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初めての男 獲物③
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「ねぇ、何してたのよ?」
優里亜が少し拗ねながら問いかけてくる。
「特に何もしてないって。ゲーセン行ってたら着信に気がつかなかっただけだって」
「大体今日あんたから連絡するって言ってたんだよ、覚えてる?」
「え、まぁ何かと色々忙しかったんだよ」
「ふ~ん。無職の何処が忙しいんだか」
優里亜の剣幕に少し圧されながらもなんとか誤魔化し続ける。
杠を上手く俺色に染めるまでは何かと都合がいい優里亜をなんとか繋ぎ止めておきたかった。
そして杠との約束の三日後はすぐにやってくる。
夕方、普段来る事のない少し離れた郊外の駅で待っていると約束の時間10分前に杠はやって来た。
「すいませんお待たせしました」
そう言って頭を下げる杠は先日通り薄いメイクを施し自然な美しさを醸し出している。
しかし服装は相変わらず地味だ。
『次は服装を変えさせるか』と考えていると杠が少し不思議そうに見つめてきた。
「あの、化粧おかしいですか?」
どうやら少し勘違いさせたようだ。そう思い満面の笑みを向ける。
「いやいや、逆だって。綺麗だよ」
「そうですか。なら良かった。では行きましょうか」
そう言って歩き出した杠の表情は少し笑ってる様に見えた。
初めて笑顔を見せたような気がするがやはり容姿を褒められたら嬉しいようだ。
予定通り映画を見た後、近くのレストランでさっき観た映画の感想なんかを交えながら食事を済ませる。
「さぁ、これからどうしようか?」
あえて明るく聞いてみた。
「え?もう遅いんで帰りますよ。こんな時間から何処に行くんですか?」
杠は真顔で当たり前のように言ってきたがそう簡単に引き下がる訳にはいかない。
「いやいや、せっかく会えたんだからもうちょっと一緒にいようよ。俺はこの日を待ちわびてたんだから」
「待ちわびてたってあれから三日ですよ?ちょっと大袈裟じゃないですか?・・・ひょっとして私が恋愛経験乏しいからといって何かよからぬ事を考えてませんか?」
杠は眉根を寄せて険しい表情を見せる。
結構痛い所を突かれた
出来れば今日一気に関係を進めたかったがなんとか食い下がってみるか。
「いや、そのなんて言うか、ほら今後の二人についてもう少し話し合うというか」
「……男女の関係を求めてるようにしか感じませんが……そういうのはもっと順序を追っていくものじゃないですか?」
呆れたような物の言い方だが表情を見てると満更でもなさそうな気がした。
「確かにそうかもしれないけど俺は既に杠に夢中なんだ。だから駄目かな?」
「ふぅ……駄目ですね。まだそういう気にはなれないんで」
そう言って杠は首を降った後、周りを確認すると路地の方に腕を引いて行く。
「今日はこれぐらいでいいでしょ?」
杠はそう言って首に腕を回し目を閉じていた。
『消極的なのか積極的なのかよくわからないな』
そう思いながら杠と唇を重ねる。
少し舌を絡ませると杠は少し戸惑った様子だったが特に拒否してくる素振りもなかったので次は右手をそっと杠の胸の上に置いた。
――その時、舌に激痛が走った。
杠が噛み付いてきたのだ。
「いでででで」
杠は鋭い目付きで睨みながらまだ舌に噛み付いてくる。
杠の肩を軽くポンポンと叩くとようやく離してくれた。
「私はそこまでしていいとは言ってませんよ。もし今日それ以上の事したいんなら私は今みたいに噛み付きますし、爪も立てますから」
そう言いながら杠は冷たい目をして笑っていた。
「それとも聖也はそういうプレイが好きなの?それならもうちょっと付き合ってあげようか?」
杠は少し舌なめずりしながら笑みを見せていた。
「い、いや今日はもう十分さ。さぁ送るよ」
そう言って杠と二人駅へと歩いて行く。
せっかく手に入れた獲物だ。まだ焦っちゃ駄目だ。ゆっくり行こう。
――でも実はちょっと良かったなぁ。
口の中に微かに残る血の味と共に少し余韻に浸る。
優里亜が少し拗ねながら問いかけてくる。
「特に何もしてないって。ゲーセン行ってたら着信に気がつかなかっただけだって」
「大体今日あんたから連絡するって言ってたんだよ、覚えてる?」
「え、まぁ何かと色々忙しかったんだよ」
「ふ~ん。無職の何処が忙しいんだか」
優里亜の剣幕に少し圧されながらもなんとか誤魔化し続ける。
杠を上手く俺色に染めるまでは何かと都合がいい優里亜をなんとか繋ぎ止めておきたかった。
そして杠との約束の三日後はすぐにやってくる。
夕方、普段来る事のない少し離れた郊外の駅で待っていると約束の時間10分前に杠はやって来た。
「すいませんお待たせしました」
そう言って頭を下げる杠は先日通り薄いメイクを施し自然な美しさを醸し出している。
しかし服装は相変わらず地味だ。
『次は服装を変えさせるか』と考えていると杠が少し不思議そうに見つめてきた。
「あの、化粧おかしいですか?」
どうやら少し勘違いさせたようだ。そう思い満面の笑みを向ける。
「いやいや、逆だって。綺麗だよ」
「そうですか。なら良かった。では行きましょうか」
そう言って歩き出した杠の表情は少し笑ってる様に見えた。
初めて笑顔を見せたような気がするがやはり容姿を褒められたら嬉しいようだ。
予定通り映画を見た後、近くのレストランでさっき観た映画の感想なんかを交えながら食事を済ませる。
「さぁ、これからどうしようか?」
あえて明るく聞いてみた。
「え?もう遅いんで帰りますよ。こんな時間から何処に行くんですか?」
杠は真顔で当たり前のように言ってきたがそう簡単に引き下がる訳にはいかない。
「いやいや、せっかく会えたんだからもうちょっと一緒にいようよ。俺はこの日を待ちわびてたんだから」
「待ちわびてたってあれから三日ですよ?ちょっと大袈裟じゃないですか?・・・ひょっとして私が恋愛経験乏しいからといって何かよからぬ事を考えてませんか?」
杠は眉根を寄せて険しい表情を見せる。
結構痛い所を突かれた
出来れば今日一気に関係を進めたかったがなんとか食い下がってみるか。
「いや、そのなんて言うか、ほら今後の二人についてもう少し話し合うというか」
「……男女の関係を求めてるようにしか感じませんが……そういうのはもっと順序を追っていくものじゃないですか?」
呆れたような物の言い方だが表情を見てると満更でもなさそうな気がした。
「確かにそうかもしれないけど俺は既に杠に夢中なんだ。だから駄目かな?」
「ふぅ……駄目ですね。まだそういう気にはなれないんで」
そう言って杠は首を降った後、周りを確認すると路地の方に腕を引いて行く。
「今日はこれぐらいでいいでしょ?」
杠はそう言って首に腕を回し目を閉じていた。
『消極的なのか積極的なのかよくわからないな』
そう思いながら杠と唇を重ねる。
少し舌を絡ませると杠は少し戸惑った様子だったが特に拒否してくる素振りもなかったので次は右手をそっと杠の胸の上に置いた。
――その時、舌に激痛が走った。
杠が噛み付いてきたのだ。
「いでででで」
杠は鋭い目付きで睨みながらまだ舌に噛み付いてくる。
杠の肩を軽くポンポンと叩くとようやく離してくれた。
「私はそこまでしていいとは言ってませんよ。もし今日それ以上の事したいんなら私は今みたいに噛み付きますし、爪も立てますから」
そう言いながら杠は冷たい目をして笑っていた。
「それとも聖也はそういうプレイが好きなの?それならもうちょっと付き合ってあげようか?」
杠は少し舌なめずりしながら笑みを見せていた。
「い、いや今日はもう十分さ。さぁ送るよ」
そう言って杠と二人駅へと歩いて行く。
せっかく手に入れた獲物だ。まだ焦っちゃ駄目だ。ゆっくり行こう。
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