怖いお話。短編集

赤羽こうじ

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ドッペルゲンガー 侵食②

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 翌日――。
 雄一は学校を休んでいた。気になった淳士が『大丈夫か?』とメッセージを送ったが返って来る事はなかった。
 更に翌日も雄一は学校を休んでおり淳士は胸騒ぎがしていた。

 『ひょっとしてドッペルゲンガーってやつ?』

 響香が笑いながら口にした事が気になり淳士はスマホで調べ始める。

 ドッペルゲンガーとは本人とそっくりな者が現れる現象でありドッペルゲンガーと会うと死ぬと言われている。
 ドッペルゲンガーは本人に成り代わろうと、まずは周りから自分が本物だと信じこませようとする。
 そして徐々に近しい人達に近付き、最後は全員に自分が本物だと信じ込ませて成り代わるのが目的である。
 よって会えば死ぬ訳ではなく存在を奪われてしまうという事である。その為誰か一人にでも本物は自分だと信じてもらえれば存在を奪われる事はない。

 そのように書いてあるサイトを見て淳士に不安が押し寄せる。
 
 雄一大丈夫だよな?――。

 そんな事を考えて、もう一度雄一にメッセージを送ろうとした時、雄一からメッセージが返って来た。

『淳士助けてくれ』

 それを見た淳士は慌てて雄一に電話をかける。
 すると電話はすぐに繋がった。

「もしもし雄一?大丈夫か?」

「淳士、助けてくれよ。なんか変なんだ、ここ数日の記憶がないのにスマホには行った記憶がない写真がいっぱいあるんだ」

「記憶がない?この前バイト先で出会った事は?俺が響香と付き合いだしたのも話しただろ?」

「お前と響香が?なんだよそれ?知らねえって」

「待っててくれすぐに行くから」

 怯える雄一を落ち着けるように言って淳士は駆け出して行く。
 走る淳士は廊下で響香とすれ違った。

「淳士君何処行くの?」

「悪い今日はちょっと早退する」

「えっ?ちょっと!」

 響香が叫んだが淳士の耳には届かなかった。
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