異世界の住人を見守るだけの簡単なお仕事です。

虫圭

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【魔女っ子タルトちゃん―離乳―】

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「タルトちゃん。今日から離乳食も始めるから、おっぱいと両方になるからねー」
「あーぃっ」
 もうすぐママのおっぱいも卒業かぁ。ちょっと残念だなぁ。前世ではどうだったか覚えてないけど、ママのおっぱいってすごく美味しいんだよねー。
 んくんくとママのおっぱいを吸いながら、この味の秘密は何なんだろうと考えていた。
 それにしても今日から離乳食か。メニューは何だろ? お粥とかかな?
 魔属の国ではあまりお米は一般的ではないようで、穀物と言えばパンか麺が多い。じゃがいものような野菜もママが食べている料理の中に見掛けるから、前の世界と食文化はだいぶん似通っているようだ。
 私の初ご飯はパン粥になるのかな?
 あー。根っからの日本人としては、そろそろ白いお米を食べたいところだ。
 炊きたての粒の立った白いお米に、甘辛いお醤油をかけた卵を乗っけてかき混ぜて掻っ込みたい! TKGがたーべーたーいーぃ!

「タルトちゃん。今何か変なこと考えてるでしょう? 涎が垂れてるわよ?」
 クスクスと笑いながら私に微笑むママの笑顔が眩しい。
 気付けば私はママのおっぱいを口から放し、涎を垂らして一杯の卵かけご飯のことで頭を一杯にしていたようだ(上手い(旨い))。
「タルトちゃんは、ママの知らないこと沢山知ってるからなー。もっと大きくなったら、ママに色々教えてね? 約束っ」
 うっ! ママの、一児の母とは到底思えない美少女キュートスマイルが目に痛い! なんだこの童顔美女! 私を殺す気か!?
 前世で合法ロリなんて言葉をネットで見掛けたことが有ったけど、まさか実在する存在だったとは。異世界恐るべし。
「あーい! おぁーえぇー!」
 はーい! お任せあれー!
 私の意識がハッキリしてから、ママは私の言葉を正確に理解してたけど、今では私が異世界から転生したことまで理解して納得している。
 どうやら転生という概念はこの世界では一般的らしく、ママはすんなり受け入れてくれた。むしろ、異世界からの転生という稀なケースに大興奮していたくらい。
 ママの子供に生まれてこれて良かったー。
 私の言葉を理解出来るのって、この国ではママだけなんだもん。やっぱ、ママが女王だから何か特別な力が働いてるのかなー。
 私はと言うと、ママのお仕事の合間にこの世界のことを色々聞かせてもらったりして、知識を徐々に増やしているところなのだった。だって、まるで文化が、いや、文明が違うんだもん。
 PCは無いしスマホも無い、テレビも無ければアイドルも居ない。お洒落な音楽も聴けないしマルキューなんてあるワケ無いし、私が大好きなマンガもアニメも無いだなんて、とてもじゃないけど耐えられないと最初は思った。あの巨匠が描いた夏の風物詩とも言える大作アニメーションがもう見れないだなんて。私、あのでっかいダンゴムシが出るやつ好きだったのになぁ。あと『目がー! 目がー!』っておじさんが叫ぶやつも。
……はぁ、悲しい。私は二度とあの素晴らしい文化に触れることは無いのか。
「どうしたの? 何か悲しいこと思い出した? 急にしょんぼりしちゃって」
 急にしおしおと落ち込んだ私の様子を感じ取ってママが心配そうに聞いてくる。
 いえ、そんな、大したことじゃないんです。ないんですけど、やっぱり残念。
「あー……。あわぁー、いぇっぁぃーあぇーあいぇー?」
 いえー……。ママー、異世界って帰れないよねー?
「んん? 帰れなくは……ないんじゃないかな? 多分」
 !? 何ですと!?
「あい!?」
 マジ!?
「マジ……? ……ん、あ、そうそう! マジだよ! マジマジ! マジで異世界帰れなくなくないよ!」
 一瞬頭にの上に『?』が浮かんだ後、パアッと花が咲いたように笑顔になったママが、私が教えた覚えたての日本語を照れながら使う。
 何だこの萌え合法ロリギャル。可愛過ぎるだろこんチクショウ。私が男子なら今の一瞬で白飯三杯掻っ込んでるとこだぞ。むしろ女子(幼児)の今でもおっぱいおかわりしてやるぞ! 今の私ならこの褐色小悪魔萌え合法ロリギャル(設定詰め込み過多)のおっぱいに吸い付き放題だ! しかも爆(暴)乳ときてやがる! やったぜ! 幼児最高!
「タルトちゃんが何か悪いこと考えてる顔してる……。そんなイケない子には、もう大好きなおっぱいあげませんからねーだっ」
 べーと、舌を出して目をぎゅっと閉じるチャーミングなママの表情を見ながら、ほわぁぁんと薄目で頬を緩める馬鹿な幼児(私)がそこに居た。
 って違う違う! 大事なのはそこ(おっぱい)じゃないよ!(そこも大事なことだけど。そこも大事なことだけど!(大事なことなので2k(ry) 元の世界の話! 大事なのは、SO・KO!
「あえっぉ!?」
 帰れるの!?
「うーん。簡単じゃないと思うけれど、多分、帰れる。と言うか此方とそちらを往き来することは可能だと思うわ。今のタルトちゃんではさすがに無理でしょうけれど。大人になって、魔力の絶対量が増えれば、可能になる……と思う。私もやったことが無いから、確証は持てないけれどね? 可能性として、という話ね」
 なんと! 帰れる可能性があるばかりか、私の自力で往来が可能になるかもしれないとは! ビバ魔属! ビバ女王の力!
「そういう時空間転移の魔術もちゃんと教えてあげるから、今はゆっくりお勉強しながら、健やかに大きくなりましょうね? タルトちゃん」
「あーいっ!」
 今日一番の返事をして、放していたおっぱいに再び吸い付く。今日も私は元気です! おっぱいが美味しいです!
「あんっ、もう! 離乳食始めるんだってばぁ……!」
 えへへー。離乳食も後でちゃんとスタッフが美味しく頂きますよー。
 にやにやと笑いながら、私はママの豊満な胸に顔を埋めた。

(To be continued)
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