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戸惑いつつも、看護師の着替え室らしき室から出る。通路沿いに進むと、昇降機らしきものが見つける。
扉は汚れているが、電気さえ通れば利用できる可能性は大いにあった――だが。
「――えっ?」
視線はすぐ近くの案内板にて、だらしなく横たわる、ヒトガタの死体へと釘付けになった。
血の臭いが飛び交う中、屈んで調べるに、酷く身体を損壊していることが見て取れた。問題は、銃や包丁による傷痕ではなく、何か、圧倒的な力により潰されたような死に方であったことだ。
「(同じヒトガタに出来るとは思えない)……」
ナニかいる。この階層には。
僕は震える身体を抱きしめつつ、通路先にあった『電気系統操作室』の扉を見つけて入る。
ガチャ……中はやはり真っ暗であった。手探りで、扉近くの開閉器を押す。
カチッ。
弱々しい光が灯る、その次の瞬間。――ガッ!
「えっ?」
右の手首が掴まれる。
「……ヴェアー」
そう、すぐ近くにヒトガタがいたのであった。
「(嘘、臭いに気付かなかった?)」
――だがそれだけでは終わらない。
ガシ!
次いで左手の二の腕の辺りを握られる。
「ヴェへ、ヴェヘ」
久々の獲物に、愉悦を隠しきれない両個体のヒトガタ達であった。
「っ!」
僕より二十センチメートル以上大きいであろうそれらのヒトガタを、震えながら見上げる――そして。
「う、そ」
言葉を失った。なぜなら、この狭い室内の奥に、もう一体のヒトガタがひそんでいたのだから。
両脇のヒトガタは、腕を掴んだまま、僕の頭上あたりに顔を持ってくる。
「(くぅ。一体――)なに、を?」
すると互いに、悪臭漂う口を開き、まずはと涎を僕の谷間へと流し込む。それらはまるで人工潤滑油のごとく滑り流れ、奇妙な温かさに戸惑いを覚える。
そして――。
ムニュ、モニュ。
「(やっぱ、り)ぅ」
案の定、空いている方の手で、服の上から乳房を鷲掴みにしてくる。
自慰の直後だが、わずかながらに取り戻した理性で、何とか逃げ算段を考える。
――とにかく、ヒトガタの体液なり精液を口にしては絶対ダメだ。それだけは死守するように頭に叩き込む。
モニュゥ、モニュ、ニュ。
「っ」
無遠慮に、大きな乳房を揉みしだく。腰が引けそうになると、掴んだ腕を引っ張って無理やり態勢を戻され、その繰り返しを強いられる。
「(――に、しても)ぅぅ」
本来であれば腹の底から湧き上がる拒絶感が、具体的な逃亡作戦を考えるのを手伝ってくれるはずであった。……だが、なぜかそれらの感情があまり湧いてこず、逆に奇異な温かさを胸が溜め始める。
そして、奥にある配電盤を打見した後、恐怖を覚える。もちろん、奥で立ち尽くすヒトガタだ。
ソイツは顔を少し傾けて、口から涎を垂らす一方、ニタニタとしているだけで、一向に動く気配が無い。
「(なにを、考え――)ひゃ!?」
大きめの可愛らしい女っぽい悲鳴――もちろんボクの――が響く。
いつの間にか衣服から引っ張り出された乳首を、二つの舌が舐めつつ、吸引し、飴玉のように転がされ始めていたのだ。
「ちょっと! ……んんっ」
嫌悪感……もだが、やはり先の自慰のせいか、奇妙な得体の知れない感覚が、電気のごとく乳首から全身へ走る。
股間部分がモゾモゾする中、下手をすると、この生理的嫌悪感を塗りつぶしかねない、不可思議だが強い桃色の感覚に軽い畏怖すら覚える。
そんな僕の心情など知る気も無く、胸の辺りにてのた打つ腐敗した舌は、硬化しつつある乳首を縦へ横へ嬲った後、甘噛みして吸い付き、そして再びつつき始める。
趣は露と無いが、何度も何度もされると、次第に、そのぅ――。
「(どう、したら? でも、こんな状況)……えっ?」
下腹部へ順当に熱が加えられて、理性が削られるこの状況下にて、奥のヒトガタがようやくと動き、こちらへ近寄ってくる。
肉食獣に囲まれて、震える小羊のように立つ僕。
両脇のヒトガタによって無理やり立たされ、乳房を丸出しに、陰部だって簡単に覗かれるこの態勢。
奥のヒトガタは、両脇のヒトガタが必死に乳首を吸うそれらの頭上にて迫り、僕の顎を、クイッ、っと上げる。
「(――え、嘘)や、ダメ!」
節々が膿み、あるいは剥離しそうな醜い顔を近づけて、大きなジュクジュクの唇を開き、僕の口内へ垂らし流そうとするも。
「~~~ッ!」
頑なに閉じて、無意味であろう抵抗をする。
「(涎なんて飲まされたら、もう、本当に)んぐっ」
だが、その抵抗を本能でか、予見していたかのように。
――レロ、レロン。
「!」
にやけた笑みを浮かべて、瑞々しく小さい僕の唇を舐め、唾液を塗布してくる。
――……まるで上質な甘味料を塗りたくられたかのごとく、皮膚と脳は錯覚する。
「(耐え、て、ボク)ッ」
……時間の感覚は当に潰えていた。無様で無意味に足掻く僕は、だけど。
ニヤァ。
そんなカツカツな僕が、周囲にて邪悪な思考を渦巻かせる取巻きのことなど、気付く余裕は皆無であった。
チュパ……カリ。
「痛っ」
乳首に軽く歯を立たされた程度の衝撃により、小さな口が容易に開いてしまい、そして。
ジュパ、ッチュ。
「!?」
身の毛もよだつ衝撃、は一瞬だけであった。
――信じられない。まるで最愛の恋人に接吻をされたかと勘違いするほどの温かさ、柔らかさ、幸福感が脳を、胸中を満たす。
醜悪と思っていた爛れた口や舌への偏見は徐々に改められ、むしろ好感が膨れ上がっていく――。
ジュパ、チュバ!
「んんっ」
などと思考していると、口内にて目の前のヒトガタの舌が乱暴に蠢く。
――いや、乱暴という言葉は言いすぎであるように思えた。僕を気遣って誘ってくれていた舌へ、おそるおそる、媚びるように舌を絡ませてしまう。
「ヴェフ。ヴェー」
ヒトガタの腐敗した舌は、近寄ってきた僕の柔らかくて小さな舌を絡め取り、舐め吸い、そして押し潰す。
その度、僕の中で芽生え始めた被虐心が疼き、同時に卑しくも喉を鳴らすように唾液を飲み干す。
ゴク、チュパ!
「んっ!」
胸の先がジンジンと熱いかと思えば、乳首から伝わる痛いほどの刺激。
身体のいたるところに火を付けられたように感じる僕は、さらなる熱で打ち消そうと、目の前のヒトガタに噛み付くように舌を捻じり刺してしまう。
ジュパァ、ジュルル。
グチョグチョの口内ではあるものの、やはりさっきまで抱いていた嫌悪感はほとんど感じられず、代わって温かさや――そ、その、愛情に溢れているように感じた。
チューパ、チューパ。
目を閉じて舌先と口に神経を集中させる。いつの間にか、ヒトガタの唾液と、僕の唾液を交換する作業に従事し、ゴクゴク、っといやらしく喉を鳴らす。
「……?」
気が付けば、両脇のヒトガタの補助など関係なく、僕は普通に立っていた。
そして、乳首にしゃぶりつくヒトガタのジュクジュクした後頭部を優しく抱きつつ、顔の角度を限界まで上げた。
それは接吻のだけでは飽き足らず、正面のヒトガタの歯垢を舐め取るためであった。
「ん。んん、あん――」
瞳は涙ぐみ、乳首は硬度を増して、そして陰毛の下を何かの粘液が伝い始めた時。
「んんっ!?」
突如、両脇のヒトガタが僕を軽々と抱え上げる。僕は驚きながら――だが接吻だけは止めず、横目で見る。
「……ヴェァ」
僕は中空で、M字にて股を開かされていた。捲れたスカートからのぞく、ほっそりとした脚の根元は、朝露のごとく濡れ光っていた。
「(あぁ、恥ずかしい)――んぐ」
言葉とは裏腹に、二人のヒトガタによる乳吸いの二重奏により、淫らに悶える乳首はキュっと撓っていた。硬化した歯ごたえを愉しむように、歯で舌で何度も苛め倒してくれた。
そして、僕の小さな唇は、正面のヒトガタによってベトベトにされて、まるで食事に失敗した赤ちゃんのような口元になっていた。
だが意外にも、次の瞬間。
ジュポン、チュパン。
「――えっ?」
思わず、名残惜しそうに喘いでしまう。
ヒトガタ全員が、ほぼ同時に口を僕から離し、唾液を滴らせる。
そして降ろされて立ち尽くし、困惑するボクを、三人は改めて、弱々しい電灯の下にて眺め始めた。
――美しく、非力で、若く、極めて妊娠適正が高いであろう上質な女。乳首は紅く充血し、形が良い乳房は、興奮で卑猥に震えていた。極めつけは、性器から垂れる、もっとも淫らな液体。
「……アア"」
ボクを値踏みする様子を見て、既に倒壊しかけた――散々、大切とのたまった記憶や理性を踏みにじるように。
「――ふふっ」
まるで挑発するように笑い、口を半開きにして、舌をチロチロ、っと揺らす。
ゴクリ。
両脇のヒトガタは生唾を飲み込みながら、肉棒をこれでもかとそそり立たせる。奥のヒトガタとて同じであった。
その情景を見て、心の中で少し嗤いそうになった。
――だって、あれだけ恐怖の対象であったヒトガタ達に対して、ある意味において、ボクが主導権を握りつつあるのだから。
……そうだ、もう殺されることは無い。
そう考えると、大きな安心感と共に、狂った欲望心が膨張する。
口内の腐った唾液を味わいつつ、細い指にて、小陰口を恥じらいつつ開く。まるで、匂い立つ花弁を、無理やりこじ開けるように。
ボクは妖艶な笑みを浮かべつつ、だが媚び諂いながら。
「……ねぇ、誰から交尾?」
言葉が通じないはずだが、ヒトガタ達は、小刻みに震え始める。
ボクはこの狂気の世界からの帰還を忘れかけた――。
扉は汚れているが、電気さえ通れば利用できる可能性は大いにあった――だが。
「――えっ?」
視線はすぐ近くの案内板にて、だらしなく横たわる、ヒトガタの死体へと釘付けになった。
血の臭いが飛び交う中、屈んで調べるに、酷く身体を損壊していることが見て取れた。問題は、銃や包丁による傷痕ではなく、何か、圧倒的な力により潰されたような死に方であったことだ。
「(同じヒトガタに出来るとは思えない)……」
ナニかいる。この階層には。
僕は震える身体を抱きしめつつ、通路先にあった『電気系統操作室』の扉を見つけて入る。
ガチャ……中はやはり真っ暗であった。手探りで、扉近くの開閉器を押す。
カチッ。
弱々しい光が灯る、その次の瞬間。――ガッ!
「えっ?」
右の手首が掴まれる。
「……ヴェアー」
そう、すぐ近くにヒトガタがいたのであった。
「(嘘、臭いに気付かなかった?)」
――だがそれだけでは終わらない。
ガシ!
次いで左手の二の腕の辺りを握られる。
「ヴェへ、ヴェヘ」
久々の獲物に、愉悦を隠しきれない両個体のヒトガタ達であった。
「っ!」
僕より二十センチメートル以上大きいであろうそれらのヒトガタを、震えながら見上げる――そして。
「う、そ」
言葉を失った。なぜなら、この狭い室内の奥に、もう一体のヒトガタがひそんでいたのだから。
両脇のヒトガタは、腕を掴んだまま、僕の頭上あたりに顔を持ってくる。
「(くぅ。一体――)なに、を?」
すると互いに、悪臭漂う口を開き、まずはと涎を僕の谷間へと流し込む。それらはまるで人工潤滑油のごとく滑り流れ、奇妙な温かさに戸惑いを覚える。
そして――。
ムニュ、モニュ。
「(やっぱ、り)ぅ」
案の定、空いている方の手で、服の上から乳房を鷲掴みにしてくる。
自慰の直後だが、わずかながらに取り戻した理性で、何とか逃げ算段を考える。
――とにかく、ヒトガタの体液なり精液を口にしては絶対ダメだ。それだけは死守するように頭に叩き込む。
モニュゥ、モニュ、ニュ。
「っ」
無遠慮に、大きな乳房を揉みしだく。腰が引けそうになると、掴んだ腕を引っ張って無理やり態勢を戻され、その繰り返しを強いられる。
「(――に、しても)ぅぅ」
本来であれば腹の底から湧き上がる拒絶感が、具体的な逃亡作戦を考えるのを手伝ってくれるはずであった。……だが、なぜかそれらの感情があまり湧いてこず、逆に奇異な温かさを胸が溜め始める。
そして、奥にある配電盤を打見した後、恐怖を覚える。もちろん、奥で立ち尽くすヒトガタだ。
ソイツは顔を少し傾けて、口から涎を垂らす一方、ニタニタとしているだけで、一向に動く気配が無い。
「(なにを、考え――)ひゃ!?」
大きめの可愛らしい女っぽい悲鳴――もちろんボクの――が響く。
いつの間にか衣服から引っ張り出された乳首を、二つの舌が舐めつつ、吸引し、飴玉のように転がされ始めていたのだ。
「ちょっと! ……んんっ」
嫌悪感……もだが、やはり先の自慰のせいか、奇妙な得体の知れない感覚が、電気のごとく乳首から全身へ走る。
股間部分がモゾモゾする中、下手をすると、この生理的嫌悪感を塗りつぶしかねない、不可思議だが強い桃色の感覚に軽い畏怖すら覚える。
そんな僕の心情など知る気も無く、胸の辺りにてのた打つ腐敗した舌は、硬化しつつある乳首を縦へ横へ嬲った後、甘噛みして吸い付き、そして再びつつき始める。
趣は露と無いが、何度も何度もされると、次第に、そのぅ――。
「(どう、したら? でも、こんな状況)……えっ?」
下腹部へ順当に熱が加えられて、理性が削られるこの状況下にて、奥のヒトガタがようやくと動き、こちらへ近寄ってくる。
肉食獣に囲まれて、震える小羊のように立つ僕。
両脇のヒトガタによって無理やり立たされ、乳房を丸出しに、陰部だって簡単に覗かれるこの態勢。
奥のヒトガタは、両脇のヒトガタが必死に乳首を吸うそれらの頭上にて迫り、僕の顎を、クイッ、っと上げる。
「(――え、嘘)や、ダメ!」
節々が膿み、あるいは剥離しそうな醜い顔を近づけて、大きなジュクジュクの唇を開き、僕の口内へ垂らし流そうとするも。
「~~~ッ!」
頑なに閉じて、無意味であろう抵抗をする。
「(涎なんて飲まされたら、もう、本当に)んぐっ」
だが、その抵抗を本能でか、予見していたかのように。
――レロ、レロン。
「!」
にやけた笑みを浮かべて、瑞々しく小さい僕の唇を舐め、唾液を塗布してくる。
――……まるで上質な甘味料を塗りたくられたかのごとく、皮膚と脳は錯覚する。
「(耐え、て、ボク)ッ」
……時間の感覚は当に潰えていた。無様で無意味に足掻く僕は、だけど。
ニヤァ。
そんなカツカツな僕が、周囲にて邪悪な思考を渦巻かせる取巻きのことなど、気付く余裕は皆無であった。
チュパ……カリ。
「痛っ」
乳首に軽く歯を立たされた程度の衝撃により、小さな口が容易に開いてしまい、そして。
ジュパ、ッチュ。
「!?」
身の毛もよだつ衝撃、は一瞬だけであった。
――信じられない。まるで最愛の恋人に接吻をされたかと勘違いするほどの温かさ、柔らかさ、幸福感が脳を、胸中を満たす。
醜悪と思っていた爛れた口や舌への偏見は徐々に改められ、むしろ好感が膨れ上がっていく――。
ジュパ、チュバ!
「んんっ」
などと思考していると、口内にて目の前のヒトガタの舌が乱暴に蠢く。
――いや、乱暴という言葉は言いすぎであるように思えた。僕を気遣って誘ってくれていた舌へ、おそるおそる、媚びるように舌を絡ませてしまう。
「ヴェフ。ヴェー」
ヒトガタの腐敗した舌は、近寄ってきた僕の柔らかくて小さな舌を絡め取り、舐め吸い、そして押し潰す。
その度、僕の中で芽生え始めた被虐心が疼き、同時に卑しくも喉を鳴らすように唾液を飲み干す。
ゴク、チュパ!
「んっ!」
胸の先がジンジンと熱いかと思えば、乳首から伝わる痛いほどの刺激。
身体のいたるところに火を付けられたように感じる僕は、さらなる熱で打ち消そうと、目の前のヒトガタに噛み付くように舌を捻じり刺してしまう。
ジュパァ、ジュルル。
グチョグチョの口内ではあるものの、やはりさっきまで抱いていた嫌悪感はほとんど感じられず、代わって温かさや――そ、その、愛情に溢れているように感じた。
チューパ、チューパ。
目を閉じて舌先と口に神経を集中させる。いつの間にか、ヒトガタの唾液と、僕の唾液を交換する作業に従事し、ゴクゴク、っといやらしく喉を鳴らす。
「……?」
気が付けば、両脇のヒトガタの補助など関係なく、僕は普通に立っていた。
そして、乳首にしゃぶりつくヒトガタのジュクジュクした後頭部を優しく抱きつつ、顔の角度を限界まで上げた。
それは接吻のだけでは飽き足らず、正面のヒトガタの歯垢を舐め取るためであった。
「ん。んん、あん――」
瞳は涙ぐみ、乳首は硬度を増して、そして陰毛の下を何かの粘液が伝い始めた時。
「んんっ!?」
突如、両脇のヒトガタが僕を軽々と抱え上げる。僕は驚きながら――だが接吻だけは止めず、横目で見る。
「……ヴェァ」
僕は中空で、M字にて股を開かされていた。捲れたスカートからのぞく、ほっそりとした脚の根元は、朝露のごとく濡れ光っていた。
「(あぁ、恥ずかしい)――んぐ」
言葉とは裏腹に、二人のヒトガタによる乳吸いの二重奏により、淫らに悶える乳首はキュっと撓っていた。硬化した歯ごたえを愉しむように、歯で舌で何度も苛め倒してくれた。
そして、僕の小さな唇は、正面のヒトガタによってベトベトにされて、まるで食事に失敗した赤ちゃんのような口元になっていた。
だが意外にも、次の瞬間。
ジュポン、チュパン。
「――えっ?」
思わず、名残惜しそうに喘いでしまう。
ヒトガタ全員が、ほぼ同時に口を僕から離し、唾液を滴らせる。
そして降ろされて立ち尽くし、困惑するボクを、三人は改めて、弱々しい電灯の下にて眺め始めた。
――美しく、非力で、若く、極めて妊娠適正が高いであろう上質な女。乳首は紅く充血し、形が良い乳房は、興奮で卑猥に震えていた。極めつけは、性器から垂れる、もっとも淫らな液体。
「……アア"」
ボクを値踏みする様子を見て、既に倒壊しかけた――散々、大切とのたまった記憶や理性を踏みにじるように。
「――ふふっ」
まるで挑発するように笑い、口を半開きにして、舌をチロチロ、っと揺らす。
ゴクリ。
両脇のヒトガタは生唾を飲み込みながら、肉棒をこれでもかとそそり立たせる。奥のヒトガタとて同じであった。
その情景を見て、心の中で少し嗤いそうになった。
――だって、あれだけ恐怖の対象であったヒトガタ達に対して、ある意味において、ボクが主導権を握りつつあるのだから。
……そうだ、もう殺されることは無い。
そう考えると、大きな安心感と共に、狂った欲望心が膨張する。
口内の腐った唾液を味わいつつ、細い指にて、小陰口を恥じらいつつ開く。まるで、匂い立つ花弁を、無理やりこじ開けるように。
ボクは妖艶な笑みを浮かべつつ、だが媚び諂いながら。
「……ねぇ、誰から交尾?」
言葉が通じないはずだが、ヒトガタ達は、小刻みに震え始める。
ボクはこの狂気の世界からの帰還を忘れかけた――。
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