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第一章 輪廻の滝で
5:イアン・ダドリー・アッシュフォード(1)
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それはアイシャが生贄を言い渡されて数日後のこと。
帝国の北部。魔族領との境に位置する小さな村の小さな屋敷で、領主イアン・ダドリー・アッシュフォードは皇宮から送られてきた手紙を眺めながら執務机に頬杖をついていた。
今、彼の手元にある手紙はこれから嫁いでくるはずのブランチェット伯爵家の女が、妹から姉に変わったということを記した手紙だ。
何でも、皇帝としては妹の方が器量良しだからそちらを送りたかったそうだが、病弱なために北部の気候には耐えられそうになく、代わりに姉の方を送ることにしたらしい。
「……その姉とやらは戦争の英雄である旦那様に好意を抱いていたらしく、代わりに嫁げることを大層喜んでいるそうです。彼女はとても地味な容姿をしていてその点においては妹に劣るけれど、アカデミー時代の成績は大変優秀で安心して内政を任せられるだろうし、持参金もはずむから旦那様にとって悪い話ではない……、という感じのことが書いてあります」
「……そうか」
平民出身のため貴族特有の迂遠な言い回しが理解できないイアンの代わりに、手紙の内容を要約した彼の側近テオドールは、この国では珍しい深紅の瞳をゆっくりと閉じて小さくため息をこぼした。
そして執事服のジャケットの襟を正すと、にっこりと胡散臭い笑顔を貼り付けた。
「さて、旦那様」
「……何だ?」
「申し上げてもよろしいでしょうか」
「ダメだ。絶対ダメ。言わないでくれ。多分傷つく」
「姉の方、アイシャ嬢というらしいのですが、調べたところかなり優秀な女性らしいですよ? 彼女に淑女教育を施したというエレノア子爵夫人や、アカデミー時代の担当教諭に聞きました」
「だから、言うなと……」
「アカデミー卒業後はあまり社交場に顔を出していないそうなので数少ない情報をもとに話しますが、性格は控えめで前に出過ぎることはなく、しかし意見を言わねばならない時にはきちんと発言ができる女性なのだとか。僕から見ても理想の花嫁ですね」
「……」
「わかってると思いますが、そんな明らかに引く手数多な良家の淑女が旦那様に憧れてるなんて話、あるわけないですからね?彼女はそんな事、1ミクロンも思ってるはずがありませんから。自惚れると大変なことに……」
「う、うるさいな!言われなくともわかっとるわっ!!」
わかりきった忠告にイアンは手紙を丸めてゴミ箱に放り投げた。
そんな由緒正しき伯爵家の賢くて控えめのお嬢様が、野蛮な元傭兵の妻になどなりたがるわけがない。
自身が首都で戦場の悪魔だの戦闘狂だのと呼ばれていることを知っているイアンは、不貞腐れたように唇を尖らせた。
「ったく。そもそも、自分の側近の娘を俺の元に送るとか、皇帝はどういうつもりなんだ?」
「まあ単純に自身の懐の深さを見せたいが、かと言って自分の娘をこんな不便なところには送りたくないという打算と親心……。後は中央とのつながりを持たせて裏切らないようにしたいという保険、ですかね?」
「……俺は別に裏切るつもりなんてないのに。そんな余裕ないし」
「あなたに裏切るつもりがなくとも、皇帝陛下に反感を持つ貴族たちにあなた様が丸め込まれない保証はないでしょう?そうなったら、あなたは皇室にとって最も大きな脅威になります。……なんせ、血も涙もない戦場の悪魔ですから?」
「うるさい。別に好きで悪魔になったわけじゃないっての」
5年前、突如として起こった魔族の襲撃。最初に狙われたのはこのアッシュフォードの地と、隣のヴィルヘルムという街だった。
当時、ヴィルヘルムにいたイアンは躊躇することなく、自身の所属する傭兵団を率いて魔族軍と対峙した。領主のエレノア子爵が率いる私兵だけでは、首都からの援軍到着まで持ち堪えられないと直感したからだ。
「あの時は戦わなければ生き残れないと思ったから戦っただけなのに、なんで敵を薙ぎ倒しただけで悪魔なんて言われないといけないんだよ。殺さなきゃ殺されるような戦場だぞ?少しでも躊躇したら死ぬんだぞ?」
「まあまあ。戦場の辛さはその場にいた人にしか理解できませんから……、とフォローを入れたいところですが……」
「ですが?」
「僕ですら、旦那様のことが悪魔に見えたのでそのあだ名はあながち間違いではないかと。もう本当にどちらが魔族かわかりませんでしたからね」
圧倒的に不利な戦況でも怯むことなく闘志を剥き出して敵陣に乗り込み、次々と敵の首を刈っては一度も後ろを振り返ることなく、ひたすら前に進み続ける様を見たら誰だって怖いと思うはずだ。あの時のイアンを思い出したのか、テオドールは苦笑した。
「人智を超えた魔の力を持つ魔族に対し、対等に渡り合えるだけの戦闘技術と並外れた体力に、きちんと生きて帰る事を計算しての完璧な戦略。そして何より。長引く戦争の中、並みの精神では心を壊しかねない劣悪かつ悲惨な環境の戦場にずっと身を置きながらも、決して怯むことなく敵大将の首を目指して前進し続けるだけの精神力。貴方本当に人間ですか?」
「人間だよ!」
「だって間違いなく、知能レベル以外は人間の域を超えているから」
「知能レベル以外は、ってどういう意味だよ!」
「そのままの意味ですが? ちなみに知能レベルはほぼ魔族です」
「なんで魔族!?」
「ほぼ人間ではないので!」
「ほぼ人間だよ!」
「……」
「……ち、ちがう。全部人間。間違えた」
「ほぼ人間な自覚がおありでしたか……。くっ……。あ、無理。笑いそう」
「もう笑ってんじゃねーか!」
ただの言い間違いなのに腹を抱えて笑われたイアンは、恥ずかしさから顔を真っ赤にして机の上にあった万年筆を投げた。
万年筆は一直線にテオドールの目に向かうが、テオドールはそれを軽く避け、人差し指と中指で受け止めるとそのままイアンの方に投げ返す。
最終的に万年筆は緩やかな放物線を描いてイアンの執務机のペン立ての中に収まったのだった。
「やり返し方すらスマートで腹が立つ」
「お褒めの言葉と受け取っておきます」
「くそっ!お前をそばに置いたのは間違いだった!」
「はいはい。それより話が脱線しすぎましたので元に戻しますよ」
テオドールはパンパンと手を叩いて、空気を変えた。
イアンは不服そうな顔をしつつも、椅子の背もたれに背中を預けて腕を組み、話の続きを促した。
「まず初めに、この結婚はもう決まったことです。どうにも出来ません」
「言われなくともわかってる」
「では旦那様。流石にそろそろ準備をしませんとね?」
「……準備?結婚式のか?」
「それもありますが、それだけではありません」
「ん?他に何があるんだ?」
妻を迎えるのには色々と準備が必要だ。ある程度の年齢になれば自然とそういう情報も耳に入ってくるはずなのだが、それを理解していないのか、イアンは純真無垢な子どものような目をして首を傾げる。
テオドールはそんな察しの悪い彼に舌打ちした。
「いや、お前……舌打ちやめろよ。俺、領主だからな?お前より偉いからな?」
「はいはい、そうですねー。偉い偉い」
「てめ……!馬鹿にしやがって!」
拾われた恩も忘れて、こいつは本当に生意気な男である。イアンはこの尊大な態度に憤慨しつつも、内圧を下げるように深く息を吐き出し、気持ちを落ち着かせた。
「まあいい。それで?結婚式の準備以外に何があるんだよ」
「はああああああ……」
「そんな大きな声でため息をつくな。腹立つなぁ」
「……旦那様。旦那様はこんなシンプルイズベストを追求しすぎて装飾品の一つもないような、それこそ街のちょっと良い宿屋みたいな屋敷に、年頃のご令嬢を迎え入れることを何とも思わないんですか?」
「思わん」
「即答かよ。本当最低。だからあんたはモテないんだよ」
テオドールは蔑みの視線をイアンに向けつつ、彼の目の前に書類を突きつけた。
「なんだ?これ」
「追加の予算案です」
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「……そうか」
平民出身のため貴族特有の迂遠な言い回しが理解できないイアンの代わりに、手紙の内容を要約した彼の側近テオドールは、この国では珍しい深紅の瞳をゆっくりと閉じて小さくため息をこぼした。
そして執事服のジャケットの襟を正すと、にっこりと胡散臭い笑顔を貼り付けた。
「さて、旦那様」
「……何だ?」
「申し上げてもよろしいでしょうか」
「ダメだ。絶対ダメ。言わないでくれ。多分傷つく」
「姉の方、アイシャ嬢というらしいのですが、調べたところかなり優秀な女性らしいですよ? 彼女に淑女教育を施したというエレノア子爵夫人や、アカデミー時代の担当教諭に聞きました」
「だから、言うなと……」
「アカデミー卒業後はあまり社交場に顔を出していないそうなので数少ない情報をもとに話しますが、性格は控えめで前に出過ぎることはなく、しかし意見を言わねばならない時にはきちんと発言ができる女性なのだとか。僕から見ても理想の花嫁ですね」
「……」
「わかってると思いますが、そんな明らかに引く手数多な良家の淑女が旦那様に憧れてるなんて話、あるわけないですからね?彼女はそんな事、1ミクロンも思ってるはずがありませんから。自惚れると大変なことに……」
「う、うるさいな!言われなくともわかっとるわっ!!」
わかりきった忠告にイアンは手紙を丸めてゴミ箱に放り投げた。
そんな由緒正しき伯爵家の賢くて控えめのお嬢様が、野蛮な元傭兵の妻になどなりたがるわけがない。
自身が首都で戦場の悪魔だの戦闘狂だのと呼ばれていることを知っているイアンは、不貞腐れたように唇を尖らせた。
「ったく。そもそも、自分の側近の娘を俺の元に送るとか、皇帝はどういうつもりなんだ?」
「まあ単純に自身の懐の深さを見せたいが、かと言って自分の娘をこんな不便なところには送りたくないという打算と親心……。後は中央とのつながりを持たせて裏切らないようにしたいという保険、ですかね?」
「……俺は別に裏切るつもりなんてないのに。そんな余裕ないし」
「あなたに裏切るつもりがなくとも、皇帝陛下に反感を持つ貴族たちにあなた様が丸め込まれない保証はないでしょう?そうなったら、あなたは皇室にとって最も大きな脅威になります。……なんせ、血も涙もない戦場の悪魔ですから?」
「うるさい。別に好きで悪魔になったわけじゃないっての」
5年前、突如として起こった魔族の襲撃。最初に狙われたのはこのアッシュフォードの地と、隣のヴィルヘルムという街だった。
当時、ヴィルヘルムにいたイアンは躊躇することなく、自身の所属する傭兵団を率いて魔族軍と対峙した。領主のエレノア子爵が率いる私兵だけでは、首都からの援軍到着まで持ち堪えられないと直感したからだ。
「あの時は戦わなければ生き残れないと思ったから戦っただけなのに、なんで敵を薙ぎ倒しただけで悪魔なんて言われないといけないんだよ。殺さなきゃ殺されるような戦場だぞ?少しでも躊躇したら死ぬんだぞ?」
「まあまあ。戦場の辛さはその場にいた人にしか理解できませんから……、とフォローを入れたいところですが……」
「ですが?」
「僕ですら、旦那様のことが悪魔に見えたのでそのあだ名はあながち間違いではないかと。もう本当にどちらが魔族かわかりませんでしたからね」
圧倒的に不利な戦況でも怯むことなく闘志を剥き出して敵陣に乗り込み、次々と敵の首を刈っては一度も後ろを振り返ることなく、ひたすら前に進み続ける様を見たら誰だって怖いと思うはずだ。あの時のイアンを思い出したのか、テオドールは苦笑した。
「人智を超えた魔の力を持つ魔族に対し、対等に渡り合えるだけの戦闘技術と並外れた体力に、きちんと生きて帰る事を計算しての完璧な戦略。そして何より。長引く戦争の中、並みの精神では心を壊しかねない劣悪かつ悲惨な環境の戦場にずっと身を置きながらも、決して怯むことなく敵大将の首を目指して前進し続けるだけの精神力。貴方本当に人間ですか?」
「人間だよ!」
「だって間違いなく、知能レベル以外は人間の域を超えているから」
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「そのままの意味ですが? ちなみに知能レベルはほぼ魔族です」
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「……ち、ちがう。全部人間。間違えた」
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拾われた恩も忘れて、こいつは本当に生意気な男である。イアンはこの尊大な態度に憤慨しつつも、内圧を下げるように深く息を吐き出し、気持ちを落ち着かせた。
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「……旦那様。旦那様はこんなシンプルイズベストを追求しすぎて装飾品の一つもないような、それこそ街のちょっと良い宿屋みたいな屋敷に、年頃のご令嬢を迎え入れることを何とも思わないんですか?」
「思わん」
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