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駒の確保
13:味方を増やす(1)
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朝食の後、シャーロットの押しに負けたギルベルトは彼女に屋敷の中を案内することとなった。
ご機嫌なシャーロットは無邪気なフリをして図書室やホールだけではなく、洗濯場やメイドの休憩室、物置部屋などあらゆる所を案内させた。
理由は簡単で、おそらく今日から真面目に働いているであろうメイドたちとギルベルトを偶然を装って接触させるためだ。
それには、メイドたちに『これからこの屋敷にはちゃんと主人の目がある』ことを知らしめるという目的と、ギルベルトが彼女たち自然に話をする機会を与えるという目的がある。
ギルベルトはシャーロットの思惑通り、行く先々で出会うメイドたちに名前を尋ね、世間話をした。
どこの出身なのか。
家族はいるのか。
好きなことは何か。
嫌いなことは何か。
彼女たちを形成する様々な事柄を尋ね、自分との共通点を見つけ、それを一つ残らず頭にインプットして一人一人の特徴を正確に覚えた。
案の定、メイドの多くはこれまでの自分の行いを咎めるわけでもなく、ただ自分たちのことを知ろうとするギルベルトに困惑している様子だった。
だが、シャーロットはあと二、三日もすれば彼女たちが彼に敬意を抱くようになると確信している。
なぜなら、主人に存在を覚えてもらうことは使用人にとって名誉な事だからだ。特に下の者を道具としか思っていない貴族が治める国の中では尚更。
シャーロットは最後に訪れたキッチンで、エプロンをつけて何かを作り始めたギルベルトに『彼女たちは幸せ者だな』と言った。
「ところで、ギルベルト」
「何だ?」
「何をしている?」
「小腹がすいた」
「さっき食べたばかりだろう」
「成長期だからな」
「成長期と言うには図々しい年だろう。さすがに」
「うるせぇ。お前も食べるか?」
「食べる」
「じゃあ黙ってそこに座っていろ」
ギルベルトは卵や砂糖など、必要な材料を取り出すと手際よく何かを作り始めた。
材料的に、オムレツだろうか。今まで自炊してきたとは聞いていたが、思っていたより手際が良い。具体的に言うと、卵を片手で割れるくらい。
シャーロットは座った席からエプロン姿の夫の後ろ姿を眺めた。
(細いなぁ…)
年齢の割には痩せ過ぎているギルベルトの後ろ姿。
その姿とこのキッチンに置かれている食材を見ると、とてもじゃないが『足りている』とは言えない。
(せめてシェフがいれば良いんだが…)
現在、この宮にシェフはいない。
その理由はもちろん、ただの嫌がらせ。
故に、シャーロットは今後とも中央のキッチンを利用するのに抵抗があった。本宮の奴らが何か仕掛けてくるかもしれないからだ。
だが、これから玉座を目指す男としては、権威を保つという意味でも、いつまでも自炊を続けるのは好ましくない。
(とりあえず、私がシェフをさがす。そして見つかるまでギルベルトには自炊してもらう…とか?いや、夫に自分の飯を作らせるのはどうなんだろう。妻としてダメな気がする…。しかし私の料理は壊滅的なほどに不味い…)
昔、シャーロットが姉たちに料理を作ったとき、見た目だけは100点のものを作った。
それを食べた姉たちは妹を傷つけないよう『店頭に置くサンプルとしては最高』と言って、皆静かにお手洗いに立った。
そのくらい、シャーロットは料理のセンスがない。
そんな過去を思い出したシャーロットは眉間に皺を寄せた。
ギルベルトは彼女の前にオムレツの出すと、人差し指でその眉間の皺を伸ばしてやる。
「何が心配ごとか?」
「心配というか…。自分が完璧でないことを悔いている」
「完璧主義は心を病みやすいらしいぞ」
「皇帝の妻たる者、完璧であるべきだろう」
「俺は多少抜けているところがある方が可愛くて好みだ。とりあえず、食うぞ」
「残念だが、私が其方の好みに合わせることはできそうにないな。ありがとう、いただきます」
シャーロットはナイフとフォークを手に、テーブルの上に置かれたオムレツへと視線を落とした。
そこにあるのは、ナイフを入れなくともトロトロふわふわであることが窺えるオムレツ。
「鮮やかな黄色だな。思っていたよりも腕は良いらしい。思わず唾を飲んでしまった」
「割と料理は得意な方だからな。それで?何に悩んでいるんだ?もしかして、食事のことか?」
「正解。これからどうしようかと思ってな。昨日も今朝も中央から運んでもらったが、正直食べるのが怖かった…」
「奇遇だな。俺もだ」
本宮のキッチンから離宮まで食事を運ぶとなると、多くの人の手を介することになる。
その過程で何が混入される可能性を考えると正直なところ、怖い。
今はアスランが毒見をしてくれたが、彼は名門バクラの人間だ。いつも彼に毒見をさせるわけにもいかない。
シャーロットの言葉に、ギルベルトは首を縦に振って激しく同意した。
「食を他人に握られるほど怖いものはないな」
「間違いないな。じゃあ、どうする?」
「どうしようか」
「俺は自炊でも構わない。もしお前が街の定食屋レベルの食事で良いというのなら、の話だが」
「……実は少しだけそう言ってくれるのを待っていた。愛してるぞ。ダーリン」
「はいはい」
ギルベルトは軽口言うシャーロットの口をオムレツで塞いだ。やはりふわトロの絶品だった。
口の中で溶けてなくなる食感に、シャーロットの顔は意図せず緩む。
「うまぁ…。其方は天才か」
「そりゃどうも」
「このオムレツを超える腕を持つシェフを探すとなると、苦労しそうだ」
「大袈裟だ。それより、これからどうするつもりなんだ?」
ギルベルトはオムレツを美味しそうに頬張るシャーロットに、昨日の夜、メイドの態度の変化に気を取られて聞きそびれた一番大事なこと尋ねた。
「玉座を目指すんだろ?並大抵のことじゃない。何が策はあるのか?」
「心配するな。私の中ではもう筋書きが完成している。あとはコマを手に入れていくだけだ」
「コマ?」
「そう。コマだ。そして一つ目のコマは直に手に入る」
シャーロットは自身あり気にそう言うと、いつの間にか最後の一口になったオムレツを放り込み、唇の端をぺろりと舐める。
その顔は正義の味方とは真逆の、悪の顔だった。
「おい。今、すんごい悪い顔してるぞ。何をする気だ?」
「時期が来たら教える。今教えると大事な場面で失敗しそうだ」
「それは俺がミスを犯すと言いたいのか?」
「まあそんな所だ」
「失礼な!と言いたいところだが、謀略に向かない性格だという自覚はある」
向いていたのなら、こんな奥深くに追いやられてなどいない。
「ふふっ。自分自身をよく理解している所、好きだぞ」
「ありがとう、嬉しくない」
「まあ、第一段階のコマ集めは私に任せろ。其方が今すべきことは他にある」
「他に?」
「ああ。それはこの離宮を掌握することだ。メイド10人と騎士1人に忠誠を誓わせろ。まずは必要なのは味方を増やすことだ」
この離宮が自分たちの本拠地となる。そんな場所に敵は必要ないからなと、シャーロットは頬杖をついて満面の笑みを浮かべた。
その笑みはやはり悪の顔だった。
ギルベルトは深いため息をこぼす。
「大丈夫だ。厄介なのは其方の騎士くらいだろう?」
「…その騎士がどれだけ厄介だと思ってるんだよ。簡単に言うな」
「それは彼が帝国ではなく皇帝に忠誠を誓う騎士だからか?」
「そうだ。それにアスランは家門を背負っている。いいか?彼は家門を守るためなら愛する人すらも殺せる男だ」
「だったら尚のこと、こちら側につけねばならないな。それが出来ないのならば、早い段階で彼は処分するしかない」
「……そうだけど…」
「玉座を目指すのだ。今の関係のままの彼を共に連れて行くわけにはいかない。それは其方とてわかっている事だろう?」
今のギルベルトとアスランの関係は曖昧だ。
アスランは確かにギルベルトの騎士だが、それは皇帝からの命令に従っているだけで、真に彼の騎士というわけではない。
アスランの忠誠心や責任感は味方につければ心強いが、そうでないのなら厄介だ。取り込めないのであれば、事が始まる前に片付けておかねばならない。
ギルベルトはそう話すシャーロットをキッと睨みつけた。
「片付ける?出来ると思うのか?帝国最強の騎士だぞ?」
「フッ。帝国最強の騎士は所詮帝国の中で一番、というだけだろ?視野が狭いな」
シャーロットは不敵に笑うと指を鳴らした。
すると、瞬きをする一瞬のうちにギルベルトは背後を取られていた。
首元に当てられた暗器の冷たい感触が、背筋を凍らせる。
しかし、背後からは殺気を感じない。
「誰だ?こいつ」
「紹介しよう。私の片腕のゴリラだ」
ご機嫌なシャーロットは無邪気なフリをして図書室やホールだけではなく、洗濯場やメイドの休憩室、物置部屋などあらゆる所を案内させた。
理由は簡単で、おそらく今日から真面目に働いているであろうメイドたちとギルベルトを偶然を装って接触させるためだ。
それには、メイドたちに『これからこの屋敷にはちゃんと主人の目がある』ことを知らしめるという目的と、ギルベルトが彼女たち自然に話をする機会を与えるという目的がある。
ギルベルトはシャーロットの思惑通り、行く先々で出会うメイドたちに名前を尋ね、世間話をした。
どこの出身なのか。
家族はいるのか。
好きなことは何か。
嫌いなことは何か。
彼女たちを形成する様々な事柄を尋ね、自分との共通点を見つけ、それを一つ残らず頭にインプットして一人一人の特徴を正確に覚えた。
案の定、メイドの多くはこれまでの自分の行いを咎めるわけでもなく、ただ自分たちのことを知ろうとするギルベルトに困惑している様子だった。
だが、シャーロットはあと二、三日もすれば彼女たちが彼に敬意を抱くようになると確信している。
なぜなら、主人に存在を覚えてもらうことは使用人にとって名誉な事だからだ。特に下の者を道具としか思っていない貴族が治める国の中では尚更。
シャーロットは最後に訪れたキッチンで、エプロンをつけて何かを作り始めたギルベルトに『彼女たちは幸せ者だな』と言った。
「ところで、ギルベルト」
「何だ?」
「何をしている?」
「小腹がすいた」
「さっき食べたばかりだろう」
「成長期だからな」
「成長期と言うには図々しい年だろう。さすがに」
「うるせぇ。お前も食べるか?」
「食べる」
「じゃあ黙ってそこに座っていろ」
ギルベルトは卵や砂糖など、必要な材料を取り出すと手際よく何かを作り始めた。
材料的に、オムレツだろうか。今まで自炊してきたとは聞いていたが、思っていたより手際が良い。具体的に言うと、卵を片手で割れるくらい。
シャーロットは座った席からエプロン姿の夫の後ろ姿を眺めた。
(細いなぁ…)
年齢の割には痩せ過ぎているギルベルトの後ろ姿。
その姿とこのキッチンに置かれている食材を見ると、とてもじゃないが『足りている』とは言えない。
(せめてシェフがいれば良いんだが…)
現在、この宮にシェフはいない。
その理由はもちろん、ただの嫌がらせ。
故に、シャーロットは今後とも中央のキッチンを利用するのに抵抗があった。本宮の奴らが何か仕掛けてくるかもしれないからだ。
だが、これから玉座を目指す男としては、権威を保つという意味でも、いつまでも自炊を続けるのは好ましくない。
(とりあえず、私がシェフをさがす。そして見つかるまでギルベルトには自炊してもらう…とか?いや、夫に自分の飯を作らせるのはどうなんだろう。妻としてダメな気がする…。しかし私の料理は壊滅的なほどに不味い…)
昔、シャーロットが姉たちに料理を作ったとき、見た目だけは100点のものを作った。
それを食べた姉たちは妹を傷つけないよう『店頭に置くサンプルとしては最高』と言って、皆静かにお手洗いに立った。
そのくらい、シャーロットは料理のセンスがない。
そんな過去を思い出したシャーロットは眉間に皺を寄せた。
ギルベルトは彼女の前にオムレツの出すと、人差し指でその眉間の皺を伸ばしてやる。
「何が心配ごとか?」
「心配というか…。自分が完璧でないことを悔いている」
「完璧主義は心を病みやすいらしいぞ」
「皇帝の妻たる者、完璧であるべきだろう」
「俺は多少抜けているところがある方が可愛くて好みだ。とりあえず、食うぞ」
「残念だが、私が其方の好みに合わせることはできそうにないな。ありがとう、いただきます」
シャーロットはナイフとフォークを手に、テーブルの上に置かれたオムレツへと視線を落とした。
そこにあるのは、ナイフを入れなくともトロトロふわふわであることが窺えるオムレツ。
「鮮やかな黄色だな。思っていたよりも腕は良いらしい。思わず唾を飲んでしまった」
「割と料理は得意な方だからな。それで?何に悩んでいるんだ?もしかして、食事のことか?」
「正解。これからどうしようかと思ってな。昨日も今朝も中央から運んでもらったが、正直食べるのが怖かった…」
「奇遇だな。俺もだ」
本宮のキッチンから離宮まで食事を運ぶとなると、多くの人の手を介することになる。
その過程で何が混入される可能性を考えると正直なところ、怖い。
今はアスランが毒見をしてくれたが、彼は名門バクラの人間だ。いつも彼に毒見をさせるわけにもいかない。
シャーロットの言葉に、ギルベルトは首を縦に振って激しく同意した。
「食を他人に握られるほど怖いものはないな」
「間違いないな。じゃあ、どうする?」
「どうしようか」
「俺は自炊でも構わない。もしお前が街の定食屋レベルの食事で良いというのなら、の話だが」
「……実は少しだけそう言ってくれるのを待っていた。愛してるぞ。ダーリン」
「はいはい」
ギルベルトは軽口言うシャーロットの口をオムレツで塞いだ。やはりふわトロの絶品だった。
口の中で溶けてなくなる食感に、シャーロットの顔は意図せず緩む。
「うまぁ…。其方は天才か」
「そりゃどうも」
「このオムレツを超える腕を持つシェフを探すとなると、苦労しそうだ」
「大袈裟だ。それより、これからどうするつもりなんだ?」
ギルベルトはオムレツを美味しそうに頬張るシャーロットに、昨日の夜、メイドの態度の変化に気を取られて聞きそびれた一番大事なこと尋ねた。
「玉座を目指すんだろ?並大抵のことじゃない。何が策はあるのか?」
「心配するな。私の中ではもう筋書きが完成している。あとはコマを手に入れていくだけだ」
「コマ?」
「そう。コマだ。そして一つ目のコマは直に手に入る」
シャーロットは自身あり気にそう言うと、いつの間にか最後の一口になったオムレツを放り込み、唇の端をぺろりと舐める。
その顔は正義の味方とは真逆の、悪の顔だった。
「おい。今、すんごい悪い顔してるぞ。何をする気だ?」
「時期が来たら教える。今教えると大事な場面で失敗しそうだ」
「それは俺がミスを犯すと言いたいのか?」
「まあそんな所だ」
「失礼な!と言いたいところだが、謀略に向かない性格だという自覚はある」
向いていたのなら、こんな奥深くに追いやられてなどいない。
「ふふっ。自分自身をよく理解している所、好きだぞ」
「ありがとう、嬉しくない」
「まあ、第一段階のコマ集めは私に任せろ。其方が今すべきことは他にある」
「他に?」
「ああ。それはこの離宮を掌握することだ。メイド10人と騎士1人に忠誠を誓わせろ。まずは必要なのは味方を増やすことだ」
この離宮が自分たちの本拠地となる。そんな場所に敵は必要ないからなと、シャーロットは頬杖をついて満面の笑みを浮かべた。
その笑みはやはり悪の顔だった。
ギルベルトは深いため息をこぼす。
「大丈夫だ。厄介なのは其方の騎士くらいだろう?」
「…その騎士がどれだけ厄介だと思ってるんだよ。簡単に言うな」
「それは彼が帝国ではなく皇帝に忠誠を誓う騎士だからか?」
「そうだ。それにアスランは家門を背負っている。いいか?彼は家門を守るためなら愛する人すらも殺せる男だ」
「だったら尚のこと、こちら側につけねばならないな。それが出来ないのならば、早い段階で彼は処分するしかない」
「……そうだけど…」
「玉座を目指すのだ。今の関係のままの彼を共に連れて行くわけにはいかない。それは其方とてわかっている事だろう?」
今のギルベルトとアスランの関係は曖昧だ。
アスランは確かにギルベルトの騎士だが、それは皇帝からの命令に従っているだけで、真に彼の騎士というわけではない。
アスランの忠誠心や責任感は味方につければ心強いが、そうでないのなら厄介だ。取り込めないのであれば、事が始まる前に片付けておかねばならない。
ギルベルトはそう話すシャーロットをキッと睨みつけた。
「片付ける?出来ると思うのか?帝国最強の騎士だぞ?」
「フッ。帝国最強の騎士は所詮帝国の中で一番、というだけだろ?視野が狭いな」
シャーロットは不敵に笑うと指を鳴らした。
すると、瞬きをする一瞬のうちにギルベルトは背後を取られていた。
首元に当てられた暗器の冷たい感触が、背筋を凍らせる。
しかし、背後からは殺気を感じない。
「誰だ?こいつ」
「紹介しよう。私の片腕のゴリラだ」
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