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第二章 悪魔退治
52:疑惑(4) sideジェフリー
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「……ルイーゼ。ミュリエルをどこへやった」
「ふ、夫人の命で、首都第三区にある娼館……、サロン・ド・ヴァレリアへ送りました」
「ヘレナは?」
「ヘレナ様もご一緒に行かれているはずです。今朝方、ヘレナ様の手でお嬢様をそこへお連れすれば、恋人を解放してもらえるはずだとお伝えしたので……」
「そうか……」
俺は内圧を下げるように静かに息を吐き出した。
おそらく夫人は、ミュリエルが慕っているヘレナにミュリエル裏切らせることで、彼女の心を傷つけようとしているのだろう。
そこまでする執念が恐ろしいが……、自分のためにミュリエルを差し出そうとするヘレナも俺にとってはとても恐ろしい。
「くそッ!ヘレナ……!!」
勝手に動くなと言ったのに。ミュリエルの不利益になることはしないと言ったのに。
ミュリエルはこの屋敷の中にいれば安全なはずだったのに、あの女は自分のためにミュリエルを連れ出した。
「どうして、俺は……」
どうしてヘレナを信用したんだろう。
彼女には信用に足る要素などなかったはずだ。
だって、あいつは結婚式当日に男と逃亡するような女だぞ?
愛が怖いなんて言いながら、自分はちゃっかり男と逃げた女だぞ?
その尻拭いを妹がさせられるとわかった上で逃げたんだぞ?
ミュリエルに優しくしたのだって罪悪感からだと、本人もそう言っていたじゃないか。
罪悪感。それはつまり、自分の気持ちを楽にしたくてミュリエルに優しくしていたに過ぎないということだろう?
自分の心を軽くしたいがために勝手に優しくして、それで慕われたら今度はそれがしんどいと嘆くようなやつだ。
ヘレナはミュリエルが思っているような完璧で優しい女性なんかじゃない。
ヘレナがミュリエルを大事に思っていたのは本当だろう。だが彼女の中での優先順位はいつも自分が一番だった。彼女の中でミュリエルが一番だったことはない。自分が一番可愛いだけの、ただの普通の女だ。
結果的に、彼女の行動によってミュリエルの心が救われていたというだけの話でしかない。
ミュリエルには頼れる人がいなかった。味方がいなかった。
だから痛ぶられている時には静観して助けてくれないような姉でも、夫人の目のないところでだけ優しくするような姉でも、優しくされたら嬉しかった。絶望の中にいたミュリエルには、そんな姉でも神様のように見えた。……ただそれだけのこと。
ミュリエルが慕っているからというだけでは信用できない。してはいけなかった。
俺は自分の愚かさに吐き気がした。
「母上、父上。ここは頼みます」
「待て、ジェフリー。お前はどうするんだ」
「ヴァレリアに向かいます。アルベルトたちが手を貸してくれるはずなので、彼らと合流して……」
多分、もうすぐアルベルトたちがここに来るはずだ。俺は父上にそう言おうとした。
だが、俺の言葉はルイーゼの「待ってくれ」という叫び声によって掻き消された。
フットマンの手を振り解いて足元に縋ってきたルイーゼを、俺は冷たく見下ろす。
「あ、あの!どうか!どうかご慈悲を!」
「こら!大人しくしろ!」
「はなして!!……お願いです、坊ちゃま!ご慈悲を!し、仕方がなかったのです!母が病に倒れ、どうしても治療費が必要で!だから、仕方なくて……!」
「暴れるな!」
フットマンは数人がかりでルイーゼを縄で縛り上げる。
俺はその光景を見ながら、首を傾げた。
「仕方がない?何が仕方がない?」
ミュリエルの情報を売ったことも、ミュリエルに呪詛の手紙を渡したことも全部全部、仕方がないことだったというのか?
お前の、お前如きの都合で、ミュリエルを苦しめておいて、仕方がなかった?
「ふざけるなよ」
脳の血管がプツンと切れる音がした。その瞬間、俺はルイーゼに向かって拳を振り上げた。
「ダメです、お兄様!女性に手を挙げてはなりません!」
「シルヴィア……」
俺の拳を止めたのは血相を欠いて入ってきたシルヴィアだった。
シルヴィアは我が家の惨状を見るなり、すぐに非常事態であることを察した。
「ミュリエルの身に何か?」
「連れ去られた」
「そうですか。この者は?内通者ですか?」
「ああ、そうだ」
「なるほど、わかりました」
少ない言葉で状況を察する能力は流石だと思う。シルヴィアは俺を後ろに下がらせると、ルイーゼの前に膝をついてニコッと笑った。
そして、助かったと安堵の表情を見せた彼女の左頬を思い切り平手打ちした。
パァンと、大きな音がエントランスに響いた。
「シルヴィア……?」
「女が女を叩くのは良いのです」
「はは……」
さすがだ。俺は苦笑した。
「さあ!ここはあたしとエリアーナおばさまにお任せください!ね?おばさま?」
「ええ、そうね。任せなさい」
「おじさまはこの女を首都警備隊の屯所まで連行してください」
「わ、わかった」
「お兄様、外に殿下とアルベルト卿が待機しております。念のために逮捕権のある警備隊と腕っぷしの強い第三騎士団の人間を数名連れてきてもらいました」
自由に使うと良い。シルヴィアはニカッと歯を見せて笑った。
本当は自分もミュリエルのことが心配でたまらないはずなのに。
俺はシルヴィアに今度何か好きなものを買ってやることを約束し、屋敷を飛び出した。
屋敷の外にはアルベルトとオズウェル殿下がいた。
俺は手短に事情を説明して、すぐに娼館ヴァレリアに向かうつもりだった。
だが……、アルベルトはそれを躊躇した。
「ヴァレリアか……。まずいな」
「まずい?」
「あそこは国内外のVIPが会合などでも使うような高級娼館だぞ。そこで騒ぎを起こせば、間違いなく誰かの目には留まる」
そうなると、社交界では瞬く間に噂が広まるだろう。たとえ連れ去られただけだとしても、貴婦人が娼館にいたというのは中々の醜聞だ。今、いろいろと噂が広がっているミュリエルにとっては大きな痛手。きっとこの先も好き勝手に噂される。
「ブラッドレイ夫人はそれすら計算の上で、わざわざヴァレリアを選んだのだろう」
「チッ。小賢しい」
「どこぞのよくわからん、小汚い娼館なら適当に理由をつけて堂々と捜索に入ることもできるんだがな」
「なるべく静かに潜入して、ミュリエルだけを娼館から連れ出すしかないということか?」
「その方が今後のとこを考えると安全ではある」
「はあ!?何を言っている、アルベルト!そんな悠長なことを言っていたら、ミュリエルは何をされるかわからんのだぞ!?噂なんて気にしている場合か!正面突破だ!」
俺たちが躊躇していると、オズウェル殿下は「何のために自分がいると思っている」と王族の証である王家の紋章が彫られたエメラルドのペンダントをこれ見よがしに掲げた。
「これがあればどんな行為も正当化できるだろう」
「いや、それはそうなんすけどね?」
「ならば、これより、全ての行動は私の指揮の元に行われたものとすればいい!」
「そういう問題ではないといいますか……」
「名誉など、本人が無事でなければ守っても意味がないだろう!」
「殿下……。うん、そうだな。悪いな、ジェフリー。余計なことを言った。殿下のおっしゃる通りだ。急ごう」
「あ、ああ……」
「……あとの事は俺に考えがある」
「考え?」
「レディ・ローズに全てを託そうと思う」
「レディ・ローズ?」
それは新進気鋭の恋愛小説家の名だ。ミュリエルが好んで呼んでいた小説家……。
俺が怪訝そうに見つめると、アルベルトは「まあ、任せておけ」と俺の背を叩いた。
自信ありげなアルベルトに俺は不安しかない。だが殿下の言う通り、ミュリエルの身の安全の確保が第一だなのは間違いない。
俺たちは馬に飛び降り、すぐに第三区を目指した。
「ふ、夫人の命で、首都第三区にある娼館……、サロン・ド・ヴァレリアへ送りました」
「ヘレナは?」
「ヘレナ様もご一緒に行かれているはずです。今朝方、ヘレナ様の手でお嬢様をそこへお連れすれば、恋人を解放してもらえるはずだとお伝えしたので……」
「そうか……」
俺は内圧を下げるように静かに息を吐き出した。
おそらく夫人は、ミュリエルが慕っているヘレナにミュリエル裏切らせることで、彼女の心を傷つけようとしているのだろう。
そこまでする執念が恐ろしいが……、自分のためにミュリエルを差し出そうとするヘレナも俺にとってはとても恐ろしい。
「くそッ!ヘレナ……!!」
勝手に動くなと言ったのに。ミュリエルの不利益になることはしないと言ったのに。
ミュリエルはこの屋敷の中にいれば安全なはずだったのに、あの女は自分のためにミュリエルを連れ出した。
「どうして、俺は……」
どうしてヘレナを信用したんだろう。
彼女には信用に足る要素などなかったはずだ。
だって、あいつは結婚式当日に男と逃亡するような女だぞ?
愛が怖いなんて言いながら、自分はちゃっかり男と逃げた女だぞ?
その尻拭いを妹がさせられるとわかった上で逃げたんだぞ?
ミュリエルに優しくしたのだって罪悪感からだと、本人もそう言っていたじゃないか。
罪悪感。それはつまり、自分の気持ちを楽にしたくてミュリエルに優しくしていたに過ぎないということだろう?
自分の心を軽くしたいがために勝手に優しくして、それで慕われたら今度はそれがしんどいと嘆くようなやつだ。
ヘレナはミュリエルが思っているような完璧で優しい女性なんかじゃない。
ヘレナがミュリエルを大事に思っていたのは本当だろう。だが彼女の中での優先順位はいつも自分が一番だった。彼女の中でミュリエルが一番だったことはない。自分が一番可愛いだけの、ただの普通の女だ。
結果的に、彼女の行動によってミュリエルの心が救われていたというだけの話でしかない。
ミュリエルには頼れる人がいなかった。味方がいなかった。
だから痛ぶられている時には静観して助けてくれないような姉でも、夫人の目のないところでだけ優しくするような姉でも、優しくされたら嬉しかった。絶望の中にいたミュリエルには、そんな姉でも神様のように見えた。……ただそれだけのこと。
ミュリエルが慕っているからというだけでは信用できない。してはいけなかった。
俺は自分の愚かさに吐き気がした。
「母上、父上。ここは頼みます」
「待て、ジェフリー。お前はどうするんだ」
「ヴァレリアに向かいます。アルベルトたちが手を貸してくれるはずなので、彼らと合流して……」
多分、もうすぐアルベルトたちがここに来るはずだ。俺は父上にそう言おうとした。
だが、俺の言葉はルイーゼの「待ってくれ」という叫び声によって掻き消された。
フットマンの手を振り解いて足元に縋ってきたルイーゼを、俺は冷たく見下ろす。
「あ、あの!どうか!どうかご慈悲を!」
「こら!大人しくしろ!」
「はなして!!……お願いです、坊ちゃま!ご慈悲を!し、仕方がなかったのです!母が病に倒れ、どうしても治療費が必要で!だから、仕方なくて……!」
「暴れるな!」
フットマンは数人がかりでルイーゼを縄で縛り上げる。
俺はその光景を見ながら、首を傾げた。
「仕方がない?何が仕方がない?」
ミュリエルの情報を売ったことも、ミュリエルに呪詛の手紙を渡したことも全部全部、仕方がないことだったというのか?
お前の、お前如きの都合で、ミュリエルを苦しめておいて、仕方がなかった?
「ふざけるなよ」
脳の血管がプツンと切れる音がした。その瞬間、俺はルイーゼに向かって拳を振り上げた。
「ダメです、お兄様!女性に手を挙げてはなりません!」
「シルヴィア……」
俺の拳を止めたのは血相を欠いて入ってきたシルヴィアだった。
シルヴィアは我が家の惨状を見るなり、すぐに非常事態であることを察した。
「ミュリエルの身に何か?」
「連れ去られた」
「そうですか。この者は?内通者ですか?」
「ああ、そうだ」
「なるほど、わかりました」
少ない言葉で状況を察する能力は流石だと思う。シルヴィアは俺を後ろに下がらせると、ルイーゼの前に膝をついてニコッと笑った。
そして、助かったと安堵の表情を見せた彼女の左頬を思い切り平手打ちした。
パァンと、大きな音がエントランスに響いた。
「シルヴィア……?」
「女が女を叩くのは良いのです」
「はは……」
さすがだ。俺は苦笑した。
「さあ!ここはあたしとエリアーナおばさまにお任せください!ね?おばさま?」
「ええ、そうね。任せなさい」
「おじさまはこの女を首都警備隊の屯所まで連行してください」
「わ、わかった」
「お兄様、外に殿下とアルベルト卿が待機しております。念のために逮捕権のある警備隊と腕っぷしの強い第三騎士団の人間を数名連れてきてもらいました」
自由に使うと良い。シルヴィアはニカッと歯を見せて笑った。
本当は自分もミュリエルのことが心配でたまらないはずなのに。
俺はシルヴィアに今度何か好きなものを買ってやることを約束し、屋敷を飛び出した。
屋敷の外にはアルベルトとオズウェル殿下がいた。
俺は手短に事情を説明して、すぐに娼館ヴァレリアに向かうつもりだった。
だが……、アルベルトはそれを躊躇した。
「ヴァレリアか……。まずいな」
「まずい?」
「あそこは国内外のVIPが会合などでも使うような高級娼館だぞ。そこで騒ぎを起こせば、間違いなく誰かの目には留まる」
そうなると、社交界では瞬く間に噂が広まるだろう。たとえ連れ去られただけだとしても、貴婦人が娼館にいたというのは中々の醜聞だ。今、いろいろと噂が広がっているミュリエルにとっては大きな痛手。きっとこの先も好き勝手に噂される。
「ブラッドレイ夫人はそれすら計算の上で、わざわざヴァレリアを選んだのだろう」
「チッ。小賢しい」
「どこぞのよくわからん、小汚い娼館なら適当に理由をつけて堂々と捜索に入ることもできるんだがな」
「なるべく静かに潜入して、ミュリエルだけを娼館から連れ出すしかないということか?」
「その方が今後のとこを考えると安全ではある」
「はあ!?何を言っている、アルベルト!そんな悠長なことを言っていたら、ミュリエルは何をされるかわからんのだぞ!?噂なんて気にしている場合か!正面突破だ!」
俺たちが躊躇していると、オズウェル殿下は「何のために自分がいると思っている」と王族の証である王家の紋章が彫られたエメラルドのペンダントをこれ見よがしに掲げた。
「これがあればどんな行為も正当化できるだろう」
「いや、それはそうなんすけどね?」
「ならば、これより、全ての行動は私の指揮の元に行われたものとすればいい!」
「そういう問題ではないといいますか……」
「名誉など、本人が無事でなければ守っても意味がないだろう!」
「殿下……。うん、そうだな。悪いな、ジェフリー。余計なことを言った。殿下のおっしゃる通りだ。急ごう」
「あ、ああ……」
「……あとの事は俺に考えがある」
「考え?」
「レディ・ローズに全てを託そうと思う」
「レディ・ローズ?」
それは新進気鋭の恋愛小説家の名だ。ミュリエルが好んで呼んでいた小説家……。
俺が怪訝そうに見つめると、アルベルトは「まあ、任せておけ」と俺の背を叩いた。
自信ありげなアルベルトに俺は不安しかない。だが殿下の言う通り、ミュリエルの身の安全の確保が第一だなのは間違いない。
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