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☆7.
しおりを挟む「俺、うまくとけこめなかったっていうか、知らない人、苦手で、けっこう冷たくしちゃったのね」
「うん」
「それで、なんか知らない間に、俺、クールな一匹狼ってキャラができていたわけ」
「あ……」
それで、うちの隣のクラスの超イケメンは人間嫌いっていう噂が――。
「まあ、別にいいんだけどね、ひとにどうこういわれても。そう思ってたんだけど、なんか、俺って結構好かれているみたいで」
「好かれてる?」
「うん。なんか、俺がひとりですましていると、キャーキャー言ってる子がいるわけ。だからさ、本当は、知らない人にビビッてるだけなんだけど、外からみたら、かっこういい一匹狼って感じに見えるみたいなのね」
「ああ……そっか」
「それで、さ。もう、クラスのやつ、みんな知ってるし、怖くないし、もうビビらないんだけど、なんかさー。あのキャラやめられなくなってしまったというか……」
「顔ってのもあるしね」
「顔?」
「だって、幸成って、二枚目じゃん」
そうわたしが言ったら。
「幸成!」
「へ?」
急に自分の名前を叫んで喜び始めた幸成。
「そっか、俺、幸成だもんなー、わー、嬉しい」
「ちょ、ちょっと何!?」
「日夏が、俺のこと、幸成って呼ぶの、なんか知らないけど、嬉しい」
「はあ!?」
「えへへ。日夏にはビビらなかったんだよなあ。なんでだろ」
「さ、さあ。ほら、自転車助けてあげなくちゃってのが先にあったからかなあ」
「なるほど! ぽんこつなひとなら、俺、大丈夫なのか!」
「誰がぽんこつだ! それはお前のことだ!」
ふたりして笑いあった。
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