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初めての男 獲物④
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その後、聖也と杠は週に一回程のペースでデートを重ねる。
場所は決まって郊外の地だった。
現在付き合っている優里亜に悟られたくない聖也にとってこれは非常に都合が良かった。
そんな二股生活が2ヶ月程経った頃ようやく杠との関係が進展する事になる。
その日も郊外の地で映画やカラオケを楽しんだ後、聖也が近くの居酒屋に誘うと杠も
「まぁたまには乾杯しましょうか」
と了承したのだ。
こうなってくると聖也のペースになってくる。
元々酒の席にも慣れていて口の上手い聖也はあの手この手を使って杠を楽しませながら時間を稼いでいった。
「ふぅ、いつの間にかこんな時間ですか。終電も無くなってしまいましたね。まぁタクシーはまだあるし――」
「いやいや、ちょっと待ってよ。ここまで来てタクシー使って無理やり帰らなくても……」
杠が少し笑みを見せながら帰る意志をみせると聖也は慌てて遮ってきた。
「この時間ならタクシー代も馬鹿にならないんだから無理に帰らなくてもさぁ。俺達もう2ヶ月ぐらいになるんだから何処か泊まってもいいんじゃないのか?」
「ホテル代でタクシー代ぐらいにはなると思うんですけどね。正直に言ってはどうですか?私としたいって」
杠は聖也の方を振り返り、少し意地悪そうな笑みを見せる。
自分の心を見透かされた様な発言を受けた聖也は少し困惑したがすぐに杠を引き寄せた。
「そうだな。杠と一緒になりたいんだよ。だから今日はいいだろ」
そう言って杠とキスを交わす。
「一緒になりたいですか……ふふふ、意外とロマンチックな言い回しをするんですね」
杠はそう言って普段は見せないような満面の笑みを浮かべている。
しかしすぐにいつもの締まった表情になり
「私が初めてだとわかって言ってるんですよね?それなりの責任と覚悟があるんですね」
と聖也に詰め寄ってきた。
聖也は『当然だ』と言わんばかりに杠を引き寄せ、再び唇を重ねる。
聖也は杠を連れ添いホテルの一室までたどり着いた。
さすがの杠も緊張からか少しソワソワしている。
「緊張してる?」
聖也がわざと意地悪く質問してみる。
「……緊張しない人なんているんですか?一応私も人間なんで」
口調は相変わらずだが杠の表情は恥じらいのある可愛い女性になっていた。
「ごめんごめん。さぁどうする?とりあえずシャワーでも浴びて来るかい?」
「ええ、そうさせていただきます」
その後聖也もシャワーを浴びて準備を整える。
杠を傍らに引き寄せ口付けを交わす。
恐らく緊張からだろう。軽くキスをしただけで杠の体はビクついていた。
「あの、私本当に初めてなんで出来るだけ痛くしないで下さいね。少しは覚悟してますから」
聖也は静かに頷き杠を優しくベットに押し倒した。
杠もアルコールが入っているのもあってか気分が高揚していた様で従順な反応をみせる。
――
「ねぇ、痛くしないでって言いましたよね?結構痛かったんですけど」
杠の初体験も終えベットで二人横になっていると変わらない口調で聖也に文句を言ってくる。
「いやそう言われてもちょっと難しいよ。それでもこれから回数を重ねていこうよ」
「そういう物なんですか?まぁわかりました。それはそうと今日私と会うのは誰かに言いましたか?」
「いや誰にも言ってないなぁ。杠の事、皆にどう説明したらいいかわからなくてさ」
「そうなんですね。私の事はまだ誰にも言わないで下さいね。私自身、貴方とどう接していいか戸惑っているんでそんな状態で誰かに紹介されても困るんで。暫くはこのまま二人だけの関係でいましょう」
そう言って杠は上体を起こし笑顔を見せていた。
「そうなのか。本当は皆に自慢したいんだけど仕方ないなぁ」
そう言いながら聖也は心中で喜んでいた。
聖也にとってこれほど都合のいい事はない。
上手く優里亜との関係を続けながら杠との関係も築いて行こうと思案していた。
すべてが順調だ。このまま人知れず計画通りに進めて行かなくては。
場所は決まって郊外の地だった。
現在付き合っている優里亜に悟られたくない聖也にとってこれは非常に都合が良かった。
そんな二股生活が2ヶ月程経った頃ようやく杠との関係が進展する事になる。
その日も郊外の地で映画やカラオケを楽しんだ後、聖也が近くの居酒屋に誘うと杠も
「まぁたまには乾杯しましょうか」
と了承したのだ。
こうなってくると聖也のペースになってくる。
元々酒の席にも慣れていて口の上手い聖也はあの手この手を使って杠を楽しませながら時間を稼いでいった。
「ふぅ、いつの間にかこんな時間ですか。終電も無くなってしまいましたね。まぁタクシーはまだあるし――」
「いやいや、ちょっと待ってよ。ここまで来てタクシー使って無理やり帰らなくても……」
杠が少し笑みを見せながら帰る意志をみせると聖也は慌てて遮ってきた。
「この時間ならタクシー代も馬鹿にならないんだから無理に帰らなくてもさぁ。俺達もう2ヶ月ぐらいになるんだから何処か泊まってもいいんじゃないのか?」
「ホテル代でタクシー代ぐらいにはなると思うんですけどね。正直に言ってはどうですか?私としたいって」
杠は聖也の方を振り返り、少し意地悪そうな笑みを見せる。
自分の心を見透かされた様な発言を受けた聖也は少し困惑したがすぐに杠を引き寄せた。
「そうだな。杠と一緒になりたいんだよ。だから今日はいいだろ」
そう言って杠とキスを交わす。
「一緒になりたいですか……ふふふ、意外とロマンチックな言い回しをするんですね」
杠はそう言って普段は見せないような満面の笑みを浮かべている。
しかしすぐにいつもの締まった表情になり
「私が初めてだとわかって言ってるんですよね?それなりの責任と覚悟があるんですね」
と聖也に詰め寄ってきた。
聖也は『当然だ』と言わんばかりに杠を引き寄せ、再び唇を重ねる。
聖也は杠を連れ添いホテルの一室までたどり着いた。
さすがの杠も緊張からか少しソワソワしている。
「緊張してる?」
聖也がわざと意地悪く質問してみる。
「……緊張しない人なんているんですか?一応私も人間なんで」
口調は相変わらずだが杠の表情は恥じらいのある可愛い女性になっていた。
「ごめんごめん。さぁどうする?とりあえずシャワーでも浴びて来るかい?」
「ええ、そうさせていただきます」
その後聖也もシャワーを浴びて準備を整える。
杠を傍らに引き寄せ口付けを交わす。
恐らく緊張からだろう。軽くキスをしただけで杠の体はビクついていた。
「あの、私本当に初めてなんで出来るだけ痛くしないで下さいね。少しは覚悟してますから」
聖也は静かに頷き杠を優しくベットに押し倒した。
杠もアルコールが入っているのもあってか気分が高揚していた様で従順な反応をみせる。
――
「ねぇ、痛くしないでって言いましたよね?結構痛かったんですけど」
杠の初体験も終えベットで二人横になっていると変わらない口調で聖也に文句を言ってくる。
「いやそう言われてもちょっと難しいよ。それでもこれから回数を重ねていこうよ」
「そういう物なんですか?まぁわかりました。それはそうと今日私と会うのは誰かに言いましたか?」
「いや誰にも言ってないなぁ。杠の事、皆にどう説明したらいいかわからなくてさ」
「そうなんですね。私の事はまだ誰にも言わないで下さいね。私自身、貴方とどう接していいか戸惑っているんでそんな状態で誰かに紹介されても困るんで。暫くはこのまま二人だけの関係でいましょう」
そう言って杠は上体を起こし笑顔を見せていた。
「そうなのか。本当は皆に自慢したいんだけど仕方ないなぁ」
そう言いながら聖也は心中で喜んでいた。
聖也にとってこれほど都合のいい事はない。
上手く優里亜との関係を続けながら杠との関係も築いて行こうと思案していた。
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