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9.傾国とは狼を犬にするものである
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アレクシスは、魅入られたようにそのワインレッドの瞳を見上げていた。
細い人差し指一本。仄かな薄桃色の爪がちょこんと乗っただけのそれを、コマンドも含まれていない言葉ごと拒絶することは容易い。
たしかにサラージュには前線で戦うものとしての実績があり、その武勇は城にも届いている。本格的に組み合うとなれば、体格や身体能力で勝るアレクシスも相応の手傷を覚悟しなければならない相手だろう。
といっても、彼女自身の気性は穏やかであり、むしろ無用な暴力は唾棄すべきだと考えるような子だ。反駁したところで手酷く扱われるようなことはない。
だから、委縮する必要も遠慮する必要も何一つない。
――しかし、アレクシスの喉は生唾を飲み込んだ後、一音も発することができずにいた。
別に、躾を受けたいわけではない。
アレクシスに被虐趣味の気はないのだから。
婚約者に甘くじゃれつくことを日課にしているから男としても受け身なのだろうと揶揄されることもあるが、狼人らしく云えば群れのトップに属するα個体だ。攻める方が性に合っている。
だというのに、『躾』という言葉を前に「なにをするのか」と問うことすらできない。
それどころか目の前の麗しい人がそれを施してくれるという事実を脳内でぐるりぐるりと反復するだけで、心臓がひどく高鳴ってしまう。
味わったこともないのに、これから行われるだろうそれが自分にもたらす快楽と苦痛が想像するだけでひどく甘い。じゅわりとせり上がった唾液が溢れてしまわないようにごくりと飲み干す。
「あら。……ふふ、申し訳ないのだけれど」
サラージュの傾国の美貌が不意に、ほんの少し赤らんだ。それを誤魔化すように微笑む彼女の視線はアレクシスの顔ではなく、床についた膝のほど近くへと向けられている。
――気づかれた。
心臓が軋みながら跳ねた。
「いやらしいことはしないわよ。レクシア」
困った人、とでも言いたげな表情に、羞恥が沸きあがる。
自分自身の体だ。そこが熱を持ち始めていたことくらい気づいていた。だからこそ、どうにかして膨らんだトラウザースを誤魔化していたというのに……気づかれてしまった。
先ほどまでの高鳴りから意味を変え、いっそう激しさを増した心音が耳の奥で鳴り響く。
幾度も裸で抱き合った仲だ。散々見せたことのあるモノではある。だが、『躾』と言われただけで屹立してしまったものを発見されるのは全く意味が違う。
「……っ! これは」
「これは? 嘘をついてはだめよ。素直に教えて?」
「ぁ……」
声に威圧感はない。あくまで優しく、普段の涼やかなサラージュの声のままだ。
それでも――夜を思わせる声に、アレクシスの血に宿る狼は頭を垂れずにはいられない。
「レクシア」
「き、期待……した」
「なにを?」
「サラが、触って、虐めてくれるのではないかと」
言葉にしたせいで、想像が加速する。
滑らかで細い指が自分の体を這い、撫で、嫣然として見下ろすワインレッドの眼差しに焦がされる。そして我慢しきった先に柔らかい唇が降り注ぐのだ。『いい子ね』と褒美を与えるように。
羞恥を滲ませながら告白すれば、そんな妄想迸る脳内など知るよしもないサラージュが目を丸くした。
くるんと上向いたつやつやとして長い睫毛がぱしぱし瞬いて、光がいつもより多く射しこんだ瞳がチェリーピンクに煌めく。
(あ、かわいい)
アレクシスは羞恥も焦りも放り投げて胸をきゅんとさせた。
傾国と名高い麗しの美貌は普段は一つ年下であることを忘れるほどに周囲を突き放すような輝きを誇ってやまないが、ふとした瞬間に垣間見える鉄壁のほほえみが崩れた表情はきっかけがどんな感情であってもひどく愛らしい。当然普段の貴族としての誇りに満ちた顔も好きなのだが、一目惚れしたときに見た幼い日のおもかげを強く感じることの出来るそれらがいっとう好きだ。
それはもう、独り占めしたいくらいに。
「まあ、心外だわ。わたくし、貴方をいじめたことなんてないじゃない。……そもそもレクシアったら、そんな下世話な知識何処から仕入れたの?」
「そっ! れは……我も男で……いや、待て」
するりと被りなおした仮面のほほえみと、頤を掬い上げる指先に羞恥と妄想が蘇りかけ――すっと頭が冷えた。
突然表情の消えたアレクシスに何かを感じたのか、サラージュの体がわずかに警戒心をあらわにした猫のように固まる。
サラージュは貴族令嬢で、当然はじめてはすべて婚約者であるアレクシスが貰い受けた。
性教育や性の話題がタブー視されることの少ない国ではあるが、貴族の子女はまかり間違っても立場を悪用することがないように、性的倒錯からはなるべく遠ざけられて育つ。父のような多人数交際型などは生物としての特性の範囲とされるが、生殖に直接関連しない被虐性癖などは通常、遠ざけられる側の知識とされているはずだ。
アレクシスが知っているのは狼人としての独占欲がキュートアグレッションに、その延長線として嗜虐癖に転じやすいという性質を踏まえての教導を通じてだ。そうした性質の薄いサラージュが知る機会はない。
だというのに、なぜ知っている?
羞恥で動かなかったはずの体がゆるりと動いた。頤にかかっていた彼女の指を絡め取り、恋人繋ぎに縫い留める。
逃げられないように、しっかりと指の谷間まで密着させる。
「下世話と分かるのか。今のが。我のサラにそんなことを仕込んだのはどこのどいつだサラに触れてよいのは我だけで我の知らぬところで斯様なことを覚える必要などないと言うのに一体いつなあサラ教えておくれ我のサラああ美しいな穢れないサラ我の我だけのサラ我がつがい我が運命!!」
腹の底は冷たく重いというのに脳は焼き切れそうに熱い。耳の奥はガンガンと鳴っていて見開いた目がちりちりと痛むが、そんなものはどうでもいい。
月のように穢れない彼女にそんな知識を仕込んだ下郎が存在すると言うのが腹立たしい。自分以外に彼女にそれを教えるものがいたことに気付けなかったことが憎たらしい。悲しい。恨めしい。羨ましい。
――妬ましい。
「誰に、仕込まれた」
驚くほど低い声が喉から零れ落ちた。
きっと今の自分は見るに堪えない顔をしている。悪鬼のほうがよほどマシだろう。
知らず、絡めた指の力が強まった。目の前が赤く、眼球の奥が煮えたぎるように熱くなる。
けれど、サラージュは静かに瞬くだけで怯えた顔一つ見せない。それどころか、風に柔らかく撫でられた花のように微笑んだ。
「ふふ、お忘れになったの? わたくし、辺境伯の娘で竜騎士よ。野営中に雑談くらいするわ。そんな怖い顔なさらないで」
骨まで軋む手をまるで可愛い仔犬に甘噛みされたとしか思っていないように笑う姿はなるほど、竜駆る火兵にふさわしい。
押しても引いても離れない手に肩をすくめて、少女の滑らかな頬がアレクシスの手の甲に摺り寄せられた。手を放してくれればその頭を撫でられたのに、とほんの少し不満そうな視線。
その眼差しに、アレクシスの荒れ狂う腹の虫が射すくめられたようにきゅうと縮んだ気がした。
「いやだ……我のサラが汚される」
「わたくしをそういう意味で汚せるのは貴方だけよ。レクシア」
「――! サラ!」
甘やかな言葉に目を輝かせたのもつかの間、油断して緩んだ手からサラージュの指が逃げ出す。
隙間なく共有されていた熱だけが掌に残った。そのさみしさに眉をひしゃげて、歪む視界の中に佇む彼女を収める。
美しいひとが、蕩けるように微笑んだ。
「でも、残念だけれど。わたくしが触るのも、わたくしに触れるのもしばしお預けといたしましょう」
――『待て』
人を幻惑する蝶のように怪しく、けれど清廉な声が耳元をくすぐる。
「そう不満そうなお顔をなさらないで? ――がんばったら、ご褒美を差し上げますから」
毒薬のように魅力的な笑みが、咲いている。
細い人差し指一本。仄かな薄桃色の爪がちょこんと乗っただけのそれを、コマンドも含まれていない言葉ごと拒絶することは容易い。
たしかにサラージュには前線で戦うものとしての実績があり、その武勇は城にも届いている。本格的に組み合うとなれば、体格や身体能力で勝るアレクシスも相応の手傷を覚悟しなければならない相手だろう。
といっても、彼女自身の気性は穏やかであり、むしろ無用な暴力は唾棄すべきだと考えるような子だ。反駁したところで手酷く扱われるようなことはない。
だから、委縮する必要も遠慮する必要も何一つない。
――しかし、アレクシスの喉は生唾を飲み込んだ後、一音も発することができずにいた。
別に、躾を受けたいわけではない。
アレクシスに被虐趣味の気はないのだから。
婚約者に甘くじゃれつくことを日課にしているから男としても受け身なのだろうと揶揄されることもあるが、狼人らしく云えば群れのトップに属するα個体だ。攻める方が性に合っている。
だというのに、『躾』という言葉を前に「なにをするのか」と問うことすらできない。
それどころか目の前の麗しい人がそれを施してくれるという事実を脳内でぐるりぐるりと反復するだけで、心臓がひどく高鳴ってしまう。
味わったこともないのに、これから行われるだろうそれが自分にもたらす快楽と苦痛が想像するだけでひどく甘い。じゅわりとせり上がった唾液が溢れてしまわないようにごくりと飲み干す。
「あら。……ふふ、申し訳ないのだけれど」
サラージュの傾国の美貌が不意に、ほんの少し赤らんだ。それを誤魔化すように微笑む彼女の視線はアレクシスの顔ではなく、床についた膝のほど近くへと向けられている。
――気づかれた。
心臓が軋みながら跳ねた。
「いやらしいことはしないわよ。レクシア」
困った人、とでも言いたげな表情に、羞恥が沸きあがる。
自分自身の体だ。そこが熱を持ち始めていたことくらい気づいていた。だからこそ、どうにかして膨らんだトラウザースを誤魔化していたというのに……気づかれてしまった。
先ほどまでの高鳴りから意味を変え、いっそう激しさを増した心音が耳の奥で鳴り響く。
幾度も裸で抱き合った仲だ。散々見せたことのあるモノではある。だが、『躾』と言われただけで屹立してしまったものを発見されるのは全く意味が違う。
「……っ! これは」
「これは? 嘘をついてはだめよ。素直に教えて?」
「ぁ……」
声に威圧感はない。あくまで優しく、普段の涼やかなサラージュの声のままだ。
それでも――夜を思わせる声に、アレクシスの血に宿る狼は頭を垂れずにはいられない。
「レクシア」
「き、期待……した」
「なにを?」
「サラが、触って、虐めてくれるのではないかと」
言葉にしたせいで、想像が加速する。
滑らかで細い指が自分の体を這い、撫で、嫣然として見下ろすワインレッドの眼差しに焦がされる。そして我慢しきった先に柔らかい唇が降り注ぐのだ。『いい子ね』と褒美を与えるように。
羞恥を滲ませながら告白すれば、そんな妄想迸る脳内など知るよしもないサラージュが目を丸くした。
くるんと上向いたつやつやとして長い睫毛がぱしぱし瞬いて、光がいつもより多く射しこんだ瞳がチェリーピンクに煌めく。
(あ、かわいい)
アレクシスは羞恥も焦りも放り投げて胸をきゅんとさせた。
傾国と名高い麗しの美貌は普段は一つ年下であることを忘れるほどに周囲を突き放すような輝きを誇ってやまないが、ふとした瞬間に垣間見える鉄壁のほほえみが崩れた表情はきっかけがどんな感情であってもひどく愛らしい。当然普段の貴族としての誇りに満ちた顔も好きなのだが、一目惚れしたときに見た幼い日のおもかげを強く感じることの出来るそれらがいっとう好きだ。
それはもう、独り占めしたいくらいに。
「まあ、心外だわ。わたくし、貴方をいじめたことなんてないじゃない。……そもそもレクシアったら、そんな下世話な知識何処から仕入れたの?」
「そっ! れは……我も男で……いや、待て」
するりと被りなおした仮面のほほえみと、頤を掬い上げる指先に羞恥と妄想が蘇りかけ――すっと頭が冷えた。
突然表情の消えたアレクシスに何かを感じたのか、サラージュの体がわずかに警戒心をあらわにした猫のように固まる。
サラージュは貴族令嬢で、当然はじめてはすべて婚約者であるアレクシスが貰い受けた。
性教育や性の話題がタブー視されることの少ない国ではあるが、貴族の子女はまかり間違っても立場を悪用することがないように、性的倒錯からはなるべく遠ざけられて育つ。父のような多人数交際型などは生物としての特性の範囲とされるが、生殖に直接関連しない被虐性癖などは通常、遠ざけられる側の知識とされているはずだ。
アレクシスが知っているのは狼人としての独占欲がキュートアグレッションに、その延長線として嗜虐癖に転じやすいという性質を踏まえての教導を通じてだ。そうした性質の薄いサラージュが知る機会はない。
だというのに、なぜ知っている?
羞恥で動かなかったはずの体がゆるりと動いた。頤にかかっていた彼女の指を絡め取り、恋人繋ぎに縫い留める。
逃げられないように、しっかりと指の谷間まで密着させる。
「下世話と分かるのか。今のが。我のサラにそんなことを仕込んだのはどこのどいつだサラに触れてよいのは我だけで我の知らぬところで斯様なことを覚える必要などないと言うのに一体いつなあサラ教えておくれ我のサラああ美しいな穢れないサラ我の我だけのサラ我がつがい我が運命!!」
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月のように穢れない彼女にそんな知識を仕込んだ下郎が存在すると言うのが腹立たしい。自分以外に彼女にそれを教えるものがいたことに気付けなかったことが憎たらしい。悲しい。恨めしい。羨ましい。
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驚くほど低い声が喉から零れ落ちた。
きっと今の自分は見るに堪えない顔をしている。悪鬼のほうがよほどマシだろう。
知らず、絡めた指の力が強まった。目の前が赤く、眼球の奥が煮えたぎるように熱くなる。
けれど、サラージュは静かに瞬くだけで怯えた顔一つ見せない。それどころか、風に柔らかく撫でられた花のように微笑んだ。
「ふふ、お忘れになったの? わたくし、辺境伯の娘で竜騎士よ。野営中に雑談くらいするわ。そんな怖い顔なさらないで」
骨まで軋む手をまるで可愛い仔犬に甘噛みされたとしか思っていないように笑う姿はなるほど、竜駆る火兵にふさわしい。
押しても引いても離れない手に肩をすくめて、少女の滑らかな頬がアレクシスの手の甲に摺り寄せられた。手を放してくれればその頭を撫でられたのに、とほんの少し不満そうな視線。
その眼差しに、アレクシスの荒れ狂う腹の虫が射すくめられたようにきゅうと縮んだ気がした。
「いやだ……我のサラが汚される」
「わたくしをそういう意味で汚せるのは貴方だけよ。レクシア」
「――! サラ!」
甘やかな言葉に目を輝かせたのもつかの間、油断して緩んだ手からサラージュの指が逃げ出す。
隙間なく共有されていた熱だけが掌に残った。そのさみしさに眉をひしゃげて、歪む視界の中に佇む彼女を収める。
美しいひとが、蕩けるように微笑んだ。
「でも、残念だけれど。わたくしが触るのも、わたくしに触れるのもしばしお預けといたしましょう」
――『待て』
人を幻惑する蝶のように怪しく、けれど清廉な声が耳元をくすぐる。
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