養父失格

ニッチ

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五話 親の情、子の欲

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 バタン。扉が閉まる。
 久美の部屋は窓からこぼれ入る月光と街灯のみの光で満たされていた。車通りもないまま、まるで時が止まったかのように静かな室内であった。
 その静寂を破るように、一階に置いてきた僕の携帯が、妻からの着信音コールを響かせる。
「出ないよね?」
 すぐ隣の久美は小さく背を伸ばし、僕の耳に息を吐く。出られないのを、知っているくせに。
 ……やがて糸が途切れるように、音が鳴り止む。久美はなぜかニッコリと笑い、僕の手首を掴んで、ベットへ誘う。昨晩もここで寝たはずなのに、なぜだろうか、ひどく不潔に感じられた。
 グィッ、っと引っ張られたかと思うと、人形のように寝かしつけられた僕は、久美の枕に後頭部を沈める。満足げに見下ろす久美は、早々に寝間着を脱ぎ、はじめ、て――、
「見て、パパ」
 それは、それはいつかのベビードールであった。薄ピンクの上質な布は、窓からの柔らかな光を浴びて、小さく輝いていた。
 本来であれば下着の上に着るはずが、透けたその先、整った乳房と、その頂点を飾る桃色の乳首、小さな汚れのないヘソ、そしてその下には、薄く青々とした陰毛が見え隠れした。
 ……ズキン。
「じゃあ、パパの大事なところ、触るね?」
 無邪気さと、若々しさと、活力を帯びた、だが絶対的な肉欲あいを根源としたオンナの表情にて、身体をくねらせつつ、手を伸ばしてくる。
「パパは楽にしててね」
 未成年じゅうろくであることにより、精一杯背伸びをしている感を、――いや、それすらも利用するような女の狡猾さすら感じ取った。
 スッ――ボロン。
 寝間着とパンツを降ろされた瞬間、さっき風呂場で射精だせなかったのを口実に、勢いよく飛び出る。
 ……自分の身体の一部ながら、最高に最低な幻滅を、妻がいなくなってからの数週間、生み出し続けた元凶だ。
「本当に、嬉しい」
 久美は破顔すると、土下座するように顔を股間へ埋めてくる。髪を耳後ろへそっと戻し、まるで味わうように亀頭部分を口内へ埋没させていく。室温の寒さから一転、温もりが覆う。
「チュブ――、パパが、レロン――、あたしで勃起おっきく、してくれて、嬉しいの」
 何度言われても、心をやすりで削られるような痛みを覚える。だがそれも全ては、僕自身せいよくのせいに他ならなかった。僕の思っていた養父おやの愛情なんて、欲情に比べたらカス程度のものであったのだから。
 ――ズキン。
口淫フェラ、下手でごめんね? 今日が初めてだから――」
 脱力しかけたところに、しおらしい発言が差し込まれ、ビクッ、と肉棒が暖かな口内にて蠢く。同然、気づいた久美は、舌先で撫でつつ、
「ジュボ――。イイんだよ、パパ? もっと、気持ちよくなって――」
「……そう、は、いか――ッ」
 雁首に舌先を這わされたかと思いきや、いつの間にか久美の細い指が睾丸を優しく揉んでいた。肉棒から垂れ流れる尿道球腺液カウパーえきと汗が混じった汁により濡れた玉袋を、すすんで指を汚すように、揉み撫でる。
「どう、パパ? 手塩に育てた養女むすめに、性的なマッサージをされるのは?」
 なぜ、わざわざ言葉にしてそんなことを伝えてくるのだろう? ――いや、わかってる。久美は、怒っているんだ。
「……」
 身も心も捧げる、若くて従順なわたしが、これほどまで想っているのに、どうして【はい】を言わないのかを――、
「パパ」
 糸を引きつつ、肉棒から口を離した久美は、細い指を陰茎みきへ絡ませつつ、こちらへ上半身を寄せてくる。
「これ、なぁんだ?」
 形の整った、やや大きめの、綺麗さと色艶さをたずさえた、乳房おっぱいが、無防備に迫る。
「ねぇ、吸って」
 下の方では、シュッシュ、と硬化している肉棒が、久美の柔らかな指で擦られ続けていた。
 だが、僕はボーッっと、ベビードールから透け見える綺麗な乳房を眺めたまま、動けなかった。
 ズキン!
「――!」
 瞬きの後、口に柔らかな感触が押し込まれる。生地ベビードールごと、乳首が口内へ押し込まれたのだ。
 久美は身体を蛇のようにくねらせ、乳首を僕の口へ含ませたまま、耳元に柔らかな唇をそっと当てて、
「吸って」
 考えるより先に、なぜか唇が震えるように動く。先端を小さく尖らせ、口内筋が微かに動き、久美の乳首がかぎとなるようなあなを作り出す。
 ――ダメだ、やめろ――、
 歯車によって動くかのようにぎこちなく、口と喉が可動し、吸引する。
 チュボ、チュボ、っという下品な音が二人の間で微かに聞こえた。
「! ぁん!」
 まるで不意打ちにあったかのように驚く久美は、たったの二吸いで脱力したらしく、肉棒を擦る握力が一気になくなる。
 ――子供だな。そう、想った瞬間、脳内のナニかが熱く溶けていき、首筋へ流れていくような錯覚を覚えた。
 その間も、口は赤子のような単純な動きを勝手に行い、チュゥチュゥ、と吸い続ける。そのつど、久美は歓喜に悶えるように、喘ぎ声を僕の耳元で捧げ続けた。
「んあっ! パパ、イイ。きもち、いいよぉ!」
 さらにと乳房が顔面に押しつけられる。苦しいから鼻を拡げて息を吸うも、途端にボディーソープが混じった久美の体臭が鼻腔を満たし、頭の中でぶつりぶつり、と次々にナニかが途切れていった。
 三回ほど唾の塊を飲み込んだころ、逆に氷のように頭の奥が冷たくなり、僕はナニかのではと思い始めた。
 ――これは、親子のスキンシップみたいなものじゃないのだろうか? 例えば、ボディタッチのようなものだ。
 そうだ。そうに違いない。小さい頃にはよくした、愛情表現だ。
 親が強要するのは論外だが、養女こどもの方からの求めなら、応じてしかるべきでは? こんな風に――、
 チュブ、ロレロレ、チュ。
 若く滑らかな乳首の表面を、四十代おっさんのやや臭う口と舌が撫でる。生地ごと舐め吸ったので、その部分がベトベトになり、沁みのように拡がっていた。
「パパぁ、もっと、モット!」
 ほら、久美は甘えられて悦んでいるんだ。――身体が大きくなったからとか、異性だから、そんなくだらない理由で拒絶したら、養父ちちおや失格だ。
 なぜか自分の思考に自信が持ててくる。こんなこと、最近では滅多に無かった。
 僕は乳首くみを軽く甘噛みしたあと、乳頭を舌先でつつき、さらに舐り吸う。
「パパぁ、うれひぃよぉ」
 久美は可愛いことを言う。僕も僕で、こんな程度のことを、なぜやってあげられなかったのだろう?
 ――ただ、股間ペニスが煮えるようにたぎっているこの状況だけは、どう説明したものだろうか――、 
「ンッ、ひぃ、ひぃよぉ」
 ……まぁ、、久美と触れ合うため。今はそういうことにしておくか、
「パパ、こっちのおっぱいも――」
「……久美。パパを跨ぎなさい」
 僕の言葉で、久美は身体を僅かに離し、僕を正視する。髪の生え際に小さな汗を浮かべ、肩で息をする彼女は、
「えっと、パパ――」
 パァン。久美の安産型のお尻を平手でそっと打つ。温かくて柔らかな桃尻が震える。
「アンッ」
 まるで痛みを味わうかのように呟き、再び顔を近づけてくる。僕は少し眉をひそませつつ、
「下着を脱いで、パパの顔面を跨ぎなさい」
 長いまつげをバサバサと上下させた久美は、ニヤァ、と嗤うと、目尻を下げたまま立ち上がる。
 指をパンティーのウエスト部分へ引っかけ、まるでストリップショーのように、ゆっくりと脱ぎ始める。
 再び姿を現した淡い茂みは、月光を浴びて小さく照りつつ、一本の糸を引いていた。僕の視線の先に現れる。
「跨ぐよ?」
 両脇の枕部分を踏みつける。
「そのまま、しなさい」
 わざと下品な言い方をする。ピクリ、と細い足が震えるが、次第次第に腰が降りてくる。
「う、ん」
 若々しい肉芽が、誘うようにこちらへ向かってくる。この距離ですら、愛液の独特な匂いが微かにする。が、途中で降下する速度が遅くなり、イライラしてきた僕は手を伸ばし、
「ッ。もぅ、パパぁ」
 陰毛を二、三本ほど掴み、軽く引っ張ったのだ。プチン、と一本だけ引っこ抜けた。
「まだか? 久美」
「ま、待ってパパ。これ、本当に恥ずかしいのぉ」
 下を向いた久美の顔が、剥き出しの胸の間から覗く。羞恥で頬は赤く染まっていた。僕は特に表情も作らずに、
「いいから。早くパパに久美の……」
 ――スベテを魅せなさい――、
「……うん。もちろんだよ。パパぁ」
 やがてようやく、卑しげに足をM字に曲げ、まるで和式の大便器に構えるように腰を降ろす。僕の目と鼻の先に、久美の小陰唇しょういんこうが到着したのだ。
 だが僕は、姿勢もそのままに、
「パパのパンツを嗅ぎながら、このエッチなところを触ってたのかい?」
 話すつど、放たれた息が陰部に当たるたび、ピクンピクンと腰が浮くさまは愛らしかった。
「う、ん。覚え、たての頃は、一日、三回以上は、した、よ?」
「困った養女だなぁ」
 そう言うと、僕は糸を引きつつ口を開く。
「パパ? ここからだとナニをしているのかよく見えな……ひゃん!」
 レロン、っと小陰唇ビラビラを舐めあげ、その裂け目を舌先で少しずつ開ける。すでに愛液が肉色の壁を塗らしており、見た目も味も臭いも、非道く官能的であった。
 官能的? いや、普通の男が見たらそう思うだろうな、っという客観的な感想だ。
「パパ、待っ、て、刺激、つよ……ンンッ!」
 顔を少しあげると、次は小陰唇ビラビラを口に含み、もてあそぶように口内にて変形させる。柔らかく温かいそれは、たまにを染み出させ、そのつど肉棒の強度が増していった。
「パパ、腰、砕け、ちゃ――」
 ガタガタと揺れる足が崩れるよりも速く、ガッ、っと両手で久美の太腿付近を握り掴む。柔らかかくて温かな腿肉に指が食い込む。
「――部活を頑張っている割には、あまり足腰が鍛えられていないな」
 久美が申し開きを震える口で行う前に、鼻先で陰核を軽く擦る。ぐちょ、っと膣口から愛液が伸び出て、
「アアッ! パパ。あたし、ほんと、オカシクなっちゃうよぉ」
 甘えるような喘ぎ声を頭部で受ける。僕は特に気にせず、舌にて膣壁を擦り舐める。生臭い塩味が味蕾みらいに拡がり、顎まで滴る。
「パ、パ、おねが、抱きしめ、て」
 崩れるような予兆を示す。流石にこの態勢で女子高生を支え続けるのは、オッサンでは厳しいものがある。
 久美の肢を掴んだまま腹部の辺りへ引きづり降ろす。同時に僕は上半身を起こすと、久美はもたれ掛かるように倒れて来て、抱きしめてくる。
「パパぁ。スキ、愛している」
 触れている部分が全て柔らかくて温かい。風呂と久美の体臭が入り交じった匂いが鼻孔をくすぐるり、口の中には久美の愛液の味がまだ残っていた。
「久美」
「なぁに、パ――!」
 顔をこちらへ向けるのと同時に、舌を口へ突き刺す。そして、久美の歯を拭くように舌を擦りつけると、久美もすかさず僕を抱きしめ返す。
 やがて、滅茶苦茶に舌を入れてきたため、カチカチ、と互いの歯がぶつかる音が何度も小さくする。
 カチ、ジュル、レロ、カッ、チュバ、ズルル。
 朝食に費やす程度の時間にて、唾液の交換で互いの喉を鳴らした。その間も、乳首をつねったり、尻を優しく叩き、そのつど、僕を抱きしめる細い腕に力が籠もった。
 ジュポ、チュバ、ゴクゴク。
 顔付近では相変わらず下品な音が鳴り響く中、背後から、柔らかな尻の谷間へ指を這わせる。
 菊門を軽く撫でたあと、そのまま久美のオマンコに入り込もうとした時、
 ジュパッ、っという音と共に糸を引いて久美の顔が離れる。僕への拘束を解いて、初めて指を触り止める。
「パパ」
 口回りをベトベトにしている久美を見ると、幼い頃にチョコレートプリンを食べるのに失敗した、ある日のことを思い出した。
「指はいや。肉棒パパがいいよぉ」
 あらゆる意味で女らしく育った。そう思わせた彼女の目は真っ直ぐであった。不思議と先ほどまでの狂気の色はなりを潜め、純粋無垢な心色に感じた。
「久美?」
「パパ……」
 ――あぁ、そうか。そういうことか。
 久美の瞳に映った僕を見た。その目の色は、久美とお揃いであった。
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