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駒の確保
14:味方を増やす(2)
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ゴリラと呼ぶには随分と小さい生き物は、ギルベルトの首から暗器を離すとシャーロットの前に跪いた。
そして目の前の主人にを見上げて叫ぶ。
「ゴリラじゃないですぅ!さっきからゴリラゴリラと!!」
ゴリラ呼ばわりに憤慨するシャーロットの侍女イリスは、ぷくーっと頬を膨らませた。
「ゴリラというよりはハムスターだな。ハムスター系のゴリラか?」
「ひど!?皇子様もひどい!それならせめてゴリラ系のハムスターの方がいい!」
「騒ぐな、ゴリ…イリス。うるさい」
「今!今ゴリラって言おうとしたぁ!何ですか、ゴリイリスって!」
「だからうるさいって言っおるだろうガッ!!」
「ぎゃんっ!」
シャーロットはお得意のデコピンをイリスの広い額に打ち込んだ。
「ううっ…。過去一で痛いです…」
「今のは良い音だったな。流石だ。容赦ない」
「ひどいぃい!」
「後で湿布貼ってやる。それよりも挨拶」
「はーい…」
イリスは赤くなった額をさすりながら、ギルベルトの前に跪いた。
「ヴァインライヒ王国第四王女付きの影。イリス・シュテルンと申します。よろしくお願いたします、ギルベルト殿下」
「…影?侍女ではないのか?」
「元々は私の影として存在していたのだが、帝国に来る前に侍女にジョブチェンジさせたんだ。ちなみに、仕込み期間3ヶ月だから、侍女としてはまだ半人前」
「護衛も暗殺も諜報もできる侍女を目指しております!」
「それは最早、侍女とは言わないだろう」
ピシッと敬礼するイリスに、ギルベルトは何とも言えない微妙は表情を浮かべた。
一人で何役もこなすハイスペック侍女を伴って嫁いでくるなど、何か怖い。
シャーロットはそんな彼の心情を察したのか、ニヤリと笑った。
「イリスは気配を消せる。正面突破しようとすれば、もちろんアスランには敵わないが、暗殺となれば話は別だ。不意をつくのならいつでも処理できる」
「そういう仕事は得意です!任せてください!」
「こら、そんなこと笑顔で言うものじゃない。王国の女はみんなぶっ飛んでるな」
「まあ兎に角だ。其方に与えられた選択肢は3つ」
指を立て、シャーロットはギルベルトに以下の選択肢を提示した。
1:イリスが処理する。
2:自分でどうにかする。
3:シャーロットに丸投げする。
イリスはこう見えてその道のプロ。人間を1人、それも自分に対して油断している相手を屠るなど雑作もない。
何なら事故に見せかけて…なんてことも可能だそうだ。
イリスは胸を張ってそう説明した。
「…実質一択じゃねーか」
アスランを殺すことも、アスランのことを他人に投げることも、彼には出来ない。
ギルベルトは3本の指を立てるシャーロットを半眼で見つつ、残っていたオムレツをかき込んだ。
「選択肢3を選んでも良いぞ?」
「馬鹿言うな。あいつの事は俺の問題だ。俺が何とかする」
「ふふっ。そういうところ、好きだぞ」
「俺はお前のそういう何でも全部わかってるみたいな顔をする所、好きじゃない」
「それは大変だ。好まないのなら普通の令嬢の仮面を被っててやろうか?」
「ハッ。出来もしないことを言うな」
「流石だ。よくわかっていらっしゃる」
シャーロットは『妻のことをよく理解している』と嬉しそうに笑った。
ギルベルトはそんな彼女に小さく舌打ちをした。
(手のひらの上でコロコロと転がされている気分だ)
彼は空になった皿を2枚、手に持つと流しへと向かった。
ガチャガチャと音を立てて洗い物をするその後ろ姿は、明らかに苛立っている。
「怒りっぽいな」
「怒ってねーよ」
「ギルベルト。其方には悪いが、私は其方の騎士がアスランである必要はないと思っている」
「……」
「彼の置かれた立場を考えると、使いにくいどころか足手まといになる可能性だってある」
「…俺も思う。でも、手は出さないでくれ。頼む」
「…ならば私たちの歩む道に、共に連れて行けるようにしてくれ。其方にとって大事にしたい人物ならば、私も大事にはしたい」
「わかってる。どうにかする」
ギルベルトは小さくため息をついた。
あんな奴、消してしまいたいと思うのにそうできないのは、彼が尊敬するレクレツィアの愛した人だからだろうか。
「美味しかったよ。ごちそうさま」
シャーロットはギルベルトを後ろから抱きしめると、小さくそう言ってキッチンを出た。
***
先を歩くシャーロットの背中をイリスは怪訝な目で見つめていた。
柔らかな日差しが差し込む静かな廊下を闊歩する後ろ姿は、ため息が出るほど美しい。
「姫様、もしかして選択肢3が1番楽なんじゃないんですか?」
「当たり前だろう。あの騎士1人に忠誠を誓わせるくらい簡単だ」
「ではなぜ、皇子様自身に行動させるのですか?」
「…この国はいずれギルベルトの国になる。私がこの国の人間を掌握しても仕方がないだろう?これからもっと手強い人間を相手にせねばならないのに」
「まあ、それはそうなんですけど…」
「それに…、いつまでも彼らがギクシャクしたままというのも、あまり良い気分ではないからな」
「姫様がそんなことまで気を使って差し上げる必要なんてないと思いますけど…」
やはり、ギルバルトのことはかなり気に入っているらしい。
だが、シャーロットが気に入るほどの特別な何かが彼にあると思えないイリスは、難しい顔をして首をかしげた。
(レクレツィア・ベルンシュタインの弟子だから…?)
隣国までその名を轟かせるほどの実力者、魔術師レクレツィア・ベルンシュタイン。
帝国の魔塔の主人ベルンシュタイン公爵の養女であり、隣国との長きにわたる戦争を終結させた帝国の英雄。
故に、彼女の弟子という肩書きは確かに魅力的だ。
それだけで帝国国民の印象は2割増しで良くなる。
現に、身近な人間が次々に死んでいくギルベルトが、呪われた哀れな第二皇子とされているのも、そのおかげだ。
そうでなければ、とっくの昔に『不吉の象徴』として殺されている。
(確かに皇子様は思っていたよりも怖くはないし、良い方だと思うけど…。なんていうか、光るものを感じないのよね)
自分の主人が光りすぎているせいだろうか。
イリスはシャーロットの漆黒の後頭部を穴が開くほどに凝視した。
「イリス。視線が刺さるからやめろ」
「あ、すみません」
後ろにも目がついているのか、シャーロットは振り返りもせずに『凝視するな』と彼女を叱責した。
(怖…)
やはりイリスの主人は只者ではないらしい。
そして目の前の主人にを見上げて叫ぶ。
「ゴリラじゃないですぅ!さっきからゴリラゴリラと!!」
ゴリラ呼ばわりに憤慨するシャーロットの侍女イリスは、ぷくーっと頬を膨らませた。
「ゴリラというよりはハムスターだな。ハムスター系のゴリラか?」
「ひど!?皇子様もひどい!それならせめてゴリラ系のハムスターの方がいい!」
「騒ぐな、ゴリ…イリス。うるさい」
「今!今ゴリラって言おうとしたぁ!何ですか、ゴリイリスって!」
「だからうるさいって言っおるだろうガッ!!」
「ぎゃんっ!」
シャーロットはお得意のデコピンをイリスの広い額に打ち込んだ。
「ううっ…。過去一で痛いです…」
「今のは良い音だったな。流石だ。容赦ない」
「ひどいぃい!」
「後で湿布貼ってやる。それよりも挨拶」
「はーい…」
イリスは赤くなった額をさすりながら、ギルベルトの前に跪いた。
「ヴァインライヒ王国第四王女付きの影。イリス・シュテルンと申します。よろしくお願いたします、ギルベルト殿下」
「…影?侍女ではないのか?」
「元々は私の影として存在していたのだが、帝国に来る前に侍女にジョブチェンジさせたんだ。ちなみに、仕込み期間3ヶ月だから、侍女としてはまだ半人前」
「護衛も暗殺も諜報もできる侍女を目指しております!」
「それは最早、侍女とは言わないだろう」
ピシッと敬礼するイリスに、ギルベルトは何とも言えない微妙は表情を浮かべた。
一人で何役もこなすハイスペック侍女を伴って嫁いでくるなど、何か怖い。
シャーロットはそんな彼の心情を察したのか、ニヤリと笑った。
「イリスは気配を消せる。正面突破しようとすれば、もちろんアスランには敵わないが、暗殺となれば話は別だ。不意をつくのならいつでも処理できる」
「そういう仕事は得意です!任せてください!」
「こら、そんなこと笑顔で言うものじゃない。王国の女はみんなぶっ飛んでるな」
「まあ兎に角だ。其方に与えられた選択肢は3つ」
指を立て、シャーロットはギルベルトに以下の選択肢を提示した。
1:イリスが処理する。
2:自分でどうにかする。
3:シャーロットに丸投げする。
イリスはこう見えてその道のプロ。人間を1人、それも自分に対して油断している相手を屠るなど雑作もない。
何なら事故に見せかけて…なんてことも可能だそうだ。
イリスは胸を張ってそう説明した。
「…実質一択じゃねーか」
アスランを殺すことも、アスランのことを他人に投げることも、彼には出来ない。
ギルベルトは3本の指を立てるシャーロットを半眼で見つつ、残っていたオムレツをかき込んだ。
「選択肢3を選んでも良いぞ?」
「馬鹿言うな。あいつの事は俺の問題だ。俺が何とかする」
「ふふっ。そういうところ、好きだぞ」
「俺はお前のそういう何でも全部わかってるみたいな顔をする所、好きじゃない」
「それは大変だ。好まないのなら普通の令嬢の仮面を被っててやろうか?」
「ハッ。出来もしないことを言うな」
「流石だ。よくわかっていらっしゃる」
シャーロットは『妻のことをよく理解している』と嬉しそうに笑った。
ギルベルトはそんな彼女に小さく舌打ちをした。
(手のひらの上でコロコロと転がされている気分だ)
彼は空になった皿を2枚、手に持つと流しへと向かった。
ガチャガチャと音を立てて洗い物をするその後ろ姿は、明らかに苛立っている。
「怒りっぽいな」
「怒ってねーよ」
「ギルベルト。其方には悪いが、私は其方の騎士がアスランである必要はないと思っている」
「……」
「彼の置かれた立場を考えると、使いにくいどころか足手まといになる可能性だってある」
「…俺も思う。でも、手は出さないでくれ。頼む」
「…ならば私たちの歩む道に、共に連れて行けるようにしてくれ。其方にとって大事にしたい人物ならば、私も大事にはしたい」
「わかってる。どうにかする」
ギルベルトは小さくため息をついた。
あんな奴、消してしまいたいと思うのにそうできないのは、彼が尊敬するレクレツィアの愛した人だからだろうか。
「美味しかったよ。ごちそうさま」
シャーロットはギルベルトを後ろから抱きしめると、小さくそう言ってキッチンを出た。
***
先を歩くシャーロットの背中をイリスは怪訝な目で見つめていた。
柔らかな日差しが差し込む静かな廊下を闊歩する後ろ姿は、ため息が出るほど美しい。
「姫様、もしかして選択肢3が1番楽なんじゃないんですか?」
「当たり前だろう。あの騎士1人に忠誠を誓わせるくらい簡単だ」
「ではなぜ、皇子様自身に行動させるのですか?」
「…この国はいずれギルベルトの国になる。私がこの国の人間を掌握しても仕方がないだろう?これからもっと手強い人間を相手にせねばならないのに」
「まあ、それはそうなんですけど…」
「それに…、いつまでも彼らがギクシャクしたままというのも、あまり良い気分ではないからな」
「姫様がそんなことまで気を使って差し上げる必要なんてないと思いますけど…」
やはり、ギルバルトのことはかなり気に入っているらしい。
だが、シャーロットが気に入るほどの特別な何かが彼にあると思えないイリスは、難しい顔をして首をかしげた。
(レクレツィア・ベルンシュタインの弟子だから…?)
隣国までその名を轟かせるほどの実力者、魔術師レクレツィア・ベルンシュタイン。
帝国の魔塔の主人ベルンシュタイン公爵の養女であり、隣国との長きにわたる戦争を終結させた帝国の英雄。
故に、彼女の弟子という肩書きは確かに魅力的だ。
それだけで帝国国民の印象は2割増しで良くなる。
現に、身近な人間が次々に死んでいくギルベルトが、呪われた哀れな第二皇子とされているのも、そのおかげだ。
そうでなければ、とっくの昔に『不吉の象徴』として殺されている。
(確かに皇子様は思っていたよりも怖くはないし、良い方だと思うけど…。なんていうか、光るものを感じないのよね)
自分の主人が光りすぎているせいだろうか。
イリスはシャーロットの漆黒の後頭部を穴が開くほどに凝視した。
「イリス。視線が刺さるからやめろ」
「あ、すみません」
後ろにも目がついているのか、シャーロットは振り返りもせずに『凝視するな』と彼女を叱責した。
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