93 / 149
第三章 アッシュフォード男爵夫人
12:顔の良い女は大体悪女
しおりを挟む
ブランチェット伯爵夫妻とそのおまけの襲来して3日目の昼下がり。
下働きの仕事を終えた子どもたちはいつものように別館の2階の、ジェスターの部屋の前でアイシャが来るのを待っていた。
なぜ彼らが部屋ではなく廊下で彼女を待つのかというと、ここで勉強をするからだ。
廊下に不自然に用意された机と椅子。それから黒板。
本来なら部屋の中にあるべきそれが廊下に出されている光景は異様だが、彼ら4人にとってはここが最適な教室だった。
「ジェスター!見てみろよ、これ!上手くね?」
木の板にミミズの這ったような字でジェスターの名前を書いたレオは、彼の部屋の扉の横にある小窓から板を入れた。
その小窓は部屋から出られないジェスターのためにアイシャがつけたものだ。ジェスターの食事などはその窓から渡している。
「これ、お前の部屋の扉に張っといてやるからな!」
名札代わりだとレオが明るく言うと、ジェスターは扉を2回叩いた。それもかなり強めに。
これはNOの返事の代わりだ。
一回ならYES、二回ならNO。声を出せない彼のために決めたルールなのだが、強めに叩いたところをみると、かなり嫌がっているのだろう。
小窓から戻ってきた板は赤ペンで綴りを直されていた。
「ぷぷっ。間違えてやんのー」
「レオ、恥ずかしー」
「う、うるさいな!ちょっと間違えただけだろ!」
「あら、レオ。名前の間違いはとても失礼なのよ?」
「そうよ、レオ。シュゼットの言う通りだわ」
イリーナとシュゼットが笑う。すると扉が一回だけ叩かれた。
「おい!ジェスター!お前までなんだよ、もー!」
レオはリスのように頬を膨らませた地団駄を踏んだ。
彼の足跡は広い廊下によく響く。
「騒がしいわね。どうしたの?」
「あ、奥様!」
少し疲れた顔をして現れたアイシャは呆れたように肩をすくめた。
「違うんですよ、奥様!ジェスターが俺の善意を無碍にするからぁ!」
「善意?」
「これです、奥様」
「ありがとう、シュゼット。………これは?」
「ジェスターの部屋の名札だって」
「ジャスター?」
「綴りを間違えてるの」
「ああ、なるほど」
レオはあまり勉強が得意ではないようだ。アイシャはどうしたものかと頭を抱えた。
「レオは補講かしら」
「えー!?」
「ふふっ。冗談よ」
遊ぶ時間がなくなると本気で焦る彼にアイシャはごめんねと謝りつつも、可愛い可愛いとその頭を撫で回した。
それはもはや謝っていない。レオはますます頬を膨らませた。
「奥様、元気ない?」
膨らんだレオの頬を突いて遊ぶアイシャをイリーナは心配そうに見つめた。
どことなく、いつもより無駄に明るく振る舞う彼女の姿に違和感を感じたのだ。
それはシュゼットも感じ取っていたのか、アイシャの近くに行き、心配そうに顔を覗き込む。
「もしかして、あの変な女のせいですか?」
「……変な女?それって誰のことなの、シュゼット」
シュゼットの言葉に、アイシャは嫌な予感がした。
「変な女は変な女です。今日は洗濯物が多いから、いつもよりも早くからお仕事を始めたんですけど、その変な女は突然洗濯場にやってきて……」
「そうなの!私たちがお仕事をしているところを見て『子どもを働かせるなんて』って言ってさ!」
「なんかすっごい美人なお姉さんだったぜ!」
「急に『可哀想に』って言って泣き出したりして、びっくりしたよねー」
「そうなんです。泣いてるから一応、どうしたのって聞いたら、『私が助けてあげるからね』って言って、すぐいなくなっちゃいました」
「リズが鬼の形相で連れてったの。久しぶりにあんなリズを見たわ」
「でもすっげー美人だったぜ!」
「もう!レオうるさい!黙ってて!」
「面食いは成敗っ!」
「痛っ!」
うるさいレオの頭にはイリーナの拳骨が落ちた。かなり良い音である。
「他に何か話したりした?」
「いえ、特には」
「なんだか気味が悪くて、あまり話したくなかったのよね」
「イリーナ、すごい顔で睨んでたんですよ?」
「だって、本当に不気味だったから」
イリーナとシュゼットは顔を「ねー」と笑った。
きっとその、すっごい美人の変な女とはベアトリーチェのことだろう。
洗濯場と離れには近づくなと言っていたのに、約束を破ったらしい。
何を企んでいるのかはわからないが、いや、何も企まずとも彼女がアイシャにとって不利益となることをするのは目に見えている。
だが、それが何であれ、子どもたちを巻き込むなんて許されない。
アイシャは二人の頭を撫でると、内圧を下げるように静かに深呼吸した。
「……ごめんなさい。今日の授業はお休みしてもいいかしら。体調が良くないみたい」
「う、うん……」
「奥様、大丈夫ですか?」
「ありがとう、大丈夫よ。あ、そうだ!後でランがおやつを持ってくるから、よかったらみんなで食べてね」
「はい。ありがとうございます……」
「やった!おやつ何……って痛っ!」
「レオは空気を読め!」
本日二度目のゲンコツである。リズベット仕込みのそれはかなり痛いらしい。レオは若干涙目だ。
「あまり喧嘩してはダメよ」
本当の兄妹のように仲の良い子どもたちの様子に心を和ませつつ、アイシャは離れを後にした。
「……奥様、どうしたのかな?」
「さあ?」
「やっぱりあの、変な女のせいなのかな」
「そうかも」
だったらあの女は敵だ。きっととんでもない悪女に違いない。
イリーナは自分の部屋からアイシャがくれた首都の最新トレンドの恋愛小説を持ってくると、それを広げ、レオに『顔の良い女は大体悪女』ということを小一時間かけて説いたという。
おかげでレオは前より文字が読めるようになった。
下働きの仕事を終えた子どもたちはいつものように別館の2階の、ジェスターの部屋の前でアイシャが来るのを待っていた。
なぜ彼らが部屋ではなく廊下で彼女を待つのかというと、ここで勉強をするからだ。
廊下に不自然に用意された机と椅子。それから黒板。
本来なら部屋の中にあるべきそれが廊下に出されている光景は異様だが、彼ら4人にとってはここが最適な教室だった。
「ジェスター!見てみろよ、これ!上手くね?」
木の板にミミズの這ったような字でジェスターの名前を書いたレオは、彼の部屋の扉の横にある小窓から板を入れた。
その小窓は部屋から出られないジェスターのためにアイシャがつけたものだ。ジェスターの食事などはその窓から渡している。
「これ、お前の部屋の扉に張っといてやるからな!」
名札代わりだとレオが明るく言うと、ジェスターは扉を2回叩いた。それもかなり強めに。
これはNOの返事の代わりだ。
一回ならYES、二回ならNO。声を出せない彼のために決めたルールなのだが、強めに叩いたところをみると、かなり嫌がっているのだろう。
小窓から戻ってきた板は赤ペンで綴りを直されていた。
「ぷぷっ。間違えてやんのー」
「レオ、恥ずかしー」
「う、うるさいな!ちょっと間違えただけだろ!」
「あら、レオ。名前の間違いはとても失礼なのよ?」
「そうよ、レオ。シュゼットの言う通りだわ」
イリーナとシュゼットが笑う。すると扉が一回だけ叩かれた。
「おい!ジェスター!お前までなんだよ、もー!」
レオはリスのように頬を膨らませた地団駄を踏んだ。
彼の足跡は広い廊下によく響く。
「騒がしいわね。どうしたの?」
「あ、奥様!」
少し疲れた顔をして現れたアイシャは呆れたように肩をすくめた。
「違うんですよ、奥様!ジェスターが俺の善意を無碍にするからぁ!」
「善意?」
「これです、奥様」
「ありがとう、シュゼット。………これは?」
「ジェスターの部屋の名札だって」
「ジャスター?」
「綴りを間違えてるの」
「ああ、なるほど」
レオはあまり勉強が得意ではないようだ。アイシャはどうしたものかと頭を抱えた。
「レオは補講かしら」
「えー!?」
「ふふっ。冗談よ」
遊ぶ時間がなくなると本気で焦る彼にアイシャはごめんねと謝りつつも、可愛い可愛いとその頭を撫で回した。
それはもはや謝っていない。レオはますます頬を膨らませた。
「奥様、元気ない?」
膨らんだレオの頬を突いて遊ぶアイシャをイリーナは心配そうに見つめた。
どことなく、いつもより無駄に明るく振る舞う彼女の姿に違和感を感じたのだ。
それはシュゼットも感じ取っていたのか、アイシャの近くに行き、心配そうに顔を覗き込む。
「もしかして、あの変な女のせいですか?」
「……変な女?それって誰のことなの、シュゼット」
シュゼットの言葉に、アイシャは嫌な予感がした。
「変な女は変な女です。今日は洗濯物が多いから、いつもよりも早くからお仕事を始めたんですけど、その変な女は突然洗濯場にやってきて……」
「そうなの!私たちがお仕事をしているところを見て『子どもを働かせるなんて』って言ってさ!」
「なんかすっごい美人なお姉さんだったぜ!」
「急に『可哀想に』って言って泣き出したりして、びっくりしたよねー」
「そうなんです。泣いてるから一応、どうしたのって聞いたら、『私が助けてあげるからね』って言って、すぐいなくなっちゃいました」
「リズが鬼の形相で連れてったの。久しぶりにあんなリズを見たわ」
「でもすっげー美人だったぜ!」
「もう!レオうるさい!黙ってて!」
「面食いは成敗っ!」
「痛っ!」
うるさいレオの頭にはイリーナの拳骨が落ちた。かなり良い音である。
「他に何か話したりした?」
「いえ、特には」
「なんだか気味が悪くて、あまり話したくなかったのよね」
「イリーナ、すごい顔で睨んでたんですよ?」
「だって、本当に不気味だったから」
イリーナとシュゼットは顔を「ねー」と笑った。
きっとその、すっごい美人の変な女とはベアトリーチェのことだろう。
洗濯場と離れには近づくなと言っていたのに、約束を破ったらしい。
何を企んでいるのかはわからないが、いや、何も企まずとも彼女がアイシャにとって不利益となることをするのは目に見えている。
だが、それが何であれ、子どもたちを巻き込むなんて許されない。
アイシャは二人の頭を撫でると、内圧を下げるように静かに深呼吸した。
「……ごめんなさい。今日の授業はお休みしてもいいかしら。体調が良くないみたい」
「う、うん……」
「奥様、大丈夫ですか?」
「ありがとう、大丈夫よ。あ、そうだ!後でランがおやつを持ってくるから、よかったらみんなで食べてね」
「はい。ありがとうございます……」
「やった!おやつ何……って痛っ!」
「レオは空気を読め!」
本日二度目のゲンコツである。リズベット仕込みのそれはかなり痛いらしい。レオは若干涙目だ。
「あまり喧嘩してはダメよ」
本当の兄妹のように仲の良い子どもたちの様子に心を和ませつつ、アイシャは離れを後にした。
「……奥様、どうしたのかな?」
「さあ?」
「やっぱりあの、変な女のせいなのかな」
「そうかも」
だったらあの女は敵だ。きっととんでもない悪女に違いない。
イリーナは自分の部屋からアイシャがくれた首都の最新トレンドの恋愛小説を持ってくると、それを広げ、レオに『顔の良い女は大体悪女』ということを小一時間かけて説いたという。
おかげでレオは前より文字が読めるようになった。
12
お気に入りに追加
2,809
あなたにおすすめの小説
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー
それでも、私は幸せです~二番目にすらなれない妖精姫の結婚~
柵空いとま
恋愛
家族のために、婚約者である第二王子のために。政治的な理由で選ばれただけだと、ちゃんとわかっている。
大好きな人達に恥をかかせないために、侯爵令嬢シエラは幼い頃からひたすら努力した。六年間も苦手な妃教育、周りからの心無い言葉に耐えた結果、いよいよ来月、婚約者と結婚する……はずだった。そんな彼女を待ち受けたのは他の女性と仲睦まじく歩いている婚約者の姿と一方的な婚約解消。それだけではなく、シエラの新しい嫁ぎ先が既に決まったという事実も告げられた。その相手は、悪名高い隣国の英雄であるが――。
これは、どんなに頑張っても大好きな人の一番目どころか二番目にすらなれなかった少女が自分の「幸せ」の形を見つめ直す物語。
※他のサイトにも投稿しています
【完結】捨てられた私が幸せになるまで
風見ゆうみ
恋愛
私、レティアは5歳の時に拉致され、私と似た公爵家の令嬢の身代わりをさせられる事になった。
身代わりの理由は公爵令嬢の婚約者が魔道士の息子だったから。
魔道士を嫌う公爵家は私を身代わりにし、大魔道士の息子、レイブンと会わせた。
私と彼は年を重ねるにつれ、婚約者だからではなく、お互いに恋心を持つ様になっていき、順調にいけば、私は彼と結婚して自由になれるはずだった。
そんなある日、本物の令嬢、レティシア様がレイブンを見たいと言い出した。
そして、入れ替わるはずだったはずの夜会に本人が出席する事になり、その夜会で、レティシア様はレイブンを好きになってしまう。
レイブンと結婚したいというレティシア様と、それを拒む公爵夫妻。
このままではレイブンと結婚できないと、私が邪魔になったレティシア様は、公爵夫妻に内緒で、私を治安の悪い貧民街に捨てた。
※身代わりのレティアが自由を勝ち取り、レイブンと幸せになるまでのお話です。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※話が合わない場合は、コメントは残さずに閉じてくださいませ。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
【完結】憧れの人の元へ望まれて嫁いだはずなのに「君じゃない」と言われました
Rohdea
恋愛
特別、目立つ存在でもないうえに、結婚適齢期が少し過ぎてしまっていた、
伯爵令嬢のマーゴット。
そんな彼女の元に、憧れの公爵令息ナイジェルの家から求婚の手紙が……
戸惑いはあったものの、ナイジェルが強く自分を望んでくれている様子だった為、
その話を受けて嫁ぐ決意をしたマーゴット。
しかし、いざ彼の元に嫁いでみると……
「君じゃない」
とある勘違いと誤解により、
彼が本当に望んでいたのは自分ではなかったことを知った────……
【完結】初夜寸前で「君を愛するつもりはない」と言われました。つもりってなんですか?
迦陵 れん
恋愛
侯爵家跡取りのクロディーヌと、公爵家三男のアストルは政略結婚といえども、幸せな結婚をした。
婚約者時代から日々お互いを想い合い、記念日にはプレゼントを交換し合って──。
なのに、記念すべき結婚初夜で、晴れて夫となったアストルが口にしたのは「君を愛するつもりはない」という言葉。
何故? どうして? クロディーヌは混乱に陥るも、アストルの真意は掴めない。
一方で、巷の恋愛小説ばりの言葉を放ったアストルも、悶々とした気持ちを抱えていて──。
政略で結ばれた婚約でありながら奇跡的に両想いとなった二人が、幸せの絶頂である筈の結婚を機に仲違い。
周囲に翻弄されつつ、徐々に信頼を取り戻していくお話です。
元鞘が嫌いな方はごめんなさい。いろんなパターンで思い付くままに書いてます。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる