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第二章 マリーナフカの棺とハルの妖精
19:リズベットの誤解(2)
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「お前ら、何やってんの?」
顔を真っ赤にしてランに掴みかかろうとするリズベットと、それを止めるテオドール。そして子どものようにリズベットを煽るラン。
久しぶりに砦から帰ってきたイアンは、自分の執務室で繰り広げられる光景に呆れたようにため息をこぼした。
「おかえりなさいませ、旦那様。砦の様子はどうですか?」
「ただいま、テオ。今年は兵の数が異様に少ない気がする。何度か応戦したが、余裕で制圧できた」
「ありゃ?意外ですね」
「もしかすると、あれは大半が軍人ではないのかもしれん」
「なるほど」
「とりあえず、今はこう着状態が続いてる。こちらの負傷者は軽傷が十名程度だ。向こうは知らん」
「あちらさんは人手も物資も足りていないのかもしれませんね」
「かもな」
後ろからリズベットを羽交い締めにしたまま、テオドールは何も起きていないかのように自然にイアンと会話を交わす。
イアンは仕方がないと上着を脱ぐと、喚くリズベットの頭に被せた。
あたしはハンガーではないと騒いでいるが、コートで声がこもっているので然程うるさくない。
「で?お前たちは何をしているんだ?ケンカなら他所でやりなさい。そしてランはそんな子だったか?」
「この女は猫かぶってんのよ!ご主人様の前では純真無垢な女を演じてるけど、裏ではめっちゃ態度悪いんだから!」
「演じてませんー!あなた方にだけ態度が悪いだけで他の皆さんには普通ですー!」
「何であたしらにだけ態度悪いんだよ!」
「それは自分の胸に手を当てて考えろ、ばーか!」
「もうやめなさい、二人とも」
イアンは幼子を諌めるようにランの頭を小突いた。
「特にラン。落ち着きなさい。八つ当たりは良くない」
「はい?」
「マリーナフカを見たのは君も初めてだろう?」
「……そうですが?だから何ですか?」
「気が滅入るのもわかるが、そういう時に適当な相手に喧嘩ふっかけて発散しようとしても後で後悔するだけだぞ」
「……そんなんじゃありません!そもそも、私は別に……、全然平気です!」
「強がるな。平気なわけないだろ」
イアンはキーキーと吠えるランの頭を乱暴に撫で回した。
何だかんだで、まだ16の小娘だ。実家は畜産農家だと言うし、アイシャよりは血に慣れているだろうが、それでもあんな風に人が死ぬのを見るのは初めてなはず。
「アイシャのために、ありがとうな」
主人にいらぬ心配をかけぬよう、平気なフリをしていたのだろう。本当は自分とてなかなか眠れていないのに。
化粧で目の下のクマを隠してほしいとメイド長に頼んでいることをイアンは知っている。
ランは慌てて持っていた本で目元を隠した。急に優しくされると泣きそうになるのでやめてほしい。
「旦那様の勘違いです!」
「そうか?なら良いのだが……。あまり無理はするなよ」
「旦那様こそ、そんな怖い顔をしないでください」
「……怖いか?」
「はい、とても」
イアンは否定してほしくて、テオドールとリズベットの方を見た。しかし、二人とも大きく頷いた。
「まあ、冬ですから。いつものポンコツ具合が抜け落ちてて僕的にはありがたいです」
「テオは本当に失礼だな」
「なんか、隊長殿って感じ。ちょっと懐かしい」
「意味わからん」
「でも、少なくともその顔でお嬢様と接するのはやめたほうがよさそうね。余計に怖がらせるだけよ」
「うむ……。アイシャはどうしている?」
「食事はとってる。かろうじてって感じだけど。夜はあまり眠れていないみたい」
「そうか」
「でも、屋敷の中にある資料とか漁って熱心に色々と調べてるから、ただ塞ぎ込んでるだけって感じもしない」
「……そうか」
「とりあえず、もう少しだけ待ってって……」
リズベットは何かを思い出したように、床に視線を落とした。そして散らばった色とりどりのサイネリアの花びらと、『もう少しだけ時間をください』という言葉と共にイアンの体を気遣う短いメッセージの書かれたカードが落ちているのを見て、血の気が引いた。
「…………ごめん、何でもない」
「いや、その顔は絶対に何でもなくないだろ」
「あははは……、ごめんなさい」
「……お前、まさかとは思うが、これ、アイシャから預かった花束ではないよな?」
「え……、嘘でしょ。リズ」
「………………最っっ低」
テオドールは顔面蒼白なリズベットと、明らかに怒っているイアンを交互に見た。
そしてその上で、生贄に差し出すようにリズベットの背中を押し、ランと共に部屋の隅に避難した。
「違う違う!花束はニックから!おすそ分けって!カードはお嬢様からだけど、花束はニックから!」
「たとえニックからの花束でも何があればこんなことになるんだよ」
「マイヤー卿は私に向かって、花束を投げつけてきました!」
「告げ口しないでよ、ラン!!」
「へえ……」
「いや、違……くはないけど!これには理由が!」
「どんな理由だ?」
「だってランがテオに迫ってたから……」
「だからどうした?」
「だから、その……」
「俺、いつも言ってるよな?脊髄反射で行動するなと。一度脳まで持っていけって」
「ひぃ!ご、ごめんなさいぃ……!」
どんな言い訳をされても『なら仕方がないね』とはならない。リズベットはイアンに2発ほど拳骨を落とされ、半泣きで部屋を去っていった。
「えーっと……」
「わ、私はこれで失礼しますね。資料、お借りします……」
「あ、僕は掃除用具とってきますー……」
ランはマリーナフカに関する資料を両手で抱えてイアンに一礼する。テオドールも何となく気まずいのでそそくさと逃げるように部屋を出た。
顔を真っ赤にしてランに掴みかかろうとするリズベットと、それを止めるテオドール。そして子どものようにリズベットを煽るラン。
久しぶりに砦から帰ってきたイアンは、自分の執務室で繰り広げられる光景に呆れたようにため息をこぼした。
「おかえりなさいませ、旦那様。砦の様子はどうですか?」
「ただいま、テオ。今年は兵の数が異様に少ない気がする。何度か応戦したが、余裕で制圧できた」
「ありゃ?意外ですね」
「もしかすると、あれは大半が軍人ではないのかもしれん」
「なるほど」
「とりあえず、今はこう着状態が続いてる。こちらの負傷者は軽傷が十名程度だ。向こうは知らん」
「あちらさんは人手も物資も足りていないのかもしれませんね」
「かもな」
後ろからリズベットを羽交い締めにしたまま、テオドールは何も起きていないかのように自然にイアンと会話を交わす。
イアンは仕方がないと上着を脱ぐと、喚くリズベットの頭に被せた。
あたしはハンガーではないと騒いでいるが、コートで声がこもっているので然程うるさくない。
「で?お前たちは何をしているんだ?ケンカなら他所でやりなさい。そしてランはそんな子だったか?」
「この女は猫かぶってんのよ!ご主人様の前では純真無垢な女を演じてるけど、裏ではめっちゃ態度悪いんだから!」
「演じてませんー!あなた方にだけ態度が悪いだけで他の皆さんには普通ですー!」
「何であたしらにだけ態度悪いんだよ!」
「それは自分の胸に手を当てて考えろ、ばーか!」
「もうやめなさい、二人とも」
イアンは幼子を諌めるようにランの頭を小突いた。
「特にラン。落ち着きなさい。八つ当たりは良くない」
「はい?」
「マリーナフカを見たのは君も初めてだろう?」
「……そうですが?だから何ですか?」
「気が滅入るのもわかるが、そういう時に適当な相手に喧嘩ふっかけて発散しようとしても後で後悔するだけだぞ」
「……そんなんじゃありません!そもそも、私は別に……、全然平気です!」
「強がるな。平気なわけないだろ」
イアンはキーキーと吠えるランの頭を乱暴に撫で回した。
何だかんだで、まだ16の小娘だ。実家は畜産農家だと言うし、アイシャよりは血に慣れているだろうが、それでもあんな風に人が死ぬのを見るのは初めてなはず。
「アイシャのために、ありがとうな」
主人にいらぬ心配をかけぬよう、平気なフリをしていたのだろう。本当は自分とてなかなか眠れていないのに。
化粧で目の下のクマを隠してほしいとメイド長に頼んでいることをイアンは知っている。
ランは慌てて持っていた本で目元を隠した。急に優しくされると泣きそうになるのでやめてほしい。
「旦那様の勘違いです!」
「そうか?なら良いのだが……。あまり無理はするなよ」
「旦那様こそ、そんな怖い顔をしないでください」
「……怖いか?」
「はい、とても」
イアンは否定してほしくて、テオドールとリズベットの方を見た。しかし、二人とも大きく頷いた。
「まあ、冬ですから。いつものポンコツ具合が抜け落ちてて僕的にはありがたいです」
「テオは本当に失礼だな」
「なんか、隊長殿って感じ。ちょっと懐かしい」
「意味わからん」
「でも、少なくともその顔でお嬢様と接するのはやめたほうがよさそうね。余計に怖がらせるだけよ」
「うむ……。アイシャはどうしている?」
「食事はとってる。かろうじてって感じだけど。夜はあまり眠れていないみたい」
「そうか」
「でも、屋敷の中にある資料とか漁って熱心に色々と調べてるから、ただ塞ぎ込んでるだけって感じもしない」
「……そうか」
「とりあえず、もう少しだけ待ってって……」
リズベットは何かを思い出したように、床に視線を落とした。そして散らばった色とりどりのサイネリアの花びらと、『もう少しだけ時間をください』という言葉と共にイアンの体を気遣う短いメッセージの書かれたカードが落ちているのを見て、血の気が引いた。
「…………ごめん、何でもない」
「いや、その顔は絶対に何でもなくないだろ」
「あははは……、ごめんなさい」
「……お前、まさかとは思うが、これ、アイシャから預かった花束ではないよな?」
「え……、嘘でしょ。リズ」
「………………最っっ低」
テオドールは顔面蒼白なリズベットと、明らかに怒っているイアンを交互に見た。
そしてその上で、生贄に差し出すようにリズベットの背中を押し、ランと共に部屋の隅に避難した。
「違う違う!花束はニックから!おすそ分けって!カードはお嬢様からだけど、花束はニックから!」
「たとえニックからの花束でも何があればこんなことになるんだよ」
「マイヤー卿は私に向かって、花束を投げつけてきました!」
「告げ口しないでよ、ラン!!」
「へえ……」
「いや、違……くはないけど!これには理由が!」
「どんな理由だ?」
「だってランがテオに迫ってたから……」
「だからどうした?」
「だから、その……」
「俺、いつも言ってるよな?脊髄反射で行動するなと。一度脳まで持っていけって」
「ひぃ!ご、ごめんなさいぃ……!」
どんな言い訳をされても『なら仕方がないね』とはならない。リズベットはイアンに2発ほど拳骨を落とされ、半泣きで部屋を去っていった。
「えーっと……」
「わ、私はこれで失礼しますね。資料、お借りします……」
「あ、僕は掃除用具とってきますー……」
ランはマリーナフカに関する資料を両手で抱えてイアンに一礼する。テオドールも何となく気まずいのでそそくさと逃げるように部屋を出た。
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