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***
「せーんぱいっ」
朝一で響きわたる浅田の声。
「お、おはよ」
「はい、おはようございます」
相変わらず、といった浅田だけど。
なんだか、ドキドキしてしまって、あたしは彼の顔をまっすぐに見れない。
「先輩?」
「ううん、ほんと、なんでもないからっ」
どうしちゃったの、あたし。
***
「遅いなー」
昼休み。
教室であたしは浅田を待っている。
いつもはすぐに飛んであたしのとこに来るはずなのに、今日はまだ来ていない。
うーん。
よし!
今日は、あたしが浅田に会いに行ってみようかな。
あたしは浅田のいる二年の教室へ行った。
覗いてみると……いた!
って。
「なに、あれ……」
浅田はとある女の子とおしゃべりしていて。
すっごく楽しそう。
溢れる笑顔がまぶしくて。
……しかも、相手の女の子、すごく可愛いし。
声かけづらい。
というか、もしかして。
あの子が浅田のっ!!
ズキンと胸がいたんだ。
その場にいていられなくなって、あたしは逃げるように立ち去る。
浅田の片思いの相手はきっと、あの子なんだって、思った瞬間に――。
あたしは浅田が好きなんだって、気がついてしまった。
***
「よかったなぁ、あと、一週間もない」
放課後。
あたしは教室でひとり。
誰も待ってなんかいない。
浅田はきっと、やってくると思う。
あたしと一緒に、帰るために。
だけど、あたしは浅田を待たない。
ただ、なんとなく、居残っているだけなのだ。
それにしても、本当に良かった。
あと一週間であたしは卒業。
そしたらもう、浅田には会えない。
浅田はあたしの周囲から消え去るのだ。
そしたら、きっとあたしは浅田を忘れる。
浅田のキラキラした瞳も、
やけに大きくなった背中も、
本当は、かっこいい姿も、
優しい声も、
ずっーと、あたしを追いかけてきた、その存在も、
ぜんぶ、ぜんぶ、忘れられる。
あたしが浅田を思っていても、浅田は違うひとを思っているんだ。
どんなに浅田に尊敬されていようと、あたしは……ッ!!
足音。
そして、ドアを開ける音。
「先輩っ!」
駆け寄ってくる、浅田。
「ごめん、遅くなっちゃって……!」
「いいって、べつに」
「先輩? どうしたの?」
「べつに……」
ぽろり。
気がついたら、あたし、泣いてた。
「せーんぱいっ」
朝一で響きわたる浅田の声。
「お、おはよ」
「はい、おはようございます」
相変わらず、といった浅田だけど。
なんだか、ドキドキしてしまって、あたしは彼の顔をまっすぐに見れない。
「先輩?」
「ううん、ほんと、なんでもないからっ」
どうしちゃったの、あたし。
***
「遅いなー」
昼休み。
教室であたしは浅田を待っている。
いつもはすぐに飛んであたしのとこに来るはずなのに、今日はまだ来ていない。
うーん。
よし!
今日は、あたしが浅田に会いに行ってみようかな。
あたしは浅田のいる二年の教室へ行った。
覗いてみると……いた!
って。
「なに、あれ……」
浅田はとある女の子とおしゃべりしていて。
すっごく楽しそう。
溢れる笑顔がまぶしくて。
……しかも、相手の女の子、すごく可愛いし。
声かけづらい。
というか、もしかして。
あの子が浅田のっ!!
ズキンと胸がいたんだ。
その場にいていられなくなって、あたしは逃げるように立ち去る。
浅田の片思いの相手はきっと、あの子なんだって、思った瞬間に――。
あたしは浅田が好きなんだって、気がついてしまった。
***
「よかったなぁ、あと、一週間もない」
放課後。
あたしは教室でひとり。
誰も待ってなんかいない。
浅田はきっと、やってくると思う。
あたしと一緒に、帰るために。
だけど、あたしは浅田を待たない。
ただ、なんとなく、居残っているだけなのだ。
それにしても、本当に良かった。
あと一週間であたしは卒業。
そしたらもう、浅田には会えない。
浅田はあたしの周囲から消え去るのだ。
そしたら、きっとあたしは浅田を忘れる。
浅田のキラキラした瞳も、
やけに大きくなった背中も、
本当は、かっこいい姿も、
優しい声も、
ずっーと、あたしを追いかけてきた、その存在も、
ぜんぶ、ぜんぶ、忘れられる。
あたしが浅田を思っていても、浅田は違うひとを思っているんだ。
どんなに浅田に尊敬されていようと、あたしは……ッ!!
足音。
そして、ドアを開ける音。
「先輩っ!」
駆け寄ってくる、浅田。
「ごめん、遅くなっちゃって……!」
「いいって、べつに」
「先輩? どうしたの?」
「べつに……」
ぽろり。
気がついたら、あたし、泣いてた。
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