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CASE1:冴島あずさ
13:胸を張って
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あれから5ヶ月ほどが経ち、私は睡眠薬以外の薬をほとんど必要としなくなっていた。
以前よりも体が軽くて、太陽が昇る前に目が覚めても恐怖を感じなくなった。
「遅れてるねぇ」
「そうだねぇ」
私は電光掲示板を見上げて状況を確認する。また信号機トラブルか。
「最近多いな」
私はため息をこぼしながら、駅の改札の手前にある券売機で5駅先の切符を買った。
今日買うのは往復切符だ。帰りに迎えは来ない。来なくてもちゃんと一人で帰って来れるから。
「じゃあ、気をつけて。楽しんでおいで」
「うん!」
私は朝にも関わらず、心配だからと駅まで着いてきてくれた夫の聡に「行ってきます」と笑顔を向けると、つま先を改札の方に向けた。そして少し歩き、改札口に切符を入れる。
「ふふっ。まだいるな、これ」
背を向けているのに、聡がずっと手を振っているのがわかる。多分またしても彼はご主人様に置いていかれる子犬のような顔をしているだろう。
私はチラリと後ろを振り返った。
ほら、やっぱり。
私は仕方なく、もう一度笑顔で手を振った。
すると、聡は破顔した。本当に私の夫は一回りも年上とは思えないくらいに可愛い。
「大好き」
誰にも聞こえないくらいの声で呟くと、私はホームへと続く階段を登った。
今日は軽々登ることができた。息が上がることもない。
「10分遅れか」
千景に遅れると連絡しておかないと。
私はホームの椅子に座り、スマホのメッセージアプリを開いた。
「うわ、すごい通知」
未読のメッセージの総数はまた100を超えていた。いい加減、ちゃんと整理しないとな。
私は無駄なメッセージを削除し、千景とのトークを開いて到着予想時刻を送る。
当然、既読がすぐにつくことはない。
「今日も本屋に寄って遅刻してきたら、スタバのフラペチーノ奢らせよう」
私は今の限定フラペチーノが何かを調べた。
「こんにちは!」
不意に3歳くらいの小さな女の子が私の前に現れた。
3ヶ月前に見かけたあの女の子だとすぐに分かった。
「こんにちは」
私が笑顔で挨拶を返すと、女の子は嬉しそうに笑った。
「あのね、菜乃花に弟が生まれたの!可愛いの!」
「そうなんだぁ。菜乃花ちゃんはお姉ちゃんになったんだね」
「そうだよ!だから弟のオムツは私が運ぶの!ほら、見て!」
菜乃花ちゃんはくるりと後ろを向き、名前入りのピンクのリュックを私に見せてくれた。
「可愛いリュックだね」
「円ちゃんがね、誕生日に買ってくれたんだ!あ、円ちゃんっていうのはね、ママのお友達でね」
「こら!菜乃花、先に行かないでって行ってるでしょ!?」
菜乃花ちゃんの言葉を遮るように、赤ちゃんを抱えたお母さんが駆け寄ってくる。
私はその姿を見て、3ヶ月前の大きなお腹で歩きづらそうにしていた彼女の姿を思い出した。
そうか、無事に産まれたのか。良かった。
「すみません、娘がご迷惑をおかけして」
「いえいえ」
「お姉ちゃん、この子!この子、私の弟なの。ハルくんはね、本当はハルくんじゃなくてね、晴人っていうお名前なんだよ!」
「そっか、晴人くんかぁ。こんにちは」
私はお母さんに席を譲り、抱っこ紐の中ですやすやと眠る晴人くんの顔を覗き込んだ。
とても小さくて、可愛い。
「何ヶ月ですか?」
「2ヶ月です。この間産まれたばかりで」
「そっかぁ。ふふっ。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
お母さんは愛おしそうに赤ちゃんの頭を撫でた。
彼女の表情は慈悲深い母親そのものもだった。
「菜乃花ね、今からおばあちゃんのとこ行くの!」
「そうなんだ」
「お泊まりするんだよ!」
「そっか、それでたくさん荷物持ってるんだね」
「うん!」
私はお母さんの手荷物の多さを見て納得した。
「あの、どちらまで行かれるんですか?」
「えっと、三駅先までです」
「差し支えなければお手伝いさせていただいても良いですか?」
「え!?そんな、悪いですよ!」
「実は私もちょうどその駅で降りるんです。荷物があると菜乃花ちゃんと手を繋げないでしょう?だから、良ければ……」
私の申し出にお母さんは少し悩んだが、お転婆な菜乃花ちゃんを見て困ったように笑った。
「すみません。本当は少し困ってたんです。お言葉に甘えても良いですか?」
「はい!」
私は早速、千景にさらに遅れるかもしれない旨のメッセージを送った。フラペチーノを奢るのは私の方になりそうだ。
「お姉ちゃんはどこ行くの?」
「お友達とお買い物に行くんだよ」
「あの、時間とか大丈夫ですか?」
「全然平気です!相手はいつも遅刻してくる子なので」
「ふふっ。たまにいますよね、そういう人」
「はい。あ、そうだ。一つ聞いても良いですか?」
「ええ。なんでしょう」
「実はこれから友人の出産祝いを買いに行くんです。それで、出産祝いって何を貰ったら嬉しいのかなーって。なんか色々調べてたら迷走しちゃって……」
「あー、なるほど。その気持ちはよくわかります。私も友達に送る時はすごく悩んだから」
私の質問にお母さんは、晴人くんの頭を撫でながらそうだなぁと悩んでくれた。
「私はですけど、菜乃花の時はスタイとか嬉しかったかなぁ。この子、よだれが多い子で。すぐに汚くなっちゃうんです」
「なるほど」
「あとは赤ちゃんのおもちゃとか、服とか。ブランド物のちょっと良い服は自分では買わないから貰ったら嬉しかったかも」
「ふむふむ」
「あ、でも定番のオムツケーキは人によるかも」
「え?そうなんですか?」
「赤ちゃんによっては合う合わないがありますし、サイズも違ってたら使えませんしね」
「な、なるほど。勉強になります」
候補に上がっていたものだったのでギクリとした。話を聞けて良かった。
お母さんは電車に乗り込んでからも、スマホで商品を検索しながら一緒に悩んでくれた。
そうして彼女の最寄駅につき、一緒に改札を出たところで菜乃花ちゃんのおばあちゃんと合流した。
「あの、ありがとうございました」
「いえいえ。ただ荷物を持っただけですよ」
「そのただの荷物持ちが本当に助かったんですよ。ありがとうございます」
「お姉ちゃん、ありがと!」
「どういたしまして。じゃあ、またね。菜乃花ちゃん」
「うん!お姉ちゃんも、またね!」
菜乃花ちゃんは別れ際、私にぎゅーっとしてくれた。
子どもの体温は高くて、温かくて、心地よかった。
「では、失礼しますね。お気をつけて」
「……あ、あの!色々と言いましたけど、やっぱり一番のプレゼントは気持ちだと思います!」
「気持ち?」
「本当はプレゼントなんて何でも良くて、私が一番は嬉しかったのは私の大事な友人が自分の子の誕生を心から喜んでくれたことです」
「そう、ですか」
「だから、そのご友人もあずささんが心から喜んでくれたらそれだけで十分だと思いますよ」
それだけ、か。
ついこの間までの私ならきっと、そのそれだけが出来なかっただろう。
大切な友人の出産を素直に喜んであげられなかった。
でも……、今は
「そうですね。私、その友達のこと、すごく大切なんです。だから彼女の出産は本当に、自分のことのみたいに嬉しいです!」
胸を張って、そう言える。
***
その日の夜。夢を見た。
家族で川沿いの桜並木を歩く夢。
私と聡の間には、聡によく似た男の子がいた。
以前よりも体が軽くて、太陽が昇る前に目が覚めても恐怖を感じなくなった。
「遅れてるねぇ」
「そうだねぇ」
私は電光掲示板を見上げて状況を確認する。また信号機トラブルか。
「最近多いな」
私はため息をこぼしながら、駅の改札の手前にある券売機で5駅先の切符を買った。
今日買うのは往復切符だ。帰りに迎えは来ない。来なくてもちゃんと一人で帰って来れるから。
「じゃあ、気をつけて。楽しんでおいで」
「うん!」
私は朝にも関わらず、心配だからと駅まで着いてきてくれた夫の聡に「行ってきます」と笑顔を向けると、つま先を改札の方に向けた。そして少し歩き、改札口に切符を入れる。
「ふふっ。まだいるな、これ」
背を向けているのに、聡がずっと手を振っているのがわかる。多分またしても彼はご主人様に置いていかれる子犬のような顔をしているだろう。
私はチラリと後ろを振り返った。
ほら、やっぱり。
私は仕方なく、もう一度笑顔で手を振った。
すると、聡は破顔した。本当に私の夫は一回りも年上とは思えないくらいに可愛い。
「大好き」
誰にも聞こえないくらいの声で呟くと、私はホームへと続く階段を登った。
今日は軽々登ることができた。息が上がることもない。
「10分遅れか」
千景に遅れると連絡しておかないと。
私はホームの椅子に座り、スマホのメッセージアプリを開いた。
「うわ、すごい通知」
未読のメッセージの総数はまた100を超えていた。いい加減、ちゃんと整理しないとな。
私は無駄なメッセージを削除し、千景とのトークを開いて到着予想時刻を送る。
当然、既読がすぐにつくことはない。
「今日も本屋に寄って遅刻してきたら、スタバのフラペチーノ奢らせよう」
私は今の限定フラペチーノが何かを調べた。
「こんにちは!」
不意に3歳くらいの小さな女の子が私の前に現れた。
3ヶ月前に見かけたあの女の子だとすぐに分かった。
「こんにちは」
私が笑顔で挨拶を返すと、女の子は嬉しそうに笑った。
「あのね、菜乃花に弟が生まれたの!可愛いの!」
「そうなんだぁ。菜乃花ちゃんはお姉ちゃんになったんだね」
「そうだよ!だから弟のオムツは私が運ぶの!ほら、見て!」
菜乃花ちゃんはくるりと後ろを向き、名前入りのピンクのリュックを私に見せてくれた。
「可愛いリュックだね」
「円ちゃんがね、誕生日に買ってくれたんだ!あ、円ちゃんっていうのはね、ママのお友達でね」
「こら!菜乃花、先に行かないでって行ってるでしょ!?」
菜乃花ちゃんの言葉を遮るように、赤ちゃんを抱えたお母さんが駆け寄ってくる。
私はその姿を見て、3ヶ月前の大きなお腹で歩きづらそうにしていた彼女の姿を思い出した。
そうか、無事に産まれたのか。良かった。
「すみません、娘がご迷惑をおかけして」
「いえいえ」
「お姉ちゃん、この子!この子、私の弟なの。ハルくんはね、本当はハルくんじゃなくてね、晴人っていうお名前なんだよ!」
「そっか、晴人くんかぁ。こんにちは」
私はお母さんに席を譲り、抱っこ紐の中ですやすやと眠る晴人くんの顔を覗き込んだ。
とても小さくて、可愛い。
「何ヶ月ですか?」
「2ヶ月です。この間産まれたばかりで」
「そっかぁ。ふふっ。おめでとうございます」
「ありがとうございます」
お母さんは愛おしそうに赤ちゃんの頭を撫でた。
彼女の表情は慈悲深い母親そのものもだった。
「菜乃花ね、今からおばあちゃんのとこ行くの!」
「そうなんだ」
「お泊まりするんだよ!」
「そっか、それでたくさん荷物持ってるんだね」
「うん!」
私はお母さんの手荷物の多さを見て納得した。
「あの、どちらまで行かれるんですか?」
「えっと、三駅先までです」
「差し支えなければお手伝いさせていただいても良いですか?」
「え!?そんな、悪いですよ!」
「実は私もちょうどその駅で降りるんです。荷物があると菜乃花ちゃんと手を繋げないでしょう?だから、良ければ……」
私の申し出にお母さんは少し悩んだが、お転婆な菜乃花ちゃんを見て困ったように笑った。
「すみません。本当は少し困ってたんです。お言葉に甘えても良いですか?」
「はい!」
私は早速、千景にさらに遅れるかもしれない旨のメッセージを送った。フラペチーノを奢るのは私の方になりそうだ。
「お姉ちゃんはどこ行くの?」
「お友達とお買い物に行くんだよ」
「あの、時間とか大丈夫ですか?」
「全然平気です!相手はいつも遅刻してくる子なので」
「ふふっ。たまにいますよね、そういう人」
「はい。あ、そうだ。一つ聞いても良いですか?」
「ええ。なんでしょう」
「実はこれから友人の出産祝いを買いに行くんです。それで、出産祝いって何を貰ったら嬉しいのかなーって。なんか色々調べてたら迷走しちゃって……」
「あー、なるほど。その気持ちはよくわかります。私も友達に送る時はすごく悩んだから」
私の質問にお母さんは、晴人くんの頭を撫でながらそうだなぁと悩んでくれた。
「私はですけど、菜乃花の時はスタイとか嬉しかったかなぁ。この子、よだれが多い子で。すぐに汚くなっちゃうんです」
「なるほど」
「あとは赤ちゃんのおもちゃとか、服とか。ブランド物のちょっと良い服は自分では買わないから貰ったら嬉しかったかも」
「ふむふむ」
「あ、でも定番のオムツケーキは人によるかも」
「え?そうなんですか?」
「赤ちゃんによっては合う合わないがありますし、サイズも違ってたら使えませんしね」
「な、なるほど。勉強になります」
候補に上がっていたものだったのでギクリとした。話を聞けて良かった。
お母さんは電車に乗り込んでからも、スマホで商品を検索しながら一緒に悩んでくれた。
そうして彼女の最寄駅につき、一緒に改札を出たところで菜乃花ちゃんのおばあちゃんと合流した。
「あの、ありがとうございました」
「いえいえ。ただ荷物を持っただけですよ」
「そのただの荷物持ちが本当に助かったんですよ。ありがとうございます」
「お姉ちゃん、ありがと!」
「どういたしまして。じゃあ、またね。菜乃花ちゃん」
「うん!お姉ちゃんも、またね!」
菜乃花ちゃんは別れ際、私にぎゅーっとしてくれた。
子どもの体温は高くて、温かくて、心地よかった。
「では、失礼しますね。お気をつけて」
「……あ、あの!色々と言いましたけど、やっぱり一番のプレゼントは気持ちだと思います!」
「気持ち?」
「本当はプレゼントなんて何でも良くて、私が一番は嬉しかったのは私の大事な友人が自分の子の誕生を心から喜んでくれたことです」
「そう、ですか」
「だから、そのご友人もあずささんが心から喜んでくれたらそれだけで十分だと思いますよ」
それだけ、か。
ついこの間までの私ならきっと、そのそれだけが出来なかっただろう。
大切な友人の出産を素直に喜んであげられなかった。
でも……、今は
「そうですね。私、その友達のこと、すごく大切なんです。だから彼女の出産は本当に、自分のことのみたいに嬉しいです!」
胸を張って、そう言える。
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その日の夜。夢を見た。
家族で川沿いの桜並木を歩く夢。
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