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第二章 風の国

錬金

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 昨晩はこの世界の貨幣等の勉強をイーリスとエマと三人でしていたのだけれど、途中から欲情され始めて……気が付いたら朝。
 そして女性特効のLVが3に。

 まぁ頭の中に大体の貨幣価値は叩き込んだので……今日は金稼ぎが出来る。

 国によって貨幣が違ったり、若干価値の変動はあるけど……中間値を教えて貰ったし、外貨両替出来る場所もあるので懸念点は今の所無い。

 昨晩搾り取られたので、回復がてら日が登るまでは『錬金術』を試して行こうかと思う。

 因みに女性陣二人はいつも通り冒険者委員会の方へ仕事に行っている。


 魔法やスキルの発現は、リュカ君の身体が知っているので、魔力を練り上げて『錬金術』の発動をイメージすれば出来るので……


「錬金っ!!!」


 魔力を掌に集め、正面に突き出せば――目の前には大きな釜と、取っ手の長い木ベラが出現する。

 釜に触れながら魔力を流し込めば……空っぽの釜の中に虹色の液体が湧き出てくる。

 ここに複数の材料を入れて、木ベラに魔力を流しつつ混ぜ合わせれば錬金が出来る。

 ここまではリュカ君の知識と『錬金術』を習得した時に知っている……けど、ここから先は知らない。
 何を入れれば良いかも知らないし、どれくらい混ぜれば良いのかも知らない。

 そんな事より『錬金術』魔力使い過ぎじゃないかな。

 そしてここまでやって、材料が何も無い事に気が付き……困った。

 僕に出せる物……基礎魔法や応用魔法の五大元素の物質と――精子。それしか無い。

 ……失敗は成功の母と言うくらいだし、試しに魔法と精子で錬金してみるか。

 昨晩撒き散らした精液は、イーリスかエマが生活魔法で綺麗にしてくれたので……仕方ないからオカズも無しに自分の性器を扱き、そこら辺にあったコップに射精。

 ……この世界に来て色んな女性と性行為した経験と思い出が、こんな所で活かせるとは。

 ゴーレムみたいな物が出来るのを期待して、釜に魔力を流し込んだ後に、基礎魔法で土塊を出して精子と一緒に釜に入れる。

 木ベラに魔力を込めつつグルグルと掻き混ぜて行くと――虹色の液体の暈が減っていった。

 面白い……この虹色の液体が錬金の要なのか。

 虹色の液体が無くなるまでひたすらに魔力を込めつつ掻き混ぜて行けば……底に残ったのはモゾモゾと蠢く土塊。

 ヒェッ……僕の精子がこんな……こんなゲテモノに……。

 脳内で一生懸命皆の爆乳を思い出しつつ、射精した精子は……不気味な土塊に成り果ててしまった……。

 悲しみを背負いながらクローゼットを漁り、使わなそうなボロ布を拝借し、土塊をそっと包み込む。

 せめてもの慈悲で……動かなくなるまで生かしてあげよう……。

 この悲しみを晴らそうと……机の上にモゾモゾと動くボロ布を置いたまま、僕は街中へと転移する。


 ***************

 宿に来る途中に見た、薄暗い路地裏に転移し……大通りを眺める。

 僕みたいに、フラストレーションが溜まってそうな人を探して……売春を誘ってみよう。

 地球に居た時もナンパすらした事が無い僕は、無性に緊張してきて……胸の鼓動がバクバクと煩い。

 男根会の人間が居たらどうしよう……なんて不安な気持ちもあるけれど、見知らぬ人と一発ハメたい気持ちの方が強い。

 それに、男が出歩かない世界だからか、露出が多い無防備な格好をした若い人が多くて……余計ムラムラしてしまう。

 待ち行く人々を路地裏から覗き込み、物色していく。

 スレンダーな踊り子の様な格好の女性や……妖艶な格好をした爆乳の美女。

 発育の良い幼い子や、筋肉質の妙齢の女性だったりと、十人十色で選り取り見取り。

 ムクムクと反り立つ性器を内股で隠しつつ、熱く滾る情熱が――――


「こんな所で何してんだおめェ……怪しい奴だな」



「ヒッ……」


 突然、背後から声が聞こえたかと思うと、首筋にヒヤリとした感覚が。
 見なくてもわかる……刃物を突きつけられている状態。
 ねぇ、探知……仕事してよ君。
 任意なのかなこのスキル。


「怪しくないです……怪しいけど怪しく無いんですぅ……」


「はァ?」


 両手を上げ、無抵抗をアピールしても、首筋の刃は収められない。



「こんな路地裏で街中見渡してりゃ……怪しいよなぁ?」


「はい……そうですね……すみません……」


 スッと刃を近付けられて……首の皮一枚斬られ血が滴る。
 ヤバい……転移する隙が無くなった……!!


「んで、何してたんだ?」


「ば、売春相手を……僕を、買ってくれる人を……探してたんですっ……!」


 力んだのか、刃が揺れ……傷が深くなる。


「そんなのが通用すると思ってんのかぁ?警邏隊舐めてんじゃねーぞテメェ!!」


 警邏隊……?あれかな、お巡りさんかな……?どうしよう最大のピンチかも知れない。

 やけくそ気味に首から下の身体を少し逸らし、膨れ上がったズボンを見える様にする。

 生命の危機を感じているのか、いつも以上に張っているコレは……説得力ある気がする。


「ほら、見てください……!ムラムラしちゃってこんなビンビンなんです……ねぇ、お姉さん……僕を買ってくださいよぉ……」


 正直顔も見えてない相手なんだけど……これしか方法が見付けられない。


「おめぇ――それ本物……か?」


「は、はい!ほらっ!ほらっ!」


 グッと性器に力を入れ、ズボンの中でピクピクと動かして本物アピールを懸命にする。
 なんて滑稽なのだろうか……。


「ははぁ……こんなでけぇモンあんのか……世界は広いなぁ……触ってみてもいいか?」


「や、優しくお願いしますね……!」


 ド変態なこの世界。
 性器一本で警戒心が解かれたらしく……というより興味が沸いたらしく、突き付けられていた剣が鞘に収められ、代わりに手が伸びてくる。

 もうゴリラでも良い……そう思ったが、伸びてきた手は細長く……綺麗な褐色肌。

 ゴクリと生唾を飲み、横目に見てみれば……肩でざっくり切り揃えられた、茶色がかった赤髪の活発そうな美女。

 何よりも、粗暴な雰囲気の野生味溢れる彼女には……フサフサの耳と尻尾が付いている。

 オマケに乳もデカい。凄くデカい。大当たり。おめでとう僕。大勝利。

 尻尾と耳のせいか、何故かビキニアーマーを着ている彼女の露出に、意図せずビクビクと反応してしまう僕の性器。


「おっ?なんだ俺を見て興奮してんのかぁ?」


 ニヤニヤと笑いながら反り立った性器を握られ……力強く粗雑な手コキをされる。


「あっ……お、お姉さんがそんな……格好……うっ!してっ、してるからぁ……あぁっ!!」


「敏感だなおめぇ……唆るぜ。……よし、俺が買ってやるよ!幾らだぁ?」


「えっ……お仕事は……あぁっ!!」


「非番だアホ!こんな格好の警邏隊がいるかっ!!」


 ギュッとカリ首を握られ、ビュッと我慢汁が溢れ出て……ズボンに染みが出来る。


「ヤケに生々しいつーか……デカすぎじゃね?おめぇの男根」


「そ、それは後でのお楽しみで……!それより値段です値段っ!!一発銀貨一枚でどうです……!?」


 銀貨一枚だと……日本円換算で大体一万円くらいの価値。

 銅や銀は割と産出される世界らしく、価値は余り高くない。
 金は余り産出されず、銀貨の10倍くらいの価値になるけどね。


「ちぃとばかし高ぇが……このデカさなら仕方ねぇか。よっしゃ買ったぜ姉ちゃん。顔も凛々しくて好みの面してるしな」


「わぁ!ありがとうございますっ!!精一杯頑張りますねっ!!」


 買われた嬉しさか、顔を褒められた嬉しさか……気持ちが高揚して思わず抱き付きキスをしてしまう。


「へぇ……先払いか姉ちゃん。いいねぇ……唆るねぇ……!!」


 女だと勘違いされている事にツッコめないくらい、凶悪な笑みを浮かべ鋭い犬歯を剥き出しにする獣耳姉さん。

 ――――どうか噛みちぎられません様に……。
 首筋に回復魔法を使いながら祈った。
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