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本編
80:悩むのが面倒な女(1)
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離宮から戻り、7日が経過した頃のこと。
許可が降りたアルフレッドはエミリアと対面した。
1日目はエミリアの体力も考えて30分ほどの面会だった。
彼女は面会時間の間、ずっとアルフレッドの手を握りしめて静かに涙を流すだけだった。
2日目は少し時間を伸ばした。
エミリアは再び現れた最愛の夫にまた涙した。
少しだけ筆談で会話をすることがかなった。
他愛もない天気の話だったが、会話が成立した。
彼が帰るときに泣いて暴れたが、鎮静剤を打って眠らせた。
3日目、この日は泣くこともなく、筆談で会話した。アルフレッドが食べさせると自ら口を開けて食事を取るようになった。
そして、泣いて暴れることもなく『また明日』と手を振って別れることができた。
その後も面会を重ねるごとに徐々に時間を伸ばしていった。
そして面会開始から1週間が経つ頃には、彼女は数時間の面会が可能な状態まで回復した。
アルフレッドとの面会を機に、エミリアは少しずつではあるが、自ら食事を取るようになった。
自分でスプーンを持ち、自分で粥を口に運ぶ彼女の姿に、子爵はホッと胸を撫で下ろした。
食べるようになったおかげか、少し体力がついてきた。
相変わらず歩けないが、よく笑うようになった。付き添いで来ているシャロンは彼女の笑顔に涙を流して喜んだ。
けれど同時に、まだアルフレッドしか認識できない彼女に、こちらを向いてもらえないことが寂しく思えた。
そしてそこから更に3日ほど経過したころ。
シャロンは倒れた。
***
「そんなに心配しなくても、ただの過労ですよ」
セバスチャンに呼ばれて様子を見にきたサイモンは、急いで仕事を早退してきたアルフレッドに告げる。
その声は少し低く、怒っているようだった。
ここ最近、彼女がずっと思い悩んでいた事を知りながら、何もできなかった自分に怒っているのだろう。アルフレッドはそう思った。
だから彼に「話がある」と廊下に誘われても素直について行った。
「な、何かな?サイモン君」
廊下に連れ出されたアルフレッドはジリジリと壁際に追い詰められる。
冷たい壁に背をつけたところで、サイモンは彼の顔の横に手をついた。顔が近い。
「わ、私にそういう趣味はないぞ」
「俺もねーよ。気色悪い勘違いしないでください」
綺麗な顔の人間が怒ると、美しいが故に威圧感が増す。彼に睨まれたアルフレッドは身震いした。
「どうなってるんですか」
「ど、どうとは?」
「お嬢ですよ」
「えーっと…。もしかして、魅了のことか?」
「そうですよ。さっき、お嬢はなんて言ったと思います?」
「何て言ったんだ?」
「急に『恋したことはあるか』と聞いてきたんですよ」
想い人に、お前は恋をしているのかと聞かれて『貴女に恋しています』と言わなかったことを褒めて欲しい、サイモンはそう愚痴をこぼす。
その愚痴にアルフレッドは『堂々と横恋慕宣言するな』と叱ったが、彼は無視して続けた。
とりあえず、正直に『ある』と答えたサイモンは、恋とはどのような症状なのかと聞かれたのだそうだ。
「恋してる状態って、基本その人のことばっかり考えたり、その人の言動一つ一つに心が動いたり、ふとした仕草にドキドキしたり、そんな感じだと答えたんです」
「意外と乙女な答えだ」
「黙れ」
「おい、私は公爵だぞ。君のその態度、首切られても文句言えないからね?」
不敬極まりないサイモンを注意するも、やはり彼はその指摘を無視して話を続ける。
「それを聞いたお嬢は気づいたことがあると言いました」
「気づいたこと?」
「『旦那様を好きかもって話だけど、あれは多分間違いだった』って」
シャロン曰く、『だって旦那様にドキドキしたことないもの』だとのこと。
それを聞いたアルフレッドは、頭上に雷が落ちたような衝撃を受けた。
離宮に行く前は『好きかも』とか言っていたのに、それがやはり『かも』でしかなかったと彼女は結論づけたのだ。
「まあそれ自体はどうでも良いんすけど」
「いや、良くない。泣きそう」
「問題はそのあとすっよ。『悩んだって仕方がないから、私はこの気持ちを受け入れようと思うの』って。受け入れちゃったんですけど、うちのお嬢」
「え?何を?」
「エミリア様への恋心を」
「…はい?」
アルフレッドは目を丸くした。脳が情報を処理しきれていないのだろう。アホの子の顔をして口をパクパクさせている。
そんな彼にサイモンはもう一度説明した。
シャロンはアルフレッドへの恋心が恋ではなかったとの結論を導きだし、ならば前の自分が可哀想ということはなく、本能に抗うのをやめたそうだと。
「待て待て待て!何でそんな結論になるわけ!?思い切りが良すぎない!?」
「俺だって聞きたいですよ!でもお嬢が言うんです!『だって悩んでも仕方ないし、受け入れた方がストレスが少ないでしょう』って!確かにそうかもしれないけど、そんなすんなり受け入れられるものでもなくない!?」
確かに『悩む』という行為をめんどくさいと思うタイプの人だとは常々思っていたが、こんな事になるとは思っていなかったと、サイモンは若干涙目である。
「確かにお嬢にしたら悩んだ方だけども!思い切りが良すぎる!ぶっ飛んでるわ、相変わらず!」
「え?シャロンのその感情は魅了のせいだよね?どうしてそうなる?」
「俺も言いましたよ!そしたらあの人なんて言ったと思います?」
「な、何て?」
「『でも、解けないなら仕方なくない?』って!軽く。ものすごく軽ーくそう言ったんですよ!」
「仕方なくないよ!全然仕方なくないよ!?」
挙句、あまりに否定してくるサイモンに対し、彼女は『偏見持つなとは言わないけど、それを大きな声で主張するのは良くない』と叱ったそうだ。
別に同性愛に対する偏見とかではなく、相手がおかしいのだと主張しても聞き入れてもらえない。
結果、好きかもしれなかった夫の前妻に恋する後妻が爆誕してしまった。
カオスの極みである。順応性が高すぎるのも考えものだ。
「あんたが!あんたがちゃんと守らないからぁ!」
「く、苦しい苦しい」
サイモンはアルフレッドの胸ぐらを掴み、ぎゅっと締め上げる。
八つ当たりだとわかっていても、シャロンの心がまさかの憎き烏公爵の前妻に向くなど思いましなかったサイモンはこの複雑な感情が処理しきれないのだ。
「前妻に傾倒する後妻なんて聞いたことねーよ!」
「ちょ、ほんと苦しいから!やめなさいって!」
流石にこれ以上絞められては殺されると思ったアルフレッドは首元にあるサイモンの手首を掴むと、それを引き剥がした。
だが、何がどうなったのか、バランスを崩したアルフレッドはサイモンを押し倒してしまう。
あとはご想像通り、お約束の展開だ。
大きな音に驚いて廊下に出てきたシャロンと目が合う二人。
シャロンはなんとも言えない間をあけて、廊下で自分の夫に組み敷かれているサイモンと、自分が兄のように慕う友人を押し倒しているアルフレッドを交互に見た。
そして彼女は言う。
「私はそういうのに偏見ないけど、一応不倫にはなるから人目のないところでお願いします」
お互い性別の壁を越えれるように頑張ろうと言い残すと、彼女は再び部屋へと戻った。
無表情だが、親指を立てていたことを考えると純粋に応援されたのだろう。
『お互い』と言う部分に彼女の本気度が伺えたが、出来ることならば性別の壁は越えないで欲しい。
アルフレッドは悲壮感漂う表情で一言呟いた。
「死にたい…」
「お供します…」
許可が降りたアルフレッドはエミリアと対面した。
1日目はエミリアの体力も考えて30分ほどの面会だった。
彼女は面会時間の間、ずっとアルフレッドの手を握りしめて静かに涙を流すだけだった。
2日目は少し時間を伸ばした。
エミリアは再び現れた最愛の夫にまた涙した。
少しだけ筆談で会話をすることがかなった。
他愛もない天気の話だったが、会話が成立した。
彼が帰るときに泣いて暴れたが、鎮静剤を打って眠らせた。
3日目、この日は泣くこともなく、筆談で会話した。アルフレッドが食べさせると自ら口を開けて食事を取るようになった。
そして、泣いて暴れることもなく『また明日』と手を振って別れることができた。
その後も面会を重ねるごとに徐々に時間を伸ばしていった。
そして面会開始から1週間が経つ頃には、彼女は数時間の面会が可能な状態まで回復した。
アルフレッドとの面会を機に、エミリアは少しずつではあるが、自ら食事を取るようになった。
自分でスプーンを持ち、自分で粥を口に運ぶ彼女の姿に、子爵はホッと胸を撫で下ろした。
食べるようになったおかげか、少し体力がついてきた。
相変わらず歩けないが、よく笑うようになった。付き添いで来ているシャロンは彼女の笑顔に涙を流して喜んだ。
けれど同時に、まだアルフレッドしか認識できない彼女に、こちらを向いてもらえないことが寂しく思えた。
そしてそこから更に3日ほど経過したころ。
シャロンは倒れた。
***
「そんなに心配しなくても、ただの過労ですよ」
セバスチャンに呼ばれて様子を見にきたサイモンは、急いで仕事を早退してきたアルフレッドに告げる。
その声は少し低く、怒っているようだった。
ここ最近、彼女がずっと思い悩んでいた事を知りながら、何もできなかった自分に怒っているのだろう。アルフレッドはそう思った。
だから彼に「話がある」と廊下に誘われても素直について行った。
「な、何かな?サイモン君」
廊下に連れ出されたアルフレッドはジリジリと壁際に追い詰められる。
冷たい壁に背をつけたところで、サイモンは彼の顔の横に手をついた。顔が近い。
「わ、私にそういう趣味はないぞ」
「俺もねーよ。気色悪い勘違いしないでください」
綺麗な顔の人間が怒ると、美しいが故に威圧感が増す。彼に睨まれたアルフレッドは身震いした。
「どうなってるんですか」
「ど、どうとは?」
「お嬢ですよ」
「えーっと…。もしかして、魅了のことか?」
「そうですよ。さっき、お嬢はなんて言ったと思います?」
「何て言ったんだ?」
「急に『恋したことはあるか』と聞いてきたんですよ」
想い人に、お前は恋をしているのかと聞かれて『貴女に恋しています』と言わなかったことを褒めて欲しい、サイモンはそう愚痴をこぼす。
その愚痴にアルフレッドは『堂々と横恋慕宣言するな』と叱ったが、彼は無視して続けた。
とりあえず、正直に『ある』と答えたサイモンは、恋とはどのような症状なのかと聞かれたのだそうだ。
「恋してる状態って、基本その人のことばっかり考えたり、その人の言動一つ一つに心が動いたり、ふとした仕草にドキドキしたり、そんな感じだと答えたんです」
「意外と乙女な答えだ」
「黙れ」
「おい、私は公爵だぞ。君のその態度、首切られても文句言えないからね?」
不敬極まりないサイモンを注意するも、やはり彼はその指摘を無視して話を続ける。
「それを聞いたお嬢は気づいたことがあると言いました」
「気づいたこと?」
「『旦那様を好きかもって話だけど、あれは多分間違いだった』って」
シャロン曰く、『だって旦那様にドキドキしたことないもの』だとのこと。
それを聞いたアルフレッドは、頭上に雷が落ちたような衝撃を受けた。
離宮に行く前は『好きかも』とか言っていたのに、それがやはり『かも』でしかなかったと彼女は結論づけたのだ。
「まあそれ自体はどうでも良いんすけど」
「いや、良くない。泣きそう」
「問題はそのあとすっよ。『悩んだって仕方がないから、私はこの気持ちを受け入れようと思うの』って。受け入れちゃったんですけど、うちのお嬢」
「え?何を?」
「エミリア様への恋心を」
「…はい?」
アルフレッドは目を丸くした。脳が情報を処理しきれていないのだろう。アホの子の顔をして口をパクパクさせている。
そんな彼にサイモンはもう一度説明した。
シャロンはアルフレッドへの恋心が恋ではなかったとの結論を導きだし、ならば前の自分が可哀想ということはなく、本能に抗うのをやめたそうだと。
「待て待て待て!何でそんな結論になるわけ!?思い切りが良すぎない!?」
「俺だって聞きたいですよ!でもお嬢が言うんです!『だって悩んでも仕方ないし、受け入れた方がストレスが少ないでしょう』って!確かにそうかもしれないけど、そんなすんなり受け入れられるものでもなくない!?」
確かに『悩む』という行為をめんどくさいと思うタイプの人だとは常々思っていたが、こんな事になるとは思っていなかったと、サイモンは若干涙目である。
「確かにお嬢にしたら悩んだ方だけども!思い切りが良すぎる!ぶっ飛んでるわ、相変わらず!」
「え?シャロンのその感情は魅了のせいだよね?どうしてそうなる?」
「俺も言いましたよ!そしたらあの人なんて言ったと思います?」
「な、何て?」
「『でも、解けないなら仕方なくない?』って!軽く。ものすごく軽ーくそう言ったんですよ!」
「仕方なくないよ!全然仕方なくないよ!?」
挙句、あまりに否定してくるサイモンに対し、彼女は『偏見持つなとは言わないけど、それを大きな声で主張するのは良くない』と叱ったそうだ。
別に同性愛に対する偏見とかではなく、相手がおかしいのだと主張しても聞き入れてもらえない。
結果、好きかもしれなかった夫の前妻に恋する後妻が爆誕してしまった。
カオスの極みである。順応性が高すぎるのも考えものだ。
「あんたが!あんたがちゃんと守らないからぁ!」
「く、苦しい苦しい」
サイモンはアルフレッドの胸ぐらを掴み、ぎゅっと締め上げる。
八つ当たりだとわかっていても、シャロンの心がまさかの憎き烏公爵の前妻に向くなど思いましなかったサイモンはこの複雑な感情が処理しきれないのだ。
「前妻に傾倒する後妻なんて聞いたことねーよ!」
「ちょ、ほんと苦しいから!やめなさいって!」
流石にこれ以上絞められては殺されると思ったアルフレッドは首元にあるサイモンの手首を掴むと、それを引き剥がした。
だが、何がどうなったのか、バランスを崩したアルフレッドはサイモンを押し倒してしまう。
あとはご想像通り、お約束の展開だ。
大きな音に驚いて廊下に出てきたシャロンと目が合う二人。
シャロンはなんとも言えない間をあけて、廊下で自分の夫に組み敷かれているサイモンと、自分が兄のように慕う友人を押し倒しているアルフレッドを交互に見た。
そして彼女は言う。
「私はそういうのに偏見ないけど、一応不倫にはなるから人目のないところでお願いします」
お互い性別の壁を越えれるように頑張ろうと言い残すと、彼女は再び部屋へと戻った。
無表情だが、親指を立てていたことを考えると純粋に応援されたのだろう。
『お互い』と言う部分に彼女の本気度が伺えたが、出来ることならば性別の壁は越えないで欲しい。
アルフレッドは悲壮感漂う表情で一言呟いた。
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