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番外:夫婦喧嘩は鬼も食わない 後
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狂気が身を浸す。
死に花咲かせよと、鬼を急かす。
ひときわ大きな風が吹き荒れて――不意に、雲の切れ間から月の黄金が顔をのぞかせた。
青い蝶が、熱を奪う。
冷たい月光が、愉悦を拭う。
懐かしい声が、鬼を樹鶴へと引き戻す。
「――そうだった。」
細く――息を吐く。
今は、宥めるべき時である。
愉しむべき時ではない。
ふるりと首を横に振って、頭蓋の中に溢れた熱を祓う。
そのうえで、今度こそ樹鶴は頭を抱えた。
五つの頭こそ絡ませたものの、未だ暴風雨の化身であることに変わりはないのだ。
「どうしようかねえ」
脱力し、体重を消して風雨に巻き上げられる木の葉のように龍の尾からふわりふわりと最低限の消耗で逃げおおせていれば、流麗な女の声がした。
「おや、知った気配がすると思えば。小鬼がおるな」
柔らかなものが背に当たり、不安定だった体に支えが出来る。
目線を下げれば、金色に光る雲が樹鶴の体を掬い上げるようしてその身を滑り込ませていた。
それは金雲、すなわち天人の乗り物。
視線を再び元に戻せば、美麗な姿をした女がいつの間にやら樹鶴を覗き込んでいた。その方には羽衣が揺れている。
――絵島の天女、そのひとだ。
かの龍はころころと笑うこの天女に危害を加えることはないので、この近さにならば恩恵を受けられるだろう。
あとが怖いが、今はありがたい。
樹鶴はほっと息をついた。
「ああ、やっと出てきてくれた。姐さん、ちょっと旦那のことどうにかしておくれよ」
「あ奴が悪い。散々反省した反省したと口で言うばかりで乱暴者の心根がちっとも治らん」
ぷい、と拗ねたように天女の頬が膨れる。
まるで幼子のようだ。何千何万と生きてるくせに、喧嘩となると大人げなくなるのがこの夫妻の悪いところだ。
「そう突き放すばっかりじゃあ伝わらねえよ。姐さん」
「……そういえばそのほう、人に教える立場になったのだったか。アレが逝ってから抜け殻のようになっておったものが立派になったことよな」
「今はもう一線から退いて臨時で教えるばっかりだよ。――ねえまだその気になってくれないのかい」
妻がお前に顔を寄せるのが気に食わないとばかりに、眼下の尾がべしんべしんと海面を叩いて飛沫を飛ばしてきている。勢いが勢いだけに雲越しでも背中に結構な衝撃があるし、なにより疲れた。
「そう急かすな。あれが心から反省しなくば島が増えてしまうでな、どうしたものかと考えておるのよ」
ほう、と麗しく悩ましい息を零した天女の言に、目を龍神よりもさらに下、海底へと向ける。
「――うわ、本当だ。底の方のお山が熱持ってるじゃねえか」
絵島の縁起に曰く。
この島は突然海底より火山が噴き上がって出来た島だという。
この龍自身、そのときに島と共に生まれた国津神の一柱でもあるから、その感情と地脈に縁が結ばれていてもおかしくはない。
おかしくはないが――神代からずいぶん経っているというのに、随分激しいことをする。
「絵島が二つ、というのも悪くはないが……うん、あまり美しい絵ではないな。決めたぞ、小鬼」
「なんだい」
「そのほう、琵琶はできるか」
言うが早いか、天女の繊手が光を織って琵琶を生み、ひょいと投げるように渡された。
問うわりに出来ると確信している。
「はあ……やりゃいいんでしょう。 何百年もやってねえんだから、下手でも勘弁してくださいよ」
琵琶を抱え込むように座して、べべんと弦を弾く。
神の頼みは断ると後が怖い。断らなかったせいで背後の視線も怖いが――まだ、龍の方が天女よりはマシだ。大地から生まれたモノのほうがまだ理解ができる。
「ふふ、よい。女神に敵う奴など天下にも天上にもおらぬ故」
「そりゃそうだ」
この天女は武士に崇められる武神でありながら、歌舞音曲も司るのだから。
それなら自分がやればいいだろうと思わなくもないが、美しい衣をゆらりと翻したところ見るに、今は踊りたい気分なのだろう。
びぃん、べべん
琵琶が鳴き、天女が舞う。
嵐の雨粒縫うように、音魂がその風に連なる。
誘い手招く繊手に、龍の五頭が酩酊したようにゆらゆら揺れる。
「――我が背の君よ、ともに舞おうぞ」
天上珠玉の声が、五衰を知らぬきらめきと共に歌い始めた。
―――
――
びぃん、と最後の一音を鳴らして、樹鶴は頽れるように倒れ伏しながら琵琶を金雲の上に放りなげた。
雨はすっかり上がっているし、刺すような殺気ももうないが――神に囲まれ演奏するなど命がいくつあっても足りやしない。
ましてや夫婦喧嘩が仲直りをするための舞である。
熱っぽいやら甘ったるいやらで、やもめの身にはあまりにつらい。
「すまんな。樹鶴」
最愛の妻に鱗を撫でられてすっかり落ち着いたらしい龍の頭が五つ揃って下げられる。
単純なひとだし、改心してからは悪いおひとではない。
ただただ激しいだけで。
樹鶴は万の不満を飲み干して、ひらりと手を振った。
「いいえー。どうぞ、この曲の余韻は三ノ宮にでもいっておさめていてくだせえ」
「うむ。そうすることとしよう」
勝手にいちゃついてろこの野郎。という言葉の裏を汲み取れなかったらしい龍は上機嫌で頷いて、雨雲をごくんと飲み干した。
海は凪いで、あれほど暴れられていたのが嘘のように静かになっている。
そっと雲を陸地に寄せて樹鶴をおろし、そのままそそくさと連れ立って去ろうとする夫妻に、あ、と樹鶴は声をあげた。
これを言わねば、明日もこの空気を吸うハメになる。
「明日鬼道の子供を連れて入島します。龍窟には只人の子だけをいれるんで、どうぞお目こぼしを」
「相分かった。気遣い感謝する」
重々しく頷いて去っていく龍の鱗の一片、天女の後光の一筋も見えなくなって、ようやく樹鶴はその場にドスンと腰を下ろした。
「あー、疲れた……」
ぷかりと花蜜をふかせば、靄は天へとまっすぐ上っていく。
明日はしっかり晴れそうだ。
戻らねえとなあ、と思いながらも、疲れた体は思うようには動かない。
暫くそこでぼんやりとしていれば、にゃははと笑う声がした。眉がぎゅっと眉間に寄る。
「よくやったにゃ、樹鶴」
「クロてめえ、本当に三味線にされてえのか」
「勘弁勘弁。生まれ直してまだ一年にゃんだ。死ぬには惜しいにゃあ」
「だったらもうちょい大人しくするんだね」
こいつの前でへたり込んでいるのも癪だと腰を上げ、樹鶴はゆっくりと宿に向けて歩き出した。
ぷん、と鉄のにおいがして、そういえば頬を抉られたんだったと思い出す。
面倒だが、塞いでしまわなければ子供たちが驚いてしまうだろう。そう思いながら人差し指で傷跡をなぞれば、血ごと拭われたように傷が跡形もなく塞がる。
人差し指に残った血もぱっと払えば、何事もなかったかのように虚空へ消えていった。
同じようにして縺れた髪や破けた袖を元に戻していると、きゃっきゃと笑いあう子供の声が窓から転がる宿の前へと早々にたどり着いた。
どうやら姫君――若君だったか――はうまくやったらしい。
「ん? にゃんだにゃんだ、随分賑やかだにゃ」
「……へえ、うまくいったようだ」
笑う樹鶴の体のどこにも、先ほどまでの乱れはない。
格好つけめとクロの黄色い目がにんまり笑う。
「オマエのところの仔か? おいらも挨拶してやろうか」
「いらん」
「けち」
あっちへお行きと手を振れば、またなという言葉とともに猫の重みが肩から消える。
戸に手をかけて、鴨井をひょいと避けながら部屋に入ると、双子がそっくりな顔を見合わせて笑っているのが見えた。
「なんだい。随分仲良くなったみたいじゃないか」
麗人は、素知らぬ顔で呵々と笑った。
死に花咲かせよと、鬼を急かす。
ひときわ大きな風が吹き荒れて――不意に、雲の切れ間から月の黄金が顔をのぞかせた。
青い蝶が、熱を奪う。
冷たい月光が、愉悦を拭う。
懐かしい声が、鬼を樹鶴へと引き戻す。
「――そうだった。」
細く――息を吐く。
今は、宥めるべき時である。
愉しむべき時ではない。
ふるりと首を横に振って、頭蓋の中に溢れた熱を祓う。
そのうえで、今度こそ樹鶴は頭を抱えた。
五つの頭こそ絡ませたものの、未だ暴風雨の化身であることに変わりはないのだ。
「どうしようかねえ」
脱力し、体重を消して風雨に巻き上げられる木の葉のように龍の尾からふわりふわりと最低限の消耗で逃げおおせていれば、流麗な女の声がした。
「おや、知った気配がすると思えば。小鬼がおるな」
柔らかなものが背に当たり、不安定だった体に支えが出来る。
目線を下げれば、金色に光る雲が樹鶴の体を掬い上げるようしてその身を滑り込ませていた。
それは金雲、すなわち天人の乗り物。
視線を再び元に戻せば、美麗な姿をした女がいつの間にやら樹鶴を覗き込んでいた。その方には羽衣が揺れている。
――絵島の天女、そのひとだ。
かの龍はころころと笑うこの天女に危害を加えることはないので、この近さにならば恩恵を受けられるだろう。
あとが怖いが、今はありがたい。
樹鶴はほっと息をついた。
「ああ、やっと出てきてくれた。姐さん、ちょっと旦那のことどうにかしておくれよ」
「あ奴が悪い。散々反省した反省したと口で言うばかりで乱暴者の心根がちっとも治らん」
ぷい、と拗ねたように天女の頬が膨れる。
まるで幼子のようだ。何千何万と生きてるくせに、喧嘩となると大人げなくなるのがこの夫妻の悪いところだ。
「そう突き放すばっかりじゃあ伝わらねえよ。姐さん」
「……そういえばそのほう、人に教える立場になったのだったか。アレが逝ってから抜け殻のようになっておったものが立派になったことよな」
「今はもう一線から退いて臨時で教えるばっかりだよ。――ねえまだその気になってくれないのかい」
妻がお前に顔を寄せるのが気に食わないとばかりに、眼下の尾がべしんべしんと海面を叩いて飛沫を飛ばしてきている。勢いが勢いだけに雲越しでも背中に結構な衝撃があるし、なにより疲れた。
「そう急かすな。あれが心から反省しなくば島が増えてしまうでな、どうしたものかと考えておるのよ」
ほう、と麗しく悩ましい息を零した天女の言に、目を龍神よりもさらに下、海底へと向ける。
「――うわ、本当だ。底の方のお山が熱持ってるじゃねえか」
絵島の縁起に曰く。
この島は突然海底より火山が噴き上がって出来た島だという。
この龍自身、そのときに島と共に生まれた国津神の一柱でもあるから、その感情と地脈に縁が結ばれていてもおかしくはない。
おかしくはないが――神代からずいぶん経っているというのに、随分激しいことをする。
「絵島が二つ、というのも悪くはないが……うん、あまり美しい絵ではないな。決めたぞ、小鬼」
「なんだい」
「そのほう、琵琶はできるか」
言うが早いか、天女の繊手が光を織って琵琶を生み、ひょいと投げるように渡された。
問うわりに出来ると確信している。
「はあ……やりゃいいんでしょう。 何百年もやってねえんだから、下手でも勘弁してくださいよ」
琵琶を抱え込むように座して、べべんと弦を弾く。
神の頼みは断ると後が怖い。断らなかったせいで背後の視線も怖いが――まだ、龍の方が天女よりはマシだ。大地から生まれたモノのほうがまだ理解ができる。
「ふふ、よい。女神に敵う奴など天下にも天上にもおらぬ故」
「そりゃそうだ」
この天女は武士に崇められる武神でありながら、歌舞音曲も司るのだから。
それなら自分がやればいいだろうと思わなくもないが、美しい衣をゆらりと翻したところ見るに、今は踊りたい気分なのだろう。
びぃん、べべん
琵琶が鳴き、天女が舞う。
嵐の雨粒縫うように、音魂がその風に連なる。
誘い手招く繊手に、龍の五頭が酩酊したようにゆらゆら揺れる。
「――我が背の君よ、ともに舞おうぞ」
天上珠玉の声が、五衰を知らぬきらめきと共に歌い始めた。
―――
――
びぃん、と最後の一音を鳴らして、樹鶴は頽れるように倒れ伏しながら琵琶を金雲の上に放りなげた。
雨はすっかり上がっているし、刺すような殺気ももうないが――神に囲まれ演奏するなど命がいくつあっても足りやしない。
ましてや夫婦喧嘩が仲直りをするための舞である。
熱っぽいやら甘ったるいやらで、やもめの身にはあまりにつらい。
「すまんな。樹鶴」
最愛の妻に鱗を撫でられてすっかり落ち着いたらしい龍の頭が五つ揃って下げられる。
単純なひとだし、改心してからは悪いおひとではない。
ただただ激しいだけで。
樹鶴は万の不満を飲み干して、ひらりと手を振った。
「いいえー。どうぞ、この曲の余韻は三ノ宮にでもいっておさめていてくだせえ」
「うむ。そうすることとしよう」
勝手にいちゃついてろこの野郎。という言葉の裏を汲み取れなかったらしい龍は上機嫌で頷いて、雨雲をごくんと飲み干した。
海は凪いで、あれほど暴れられていたのが嘘のように静かになっている。
そっと雲を陸地に寄せて樹鶴をおろし、そのままそそくさと連れ立って去ろうとする夫妻に、あ、と樹鶴は声をあげた。
これを言わねば、明日もこの空気を吸うハメになる。
「明日鬼道の子供を連れて入島します。龍窟には只人の子だけをいれるんで、どうぞお目こぼしを」
「相分かった。気遣い感謝する」
重々しく頷いて去っていく龍の鱗の一片、天女の後光の一筋も見えなくなって、ようやく樹鶴はその場にドスンと腰を下ろした。
「あー、疲れた……」
ぷかりと花蜜をふかせば、靄は天へとまっすぐ上っていく。
明日はしっかり晴れそうだ。
戻らねえとなあ、と思いながらも、疲れた体は思うようには動かない。
暫くそこでぼんやりとしていれば、にゃははと笑う声がした。眉がぎゅっと眉間に寄る。
「よくやったにゃ、樹鶴」
「クロてめえ、本当に三味線にされてえのか」
「勘弁勘弁。生まれ直してまだ一年にゃんだ。死ぬには惜しいにゃあ」
「だったらもうちょい大人しくするんだね」
こいつの前でへたり込んでいるのも癪だと腰を上げ、樹鶴はゆっくりと宿に向けて歩き出した。
ぷん、と鉄のにおいがして、そういえば頬を抉られたんだったと思い出す。
面倒だが、塞いでしまわなければ子供たちが驚いてしまうだろう。そう思いながら人差し指で傷跡をなぞれば、血ごと拭われたように傷が跡形もなく塞がる。
人差し指に残った血もぱっと払えば、何事もなかったかのように虚空へ消えていった。
同じようにして縺れた髪や破けた袖を元に戻していると、きゃっきゃと笑いあう子供の声が窓から転がる宿の前へと早々にたどり着いた。
どうやら姫君――若君だったか――はうまくやったらしい。
「ん? にゃんだにゃんだ、随分賑やかだにゃ」
「……へえ、うまくいったようだ」
笑う樹鶴の体のどこにも、先ほどまでの乱れはない。
格好つけめとクロの黄色い目がにんまり笑う。
「オマエのところの仔か? おいらも挨拶してやろうか」
「いらん」
「けち」
あっちへお行きと手を振れば、またなという言葉とともに猫の重みが肩から消える。
戸に手をかけて、鴨井をひょいと避けながら部屋に入ると、双子がそっくりな顔を見合わせて笑っているのが見えた。
「なんだい。随分仲良くなったみたいじゃないか」
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