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♡2.告白
しおりを挟む体育館裏。
もうすぐ日が暮れてしまう。
辺り一面、オレンジ色。
「待った?」
やってきた岩城くん。
「ううん?」
わたしは首を振る。
「ところで、岩城くん。
話ってなに?」
そこまで聞いてしまって、単刀直入だったかなって。
けど、岩城くんは全然気にしないでいてくれた。
「うん。そのことなんだけど……」
ざわ……。
かすかに風が吹いて、木々の枝を揺らす。
なんだろう。
あまりにも間の空いた返事に、わたしは少し、ドキドキしてしまう。
謎の緊張感。
それがこの空間に満ちていた。
「実は、ずっと、香藤さんのことが……好きでした」
え。
「俺と付き合ってください……!!」
こ。
これって。
もしかして。
いや。
もしかしなくても。
わたし、告白されてる……!?
どうしよう。
わたし、全然、恋とかわかんないし。
それに。
岩城くんのことだって。
だけど。
――『こうなったら、何が何でも告白してきたひとと付き合っちゃいなよ』
渚にはそう言われたしなあ。
「香藤さん……?」
岩城くんはわたしの答えを待っている。
わたしは答えた。
「はい。どうぞ、よろしくお願いします」
それが、わたしと岩城くんの、カレカノ記念日になった。
だけど。
カレカノって。
一体、どうしたらいいの……?
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