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第三章 アッシュフォード男爵夫人
12:顔の良い女は大体悪女
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ブランチェット伯爵夫妻とそのおまけの襲来して3日目の昼下がり。
下働きの仕事を終えた子どもたちはいつものように別館の2階の、ジェスターの部屋の前でアイシャが来るのを待っていた。
なぜ彼らが部屋ではなく廊下で彼女を待つのかというと、ここで勉強をするからだ。
廊下に不自然に用意された机と椅子。それから黒板。
本来なら部屋の中にあるべきそれが廊下に出されている光景は異様だが、彼ら4人にとってはここが最適な教室だった。
「ジェスター!見てみろよ、これ!上手くね?」
木の板にミミズの這ったような字でジェスターの名前を書いたレオは、彼の部屋の扉の横にある小窓から板を入れた。
その小窓は部屋から出られないジェスターのためにアイシャがつけたものだ。ジェスターの食事などはその窓から渡している。
「これ、お前の部屋の扉に張っといてやるからな!」
名札代わりだとレオが明るく言うと、ジェスターは扉を2回叩いた。それもかなり強めに。
これはNOの返事の代わりだ。
一回ならYES、二回ならNO。声を出せない彼のために決めたルールなのだが、強めに叩いたところをみると、かなり嫌がっているのだろう。
小窓から戻ってきた板は赤ペンで綴りを直されていた。
「ぷぷっ。間違えてやんのー」
「レオ、恥ずかしー」
「う、うるさいな!ちょっと間違えただけだろ!」
「あら、レオ。名前の間違いはとても失礼なのよ?」
「そうよ、レオ。シュゼットの言う通りだわ」
イリーナとシュゼットが笑う。すると扉が一回だけ叩かれた。
「おい!ジェスター!お前までなんだよ、もー!」
レオはリスのように頬を膨らませた地団駄を踏んだ。
彼の足跡は広い廊下によく響く。
「騒がしいわね。どうしたの?」
「あ、奥様!」
少し疲れた顔をして現れたアイシャは呆れたように肩をすくめた。
「違うんですよ、奥様!ジェスターが俺の善意を無碍にするからぁ!」
「善意?」
「これです、奥様」
「ありがとう、シュゼット。………これは?」
「ジェスターの部屋の名札だって」
「ジャスター?」
「綴りを間違えてるの」
「ああ、なるほど」
レオはあまり勉強が得意ではないようだ。アイシャはどうしたものかと頭を抱えた。
「レオは補講かしら」
「えー!?」
「ふふっ。冗談よ」
遊ぶ時間がなくなると本気で焦る彼にアイシャはごめんねと謝りつつも、可愛い可愛いとその頭を撫で回した。
それはもはや謝っていない。レオはますます頬を膨らませた。
「奥様、元気ない?」
膨らんだレオの頬を突いて遊ぶアイシャをイリーナは心配そうに見つめた。
どことなく、いつもより無駄に明るく振る舞う彼女の姿に違和感を感じたのだ。
それはシュゼットも感じ取っていたのか、アイシャの近くに行き、心配そうに顔を覗き込む。
「もしかして、あの変な女のせいですか?」
「……変な女?それって誰のことなの、シュゼット」
シュゼットの言葉に、アイシャは嫌な予感がした。
「変な女は変な女です。今日は洗濯物が多いから、いつもよりも早くからお仕事を始めたんですけど、その変な女は突然洗濯場にやってきて……」
「そうなの!私たちがお仕事をしているところを見て『子どもを働かせるなんて』って言ってさ!」
「なんかすっごい美人なお姉さんだったぜ!」
「急に『可哀想に』って言って泣き出したりして、びっくりしたよねー」
「そうなんです。泣いてるから一応、どうしたのって聞いたら、『私が助けてあげるからね』って言って、すぐいなくなっちゃいました」
「リズが鬼の形相で連れてったの。久しぶりにあんなリズを見たわ」
「でもすっげー美人だったぜ!」
「もう!レオうるさい!黙ってて!」
「面食いは成敗っ!」
「痛っ!」
うるさいレオの頭にはイリーナの拳骨が落ちた。かなり良い音である。
「他に何か話したりした?」
「いえ、特には」
「なんだか気味が悪くて、あまり話したくなかったのよね」
「イリーナ、すごい顔で睨んでたんですよ?」
「だって、本当に不気味だったから」
イリーナとシュゼットは顔を「ねー」と笑った。
きっとその、すっごい美人の変な女とはベアトリーチェのことだろう。
洗濯場と離れには近づくなと言っていたのに、約束を破ったらしい。
何を企んでいるのかはわからないが、いや、何も企まずとも彼女がアイシャにとって不利益となることをするのは目に見えている。
だが、それが何であれ、子どもたちを巻き込むなんて許されない。
アイシャは二人の頭を撫でると、内圧を下げるように静かに深呼吸した。
「……ごめんなさい。今日の授業はお休みしてもいいかしら。体調が良くないみたい」
「う、うん……」
「奥様、大丈夫ですか?」
「ありがとう、大丈夫よ。あ、そうだ!後でランがおやつを持ってくるから、よかったらみんなで食べてね」
「はい。ありがとうございます……」
「やった!おやつ何……って痛っ!」
「レオは空気を読め!」
本日二度目のゲンコツである。リズベット仕込みのそれはかなり痛いらしい。レオは若干涙目だ。
「あまり喧嘩してはダメよ」
本当の兄妹のように仲の良い子どもたちの様子に心を和ませつつ、アイシャは離れを後にした。
「……奥様、どうしたのかな?」
「さあ?」
「やっぱりあの、変な女のせいなのかな」
「そうかも」
だったらあの女は敵だ。きっととんでもない悪女に違いない。
イリーナは自分の部屋からアイシャがくれた首都の最新トレンドの恋愛小説を持ってくると、それを広げ、レオに『顔の良い女は大体悪女』ということを小一時間かけて説いたという。
おかげでレオは前より文字が読めるようになった。
下働きの仕事を終えた子どもたちはいつものように別館の2階の、ジェスターの部屋の前でアイシャが来るのを待っていた。
なぜ彼らが部屋ではなく廊下で彼女を待つのかというと、ここで勉強をするからだ。
廊下に不自然に用意された机と椅子。それから黒板。
本来なら部屋の中にあるべきそれが廊下に出されている光景は異様だが、彼ら4人にとってはここが最適な教室だった。
「ジェスター!見てみろよ、これ!上手くね?」
木の板にミミズの這ったような字でジェスターの名前を書いたレオは、彼の部屋の扉の横にある小窓から板を入れた。
その小窓は部屋から出られないジェスターのためにアイシャがつけたものだ。ジェスターの食事などはその窓から渡している。
「これ、お前の部屋の扉に張っといてやるからな!」
名札代わりだとレオが明るく言うと、ジェスターは扉を2回叩いた。それもかなり強めに。
これはNOの返事の代わりだ。
一回ならYES、二回ならNO。声を出せない彼のために決めたルールなのだが、強めに叩いたところをみると、かなり嫌がっているのだろう。
小窓から戻ってきた板は赤ペンで綴りを直されていた。
「ぷぷっ。間違えてやんのー」
「レオ、恥ずかしー」
「う、うるさいな!ちょっと間違えただけだろ!」
「あら、レオ。名前の間違いはとても失礼なのよ?」
「そうよ、レオ。シュゼットの言う通りだわ」
イリーナとシュゼットが笑う。すると扉が一回だけ叩かれた。
「おい!ジェスター!お前までなんだよ、もー!」
レオはリスのように頬を膨らませた地団駄を踏んだ。
彼の足跡は広い廊下によく響く。
「騒がしいわね。どうしたの?」
「あ、奥様!」
少し疲れた顔をして現れたアイシャは呆れたように肩をすくめた。
「違うんですよ、奥様!ジェスターが俺の善意を無碍にするからぁ!」
「善意?」
「これです、奥様」
「ありがとう、シュゼット。………これは?」
「ジェスターの部屋の名札だって」
「ジャスター?」
「綴りを間違えてるの」
「ああ、なるほど」
レオはあまり勉強が得意ではないようだ。アイシャはどうしたものかと頭を抱えた。
「レオは補講かしら」
「えー!?」
「ふふっ。冗談よ」
遊ぶ時間がなくなると本気で焦る彼にアイシャはごめんねと謝りつつも、可愛い可愛いとその頭を撫で回した。
それはもはや謝っていない。レオはますます頬を膨らませた。
「奥様、元気ない?」
膨らんだレオの頬を突いて遊ぶアイシャをイリーナは心配そうに見つめた。
どことなく、いつもより無駄に明るく振る舞う彼女の姿に違和感を感じたのだ。
それはシュゼットも感じ取っていたのか、アイシャの近くに行き、心配そうに顔を覗き込む。
「もしかして、あの変な女のせいですか?」
「……変な女?それって誰のことなの、シュゼット」
シュゼットの言葉に、アイシャは嫌な予感がした。
「変な女は変な女です。今日は洗濯物が多いから、いつもよりも早くからお仕事を始めたんですけど、その変な女は突然洗濯場にやってきて……」
「そうなの!私たちがお仕事をしているところを見て『子どもを働かせるなんて』って言ってさ!」
「なんかすっごい美人なお姉さんだったぜ!」
「急に『可哀想に』って言って泣き出したりして、びっくりしたよねー」
「そうなんです。泣いてるから一応、どうしたのって聞いたら、『私が助けてあげるからね』って言って、すぐいなくなっちゃいました」
「リズが鬼の形相で連れてったの。久しぶりにあんなリズを見たわ」
「でもすっげー美人だったぜ!」
「もう!レオうるさい!黙ってて!」
「面食いは成敗っ!」
「痛っ!」
うるさいレオの頭にはイリーナの拳骨が落ちた。かなり良い音である。
「他に何か話したりした?」
「いえ、特には」
「なんだか気味が悪くて、あまり話したくなかったのよね」
「イリーナ、すごい顔で睨んでたんですよ?」
「だって、本当に不気味だったから」
イリーナとシュゼットは顔を「ねー」と笑った。
きっとその、すっごい美人の変な女とはベアトリーチェのことだろう。
洗濯場と離れには近づくなと言っていたのに、約束を破ったらしい。
何を企んでいるのかはわからないが、いや、何も企まずとも彼女がアイシャにとって不利益となることをするのは目に見えている。
だが、それが何であれ、子どもたちを巻き込むなんて許されない。
アイシャは二人の頭を撫でると、内圧を下げるように静かに深呼吸した。
「……ごめんなさい。今日の授業はお休みしてもいいかしら。体調が良くないみたい」
「う、うん……」
「奥様、大丈夫ですか?」
「ありがとう、大丈夫よ。あ、そうだ!後でランがおやつを持ってくるから、よかったらみんなで食べてね」
「はい。ありがとうございます……」
「やった!おやつ何……って痛っ!」
「レオは空気を読め!」
本日二度目のゲンコツである。リズベット仕込みのそれはかなり痛いらしい。レオは若干涙目だ。
「あまり喧嘩してはダメよ」
本当の兄妹のように仲の良い子どもたちの様子に心を和ませつつ、アイシャは離れを後にした。
「……奥様、どうしたのかな?」
「さあ?」
「やっぱりあの、変な女のせいなのかな」
「そうかも」
だったらあの女は敵だ。きっととんでもない悪女に違いない。
イリーナは自分の部屋からアイシャがくれた首都の最新トレンドの恋愛小説を持ってくると、それを広げ、レオに『顔の良い女は大体悪女』ということを小一時間かけて説いたという。
おかげでレオは前より文字が読めるようになった。
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