぅ、っ」
白い歯がカチカチと、課長の黄色い歯とぶつかる。ヤニの味が微かにする舌によって、口内を蹂躙されちまう。
「――ぁ、ぉ」
次第に抵抗できなくなってきた私の口内を、課長の舌が、まるで掃除するかのように奥へ捻じり挿し、内側や舌を乱暴に舐め吸う。
「んっ、んっ、んっ!」
口を塞がれて息が苦しくなってきたため、心底無様な声をもらしながら、酸素を求める。
――ギュ、ギュ。いつの間にか両手で尻を鷲掴みにされ、いよいよどうにも出来なくなっていた。
もうだめだ、――そう思った時だった。
ジュボァ。
「ゲホッ、ケホ」
汚い水音を響かせながら、突如、課長が私の口から顔を離す。互いに口の周りは唾でベトベトであった。
「はぁ、はぁ」
息が、息が出来る。
「おいユウ」
だが目の前には地獄、
「あのよぉ。お前のせいで、俺の肉棒がパンパンなんだけど?」
本当に今すぐ死ね、この変態セクパワハラ野郎!
「……」
ベリリ、パァン!
「ひぅ!」
黙っている私のスカートが、ついに引き裂き破かれる。そして剥き出しの尻に、何度も打撃を喰らわせやがる!
「生尻出しの変態痴女が、さっさと何とかしろよ! 俺のチンポを!」
十センチメートルの位置から、顔面へ何度も唾を飛ばし怒鳴る。もう死にてぇよぅ。
「すみ、ません! な、何とかします!」
何も考えずに叫ぶ。
「……どーすんだよ」
羽交い絞めに近い状態、もう簡単な嘘では逃げられねぇ。
「なめ、舐めます!」
暴力のは嫌だし、頼むから顔から距離を取りたいと思い、とんでもねーことを口にしてしまった。
「――ほう」
濁った空気の玉を吐くように呟いて、ようやく拘束が解かれる。
「お前が業務改善のため、どうしてもそうしたいってんなら、上席である俺は、受け入れざるを得んなぁ」
クックック、っと嗤いながら私の座っていた椅子に腰を沈める。
「……ぅ」
涙を隠しつつ、両膝を折って課長の前にひざまずく。課長は肘掛けを味わうようにもたれかかり、矮笑を浮かべつつ、
「なに、ぼーっとしってんだ。ユウ」
震える私の顔面の前に、三角に盛り上がった股間があった。嫌がる手指を無理矢理動かし、ふんぞり返る課長のファスナーを開ける。
そして、いわゆる社会の窓に指を突っ込み、ドス黒い欲望のよう色のトランクスを、力を込めて下げると、
ボロン!
「――っ」
生きた槍みてーな、糞キモイ亀頭がそそり立つ。
「あ~、涼し」
てめーの本体は肉棒なのか?
「……おい。お前はいつも仕事がおせーんだよ!」
は?
「――ングッ!」
息が出来ないと思った瞬間、口の中に臭ぇ肉の味が広がる。
「ほぉ~、今度はあったけぇ」
そう。糞課長は私の口を、オナホか何かと勘違いしやがったのか、そそり立つ肉棒を口へ刺し込みやがった!
「んっ、んん~!」
咽喉にチンポが擦り当てられ、再び酸欠状態となり、うめく。
「ユウ、ちゃんと味わえって。お前が自分で舐めるって言ったオチンポ様の味をよぉ」
ガッ。
次の瞬間だった。咽びながら咳込み、それによって小さく揺れる柔らかい髪を、両手で掴まれ、そのまま頭を前後させられる。
グッ、ジュボ、ガボ。
「あー、キモチイ」
だんだん心が変になってきた。それもそうだろ?
蛆が湧きそうなチン毛の畑から生えてでいる臭い肉棒、そしてそれの味と匂いが拡がり続けている口と鼻。そして頭上では涎を垂らしながら興奮の絶頂にいる課長野郎、という役満な現実なのだから。
「ンッ、ンン!」
ついに頭が麻痺してきた。口の中に課長の味が広がるたび、腹の下の辺りに、わけのわからない熱が広がってきた。
さっきの時より早く、より熱くなっているような気すらした。
「どうだユウ。濡れてきたか? あと、歯ぁ立てたら目を突き破るからな?」
化物みてーな笑顔を浮かべつつ、
「ヤリマンなお前は、どーせチンカスしゃぶる度にマンコがびしょ濡れになるんだろ?」
私がしゃべれねぇのを言いことに、好き勝手言いやがって、――クソォ。
「(けど、なんだ?)うぐ、ぉ」
やっぱり腹の中が熱い。
痒いような重いような、女の身体になってから、やはり何度かあった――、そう、灼けるような熱だ。
「んろ、ろ」
課長の亀頭が俺の咽頭へ当たるつど、雁首の恥垢が舌の上で踊るたび、下腹部と後頭部のあたりがじんわりと熱くなりやがる。
ジュボ、チュボ。
咥えてこの発狂状況、大嫌いなゲス男に、口淫を強要される――、
「(なん、だ?)ジュボ、チュプ」
身体の感覚が鈍くなる。腹の下が妙に気怠い。なんか、股のあたりがヌルヌルしてねぇか? 目もトロンとしてきて、乳首がいたぃ。
「美味しいか? ユウ」
うめぇ、ジュル、わけ、チュボ、ねぇだろ。
あれ、でもなんでだ? 小さな舌が勝手に、臭い小便の入り口を舐めてしまう。
でも、なんか、そう、したい、く、な、い?
「――っ、おいユウ。出るぞ。全部飲めよ!」
「うぼっ! んぐぐ」
ビクンビクン!
突如、口の中の肉棒が収縮と膨張を繰り返す。
私はなぜか課長の声と共に、反射的に口を限界まで開いて、クソ気持ち悪い肉棒を頬張ってしまう。
「のめぇ、ユウぅ!」
ドピュ! ビュルル、ビュゥ!
「ンゴ! ンッンッ!」
熱い粘液がの口蓋垂に直撃し、思わず目を強く瞑る。
洪水のように放出された熱くて生臭いソレは、私の口内を汚し付くしつつ、そのまま胃へとなだれ込む。
ゴク、ゴク!
――信じられねぇような邪悪さを味わっているはずの私は、いつしか股を開ききって、ヤンキー座りをしていた。薄いマン毛をモロに晒しながら、
「……ゴッ、ぅ」
気が付けば口の中が冷たかった。舌がチロチロと空気を舐めている。
瞼を上げる。瞳は涙で濡れていた。
ふと見上げると、目の前の課長は、心底汚いものでも見るかのような表情で、なぜか私を見降ろしていた――。
「……」
喉の痛みのせいで、だんだんと意識が戻ってくる。多分、泣き叫び過ぎたからだろうけど。
「――ぁ」
やがて耳から侵入してくる、回転木馬の音楽にて、無理矢理に起こされた。私は、腐りかけの長椅子に横たわっていた。
「ぅ、ぇ」
真っ先に取り戻した感覚は、股間付近の湿った冷たさであった。いや、湿ったなんてレベルじゃねぇ、ペットボトル一本分をぶちまけたような濡れ具合だった。
下品な夜風が股に入り込み、私の鼻へ小便臭い匂いを届ける。
「――臭くて寒み」
見上げる夜空は、やはり真っ暗だった。
「うぅ、づ」
仰向けのまま、目を腕で隠す。悔しくて悲しくて怖くて、ほんとう、頭がどうにかなりそうだ。いや、もうなりつつあるのかもしれない。
「なんなんだ? なんなんだよぉ」
本当にどうして私がここまでの目に合わねーといけねーんだ。この遊園地をボロカスに言ったせいか?
だったらエリカだって、似たような感じだったろうが。
「? そういや、エリカは?」
女になり、陵辱され続けてきたため、気を回す余裕も無かった。
「(あいつもココに来ているかもしれない。なら見つけて、二人で話し合えば、脱出する案が出るかも)どこ、に」
もうそれに賭けるしかねぇ。少なくともこんなネジの外れた世界で、一人で生き抜くなんてぜってー無理だ。
「(にしても)股間が気色わりぃ」
未だにジンジンする膣は、蓋をする下着すら無かった。ノーパンでこんな丈が短いスカートを履いているなんて。それこそヤッていいよ? と言っているようなものだ。
風が吹く度、腸の中が冷えるみたいで調子も悪い。
「(スカートも濡れてる。どこかでまた着替えねーと)それに、ここは見晴らしが良すぎる。どこかに身を隠しながら、エリカを――」
相変わらずドギツイ音や光と共に回る、いくつもアトラクションから目を逸らして、コソコソと移動する。
「!」
今、何か動いた。また道化師野郎か? でもだったらもっと騒いでいるはずだから、多分違う。
目を細めるに、前方に妙ちくりんな食堂みてーなのが見える。
「(営業しているとは思えねーが)ここで突っ立ってるよりはマシだろ」
私は服の袖で、乱暴に股の付近を拭いつつ、警戒しつつ建物を目指す。
ガチャ。
「――なんだ、こりゃ」
盗み食いを期待して入った、薄暗い食堂の厨房は、B級ホラー映画のような惨状だった。
ある皿の上には、壊れた何かの部品? や錆びた鉄くずが統一感もなくひたすら積まれていた。また、カウンターの上には、見たことのない肉が置かれ、さらに蠅がたかっている。
厨房の大鍋からは、人の足らしきものが覗いていた。
「(オ、オエッ)――せ、せめて水だけでも飲ませてくれよ」
蛇口をひねると水は出た。濁りや錆びは無いみたいで、カラッカラの喉をうるおす。ゴク、ゴク。
「ぱぁ。ふぅ」
さてと、次はエリかを探しながら新しい服を探さないと、
「――って、飲み過ぎて身体が冷えたか?」
尿意が催される。周囲に生き物の気配は無い。近くの排水弁の上にて屈む。
「絶対来るなよ、クソ道化師」
ノーパンのため、そのまま腹筋に力を加え、放尿する。
チロチロチロ。
「ほんと……情けねぇ」
また目頭が熱くなる。女になってから泣きやすくなって仕方が無い。
やがて尿も止まる。さっき漏らしたせいか、量はそこまでは無かった。
カン。
「!」
奥の通路から何かが鳴った気がした。尿道口を拭くのも適当に、音の主をそっと追う。
「……くそ、どこだ?」
カン。まただ。クソ道化師では無いような動きの一方、なにやら誘っている風な感じがしなくもなかった。
「(オレと道化師野郎とは別に、この世界に誰かが?)まさか」
エリカ? 蚊ほどの希望を胸に、不気味で薄暗い通路へと入る。
このレストランは他のスタッフのための複合施設でもあるみたく、シャワールームやトイレ、倉庫があるようだった。
タッタッタ。
「更衣室?」
途中で足を止める。音源を探る前に、服の新調ができないかと、さび付いた扉へ手をかけ、足を踏み入れる。
「カビくっせ」
更衣室とは名ばかりで、あちこちに服やら着ぐるみが乱雑に脱ぎ散らかされている。奥の方で大量に積まれている服の山から、とりあえず適当なのを掴んで引っ張り取る。
「って、おいおい」
なぜか、現勤務先の女子用社員制服とそっくりの服を掴んでいた。サイズ感は合ってそうだったが、コレを着るのか――?
カカン。
「(! 迷ってる暇はねぇ)ちっ」
急ぎ上着を脱ぎ着替え、スカートも履く。探せば下着やもっと他の動きやすい服も出てくるかもしれないが、音を追うのが先だ。
すぐに通路へ戻り、奥へ進む。やがてドン付きへ辿り着き、シャワールーム、の立て札が目に入る。
おそらく、着ぐるみやらで汗をかいた係員が利用する場所なんだろう。中を覗くと六つの個室が用意されていた。
「(んで、それぞれ扉が)――おい、いるんだろ?」
状況から考えて、どれかに隠れている可能性は高い。突然、飛び出てくる可能性も覚悟しつつ、一つ一つを開けていく。
ガチャ。
だがほとんど空で、まだら模様に変色した、気色悪い空っぽの空間に入り込むだけであった。
そして、最後の部屋を――、ガチャリ。
「……!」
ドクン。
目が見開かれ、激しい動悸を感じた。
「ユ、ユウ?」
狭い個室の隅に、腰を降ろし、震える身体と共に、私を見上げるエリカがいた。紫色に変色した唇には血の気がなく、髪もボサボサだった。
バァン!
あらん限りの力で扉を閉めて、外側からロックの部分を足で何度も蹴り、わずかでも変形させる。
「くそ、――クソ糞!」
スーツ姿で走りにくかったが、それでも息も忘れて来た道を戻り逃げる。
「ちょ、ちょっと。何するの? ねぇ、ユウ。待って……ヲい、聞イてンのカ? マテっつってんだろ、ユウウウゥゥ!」
背後から扉が蹴破られる激しい音が鳴り響く。女らしき声は徐々に男みたく野太く変わり、ついに発狂しているかのような響きを帯びてくる。
「(いい加減にしてくれよぉ)ひぃ、ひぃ!」
――もしも本物のエリカなら、女の私を見て、即座にユウと呼ぶわけがねぇ!
驚愕と恐怖で口から心臓が飛び出そうなまま、食堂を後にして、遮二無二に走る。
「ハァ、ハァ。もう、もう――」
どうすりゃいいんだよ。出口の無い迷路なのか? あちこちから聞こえる笑い声が、不気味と腹に溜まる。
やがて見えてきた、灰色の建物の壁に背を預けて、屈みこむ。
「……ハァ、ッ、くそ」
どれだけ走ったかはわからないが、得体の知れない、エリカもどきの声は、聞こえなかった。
ようやく息を整える。その時、あの道化師の言葉を、今更ながらに思い返した。
「――初めて遭った時は五つ目、次は四つ目、そして三つ目、って言いやがったよな?」
口にするまでも無いが、アイツに捕まる度に状況は悪化している。
「意味わかんねーけど、おそらく残機はあと二回? それまでに……」
「ヨアケ ヲムカエナイト」
気が狂いそうになる頭は、残念ながら寸での所で狂わなかった。
ポン。
生き物でも機械でもないであろう、得体の知れないナニかが、隣から伸びて、私の肩に触れた
「……フーターツーメッ、ツカマエタァ!」
呆然とする私の脳に飛び込んできたのは、いつもの仕事先の事務室と酷似している部屋だった。
「――もう、ぃやだぁ」
ギィ。
自分のデスクに突っ伏し、椅子のローラーが少し動く。泣きながら顔を両手で覆う。
「なん、で。どう、すれ、ば?」
その部屋は、十五畳ほどの広さで、端末が配置されている購買課であった。誰もおらず、窓は真っ暗だった。
「……」
カチッ。震える手でパソコンの起動ボタンを押す。だが画面は真っ暗のままだった。
「もう、もぅ」
頭を抱えて俯く、だって頭が壊れそうだから――、
ガチャ。
びくっ、っと身体を震わせながら扉の方を、怯えるように見る。
「あ? 珍しいな。お前が残業してるなんてよ」
「……っ」
瞳孔が開きそうになり、立ち上がって後退る。
「あんだぁ? せっかく課長が慰労に来てやったのに。その引きつった表情はよぉ」
五十代くらいの、やたら整髪剤を塗っている小男は、例えようも無い下品な笑みを浮かべて、扉に鍵をしやがった。
「か、ちょう」
――いや、これは課長じゃねぇ。
だって、さっきまで私は気色悪い遊園地にいたのに、勤め先の会社に来られるわけがない。
だがその見た目は、部長にいつも媚びへつらって、部下を苛め、女社員にはセクハラ行動を連発する課長そのものであった。
ガシッ。
「!」
課長らしき奴は、見下しながら私の細っこい手首を掴んでくる。脈のあたりを親指で擦りつつ、
「……おいユウ。この前、急に会社を休んだよな?」
この前? って、この遊園地に来た時か? エリカに急に誘われて、有給も余ってるし、別にいいかと思って、
モニッ。
「いっ!」
突然、腰へ手を回してきたかと思ったら、スカートの上から尻を揉み撫でてくる。驚きと恐怖と気色悪さでビクッと腰が引ける。
「生理で休んだんじゃねーのかぁ、お前ぇ?」
頭が膿んで腐ってんじゃねーのか!
「ち、ちが、違います!」
否定しつつも、スカートの上を縦横無尽に蠢くその手により、声が強張る。
「男の俺にはわかんねーけど、月のモノで頻繁に休まれるのは、ウチみたいな小規模経営の会社としては大変なんだよ」
てめぇの会社じゃねーだろ!
「で、だ。俺はあんまやりたくねーけど。立場上、部下の指導ってのは、業務範疇内に含まれちまうんだよなぁ」
言葉の内容とは裏腹に、嬉々とした表情で顔の距離を狭めてきやがる。
「か、課長、本当に――」
「ユ~ウ」
手首を掴んでいる方の手を引き寄せられる。もう三十センチメートルくらいの位置に脂ぎった顔が接近する。
「お前はちょっと見た目がいいからって、いつも一言、二言多いんだよ」
ヤニ臭い息を吹きかけつつ、説教を垂れてくる。
「課長、もう本当に」
「それにお前のせいで、若い男社員は気が散ってしょうがねーんだとよ」
はっ? 何が?
「このスカートの中身が、気になってなぁ!」
ベリリッ!
「!」
力任せにスカートを捲られたせいで、裾が解れて引き裂かれ、
「やめっ!」
「――ぶっはは! おいおい、なんでノーパンなんだよお前ぇ!」
白灯の下、薄い陰毛が課長の視界に入ってしまう。そしてこの上なく愉快に嗤いやがる課長野郎は、人差し指で尻の感触を確認し出す。
「(さっき、教師に脱がされたから)ち、違う。これには訳が――」
「……おいクソ痴女! 敬語が抜けてんぞっ!」
パァン!
「っ、痛い!」
いびつな形の爪が生えた手から繰り出される平手が、私の柔らかく震える尻の肉に直撃する。
「おいっ、可愛い桃尻が、震えてん、ぞっ!」
パァン! パァン!
「痛いっ、ひたい!」
さっきの教師ほどじゃねーけど、それでも私が抵抗できないくらいの力で、腰元部分を抱き締められつつ、空いた手で、私の、――ケツを!
「すみ、すみません!」
紅葉型に赤くなった尻を震わせつつ、この上なく無様に、大嫌いな課長の胸板に軽く額を擦りつけて謝罪する。
ピタ。
課長の手が止まる。
「何がすみませんなんだぁ。ユゥぅ?」
嬉しそうに見下す声に吐き気がする。
――だが、ここでまごついたら、さっきより酷い事をされるのは目に見ている。
「(とりあえず今は下手に)ほ、他の男性の集中力を無くしてすみません!」
少しの間の後、腰を掴んでいる課長の手に力がこもる。
ガッ。
「……っ」
顔を少しでも上げると、不細工な気持ち悪い表情の、脂が噴いたようなソレが目の前に迫る。
「本当に反省してんのか?」
「――して、してます!」
鳥肌が止まらない。目がチカチカする。
「じゃあ本当に反省しているのか確認だ」
か、確認?
そう言うと、私の小さな顎を、クィッ、っとまるで恋人気分で上げてくる。
――視界に飛び込んできたのは、蛸みてーに口を押し出した、生理的嫌悪の集大成みたいな顔であった。
「……いゅ、な、なにを――」
嘘。嘘――だよ、なっ?
ブチュバッ。
「~~~んんんん!」
やだっ、もやだぁ!
唇に、きもいクソ課長の乾いてひび割れた感触がこれでもかと押し広がる!
さらに、ケツを叩いていた手で私の後頭部を掴み、押し出してくる。
「ジュル。あ"~、やわらけぇ。――ほい、ゆう、くちあへろ」
口、開けろだぁ? ぜってーに開けるかボケぇ!
モニ、ムニュ。
「ひゃっ!」
顎に触れていた手がスカートの中へと侵入し、生の尻を鷲掴みにしたきた。驚いて僅かに開いた口へ目一杯に、
チュバ、チュバ。
「っ!」
信じられねぇ、くせぇ舌を捻じり込んできやがった!
「ンンン!」
急いで口を歯を閉じようとするも、
ジュポ。
「うるへぇっ」
尻の肉を痛いくらい掴まれる。さらに、課長のやたらと太くて力強い舌によって、簡単に邪魔された。
ジュブ、チュパ。
心底頭がおかしくなりそうな水音が購買部の室内に響く。
「……ぅ、っ」
白い歯がカチカチと、課長の黄色い歯とぶつかる。ヤニの味が微かにする舌によって、口内を蹂躙されちまう。
「――ぁ、ぉ」
次第に抵抗できなくなってきた私の口内を、課長の舌が、まるで掃除するかのように奥へ捻じり挿し、内側や舌を乱暴に舐め吸う。
「んっ、んっ、んっ!」
口を塞がれて息が苦しくなってきたため、心底無様な声をもらしながら、酸素を求める。
――ギュ、ギュ。いつの間にか両手で尻を鷲掴みにされ、いよいよどうにも出来なくなっていた。
もうだめだ、――そう思った時だった。
ジュボァ。
「ゲホッ、ケホ」
汚い水音を響かせながら、突如、課長が私の口から顔を離す。互いに口の周りは唾でベトベトであった。
「はぁ、はぁ」
息が、息が出来る。
「おいユウ」
だが目の前には地獄、
「あのよぉ。お前のせいで、俺の肉棒がパンパンなんだけど?」
本当に今すぐ死ね、この変態セクパワハラ野郎!
「……」
ベリリ、パァン!
「ひぅ!」
黙っている私のスカートが、ついに引き裂き破かれる。そして剥き出しの尻に、何度も打撃を喰らわせやがる!
「生尻出しの変態痴女が、さっさと何とかしろよ! 俺のチンポを!」
十センチメートルの位置から、顔面へ何度も唾を飛ばし怒鳴る。もう死にてぇよぅ。
「すみ、ません! な、何とかします!」
何も考えずに叫ぶ。
「……どーすんだよ」
羽交い絞めに近い状態、もう簡単な嘘では逃げられねぇ。
「なめ、舐めます!」
暴力のは嫌だし、頼むから顔から距離を取りたいと思い、とんでもねーことを口にしてしまった。
「――ほう」
濁った空気の玉を吐くように呟いて、ようやく拘束が解かれる。
「お前が業務改善のため、どうしてもそうしたいってんなら、上席である俺は、受け入れざるを得んなぁ」
クックック、っと嗤いながら私の座っていた椅子に腰を沈める。
「……ぅ」
涙を隠しつつ、両膝を折って課長の前にひざまずく。課長は肘掛けを味わうようにもたれかかり、矮笑を浮かべつつ、
「なに、ぼーっとしってんだ。ユウ」
震える私の顔面の前に、三角に盛り上がった股間があった。嫌がる手指を無理矢理動かし、ふんぞり返る課長のファスナーを開ける。
そして、いわゆる社会の窓に指を突っ込み、ドス黒い欲望のよう色のトランクスを、力を込めて下げると、
ボロン!
「――っ」
生きた槍みてーな、糞キモイ亀頭がそそり立つ。
「あ~、涼し」
てめーの本体は肉棒なのか?
「……おい。お前はいつも仕事がおせーんだよ!」
は?
「――ングッ!」
息が出来ないと思った瞬間、口の中に臭ぇ肉の味が広がる。
「ほぉ~、今度はあったけぇ」
そう。糞課長は私の口を、オナホか何かと勘違いしやがったのか、そそり立つ肉棒を口へ刺し込みやがった!
「んっ、んん~!」
咽喉にチンポが擦り当てられ、再び酸欠状態となり、うめく。
「ユウ、ちゃんと味わえって。お前が自分で舐めるって言ったオチンポ様の味をよぉ」
ガッ。
次の瞬間だった。咽びながら咳込み、それによって小さく揺れる柔らかい髪を、両手で掴まれ、そのまま頭を前後させられる。
グッ、ジュボ、ガボ。
「あー、キモチイ」
だんだん心が変になってきた。それもそうだろ?
蛆が湧きそうなチン毛の畑から生えてでいる臭い肉棒、そしてそれの味と匂いが拡がり続けている口と鼻。そして頭上では涎を垂らしながら興奮の絶頂にいる課長野郎、という役満な現実なのだから。
「ンッ、ンン!」
ついに頭が麻痺してきた。口の中に課長の味が広がるたび、腹の下の辺りに、わけのわからない熱が広がってきた。
さっきの時より早く、より熱くなっているような気すらした。
「どうだユウ。濡れてきたか? あと、歯ぁ立てたら目を突き破るからな?」
化物みてーな笑顔を浮かべつつ、
「ヤリマンなお前は、どーせチンカスしゃぶる度にマンコがびしょ濡れになるんだろ?」
私がしゃべれねぇのを言いことに、好き勝手言いやがって、――クソォ。
「(けど、なんだ?)うぐ、ぉ」
やっぱり腹の中が熱い。
痒いような重いような、女の身体になってから、やはり何度かあった――、そう、灼けるような熱だ。
「んろ、ろ」
課長の亀頭が俺の咽頭へ当たるつど、雁首の恥垢が舌の上で踊るたび、下腹部と後頭部のあたりがじんわりと熱くなりやがる。
ジュボ、チュボ。
咥えてこの発狂状況、大嫌いなゲス男に、口淫を強要される――、
「(なん、だ?)ジュボ、チュプ」
身体の感覚が鈍くなる。腹の下が妙に気怠い。なんか、股のあたりがヌルヌルしてねぇか? 目もトロンとしてきて、乳首がいたぃ。
「美味しいか? ユウ」
うめぇ、ジュル、わけ、チュボ、ねぇだろ。
あれ、でもなんでだ? 小さな舌が勝手に、臭い小便の入り口を舐めてしまう。
でも、なんか、そう、したい、く、な、い?
「――っ、おいユウ。出るぞ。全部飲めよ!」
「うぼっ! んぐぐ」
ビクンビクン!
突如、口の中の肉棒が収縮と膨張を繰り返す。
私はなぜか課長の声と共に、反射的に口を限界まで開いて、クソ気持ち悪い肉棒を頬張ってしまう。
「のめぇ、ユウぅ!」
ドピュ! ビュルル、ビュゥ!
「ンゴ! ンッンッ!」
熱い粘液がの口蓋垂に直撃し、思わず目を強く瞑る。
洪水のように放出された熱くて生臭いソレは、私の口内を汚し付くしつつ、そのまま胃へとなだれ込む。
ゴク、ゴク!
――信じられねぇような邪悪さを味わっているはずの私は、いつしか股を開ききって、ヤンキー座りをしていた。薄いマン毛をモロに晒しながら、
「……ゴッ、ぅ」
気が付けば口の中が冷たかった。舌がチロチロと空気を舐めている。
瞼を上げる。瞳は涙で濡れていた。
ふと見上げると、目の前の課長は、心底汚いものでも見るかのような表情で、なぜか私を見降ろしていた――。
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