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七十八 甘えさせて
しおりを挟むハァハァと息を吐きながら、律の太腿を掴む。力なくぐったりとした脚を強引に割り開いた。先ほどまで愛撫していたアナルが、ぬらぬらといやらしく光っている。
本当はもっとじっくりと虐めてやりたかったが、もう我慢できそうになかった。今すぐねじ込んで、奥まで貫きたい。何度も身体を揺さぶって、俺で律を満たしたいと言う欲が胸の内からあふれ出る。
「……入れるぞ」
小さく宣言して、昂った自身を押し当てる。律は潤んだ瞳を俺に向け、その様子をボンヤリと眺めていた。先端をぐっと押し込むようにして中に入る。律の瞼がぴくんと動いた。僅かな抵抗を感じながら、奥へと進む。何度貫いても、内部の熱さやうねりに、気持ち良くて頭がおかしくなりそうだ。
律の押し殺した呻きを聞きながら、ずぷんと奥まで押し込む。尻の肉を腿に感じるほどぴったりとくっつけて、根元まで入り込んだ。ドクドクとつながった部分が脈を打つ。
「は――、あっ……、ん」
律の甘い吐息に、覆いかぶさって頬にキスをする。ちゅ、ちゅと音を立ててキスを繰り返し、唇を吸った。
「ん、は……、っ……」
「律……、好きだよ……」
舌を絡ませながら、下腹部をぐりぐりと押し付ける。くぐもった声を上げながら、律は夢中で舌を吸って来た。
「は――、っん、こう、へ……好き…、航平……ん」
自分を好きだという律の声に、胸がじんわりと熱くなる。
俺の全てを受け入れてくれて、俺に全部さらけだしてくれる律が、俺のことを好きだと言う事実に、感動すら覚える。
「律っ……」
吐息を吐き出し、込み上げる愛しさをぶつけるように、腰を揺らす。パンパンと腰を打ち付ける度に、湯の水面が揺れてパシャパシャと音を立てた。
「あ、あっ、んっ……、こうへっ……、航平っ……!」
「っ……、律っ……」
俺の下で、律が乱れる。腰を妖艶にくねらせて喘ぐ様子に、貪るように口づける。何度も何度も身体を揺さぶり、突き上げ。俺は律の身体をぎゅっと抱きしめ、奥へと流し込んだ。
「ぅ、んっ! あ、あっ、ああ!」
激しく身体を震わせて、律はビクッと腰を揺らすと精液を腹にこぼして果てた。
「あ――…」
ゼェゼェと息を吐きながら、力が抜けたようにぐったりする律に、首筋にキスをしながら脚を撫でる。律の顔を覗き込むと、涙と涎でぐちゃぐちゃになっていた。思わずフッと笑って鼻先を擦りつけ、細い腰を抱きしめた。
「律、もう一回……」
お代わりを要求する俺に、律が困ったように顔を顰めた。
「ダメ。夕飯になっちゃうし……。身体洗って、したくしよう?」
「んー。ダメ? 律ちゃん」
「……っ、ダメ。あとで、もう一回しよ」
「あとなら良いの?」
「良いよ。また風呂でしても良いし、ベッドでも良い」
それなら、我慢しようかな。夜空の下で抱いても良いし、ベッドのなかでじっくりと絡み合っても良い。何しろ、他に何もないし、イチャイチャするしかやることがない。
「じゃあ、サービスして」
「ったく……。甘えるなよ」
そう言いながら、律は俺の鼻先にキスをする。クスリと笑って律の手首を掴むと、お返しに掌にキスをした。
「でも、甘えさせてくれるんだろ?」
自信満々にそう聞くと、律は少しだけバツが悪そうな顔をしてそっぽ向いた。
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