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首都イオニア編
会談決裂
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「今ここで、終わらせてあげるわ!」
「相変わらず、君はバカだね。だから武光の気持ちもわからないのだよ」
「――殺してやる!!」
「二人とも、落ち着きたまえ!! たった一人の男のためにイオニアを灰燼に帰すつもりか!!」
どうしてこうなった。
分岐点をどこかで間違えたのか。
会談が行われる前、いや、数分前でも時を戻せたら……。
――このままではもう一度、俺は死ぬ
シャンデリアが吊るされた天井を突き破って降り注ぐ槍の雨を、ピリスは蛇腹剣で払い除ける。
「私を殺す前に、武光が先に死ぬぞ?」
「キサマを殺してエレメントギアをアイツに戻す!」
「フフフ、魔法使いのくせにエレメントギアを求めるとは滑稽な姿と思わないかい?」
テーブルの上にあったロウソクの炎が巨大な火柱となり、そこから炎の竜が飛び出しピリスを襲った。
「燃え尽きろ!」
炎の竜に対し、ピリスは蛇腹剣を高速でぶん回し風圧で炎の竜を消し飛ばした。
「何を考えているのかい? それでは私ごとオブザーバーも燃やし尽くしてしまうじゃないか? ああ、やはり君に武光を任せるのではなかった。ずっと私の手元に置いておけば良かったのだ」
「キサマの物ではない! アタシのモノだ!!」
激突する二人を見ながら、自分の状態を冷静に分析してみる。
少し前、ピリスにオブザーバーを奪われた途端、身体中の力が抜け倒れてしまった。
上半身を起こすのも時間を要するほどに、身体機能は低下している。
それとうっすら身体が透けてきて寒い。
これがケイラス病と言われ、円環の儀とも言われる、この世界の死か。
ホテルの特別会議室で和やかに始まったはずの会談だったが、ピリスの発言によってこんな状況になってしまった。
『異世界の人間はイセコスで長く生きることは出来ない』
何の冗談か分からなかったがオブザーバーをピリスに奪われて理解した。
どうやら俺はオブザーバー無しではこの世界に存在出来ない身体のようだ。
今にも俺はケイラスに還るかのように、身体から光の粒子がこぼれ出している。
「相変わらず、君はバカだね。だから武光の気持ちもわからないのだよ」
「――殺してやる!!」
「二人とも、落ち着きたまえ!! たった一人の男のためにイオニアを灰燼に帰すつもりか!!」
どうしてこうなった。
分岐点をどこかで間違えたのか。
会談が行われる前、いや、数分前でも時を戻せたら……。
――このままではもう一度、俺は死ぬ
シャンデリアが吊るされた天井を突き破って降り注ぐ槍の雨を、ピリスは蛇腹剣で払い除ける。
「私を殺す前に、武光が先に死ぬぞ?」
「キサマを殺してエレメントギアをアイツに戻す!」
「フフフ、魔法使いのくせにエレメントギアを求めるとは滑稽な姿と思わないかい?」
テーブルの上にあったロウソクの炎が巨大な火柱となり、そこから炎の竜が飛び出しピリスを襲った。
「燃え尽きろ!」
炎の竜に対し、ピリスは蛇腹剣を高速でぶん回し風圧で炎の竜を消し飛ばした。
「何を考えているのかい? それでは私ごとオブザーバーも燃やし尽くしてしまうじゃないか? ああ、やはり君に武光を任せるのではなかった。ずっと私の手元に置いておけば良かったのだ」
「キサマの物ではない! アタシのモノだ!!」
激突する二人を見ながら、自分の状態を冷静に分析してみる。
少し前、ピリスにオブザーバーを奪われた途端、身体中の力が抜け倒れてしまった。
上半身を起こすのも時間を要するほどに、身体機能は低下している。
それとうっすら身体が透けてきて寒い。
これがケイラス病と言われ、円環の儀とも言われる、この世界の死か。
ホテルの特別会議室で和やかに始まったはずの会談だったが、ピリスの発言によってこんな状況になってしまった。
『異世界の人間はイセコスで長く生きることは出来ない』
何の冗談か分からなかったがオブザーバーをピリスに奪われて理解した。
どうやら俺はオブザーバー無しではこの世界に存在出来ない身体のようだ。
今にも俺はケイラスに還るかのように、身体から光の粒子がこぼれ出している。
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