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番外編 ビターチョコレート
最終話
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アッシュフォードの夏祭りの最後は領主夫人による剣の舞で締めくくられる。
今までは祭り自体の規模も縮小していたし、何より領主夫人が不在だったので舞の披露は省かれていたのだが、今年は違う。アッシュフォードにはもう、奥様がいる。
「緊張してきたわ」
朝早くから今日の動きを確認して、舞姫の衣装に着替えてと大忙しのアイシャは疲れたようにつぶやいた。
ランはそんな彼女に問答無用で紅をさす。
「奥様。笑顔が堅いですよ!」
相変わらず手際がいいランは、完璧に着飾ったアイシャを見て満足げに微笑む。
「うむ。バッチリです!今日も奥様は世界一可愛いです!」
「ありがとう、ラン。今日のあなたも世界一可愛いわよ。その髪型も良いわね。よく似合ってるわ」
「………それは意地悪で言ってますか?」
思わぬ返しに、ランは咄嗟に両手で頸を隠した。
そう、今日の彼女は髪を下ろしている。
理由は簡単。頸に鬱血痕があるからだ。
今朝、呆れ顔のニーナに指摘されるまで気づかなかったランはその場で髪を解いた。
「今朝の絶叫はそのせいだったのね」
「朝からうるさいとメイド長様に怒られました。大変不服です」
「テオも悪い男ね」
「ええ、本当に!許すまじ!」
「ラン、大丈夫?流されてない?」
「大いに流されています。でも今のところは大丈夫です」
「本当に大丈夫かしら」
「奥様は心配性ですね」
「だって、恋人になったその日に手を出してくる男って、ちょっと信用ならなくない?」
「……確かに」
「確かにじゃないですよ!?」
開いたままだった扉から、テオドールが血相を変えて飛び込んできた。
そしてランに余計なことを吹き込もうとするアイシャをキッと睨む。
アイシャはそんなテオドールの反応を見て心底愉快そうに目を細めた。
入念に作り上げられていた彼の外面はすっかり剥がれ落ちてしまったようだ。
「あら、テオ。スッキリしたわね」
アイシャはテオドールの髪に視線を送り、クスッと笑う。
彼の長かったオリーブブラウンの髪は短く切り揃えられていた。
「少し幼く見えるわ」
「それ、旦那様にも言われました」
「どういう心境の変化なの?」
「別に。ランが短い方が好きだと言うので」
テオドールはそう言うと、期待に胸を膨らませつつ、反応を伺うようにランの方に顔を向ける。
しかし、ランの反応は彼が予想していたものと違った。
「え、本当に切ったんですか?重っ……」
ランは顔を真っ青にしてテオドールの短くなった髪を見つめた。
ランはたったひと言、『どちらかというと短い方が好み』と言っただけなのに。
まさか長年大事に伸ばしていた髪を、こうも簡単に切ってしまうとは思わなかったらしい。
「え、待って。何だよ、その反応……」
褒めてもらえると思っていたテオドールは酷く落胆した。
素直にかっこいいとは言われなくとも、似合うくらいは言ってもらえると思っていたのに。この反応は予想外だ。
「可哀想にね、テオ」
「うるさいですよ、奥様」
「そういえば、リズも髪を切っていたわね。知ってる?」
「……それは意地悪で言っていますか?」
「さあ?」
告白されてフッた女の子が髪を切ったなんて、気まずいことこの上ない話題を振ってくるとは、意地が悪い。
テオドールはどう答えても揶揄われるので、あえてそれ以上の反応は返さなかった。
すると、噂をすれば何とやら。
リズベットがアイシャの元を訪れた。
「奥様。準備できた?イアンはもう下で待ってるよ?」
ふらりと現れたリズベットは扉からひょっこりと顔を出す。
アイシャの護衛という名目で最終日の警備に混ぜてもらった彼女は、アシンメトリーにしていたセミロングの赤髪をバッサリと短く切っていた。
格好良さの中にも可愛さがある髪型で、その端正な顔立ちにも大変よく似合っている。
今のリズベットを表現するのならば、そう。まるで物語に出てくる美しい王子様のようで。
ランは「はうっ!?」とハートを射抜かれたような声を漏らした。
しばらくの沈黙。無言の空間で、皆の視線がランに集まる。
「…………………な、何ですか」
視線に耐えられなくなったランは平静を装いつつ、口を開いた。
しかし顔が真っ赤だ。感情を隠しきれていない。
「はっはーん」
何かを悟ったリズベットはニヤリと口角を上げた。
そしてランに近づき、彼女の顔を覗き込む。
「ランはこういうのが好きなんだ?」
「ち、違……」
「でも、顔が赤いよ?」
「ちょ、近……」
ランはリズベットを直視できないのか、近づいてくる彼女の肩を押して遠ざけようとする。
だがリズベットは面白がって、むしろグイグイ押してくる。
「ん?言ってみ?こういうのが好きなんでしょ?」
「き、騎士の正装はみんな好きでしょ!?」
「え!?待って!ラン、僕の正装を見ても何も言わなかったじゃないか!」
「だ、だって似合ってないんだもん。でもリズさんのは反則級に似合ってる……。うう……カッコいい……」
「嘘でしょ!?」
「ははっ。ラン、可愛いー」
「その格好で可愛いとか言わないでください。勘違いしそう」
「ねえ、プロポーズしてあげよっか?」
「……イエスと答えて良いならどうぞ」
「ちょっとぉ!?」
テオドールはランを後ろから抱きすくめるようにして、リズベットから彼女を引き剥がした。
「テオ、必死すぎ。バカじゃないの?」
リズベットは必死になるテオドールを鼻で笑ってやった。
この茶番。リズベットはランを通してテオドールを揶揄っているだけだし、ランも半分は彼女に乗せられているだけだ。
しかし思っていたよりも本物の騎士による騎士の正装はランのツボに入ったようで、彼女の頬の赤らみが発言に信ぴょう性を持たせてしまったらしい。
「テオ様。若干ですけど首締まってるから。苦しいから」
「ランの浮気者」
「そうですね。気持ちが浮ついたことは認めましょう」
「認めるなよ!」
ただでさえ言葉で気持ちを返してもらっていないテオドールは、リズベット相手でも不安になるのだ。
ランは面倒臭そうに大きく息を吐いた。
そして器用にテオドールの腕の中で体の向きを変えると、彼と向き合うようにして少し背伸びをし、彼の耳元に口を近づけて、囁いた。
「……好きよ」
自分にしか聞こえない声で囁かれたまさかのひと言に、テオドールは一瞬何が起きたのかわからなかったらしい。
大きく目を見開いて数秒ほど固まった彼は、腕の中のランを見下ろした。
ランは悪戯をしかけた子どものように、舌を出して笑う。
彼女のその顔でようやく状況を理解したテオドールは、頭が爆発しそうなほどに一気に顔を赤くした。
「なっ……んで、今……!?」
「チョロいですね、テオ様」
「くっそ……。悔しい!」
どうしたって敵わない。テオドールは自分の顔を隠すようにランの肩に顔を埋めた。
リズベットはそんな二人を少しだけ寂しそうに見つめつつ、アイシャの方を振り返った。
「テオはちょっとくらい、あたしに気を使うべきじゃない?」
「何を言ってるのよ。気を遣われたらそれはそれで嫌そうにするくせに」
「まあね。だってフラれた相手に可哀想がられるなんて、腹立つじゃん」
「ふふっ。私、リズのそういうところが大好きよ」
「あたしも、あたしのことをわかってくれる奥様が大好きよ。さ、行きますか!」
「そうね。あの二人は……、もう放っておきましょう」
「そういえば、今日は二人とも留守番だっけ?どうして?」
「商店街で色々とやらかしたそうなの。今二人が街に出ると、主役を掻っ攫ってしまうでしょう?」
「なるほど。そりゃダメだ」
今日の主役はアイシャだ。しかし、今のみんなの関心は領主夫妻の側近二人の青春物語なわけで。
アイシャは仕方のない二人だと肩をすくめた。
リズベットはそんな主人を半眼で見下ろす。
「ねえ、多分奥様も人のこと言えないと思う」
この人だって、よく人目も憚らずイアンとイチャイチャしている。
「……うるさいわよ、リズ」
アイシャは不服そうに口を尖らせ、最近は自重していると呟いた。
その言葉に対するリズベットの返しはもちろん、「どの辺が?」である。
(完)
今までは祭り自体の規模も縮小していたし、何より領主夫人が不在だったので舞の披露は省かれていたのだが、今年は違う。アッシュフォードにはもう、奥様がいる。
「緊張してきたわ」
朝早くから今日の動きを確認して、舞姫の衣装に着替えてと大忙しのアイシャは疲れたようにつぶやいた。
ランはそんな彼女に問答無用で紅をさす。
「奥様。笑顔が堅いですよ!」
相変わらず手際がいいランは、完璧に着飾ったアイシャを見て満足げに微笑む。
「うむ。バッチリです!今日も奥様は世界一可愛いです!」
「ありがとう、ラン。今日のあなたも世界一可愛いわよ。その髪型も良いわね。よく似合ってるわ」
「………それは意地悪で言ってますか?」
思わぬ返しに、ランは咄嗟に両手で頸を隠した。
そう、今日の彼女は髪を下ろしている。
理由は簡単。頸に鬱血痕があるからだ。
今朝、呆れ顔のニーナに指摘されるまで気づかなかったランはその場で髪を解いた。
「今朝の絶叫はそのせいだったのね」
「朝からうるさいとメイド長様に怒られました。大変不服です」
「テオも悪い男ね」
「ええ、本当に!許すまじ!」
「ラン、大丈夫?流されてない?」
「大いに流されています。でも今のところは大丈夫です」
「本当に大丈夫かしら」
「奥様は心配性ですね」
「だって、恋人になったその日に手を出してくる男って、ちょっと信用ならなくない?」
「……確かに」
「確かにじゃないですよ!?」
開いたままだった扉から、テオドールが血相を変えて飛び込んできた。
そしてランに余計なことを吹き込もうとするアイシャをキッと睨む。
アイシャはそんなテオドールの反応を見て心底愉快そうに目を細めた。
入念に作り上げられていた彼の外面はすっかり剥がれ落ちてしまったようだ。
「あら、テオ。スッキリしたわね」
アイシャはテオドールの髪に視線を送り、クスッと笑う。
彼の長かったオリーブブラウンの髪は短く切り揃えられていた。
「少し幼く見えるわ」
「それ、旦那様にも言われました」
「どういう心境の変化なの?」
「別に。ランが短い方が好きだと言うので」
テオドールはそう言うと、期待に胸を膨らませつつ、反応を伺うようにランの方に顔を向ける。
しかし、ランの反応は彼が予想していたものと違った。
「え、本当に切ったんですか?重っ……」
ランは顔を真っ青にしてテオドールの短くなった髪を見つめた。
ランはたったひと言、『どちらかというと短い方が好み』と言っただけなのに。
まさか長年大事に伸ばしていた髪を、こうも簡単に切ってしまうとは思わなかったらしい。
「え、待って。何だよ、その反応……」
褒めてもらえると思っていたテオドールは酷く落胆した。
素直にかっこいいとは言われなくとも、似合うくらいは言ってもらえると思っていたのに。この反応は予想外だ。
「可哀想にね、テオ」
「うるさいですよ、奥様」
「そういえば、リズも髪を切っていたわね。知ってる?」
「……それは意地悪で言っていますか?」
「さあ?」
告白されてフッた女の子が髪を切ったなんて、気まずいことこの上ない話題を振ってくるとは、意地が悪い。
テオドールはどう答えても揶揄われるので、あえてそれ以上の反応は返さなかった。
すると、噂をすれば何とやら。
リズベットがアイシャの元を訪れた。
「奥様。準備できた?イアンはもう下で待ってるよ?」
ふらりと現れたリズベットは扉からひょっこりと顔を出す。
アイシャの護衛という名目で最終日の警備に混ぜてもらった彼女は、アシンメトリーにしていたセミロングの赤髪をバッサリと短く切っていた。
格好良さの中にも可愛さがある髪型で、その端正な顔立ちにも大変よく似合っている。
今のリズベットを表現するのならば、そう。まるで物語に出てくる美しい王子様のようで。
ランは「はうっ!?」とハートを射抜かれたような声を漏らした。
しばらくの沈黙。無言の空間で、皆の視線がランに集まる。
「…………………な、何ですか」
視線に耐えられなくなったランは平静を装いつつ、口を開いた。
しかし顔が真っ赤だ。感情を隠しきれていない。
「はっはーん」
何かを悟ったリズベットはニヤリと口角を上げた。
そしてランに近づき、彼女の顔を覗き込む。
「ランはこういうのが好きなんだ?」
「ち、違……」
「でも、顔が赤いよ?」
「ちょ、近……」
ランはリズベットを直視できないのか、近づいてくる彼女の肩を押して遠ざけようとする。
だがリズベットは面白がって、むしろグイグイ押してくる。
「ん?言ってみ?こういうのが好きなんでしょ?」
「き、騎士の正装はみんな好きでしょ!?」
「え!?待って!ラン、僕の正装を見ても何も言わなかったじゃないか!」
「だ、だって似合ってないんだもん。でもリズさんのは反則級に似合ってる……。うう……カッコいい……」
「嘘でしょ!?」
「ははっ。ラン、可愛いー」
「その格好で可愛いとか言わないでください。勘違いしそう」
「ねえ、プロポーズしてあげよっか?」
「……イエスと答えて良いならどうぞ」
「ちょっとぉ!?」
テオドールはランを後ろから抱きすくめるようにして、リズベットから彼女を引き剥がした。
「テオ、必死すぎ。バカじゃないの?」
リズベットは必死になるテオドールを鼻で笑ってやった。
この茶番。リズベットはランを通してテオドールを揶揄っているだけだし、ランも半分は彼女に乗せられているだけだ。
しかし思っていたよりも本物の騎士による騎士の正装はランのツボに入ったようで、彼女の頬の赤らみが発言に信ぴょう性を持たせてしまったらしい。
「テオ様。若干ですけど首締まってるから。苦しいから」
「ランの浮気者」
「そうですね。気持ちが浮ついたことは認めましょう」
「認めるなよ!」
ただでさえ言葉で気持ちを返してもらっていないテオドールは、リズベット相手でも不安になるのだ。
ランは面倒臭そうに大きく息を吐いた。
そして器用にテオドールの腕の中で体の向きを変えると、彼と向き合うようにして少し背伸びをし、彼の耳元に口を近づけて、囁いた。
「……好きよ」
自分にしか聞こえない声で囁かれたまさかのひと言に、テオドールは一瞬何が起きたのかわからなかったらしい。
大きく目を見開いて数秒ほど固まった彼は、腕の中のランを見下ろした。
ランは悪戯をしかけた子どものように、舌を出して笑う。
彼女のその顔でようやく状況を理解したテオドールは、頭が爆発しそうなほどに一気に顔を赤くした。
「なっ……んで、今……!?」
「チョロいですね、テオ様」
「くっそ……。悔しい!」
どうしたって敵わない。テオドールは自分の顔を隠すようにランの肩に顔を埋めた。
リズベットはそんな二人を少しだけ寂しそうに見つめつつ、アイシャの方を振り返った。
「テオはちょっとくらい、あたしに気を使うべきじゃない?」
「何を言ってるのよ。気を遣われたらそれはそれで嫌そうにするくせに」
「まあね。だってフラれた相手に可哀想がられるなんて、腹立つじゃん」
「ふふっ。私、リズのそういうところが大好きよ」
「あたしも、あたしのことをわかってくれる奥様が大好きよ。さ、行きますか!」
「そうね。あの二人は……、もう放っておきましょう」
「そういえば、今日は二人とも留守番だっけ?どうして?」
「商店街で色々とやらかしたそうなの。今二人が街に出ると、主役を掻っ攫ってしまうでしょう?」
「なるほど。そりゃダメだ」
今日の主役はアイシャだ。しかし、今のみんなの関心は領主夫妻の側近二人の青春物語なわけで。
アイシャは仕方のない二人だと肩をすくめた。
リズベットはそんな主人を半眼で見下ろす。
「ねえ、多分奥様も人のこと言えないと思う」
この人だって、よく人目も憚らずイアンとイチャイチャしている。
「……うるさいわよ、リズ」
アイシャは不服そうに口を尖らせ、最近は自重していると呟いた。
その言葉に対するリズベットの返しはもちろん、「どの辺が?」である。
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