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「始まり、そして旅立ち」1
ミシェル9
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タッタッタッタッ
私は二階に行って、いつも使っているピンク色の、かわいい時計を身につけた。
お気に入りの、腰に回してつけるタイプのポーチを身につけて、中に財布と〈電話〉を入れた。そして私は、
(今日はレイピア術の鍛錬は出来ないわね……明日は、今日の分まで練習しなきゃね!)
レイピア術の鍛錬が日課になっている私はそれを少し気にしながら、でも「ふふっ」と今日のニッシュとのデートを思い浮かべながら、鏡の前で一回転してポーズを取り「準備良し!」と笑った。
トットットッ
一階に降りると、ドタバタと音が聞こえてきた。どうやら父が書斎で〈機械いじり〉しているようだ。
父の書斎では、父が何やら独り笑いしながら、私から見たらガラクタのような物を一生懸命工具などでいじっていた。父の書斎の隣の物置では、レイピア術で使うレイピアやヘッドガードやレザーガード(体防具)の他に、父が〈機械いじり〉で使う訳の分からないものが散乱していた。
「ふ、ふふふ!これをこうして……あれをああすれば……!よしいいぞ!……×××が×××で、おお!ふふふふふふ!…………あ……ミ、ミシェルじゃないか………今から、ニッシュに会いに行くのかい?」
「父さん、今から、ニッシュとデートしてくるわね!」
私は元気に答えて、父さんは自分の世界から現実に引き戻されたのだけれど……
「……そ、そうか……、―――母さんにも注意されたし……もう、諦めるか―――、……ミシェル、父さんにはな!機械があるんだ!!レイピア術の他に、機械は、父さんの生き甲斐としてとても大切なものなんだ!!見てくれ!あの、父さんの最高傑作を!!」
父の指差した先には、立派な台の上に置いてある、機械だと分かる、機械としてはとても役に立ちそうだが私にはよく分からないものが飾られていた。
それは、わざわざレイピアから外したと分かるとても年代の古そうな純銀製のレイピアの鍔を飾りに使われていた。そのレイピアの鍔には、人のような形のものが三方向に向かい合っている装飾が施されていた。おそらく、このレイピアの鍔はすごく高価なもので、とても出来ばえが良い機械が作れたから飾りに使ったのだろう……父さん、こんな貴重な物を飾りに使うなんて……
「な!ミシェル、分かってくれるよな!!!」
私は少したじろいだのだけれど、父さんも自分を元気づけるのを頑張っているようだった。
「わ、分かったわ………父さん、じゃあ私、ニッシュとのデートに行ってくるわね」
「ミ……ミシェル………、ああ、行ってらっしゃい………父さんは、大丈夫だ」
「じゃあね。行ってきます!父さん」
私は父に挨拶とお辞儀をした。父さんは寂しそうな、潤んだ瞳でこちらに視線を向けていた。
(……父さん、夢中になるのも、ほどほどにね……)
私は父のことを少し想い、胸の前で十字を切り、父を横から見て気を取り直して家のドアを開けた。
―――ガシャッ、
「じゃあ、行ってきまーーす!」
ばたんっ。
「ふぅ」
私はドアを閉めると、少し声を漏らした。私は歩みを進めると、晴天の中、ニッシュとの学校での出来事を思い出していた……
私は二階に行って、いつも使っているピンク色の、かわいい時計を身につけた。
お気に入りの、腰に回してつけるタイプのポーチを身につけて、中に財布と〈電話〉を入れた。そして私は、
(今日はレイピア術の鍛錬は出来ないわね……明日は、今日の分まで練習しなきゃね!)
レイピア術の鍛錬が日課になっている私はそれを少し気にしながら、でも「ふふっ」と今日のニッシュとのデートを思い浮かべながら、鏡の前で一回転してポーズを取り「準備良し!」と笑った。
トットットッ
一階に降りると、ドタバタと音が聞こえてきた。どうやら父が書斎で〈機械いじり〉しているようだ。
父の書斎では、父が何やら独り笑いしながら、私から見たらガラクタのような物を一生懸命工具などでいじっていた。父の書斎の隣の物置では、レイピア術で使うレイピアやヘッドガードやレザーガード(体防具)の他に、父が〈機械いじり〉で使う訳の分からないものが散乱していた。
「ふ、ふふふ!これをこうして……あれをああすれば……!よしいいぞ!……×××が×××で、おお!ふふふふふふ!…………あ……ミ、ミシェルじゃないか………今から、ニッシュに会いに行くのかい?」
「父さん、今から、ニッシュとデートしてくるわね!」
私は元気に答えて、父さんは自分の世界から現実に引き戻されたのだけれど……
「……そ、そうか……、―――母さんにも注意されたし……もう、諦めるか―――、……ミシェル、父さんにはな!機械があるんだ!!レイピア術の他に、機械は、父さんの生き甲斐としてとても大切なものなんだ!!見てくれ!あの、父さんの最高傑作を!!」
父の指差した先には、立派な台の上に置いてある、機械だと分かる、機械としてはとても役に立ちそうだが私にはよく分からないものが飾られていた。
それは、わざわざレイピアから外したと分かるとても年代の古そうな純銀製のレイピアの鍔を飾りに使われていた。そのレイピアの鍔には、人のような形のものが三方向に向かい合っている装飾が施されていた。おそらく、このレイピアの鍔はすごく高価なもので、とても出来ばえが良い機械が作れたから飾りに使ったのだろう……父さん、こんな貴重な物を飾りに使うなんて……
「な!ミシェル、分かってくれるよな!!!」
私は少したじろいだのだけれど、父さんも自分を元気づけるのを頑張っているようだった。
「わ、分かったわ………父さん、じゃあ私、ニッシュとのデートに行ってくるわね」
「ミ……ミシェル………、ああ、行ってらっしゃい………父さんは、大丈夫だ」
「じゃあね。行ってきます!父さん」
私は父に挨拶とお辞儀をした。父さんは寂しそうな、潤んだ瞳でこちらに視線を向けていた。
(……父さん、夢中になるのも、ほどほどにね……)
私は父のことを少し想い、胸の前で十字を切り、父を横から見て気を取り直して家のドアを開けた。
―――ガシャッ、
「じゃあ、行ってきまーーす!」
ばたんっ。
「ふぅ」
私はドアを閉めると、少し声を漏らした。私は歩みを進めると、晴天の中、ニッシュとの学校での出来事を思い出していた……
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