【完結】婚約者の前で猫をかぶる姫とそれに振り回される伯爵家の従者の話

七瀬菜々

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「…噛んでるわけないだろ」

 執務室を出たローレンスは、伯爵邸の赤絨毯が敷かれた廊下を歩きながら、ジュードの最後の顔を思い出し、ほくそ笑んだ。
 そして、小さく呟く。

「あの二人、早く落ち着いてくれないと、そろそろまずい」

 本気で、姫君を攫う悪党になりかねない。

 いつの間にか、カリーナに対するローレンスの気持ちは、それ程までに大きくなっていた。
 だから「ジュードは自分が相手で幸せになれるか」と問われた時、「なれる」という一言が言えなかった。
 カリーナの憂いを断ちたいのなら、ジュードの本心を伝えれば良いだけの事。
 それが出来ないのは、ローレンスがまだ割り切れていない証拠だ。
 いずれは結婚して、仲睦まじく過ごすであろう二人のそばに居続けなければならないローレンスは、まだそれを受け入れるだけの覚悟が出来ていなかった。

「俺もまだまだガキだわ…」

 ローレンスは頭を掻き、自嘲するように笑った。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

べりーベア
2021.01.17 べりーベア

なんでこんなに面白い作品が評価されていないのか…っ!
すっごーーーく!面白かったです!
気が向いたらでいいので、その先の物語も書いてくださいッ!!
素直な姫様が婚約者くんに甘えているところ、見て見たいです!

ほかの作品からつられてきましたが、どの作品も主人公が可愛くて読みやすいですね!
内容も面白くて、ついつい感想欄まで来てしまいました汗
もしかしたら別の作品でも遊びに来てしまうかもしれませんが、その時はよろしくお願いします(笑)
これからも応援しています!そして、すてきな作品をありがとうございました!!

2021.01.18 七瀬菜々

感想ありがとうございます!

面白いと思っていただけたのならそれだけで幸せなのに、そんなに褒めていただけるなんて、好きになっちゃいますよっ(〃ω〃)

続きはお約束できませんが、妄想が膨らめば書いてみようかと思います^^

本当に応援ありがとうございます!

解除

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