怖いお話。短編集

赤羽こうじ

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ドッペルゲンガー 変化④

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 やがて響香も登校してくると笑顔ですぐに淳士の元にやって来る。

「おはよう。私今日もバイト休みなんだけど淳士君は?」

「ああ、今日は俺バイト入ってるわ」

「そっか、まぁ仕方ないか」

 そう言ってわざとらしく肩を落とすと響香は笑っていた。そんな中、いまだぼーっとし、心ここに在らずの様な雄一の事が気にはなった。
 それでも二人は笑って学校生活を送り放課後になると二人揃って下校して行く。

「それでね、美優みゆから今更付き合ったんだ、とか言われてさぁ」

 楽しそうに友達との会話を話す響香の話を淳士も笑って聞いていた。そのまま二人は淳士のバイト先であるスーパーまで歩いて来ていた。

「じゃあバイト頑張ってね。終わったら連絡してくれるよね?」

「ああ勿論。また連絡するから」

 笑顔で手を振り別れると、淳士はスーパーのバックヤードへ行き仕事着に着替える。着替え終わり始業時間まで座ってスマホを触っていると不意に雄一が顔を覗かせた。

「あれ?どうした?今日は雄一休みだろ?」

 驚いた淳士が問い掛けると雄一は穏やかな笑みを浮かべる。
 
「ああまぁそうなんだけどシフトの確認にな。お前響香良かったのか?なんなら代わってやるけど?」

「いやいいよ。お前今日一日調子悪そうだっただろ?お前こそ帰って寝とけよ」

「ああじゃあそうするわ」

 そう言って雄一が振り返り背を向けた時、昨日の事を思い出した淳士が声を掛ける。

「あっ、そういえばお前昨日バイトだったよな?」

「おお、なんでだ?」

「いや、街中で昨日夕方お前を見かけた様な気がしたからな」

「はは、それはないって」

 そう言って振り返る事なく雄一は去って行った。
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