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三章 淫鬱の森
迷子△
しおりを挟む「ふっ……!!!うっうっ……!!んぁぁぁぁっ!!!」
「エマうるさい。興奮するから静かにヤッて」
「無理だ!!無理だイーリスッ!!!これ、これ……あぐぅっ!!!」
そんなこんなで馬車の旅が始まって一週間程。
御者をエマとイーリスが交代でやって、僕は空いた方とセックスの日々。
今はまだ風の国の領内なので、両替も不要なので村や町に立ち寄り、補充や売春……毎日色んな楽しい事をしている。
土の国への国境は……あと一週間程かかるみたい。
国境を越えてから王都まで、二週間かからないくらいだから……シャルロット様はまだまだ先。
ま、気長に行こう。まだまだ若いし時間は沢山あるさぁ。
「あぁっ!!!リュカ!!リュカそこダメっ!!そこで曲げちゃダメェェェェ!!!」
自由に動く性器が面白くて、ついついエマのGスポットを攻めてしまう。
早くシャルロット様にも味わって貰いたい……そう思いながらエマの膣奥に精子を吐き出した。
女を抱きながら別の女を考える……ダメだこんな不誠実な事しちゃ!!やり直し!!
「エマッ!!もう一回しよう!!」
「休っ!!休ませてぇぇぇぇ!!!」
エッチする時は少し乙女になるエマに興奮しながら……馬車を揺らしていく。
**************
あれからまた一週間経ち……国境付近まで近付いてきた。
近場の街で換金は済ませているので、土の国での生活は問題無い……筈。
国境の砦を越え、待ちに待った土の国へと足を踏み入れる。
「うわぁ~……凄ーいっ……」
砦の先は……一面の荒野。日本じゃお目にかかれない、雄大な大地。
土一色の景色に……思わず感嘆の声が漏れる。
ここが土の国だと言わんばかりの、土の香りを深呼吸して胸に沢山吸い込む。
風の国とは違い……風が吹き付けて来ないので、穏やかな感じが心地良い。
「私達も初めて来たからなぁ……これは凄い。雄大だな」
目を細め、遠くを見つめながら呟くエマ。
そんな他国感満載の僕らに、門番を勤める厳しい女性が笑いながら話しかけてきた。
「国境付近を抜ければ、平原と森もある……ここが全てじゃねぇぞ?」
「なるほど。楽しみにしておく」
「ありがとう御座いますお姉さん」
「おうよ!良い旅を」
軽く手を振り別れ……いざ、王都へ。
シャルロット様元気にしてるかなぁ。なんだかドキドキしてきた。
錬金土で出来た埴輪みたいな馬が重い足音を鳴らしながら一歩踏み出す。
「よし、後は任せたエマ。ヤろうリュカ」
「あのね、情緒ってものがさ……あるじゃん……?」
御者台から飛び出し、僕の元へ駆け寄るイーリス。
ゴムみたいな素材はある世界なんだけど、それでも揺れるので……馬車を走らせながらの性行為はお尻が痛くなるからちょっとしんどい。
まぁ石を踏んだ弾みで跳ねて、予期せぬタイミングで膣奥へぶち込んでしまったり……楽しいんだけどね。
「ほらほら、リュカ……早く……」
「も、もう……!」
ゴソゴソと僕のズボンを下ろすイーリスに、満更でも無い僕。
なんだかんだスケベ大好きだから仕方無い。
ガタガタと揺れる馬車を……ガッタガッタと軋ませながら進んでいく。
***************
「ふむ……。やはり道が逸れたな……二人共すまん」
「初めの土地ですし……仕方無いですよエマ」
「リュカという食料庫があるから問題無い」
あれから数日……僕らはまだ土の国の王都に辿り着けていない。
町から町へ、人伝いに道順を尋ねて来たのだけど……どうやら途中の分かれ道で間違えたみたいで、辺りに町は無く……見えるのは荒野と森林。
一本道を逸れるだけで、人気の無い荒れた地に着いてしまう……異世界恐ろしい。
それに加えて、野生の魔物の存在もあるので、増々恐ろしい。
という訳で……日が落ちる時間では無いけれど、そろそろ野営の準備をしないと間に合わないので……今日はここで一泊。
僕のアイテムボックスに道具は一式揃っているから問題無い。
明日、手元のメモを見ながら来た道を戻り、分かれ道を別の方に進む予定。
「まさかトラブルが来るんじゃなくて、飛び込んで行くのは予想外」
「うぅ……すまん……」
「これぞ旅の醍醐味ですよ。大丈夫大丈夫」
落ち込むエマを慰めるけど……ぶっちゃけ僕は何もしてないし、何か言う権利は無いよね。
二人には言えないけど、高い建物も無い雄大な土地を見ると……異世界に来たんだなって実感が湧くから……嫌いじゃない。
だからこの迷子も、非現実的感が満載で……正直ワクワクしている。
グッと伸びをして、赤く染まりつつある荒野を眺める。
優しく頬を撫でる風が気持ち良い……。
野営の準備なんかは女の仕事だと触らせて貰えないので……僕は軽く手伝いながら、のんびりとさせて貰っている。
献身的に世話をして貰うと、なんだか貴族になった気分になって……落ち着かない。
そんな僕の鼻腔を草花の優しい香りが擽り、振り返れば……鬱々とした、普通なら絶対に入りたく無い様な森が目に映る。
普段だったら絶対近寄らないんだけど……『アクティブ』のせいか、淫紋のせいなのか……何故だか無性に興味が惹かれてしまう。
「ん?どうしたんだリュカ。何か気になるのか?」
「あ……いえ、なんだか気になってしまって……」
ボーッと森を眺めていたからか、エマが話し掛けてきた。
なんだろう、この誘われている感じ……。言葉に出来ないや。
「リュカ。ひょっとして……森の中に淫紋があるのでは?だからリュカが惹かれる」
「そうです……かね?森の中にあるもんじゃ無いと思いますけど……」
森の中に落ちてる物じゃ無いし、森の奥底にいる化け物みたいな魔物が持ってても困る。
あれ、ひょっとして……カトリーヌ様にあって、シャルロット様も怪しいから、てっきり王族に備わる紋様なのかと思っていたけど……勘違いなのかも知れない。
ぶわっと背中に冷や汗をかく。
もしも……もしも、毛むくじゃらの豚みたいな魔物が淫紋持ちだとしたら……僕の旅はここで終わる。
そもそも、淫紋を持っているかの判断も出来ないので……どうしよう、片っ端から性器ぶち込んでいかなきゃダメかも知れない。
「リュカ?大丈夫?」
「イ、イーリス……。もし、僕が森の親分と性行為を始めても……嫌いにならないで下さいね?」
絶対ヤらないけどね。
「流石にそれは止める」
「は、早まるなリュカ!!せめて人型にしろっ!!」
どうかなぁ……どうなるかなぁ……。
自分が発言すれば、どんどんフラグになる気がしたきて……怖いんで、この話題は止めよう。
「……ご飯を食べたら、少し探索してみましょう」
「そうしよう。本格的な探索は明日」
「……何故、探索する前提なんだ」
「淫紋の手掛かりがある可能性。それは捨ておけない」
「そういう事ですエマ。諦めて下さい。それと……ナイス迷子です」
「そうね、お手柄。エマのお陰で此処が見つけられた」
「私は……何と返せば良いんだ……」
若しかしたら……この迷子も必然なのかも知れない。
という事で少し寄り道をして、森の中に行こう。
シャルロット様に早く会わなきゃ……その気持ちもあるんだけど……この森に入らなければいけない、そう淫紋が言っている……気がする。
性器に翻弄される人生なんて嫌だなぁ……なんて思っても、本能が行けと言うんじゃ仕方無い。
エマもいるしイーリスもいる。怖い物なんて……何も無い。
左手に手を添えれば……ほんのりと熱くなり、薄らと風を象った紋様が浮かび上がってくる。
カトリーヌ様も此処にいる。だから大丈夫。
……左手に触ると、シャルロット様の事が頭に浮かび上がってきて、性器がそそり立ってきた。
面倒な体だよ全く……。
「……今日のご飯当番、どっちでしたっけ?」
「私」
「じゃあ……エマ。ご飯までお相手頼みます……」
野営の準備も粗方終わり、後はご飯の支度……そんなタイミングを見計らって、エマの手を引き馬車の中へ。勿論ズボンはパンパンだ。
「間違えた。今日の当番はエマ」
「こらっ!イーリスッ!!ちゃんと当番守れっ!!」
「くっ……!早く終わらせてそっちに混ざる」
「大丈夫です、落ち着きそうもないので……。しっかり美味しいご飯、宜しくお願いしますね?」
「う、うん……。ご飯楽しみに待ってて」
「ほらほら、リュカ……余り焦らさないでくれっ……!」
エマも口に出さないけど……ドスケベなんだよね。大好きだ。
ご飯を作って貰って……その間に別の女を抱く。
いつか二人には……しっかりと恩を返さなきゃ。
その前に、恩を返せる様な立派な人間にならなきゃだね。
それまでは……甘えさせて貰おう。
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