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第5話 ねぶる
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「よっと」
寝室の安いベッドの上へ腰を下ろす。
「ほ、本当にいいんだな? 真」
「お、おう。バ、バッチこ~い」
大丈夫か?
俺の眼下にて、正座している真は、緊張した面持ちで返す。
「ところで真」
風呂上がりで寝間着代わりに俺の服を来ている真に対して。
「な、何?」
「俺の服を着てとなると、少し萎えるんだが」
これって俺だけなんだろうか? 例えば彼女なんかが自分の服を着てるだけならいいが、抱いたりとなると、なぜか萎え気味な感じだ。
「(俺って自分が嫌いなのか?)――つっても服が無いもんな。やっぱり忘れて……」
バサッ。
真の酔って赤くなった頬を、俺の上着が擦する。床へ脱ぎ置かれたのだ。
「えぁ? ま、真!」
薄暗い部分照明の下、ほっそりとした白い鎖骨、腕、お腹と、それに対してやや不釣り合いな大き目の乳房が、ブラと共に谷間を作りながら現れる。
「し、下も脱ぐか?」
恥ずかし気に二の腕を撫でながら、熱い眼差しを送って来る。
「(男殺し過ぎるだろう)……い、いや。間に合ってる!」
何が怖いって、俺の性癖がもうすでにおかしくなりそうなのが怖い。
「じゃあ。と、取り出すぞ?」
まるで初めて性行為をする若いカップルのように緊張する。
俺はジャージをズラして、トランクスをさらけ出し、さらにそれも下へと動かして――。
ビョン!
「つっ」
狭かったと言わんばかりに、飛び出てくる。
「(け、結構、大きい)ト、敏也――」
真は瞬きもせず、俺の肉棒を、ジーっと見やる。
「勃起気味なのは、その――自分の身体を見ているから?」
真がブラのあたりを指で少しなぞる。まるで自分がそうしたような、性的興奮が高まる。
「ま、まぁ。そう、だな」
と言いつつ、胸の谷間へ視線の集中砲火をしてしまう。
「そ、そっか。えへへ」
なぜ嬉しそうなんだ?
「じゃ、じゃあ触るぜ?」
「おう。あ、あと真」
「なに?」
「そ、その。出来れば女の子っぽい言葉遣いで、頼みたい」
真は開きかけた口を閉じつつ。
「……うん。わかった」
綺麗な声に見合った、言葉で紡ぎ始める。
「ト、トシ君。触らせてもらうね?」
ドクン。甘い息を肉棒へ吹きかける。そして両手でうやうやしく、俺の竿の部分に触れる。
ドクン、ドクン。
脈打つ感触を、血管越しに真の細い指へ伝える。
「……」
少しずつ、真の小さな顔と唇が、近づく。
「え、真――」
いきなり、そんな、無理をするな――。
チュ。
柔らかで瑞々しい赤い唇が、俺の亀頭部分に触れて、ビクン! と縦に震える。無垢で綺麗なあの唇が、俺なんかのを。
「うぉ! まこ――」
「えへへ、キスしちゃったぁ」
悪戯っぽく笑う真は、とても無邪気で、優しく、だが妖艶であった。
ペロ、チュパ、チュブ。
物怖じする素振りすら全く見せず、穏やかに、柔らかに、俺の亀頭全域を、まるでアイスを舐める女の子のように舌を這わす。
真の舌は温かく、滑らかで、そして何より粘液にて濡れていた。
「トシ君。きもち……チュパ……いい? 痛く……レロン……ない?」
髪を耳の後ろに揃えつつ、俺を伺うように言い放つつど、ゾクゾクと背筋が波打つ。
気持ちイイ。まだ擦ってすらいないのに――。
というかもはや、意図的にこれは真だと意識して萎えさせないと、早々にイキそうなレベルによかった。
「う、ん。とて、も」
俺は目を開けるのにすら戸惑いつつ、熱っぽく、労うように返してしまう。
真は目だけで笑うと、徐々に口を大きく開いていく。
「――んんっ」
だが、その小さな口では入りきらない様子だ。
「ぷはっ……それじゃぁ」
あろうことか、真は肉棒の先端を鼻先に擦り付けつつ、雁首のあたりに柔らかい舌先を這わせる。
「うおっ! づっ!」
雁首の溝を洗うように這う舌先は、恥垢をこそぎ取るように舐め滑る。
「こ、れは」
ヤバイ、頭のネジが飛び出そう。
チンポがビクビクと縦に震える。
かつての男性だった時の記憶を持っているからこそ、できる性技と言えた。
「(敏也の、味)――レロ、レロン。おい、しいぃ」
俺の感じ入る顔と声に満足するよう、舌をぬらぬらと動かしつつ、甘くて感じ入るような美声。俺の五感全体を、真が舐っているような錯覚すら覚える。
ジュル、ジュルル。
尿道球腺液を音を立てて吸う淫らな、だが純真な動作に、俺の心臓は耐えられるか怪しいほどに脈打つ。
「んふっ」
っと、なぜか少し真の舌の動きが悪くなる。
どうしたのかと片目で見ると、尻を僅かに右に左にと振っている。
「(どうし)――ふぁ!」
いつの間にか両手で竿を持ち握り、ふわりと擦り始める。
「(下腹部が、熱い。たぶん、下着も愛液でベトベト)もうちょっと……チュバ……強い方が、イイ?」
シュ、シュ。俺の我慢汁と真の唾液で、もう肉棒はベトベトであった。
「みて、トシ君の……太すぎて、私の指じゃギリギリ」
人差し指と親指で作る輪より、俺の肉棒の直径の方がわずかに大きいらしい。
――っというか、よく考えたら、すごい状況だ。
俺なんかが到底付き合えないであろう、美形な女の子が、上目遣いで媚びるような視線を送りつつ、フェラと手コキを献身的にしてくれている。
「(ヤバ、人生で一番きもちいい)あ、あぁ」
俺は震える片手で、真の柔らかな髪を撫でる。
真は気持ちよさそうに頭を撫でられた後。
「(なんだろう、すげー胸がポカポカする。敏也の肉棒しゃぶるのも、頭撫でられるのも、気持ちイイを超えて、幸せ)ジュルル、チュブ」
切なそうに、俺の肉棒のあちこちにキスをしては、舌を舐め這わせる。
「(自分、やっぱりホモになったのかな? それとも、心まで女に? どちらにしろ、敏也は女の子っぽくして欲しいって言ってた)……ト、シ」
「まこ、と?」
真はその柔らかな頬に竿の部分を擦り付けつつ、うっとりとした表情と共に。
「精液、全部飲めたら、褒めてね?」
女らしい仕草と共に、髪を耳の後ろへ再び整えつつ。
「えっ、まこ」
もう一度と、限界まで口を開き、俺の亀頭を口内へ押し込む。
「ンンン!」
「ああっ!」
真の口内は柔らかく、温かく、ぬめった唾液で満ちており、いやらしくくねる舌が、娼婦みたく俺の肉棒を歓迎してくれる。
「くふっ」
さんざん綺麗にしてくれた雁首を、もう一度ソープ嬢のように丁寧に掃除し、そして尿道口を優しくほじる。
シュ、レロ、ジュジュ!
同時並行される両手での摩擦も心地よいが、僅かに握力が足りていないと言えた。だが、細くて綺麗な手指を汚していると考えると、背徳的な快楽が海綿体を膨張させる。
「まこと、イイ、すごく!」
「(トシ、トシ!)――チュブ、チュブ!」
真の舌が力強く俺の亀頭を刺激する。
俺はシーツを力強く握って耐えるも――。
「まことっ、でる。でるっ!」
ビクン、ビクンと二度ほど陰茎が真の口で収縮する。
視覚、触覚、感覚のそれら全てが性的に脈動する。
ドピュ! ピュルル、ドポッ。
「ンン!」
痺れるような快楽と共に、初めて精通した日と同じか、それ以上の熱い精子の塊が真の口内へ流れ込む。
「ン! ング!」
零すまいとしていた真だが、その小さな口に、凄まじい量の精液が鉄砲水のごとく流れたため、さすがに口の端から精液が垂れる。
ゴク! ゴク。ゴッ。
「ま、こと……」
肉棒はまだ二回ほど小さく痙攣し、最後の一滴まで口の中に出し切る。
「ハァ、ハァ」
――ちゅぽん。
ひんやりとした空気が亀頭を包む。
「ゴホ……敏也、ごめん。ちょっと零した」
唇を抑えつつ、許しを請うように俺を見上げる真を。
「……」
腕を掴んでベッドへ引き上げる。
「え? ――わっ!」
抱きしめたまま、後ろ側に倒れる。
「ト、敏也?」
射精したばかりなのに、真の温もりと柔らかさに、再び元気になりそうな気配が薄っすらあった。
「最高に、気持ちよかった」
労いの言葉として正しいかなんて考える余裕も無く、そう耳元で囁く。
「――なら、よかった」
真も優しく俺を抱きしめる。手近な布団を輝の背にかけ、彼女を抱きしめている間に、そのまま意識を失ってしまう。
カーテンの隙間から、初冬の弱い朝陽が垂れ込む。
「……」
布団が恋しい季節となってくる。モゾモゾ、と芋虫のように蠢く俺は、今日が土曜日で本当に良かったと――。
バサッ!
「違う。今日は金曜日だ!」
枕元を見ると携帯が無い。
慌てて跳び起きて居間、そして台所へ向かうと。
ガチャ。
「!」
「あ、敏也。今、起こしにいこうかと思ってたけど――」
ドクン。
真を見てすぐに、昨晩の行為がフラッシュバックされる。
――っというか、昨日までとは異なり、真を、異性として強く意識してしまう。
「(い、いや、ある意味それで正しいんだけど)ま、真……」
真はしばらく不思議な表情で俺を見上げていたが。
「あっ」
と小さな声を漏らした後、パタパタとスリッパを鳴らし、優しく俺の頬に触れる。
起きたての粗い髭の感触を、その細い指先に伝える。
「ひょっとして、昨晩のこと?」
ドキン。
今までより遥かに透明で、澄んだ声に聞こえる。
「え、あっ、その」
心臓が熱い。俺は、俺はどうしちまったんだ。
「……ねぇ、敏也」
ドクンドクン。
真の優しく、だが熱い視線だけで、鼓膜が震えるような熱の揺らぎを覚える。
「――会社、遅れるよ?」
「やばっ、そだ!」
半歩引いた後、大急ぎで出社の準備を行う中、真も手伝ってくれる。
「じゃ、行ってくる!」
食パンを咥えて家を出るという、二十四のおっさんには許されない光景も辞さない。
「うん。今日は金曜日だし。がんばって」
「おう」
グッ、とドアノブを握ったその時、背後から照れくさそうな声にて。
「……今日の夜も、性行為してあげるから」
恥じらいつつも、女の意志を纏ったその不意の言葉に、玄関を開ける手が思わず止まる。
「うっ。あ、あぁ」
振り向けない。
振り向いたらきっと真を抱きしめて、出社拒否するから。
「いって、らっしゃい」
フフッと笑う彼女の声を背に、急き立てるように家を出る。
寝室の安いベッドの上へ腰を下ろす。
「ほ、本当にいいんだな? 真」
「お、おう。バ、バッチこ~い」
大丈夫か?
俺の眼下にて、正座している真は、緊張した面持ちで返す。
「ところで真」
風呂上がりで寝間着代わりに俺の服を来ている真に対して。
「な、何?」
「俺の服を着てとなると、少し萎えるんだが」
これって俺だけなんだろうか? 例えば彼女なんかが自分の服を着てるだけならいいが、抱いたりとなると、なぜか萎え気味な感じだ。
「(俺って自分が嫌いなのか?)――つっても服が無いもんな。やっぱり忘れて……」
バサッ。
真の酔って赤くなった頬を、俺の上着が擦する。床へ脱ぎ置かれたのだ。
「えぁ? ま、真!」
薄暗い部分照明の下、ほっそりとした白い鎖骨、腕、お腹と、それに対してやや不釣り合いな大き目の乳房が、ブラと共に谷間を作りながら現れる。
「し、下も脱ぐか?」
恥ずかし気に二の腕を撫でながら、熱い眼差しを送って来る。
「(男殺し過ぎるだろう)……い、いや。間に合ってる!」
何が怖いって、俺の性癖がもうすでにおかしくなりそうなのが怖い。
「じゃあ。と、取り出すぞ?」
まるで初めて性行為をする若いカップルのように緊張する。
俺はジャージをズラして、トランクスをさらけ出し、さらにそれも下へと動かして――。
ビョン!
「つっ」
狭かったと言わんばかりに、飛び出てくる。
「(け、結構、大きい)ト、敏也――」
真は瞬きもせず、俺の肉棒を、ジーっと見やる。
「勃起気味なのは、その――自分の身体を見ているから?」
真がブラのあたりを指で少しなぞる。まるで自分がそうしたような、性的興奮が高まる。
「ま、まぁ。そう、だな」
と言いつつ、胸の谷間へ視線の集中砲火をしてしまう。
「そ、そっか。えへへ」
なぜ嬉しそうなんだ?
「じゃ、じゃあ触るぜ?」
「おう。あ、あと真」
「なに?」
「そ、その。出来れば女の子っぽい言葉遣いで、頼みたい」
真は開きかけた口を閉じつつ。
「……うん。わかった」
綺麗な声に見合った、言葉で紡ぎ始める。
「ト、トシ君。触らせてもらうね?」
ドクン。甘い息を肉棒へ吹きかける。そして両手でうやうやしく、俺の竿の部分に触れる。
ドクン、ドクン。
脈打つ感触を、血管越しに真の細い指へ伝える。
「……」
少しずつ、真の小さな顔と唇が、近づく。
「え、真――」
いきなり、そんな、無理をするな――。
チュ。
柔らかで瑞々しい赤い唇が、俺の亀頭部分に触れて、ビクン! と縦に震える。無垢で綺麗なあの唇が、俺なんかのを。
「うぉ! まこ――」
「えへへ、キスしちゃったぁ」
悪戯っぽく笑う真は、とても無邪気で、優しく、だが妖艶であった。
ペロ、チュパ、チュブ。
物怖じする素振りすら全く見せず、穏やかに、柔らかに、俺の亀頭全域を、まるでアイスを舐める女の子のように舌を這わす。
真の舌は温かく、滑らかで、そして何より粘液にて濡れていた。
「トシ君。きもち……チュパ……いい? 痛く……レロン……ない?」
髪を耳の後ろに揃えつつ、俺を伺うように言い放つつど、ゾクゾクと背筋が波打つ。
気持ちイイ。まだ擦ってすらいないのに――。
というかもはや、意図的にこれは真だと意識して萎えさせないと、早々にイキそうなレベルによかった。
「う、ん。とて、も」
俺は目を開けるのにすら戸惑いつつ、熱っぽく、労うように返してしまう。
真は目だけで笑うと、徐々に口を大きく開いていく。
「――んんっ」
だが、その小さな口では入りきらない様子だ。
「ぷはっ……それじゃぁ」
あろうことか、真は肉棒の先端を鼻先に擦り付けつつ、雁首のあたりに柔らかい舌先を這わせる。
「うおっ! づっ!」
雁首の溝を洗うように這う舌先は、恥垢をこそぎ取るように舐め滑る。
「こ、れは」
ヤバイ、頭のネジが飛び出そう。
チンポがビクビクと縦に震える。
かつての男性だった時の記憶を持っているからこそ、できる性技と言えた。
「(敏也の、味)――レロ、レロン。おい、しいぃ」
俺の感じ入る顔と声に満足するよう、舌をぬらぬらと動かしつつ、甘くて感じ入るような美声。俺の五感全体を、真が舐っているような錯覚すら覚える。
ジュル、ジュルル。
尿道球腺液を音を立てて吸う淫らな、だが純真な動作に、俺の心臓は耐えられるか怪しいほどに脈打つ。
「んふっ」
っと、なぜか少し真の舌の動きが悪くなる。
どうしたのかと片目で見ると、尻を僅かに右に左にと振っている。
「(どうし)――ふぁ!」
いつの間にか両手で竿を持ち握り、ふわりと擦り始める。
「(下腹部が、熱い。たぶん、下着も愛液でベトベト)もうちょっと……チュバ……強い方が、イイ?」
シュ、シュ。俺の我慢汁と真の唾液で、もう肉棒はベトベトであった。
「みて、トシ君の……太すぎて、私の指じゃギリギリ」
人差し指と親指で作る輪より、俺の肉棒の直径の方がわずかに大きいらしい。
――っというか、よく考えたら、すごい状況だ。
俺なんかが到底付き合えないであろう、美形な女の子が、上目遣いで媚びるような視線を送りつつ、フェラと手コキを献身的にしてくれている。
「(ヤバ、人生で一番きもちいい)あ、あぁ」
俺は震える片手で、真の柔らかな髪を撫でる。
真は気持ちよさそうに頭を撫でられた後。
「(なんだろう、すげー胸がポカポカする。敏也の肉棒しゃぶるのも、頭撫でられるのも、気持ちイイを超えて、幸せ)ジュルル、チュブ」
切なそうに、俺の肉棒のあちこちにキスをしては、舌を舐め這わせる。
「(自分、やっぱりホモになったのかな? それとも、心まで女に? どちらにしろ、敏也は女の子っぽくして欲しいって言ってた)……ト、シ」
「まこ、と?」
真はその柔らかな頬に竿の部分を擦り付けつつ、うっとりとした表情と共に。
「精液、全部飲めたら、褒めてね?」
女らしい仕草と共に、髪を耳の後ろへ再び整えつつ。
「えっ、まこ」
もう一度と、限界まで口を開き、俺の亀頭を口内へ押し込む。
「ンンン!」
「ああっ!」
真の口内は柔らかく、温かく、ぬめった唾液で満ちており、いやらしくくねる舌が、娼婦みたく俺の肉棒を歓迎してくれる。
「くふっ」
さんざん綺麗にしてくれた雁首を、もう一度ソープ嬢のように丁寧に掃除し、そして尿道口を優しくほじる。
シュ、レロ、ジュジュ!
同時並行される両手での摩擦も心地よいが、僅かに握力が足りていないと言えた。だが、細くて綺麗な手指を汚していると考えると、背徳的な快楽が海綿体を膨張させる。
「まこと、イイ、すごく!」
「(トシ、トシ!)――チュブ、チュブ!」
真の舌が力強く俺の亀頭を刺激する。
俺はシーツを力強く握って耐えるも――。
「まことっ、でる。でるっ!」
ビクン、ビクンと二度ほど陰茎が真の口で収縮する。
視覚、触覚、感覚のそれら全てが性的に脈動する。
ドピュ! ピュルル、ドポッ。
「ンン!」
痺れるような快楽と共に、初めて精通した日と同じか、それ以上の熱い精子の塊が真の口内へ流れ込む。
「ン! ング!」
零すまいとしていた真だが、その小さな口に、凄まじい量の精液が鉄砲水のごとく流れたため、さすがに口の端から精液が垂れる。
ゴク! ゴク。ゴッ。
「ま、こと……」
肉棒はまだ二回ほど小さく痙攣し、最後の一滴まで口の中に出し切る。
「ハァ、ハァ」
――ちゅぽん。
ひんやりとした空気が亀頭を包む。
「ゴホ……敏也、ごめん。ちょっと零した」
唇を抑えつつ、許しを請うように俺を見上げる真を。
「……」
腕を掴んでベッドへ引き上げる。
「え? ――わっ!」
抱きしめたまま、後ろ側に倒れる。
「ト、敏也?」
射精したばかりなのに、真の温もりと柔らかさに、再び元気になりそうな気配が薄っすらあった。
「最高に、気持ちよかった」
労いの言葉として正しいかなんて考える余裕も無く、そう耳元で囁く。
「――なら、よかった」
真も優しく俺を抱きしめる。手近な布団を輝の背にかけ、彼女を抱きしめている間に、そのまま意識を失ってしまう。
カーテンの隙間から、初冬の弱い朝陽が垂れ込む。
「……」
布団が恋しい季節となってくる。モゾモゾ、と芋虫のように蠢く俺は、今日が土曜日で本当に良かったと――。
バサッ!
「違う。今日は金曜日だ!」
枕元を見ると携帯が無い。
慌てて跳び起きて居間、そして台所へ向かうと。
ガチャ。
「!」
「あ、敏也。今、起こしにいこうかと思ってたけど――」
ドクン。
真を見てすぐに、昨晩の行為がフラッシュバックされる。
――っというか、昨日までとは異なり、真を、異性として強く意識してしまう。
「(い、いや、ある意味それで正しいんだけど)ま、真……」
真はしばらく不思議な表情で俺を見上げていたが。
「あっ」
と小さな声を漏らした後、パタパタとスリッパを鳴らし、優しく俺の頬に触れる。
起きたての粗い髭の感触を、その細い指先に伝える。
「ひょっとして、昨晩のこと?」
ドキン。
今までより遥かに透明で、澄んだ声に聞こえる。
「え、あっ、その」
心臓が熱い。俺は、俺はどうしちまったんだ。
「……ねぇ、敏也」
ドクンドクン。
真の優しく、だが熱い視線だけで、鼓膜が震えるような熱の揺らぎを覚える。
「――会社、遅れるよ?」
「やばっ、そだ!」
半歩引いた後、大急ぎで出社の準備を行う中、真も手伝ってくれる。
「じゃ、行ってくる!」
食パンを咥えて家を出るという、二十四のおっさんには許されない光景も辞さない。
「うん。今日は金曜日だし。がんばって」
「おう」
グッ、とドアノブを握ったその時、背後から照れくさそうな声にて。
「……今日の夜も、性行為してあげるから」
恥じらいつつも、女の意志を纏ったその不意の言葉に、玄関を開ける手が思わず止まる。
「うっ。あ、あぁ」
振り向けない。
振り向いたらきっと真を抱きしめて、出社拒否するから。
「いって、らっしゃい」
フフッと笑う彼女の声を背に、急き立てるように家を出る。
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