37 / 43
番外編(※記載ないものはすべて本編後です)
海賊さんは姫さんのことが心配
しおりを挟む
グェルデは珍しく真っ向正面から招かれた屋敷にやってきていた。当然招いたのは雇い主であるサラージュ・ネクタルであり、その目的は情報のやりとり――なのだが。
「姫さんさあ、ちぃと王子様に甘すぎねえ?」
久方ぶりにあったその少女を見て、海の色男は眉根を寄せた。
彼女と会うのは四か月ぶり。情報屋を生業とする彼は勿論、王宮であったという事件の顛末も、その過程で雇い主が負った傷のことも知っている。だが、直接視なければわからないこともあるものだ。
「あら、突然どうしたの」
「その首の傷。呪印になってるだろ」
グェルデは自身のうなじを指先でトンと叩き、確信に満ちた声で問うた。
情報として伝わってくる中では『傷は深くない』と言われていたが、こうして肉眼で確かめるとその異様さがよくわかる。
肉体についた傷はたしかに浅かったようで薄桃色の痕が残る程度だが――黒真珠の瞳に映るそれは、魂そのものにマーキングするように深々と突き刺さっている。
グェルデに知る彼女ならば、気づかないはずもない。
そう眼差しを傾ければ、観念したように紅唇からため息が零れた。そっと繊手がうなじを覆う。
「……本当、目ざといわね」
「姫さんの情報屋なんで。――というかよくソレをあの珍獣一号が見逃してんな。ドラゴンなんざ独占欲の化身みたいなもんだろ」
珍獣一号――もとい、ザイン。彼女が乗りこなすドラゴンそのものである少年。
相当な執着をサラージュに向けているはずの子飼い仲間は、まだ幼いとはいえ純種のドラゴンだ。彼ならば獣人種のつけた呪印ごとき簡単に取り払えるはずだろう。
往々にしてドラゴンは自分の『宝』を守る習性があり、決して余人がそれを盗むことも印をつけることも許さないのだから。
「ふふ。あの子にとってわたくしは『あるじ』であって『宝物』は別にいるのよ。文句は言われたけれど、それだけだわ」
「ふうん」
珍獣二号のことだろうか。いつも喧嘩ばかりだが、たしかに二人一組でいつだって一緒にいる。てっきりサラージュこそが『宝』も兼任しているものと思っていたが――わからないものである。
なぜだか壁際でじっとこちらを見ている元王太子殿下など、わかりやすいこと極まりないというのに。
「……で、なんで今日は王子様もいるわけ」
「ああ、気にしなくていいぞ。ぼくは傍にいるだけだから」
「そう言われましてもね……エ、姫さんはいいんですか?」
一応これまで内密に動いてきた身なので、今さら大っぴらに扱いますと言われると困惑が勝る。別にやましいことをしているわけではないが、グェルデが渡す情報は大半がアングラの情報だ。表と裏の情報を総合して時勢を読むためのものではあるが、血なまぐさく胸糞悪くなるような情報もよく紛れている。
「別に構わないわ。どうせおまえのことだから暗号文にしているでしょう」
「まあそれはそうなんですけどね……」
差し出された手に毎度おなじみのロケットを落とす。
確認するうちになにやら気になる点があったらしい少女が「少し外すわ」と言って隣室――たしか個人用の書庫だったか――に一人で入っていった。
必然。こちらの部屋には二人きりになるわけで。
ちらりと壁際の青年に目をやる。
相も変わらず平静を装った顔のまま腕を組んでこちらを見ているが、ライトグリーンの瞳はチリチリといやな感覚を刺してきて実に鬱陶しい。
嫉妬されてんなあ。慣れた手合いのそれに、色男はため息をついた。
「なあ王子様。アンタ、なにがしたいわけ。姫さんが不貞を働けるようなお人じゃねえのは知ってるだろ」
「それを疑ったことはないな。だが、疑うことと妬くことは別だろう?」
にっこり。そんな擬音語が混ざりそうな笑顔だ。
「……アンタの弟が蛇神らしいが、どっちかといやオレにはアンタのが蛇に見えるな」
「おや、狼の独占欲の強さもなかなかだが」
「…………おっかねえ目してんなぁ」
爛々としているというか、ギラギラしているというか、じっとりと焼け付くようというか……そう、いつだったか見た、毒を投げ込んだ炎の色を思い出す。
民衆の間では穏やかな大型犬のようとも評されるし、サラージュから伝え聞いていた話からも似たような印象を受けていたが、どこがだ。
人に噛みついて呪いを残しているあたり犬は犬でも東方に伝わるという犬神か、そうでなければチャーチ・グリムだろう。
「はははは。――サラのことは信じているが、貴殿のことは信じていないからな。ガイアルの末裔殿?」
ぞわりと、総毛立つ。
もはや、誰も呼ばぬ家の名だ。
遠い遠い南の海の上に浮かぶ国。その地に根付き、そして焼き払われた者たちの名だ。
――なぜ、と叫びかけて、飲み干す。
一国の王族であればグェルデが未練がましく捨てきれなかった特徴の数々を見ればわかる可能性はあった。いや、隣室のサラージュとて、本当のところは理解しているだろうがグェルデとの約束を優先して問いもせずにいるだけだろう。
だから、目の前の青年が知っていたところで、何もおかしくはない。
引きつった口を緩め、へらりと笑う。敵対意思も、彼女を利用する意思もない。そう示すように。
「滅んだ名なんで、呼ばねえでもらえます?」
「それは失礼」
全く失礼とは思っていないだろう、刺々しい言い方だ。まるで続きを促すように、再びじっとこちらを薄笑いとともに視線が突き刺さる。
なるほど、念押しが欲しいと。
少し考えて、グェルデはゆるりと上半身を倒して青年に心からの本心を明かすことにする。明かすもなにも隠していないが。
「心配しねえでも、オレは姫さんにそういう色めいた感情はありませんよ。綺麗な娘さんだとは思うが、オレには勿体ねえ」
「……そうか、それは安心した」
ふわりとした笑み。信じ切ったわけではなさそうだが、明らかな敵対姿勢は目減りした。
どっと疲れて深く椅子に座りなおす。
どうか早く書庫から少女が出てきて、解散を宣言してくれますようにと祈りながら。
*
「――はー、おっかねえ。何が犬だよ」
数分後、帰宅許可が下りると同時に失礼したグェルデは頭を掻きながら街道を歩んでいた。
ネクタル領は今日も安穏としていて、先ほどまでの息のつまるような空間のあとでは一層空気が美味しく感じる。
すう、はあ、と深呼吸をして、思うのは恩人たる少女のこと。
「姫さん、そのうち首輪でも付けられそうだなあ、ありゃ」
どうやら口では帰る場所になるだのなんだのと言っているようだが、あれはそんな殊勝な男ではないだろう。
死ぬなら腕の中で死んでほしい。
生きるなら隣で生きてほしい。
――それは、どこにも逃がさないという宣言に他ならない。
呪印はそのマーキングだ。効果はおそらく、追跡。
これからこの先誰にも渡さない。自分の手の届かないところで死ぬくらいならばいっそ自分の手で。
噛みついたときにそう思っていたかどうかはともかくとして、欠片でもあった感情を発芽させたのは間違いなくあの狼王子なのだ。
恐ろしいと思いながらも、まんざらでもなさそうに自分のうなじに触れていたサラージュの顔を思い出し、ため息。
「……まあ、割れ鍋に綴じ蓋ってやつなんだろ。多分」
戦場でしか咲かない徒花と思っていたが、新たな咲き場所も大概厄介だ。
恩人とはいえ妹のように思っていた少女の未来に想いを馳せ――その心配すぎる方向性に、男は再度深々とため息をついた。
「姫さんさあ、ちぃと王子様に甘すぎねえ?」
久方ぶりにあったその少女を見て、海の色男は眉根を寄せた。
彼女と会うのは四か月ぶり。情報屋を生業とする彼は勿論、王宮であったという事件の顛末も、その過程で雇い主が負った傷のことも知っている。だが、直接視なければわからないこともあるものだ。
「あら、突然どうしたの」
「その首の傷。呪印になってるだろ」
グェルデは自身のうなじを指先でトンと叩き、確信に満ちた声で問うた。
情報として伝わってくる中では『傷は深くない』と言われていたが、こうして肉眼で確かめるとその異様さがよくわかる。
肉体についた傷はたしかに浅かったようで薄桃色の痕が残る程度だが――黒真珠の瞳に映るそれは、魂そのものにマーキングするように深々と突き刺さっている。
グェルデに知る彼女ならば、気づかないはずもない。
そう眼差しを傾ければ、観念したように紅唇からため息が零れた。そっと繊手がうなじを覆う。
「……本当、目ざといわね」
「姫さんの情報屋なんで。――というかよくソレをあの珍獣一号が見逃してんな。ドラゴンなんざ独占欲の化身みたいなもんだろ」
珍獣一号――もとい、ザイン。彼女が乗りこなすドラゴンそのものである少年。
相当な執着をサラージュに向けているはずの子飼い仲間は、まだ幼いとはいえ純種のドラゴンだ。彼ならば獣人種のつけた呪印ごとき簡単に取り払えるはずだろう。
往々にしてドラゴンは自分の『宝』を守る習性があり、決して余人がそれを盗むことも印をつけることも許さないのだから。
「ふふ。あの子にとってわたくしは『あるじ』であって『宝物』は別にいるのよ。文句は言われたけれど、それだけだわ」
「ふうん」
珍獣二号のことだろうか。いつも喧嘩ばかりだが、たしかに二人一組でいつだって一緒にいる。てっきりサラージュこそが『宝』も兼任しているものと思っていたが――わからないものである。
なぜだか壁際でじっとこちらを見ている元王太子殿下など、わかりやすいこと極まりないというのに。
「……で、なんで今日は王子様もいるわけ」
「ああ、気にしなくていいぞ。ぼくは傍にいるだけだから」
「そう言われましてもね……エ、姫さんはいいんですか?」
一応これまで内密に動いてきた身なので、今さら大っぴらに扱いますと言われると困惑が勝る。別にやましいことをしているわけではないが、グェルデが渡す情報は大半がアングラの情報だ。表と裏の情報を総合して時勢を読むためのものではあるが、血なまぐさく胸糞悪くなるような情報もよく紛れている。
「別に構わないわ。どうせおまえのことだから暗号文にしているでしょう」
「まあそれはそうなんですけどね……」
差し出された手に毎度おなじみのロケットを落とす。
確認するうちになにやら気になる点があったらしい少女が「少し外すわ」と言って隣室――たしか個人用の書庫だったか――に一人で入っていった。
必然。こちらの部屋には二人きりになるわけで。
ちらりと壁際の青年に目をやる。
相も変わらず平静を装った顔のまま腕を組んでこちらを見ているが、ライトグリーンの瞳はチリチリといやな感覚を刺してきて実に鬱陶しい。
嫉妬されてんなあ。慣れた手合いのそれに、色男はため息をついた。
「なあ王子様。アンタ、なにがしたいわけ。姫さんが不貞を働けるようなお人じゃねえのは知ってるだろ」
「それを疑ったことはないな。だが、疑うことと妬くことは別だろう?」
にっこり。そんな擬音語が混ざりそうな笑顔だ。
「……アンタの弟が蛇神らしいが、どっちかといやオレにはアンタのが蛇に見えるな」
「おや、狼の独占欲の強さもなかなかだが」
「…………おっかねえ目してんなぁ」
爛々としているというか、ギラギラしているというか、じっとりと焼け付くようというか……そう、いつだったか見た、毒を投げ込んだ炎の色を思い出す。
民衆の間では穏やかな大型犬のようとも評されるし、サラージュから伝え聞いていた話からも似たような印象を受けていたが、どこがだ。
人に噛みついて呪いを残しているあたり犬は犬でも東方に伝わるという犬神か、そうでなければチャーチ・グリムだろう。
「はははは。――サラのことは信じているが、貴殿のことは信じていないからな。ガイアルの末裔殿?」
ぞわりと、総毛立つ。
もはや、誰も呼ばぬ家の名だ。
遠い遠い南の海の上に浮かぶ国。その地に根付き、そして焼き払われた者たちの名だ。
――なぜ、と叫びかけて、飲み干す。
一国の王族であればグェルデが未練がましく捨てきれなかった特徴の数々を見ればわかる可能性はあった。いや、隣室のサラージュとて、本当のところは理解しているだろうがグェルデとの約束を優先して問いもせずにいるだけだろう。
だから、目の前の青年が知っていたところで、何もおかしくはない。
引きつった口を緩め、へらりと笑う。敵対意思も、彼女を利用する意思もない。そう示すように。
「滅んだ名なんで、呼ばねえでもらえます?」
「それは失礼」
全く失礼とは思っていないだろう、刺々しい言い方だ。まるで続きを促すように、再びじっとこちらを薄笑いとともに視線が突き刺さる。
なるほど、念押しが欲しいと。
少し考えて、グェルデはゆるりと上半身を倒して青年に心からの本心を明かすことにする。明かすもなにも隠していないが。
「心配しねえでも、オレは姫さんにそういう色めいた感情はありませんよ。綺麗な娘さんだとは思うが、オレには勿体ねえ」
「……そうか、それは安心した」
ふわりとした笑み。信じ切ったわけではなさそうだが、明らかな敵対姿勢は目減りした。
どっと疲れて深く椅子に座りなおす。
どうか早く書庫から少女が出てきて、解散を宣言してくれますようにと祈りながら。
*
「――はー、おっかねえ。何が犬だよ」
数分後、帰宅許可が下りると同時に失礼したグェルデは頭を掻きながら街道を歩んでいた。
ネクタル領は今日も安穏としていて、先ほどまでの息のつまるような空間のあとでは一層空気が美味しく感じる。
すう、はあ、と深呼吸をして、思うのは恩人たる少女のこと。
「姫さん、そのうち首輪でも付けられそうだなあ、ありゃ」
どうやら口では帰る場所になるだのなんだのと言っているようだが、あれはそんな殊勝な男ではないだろう。
死ぬなら腕の中で死んでほしい。
生きるなら隣で生きてほしい。
――それは、どこにも逃がさないという宣言に他ならない。
呪印はそのマーキングだ。効果はおそらく、追跡。
これからこの先誰にも渡さない。自分の手の届かないところで死ぬくらいならばいっそ自分の手で。
噛みついたときにそう思っていたかどうかはともかくとして、欠片でもあった感情を発芽させたのは間違いなくあの狼王子なのだ。
恐ろしいと思いながらも、まんざらでもなさそうに自分のうなじに触れていたサラージュの顔を思い出し、ため息。
「……まあ、割れ鍋に綴じ蓋ってやつなんだろ。多分」
戦場でしか咲かない徒花と思っていたが、新たな咲き場所も大概厄介だ。
恩人とはいえ妹のように思っていた少女の未来に想いを馳せ――その心配すぎる方向性に、男は再度深々とため息をついた。
0
お気に入りに追加
333
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる