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✿2.それからきっと、恋になる

17.

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 バスが風を切ってやってきた。
 乗り込むのはお姉ちゃんと里佳子さん。
 高校生はバス通いなのだ。

「それじゃ、いってらっしゃい!」
 手をふるわたしにお姉ちゃんと里佳子さんも。
「美希ちゃんもね!」
 里佳子さんは、細長い白い指をまっすぐ伸ばして優しく手をふってくれる。
 くぅ。かーわいい。
 元気出ちゃうなぁ。
「気ィつけろよぉ」
 ぶっきろぼうなお姉ちゃんの声にそんな癒されモードも、かき消されちゃう。
 心の中であっかんべーっ!
「それはお姉ちゃんもね!」
 むしろ、お姉ちゃんこそ、あっやしーんだから!

 わたしは二人と別れて、
 一人で、てくてく。

 いーなぁ、高校生。
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