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ボッカイの戦い編
まだ出力が10%ほどの試作機だからな
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ジェラルミンケースに突き刺した。
ガキーンと甲高い金属音が辺りに広がると青い光がピリスを包み込んだ。
ピリスの姿は青い光に包まれ見えないが、金属音が連結していく音が聞こえる。
だが、金属音をかき消すかのような音を響かせ五色のイナズマが青い光に降り注いだ。
待っているフリをして変身中に狙うなんて、やはり魔王だな。
しかし、黄龍の顔が驚きの表情へと変わる。
『それ』を破壊するはずのイナズマが真っ二つに斬られたのだ。
「――我が刃はイセコスに蔓延る魔を切り裂く」
青い光の中から現れたのは、黒鉄の人。
某ライダーを想像していたが、もっと重厚感のある黒い鎧をまとっていた。
鎧には動脈が通っているかのような赤い光のラインが脈打っておりそれらは胸の中央の宝石から流れてくる。
あの赤い宝石は、エビルベアの死体から取り出したものかじゃないのか。エレメントコアを動力源に動く新型のエレメントギアなのか。
フルフェイスの兜の両眼にブッゥンと赤い光が宿った。
「覚えておくが良い、我は歪んだケイラスを切除するもの。マナが導き出す答えを見よ!」
脚のジェットブーツから青い炎を噴射し、ピリスもといカイゼルシュニットは黄龍、目がけて突進する。
イナズマを轟かせ黄龍はその場から離れ空へと飛ぶ。
カイゼルもジェットブーツの勢いを上げ空へと追いかけていった。
ヒーロー映画のような光景だ。
黄龍は追いかけてくるカイゼルに向けて叫ぶと光が集まり金属で出来た虎が現れた。
虎は唸り声をあげるとカイゼルに金属の長い爪と金属の牙で襲い掛かる。
しかし、迎え撃つように両腕から赤いビームソードのようなものが飛び出した。
「レーザーメッサー展開!」
両者が交差する。
金属の虎は四つに分断され地面に落下した。
そのままの勢いでカイゼルは黄龍に切り掛かる。
対抗するように黄龍はカイゼルの前に水で出来た亀を現出させた。
レーザーメッサーで水亀に切りつけるが、まるで花火を水に着けたかのようにレーザーメッサーの赤い光が消失する。
そして、水亀は濁流のように激突しカイゼルが俺たちの方に落下してきた。
「っく……出力10%にも満たないか」
片膝を着いたカイゼルが呟いた。
「ヌハハハハ! 不完全とは言えビャッコを寸断するとは恐ろしい兵器と思ったが、やはりエレメントでは魔法の前ではハリボテよ。シドウくん、恐れるに足りん、捻りつぶしてやれ!」
黄龍は見下ろしながらニヤリと牙をむき出して何かを呟き始める。
「……アハッ、超やばそう」
パシーはアカネをぎゅっと抱きしめて苦笑いを浮かべた。
余裕のないパシーの姿を見て事態のヤバさを感じる。
これはまさか……
「クキャァァァァァァァ!!」
世界の終わりというのはこのことか。
炎をまき散らしあの時の朱雀が現出した!
「なるほど。今のカイゼルシュニット『だけ』では勝てそうもない」
火の粉が夜空を照らす中、腕を組みながら絶望的な発言をする。
「冷静に言ってるけど、何か方法はないのかよ!?」
「ある、キミだ」
「だから、なんでそうなるんだよ!? あんなバカでかい怪物を俺が……倒したわ」
そうか、あの五芒星か!
よっし、養生の精神……見えた!
「な……なんて、非科学的な事象なのだ……ケイラスをこの眼で確認する日が来ようとは」
フルフェイス越しでもピリスの驚く顔が浮かぶ。それはそうだ、この巨大さはあまりにも非科学的に映るであろう。
朱雀の時のような大きさだが、これはこの地域一帯のではない黄龍の背後に存在しているのだ。つまり黄龍に流れるケイラスの大きさそのものだ。
幻影ではない、これが五神の王の魔力なのだ。
「……有り得ん、こ、この小僧は一体なにものなのだ……まさか、こやつが中庸の者?」
オオカワの狼狽にカイルは冷ややかな視線を送っている。
オオカワの言葉が気になるが、それよりもあの五芒星は……
「全てが虚している?」
青赤黄白黒の五つの星が闇に完全に飲み込まれている。
ンドルの時の比じゃない、あれじゃまるで死んでいるようなものじゃないのか?
ガキーンと甲高い金属音が辺りに広がると青い光がピリスを包み込んだ。
ピリスの姿は青い光に包まれ見えないが、金属音が連結していく音が聞こえる。
だが、金属音をかき消すかのような音を響かせ五色のイナズマが青い光に降り注いだ。
待っているフリをして変身中に狙うなんて、やはり魔王だな。
しかし、黄龍の顔が驚きの表情へと変わる。
『それ』を破壊するはずのイナズマが真っ二つに斬られたのだ。
「――我が刃はイセコスに蔓延る魔を切り裂く」
青い光の中から現れたのは、黒鉄の人。
某ライダーを想像していたが、もっと重厚感のある黒い鎧をまとっていた。
鎧には動脈が通っているかのような赤い光のラインが脈打っておりそれらは胸の中央の宝石から流れてくる。
あの赤い宝石は、エビルベアの死体から取り出したものかじゃないのか。エレメントコアを動力源に動く新型のエレメントギアなのか。
フルフェイスの兜の両眼にブッゥンと赤い光が宿った。
「覚えておくが良い、我は歪んだケイラスを切除するもの。マナが導き出す答えを見よ!」
脚のジェットブーツから青い炎を噴射し、ピリスもといカイゼルシュニットは黄龍、目がけて突進する。
イナズマを轟かせ黄龍はその場から離れ空へと飛ぶ。
カイゼルもジェットブーツの勢いを上げ空へと追いかけていった。
ヒーロー映画のような光景だ。
黄龍は追いかけてくるカイゼルに向けて叫ぶと光が集まり金属で出来た虎が現れた。
虎は唸り声をあげるとカイゼルに金属の長い爪と金属の牙で襲い掛かる。
しかし、迎え撃つように両腕から赤いビームソードのようなものが飛び出した。
「レーザーメッサー展開!」
両者が交差する。
金属の虎は四つに分断され地面に落下した。
そのままの勢いでカイゼルは黄龍に切り掛かる。
対抗するように黄龍はカイゼルの前に水で出来た亀を現出させた。
レーザーメッサーで水亀に切りつけるが、まるで花火を水に着けたかのようにレーザーメッサーの赤い光が消失する。
そして、水亀は濁流のように激突しカイゼルが俺たちの方に落下してきた。
「っく……出力10%にも満たないか」
片膝を着いたカイゼルが呟いた。
「ヌハハハハ! 不完全とは言えビャッコを寸断するとは恐ろしい兵器と思ったが、やはりエレメントでは魔法の前ではハリボテよ。シドウくん、恐れるに足りん、捻りつぶしてやれ!」
黄龍は見下ろしながらニヤリと牙をむき出して何かを呟き始める。
「……アハッ、超やばそう」
パシーはアカネをぎゅっと抱きしめて苦笑いを浮かべた。
余裕のないパシーの姿を見て事態のヤバさを感じる。
これはまさか……
「クキャァァァァァァァ!!」
世界の終わりというのはこのことか。
炎をまき散らしあの時の朱雀が現出した!
「なるほど。今のカイゼルシュニット『だけ』では勝てそうもない」
火の粉が夜空を照らす中、腕を組みながら絶望的な発言をする。
「冷静に言ってるけど、何か方法はないのかよ!?」
「ある、キミだ」
「だから、なんでそうなるんだよ!? あんなバカでかい怪物を俺が……倒したわ」
そうか、あの五芒星か!
よっし、養生の精神……見えた!
「な……なんて、非科学的な事象なのだ……ケイラスをこの眼で確認する日が来ようとは」
フルフェイス越しでもピリスの驚く顔が浮かぶ。それはそうだ、この巨大さはあまりにも非科学的に映るであろう。
朱雀の時のような大きさだが、これはこの地域一帯のではない黄龍の背後に存在しているのだ。つまり黄龍に流れるケイラスの大きさそのものだ。
幻影ではない、これが五神の王の魔力なのだ。
「……有り得ん、こ、この小僧は一体なにものなのだ……まさか、こやつが中庸の者?」
オオカワの狼狽にカイルは冷ややかな視線を送っている。
オオカワの言葉が気になるが、それよりもあの五芒星は……
「全てが虚している?」
青赤黄白黒の五つの星が闇に完全に飲み込まれている。
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