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二十五 バレてた。
しおりを挟むベッドの周囲も、意味もなく間接照明に彩られていた。大きなベッドの真横の壁は、一面が鏡張りだ。実にラブホテルらしい部屋だ。
口づけながらベッドに倒れ込み、肌をまさぐりながら舌を絡める。風呂で十分に温まった身体は、火照っていて触れているだけで気持ちが良い。
「は……、ん……っ」
首筋にキスをしながら、腰から腿にかけて撫でる。吉永が俺の頬を両手でとらえた。
「ん、航平……おれの、舐めても良いよ」
「――は」
不意に許可され、ドキリと心臓が鳴った。正直、一ミリも考えたことがない。いや、そうでもないか。
「なんで」
思わずそう言う俺に、吉永は「ん?」と首を捻る。本気で、俺が舐めたいと思っていたのか。いや、もしかして、そういう顔をしてたんだろうか。顔に触れてみる。
「ん――舐めたら、脚で顔、挟んであげるけど」
「――」
無意識に、喉が鳴った。
(あ)
顔を押さえ、赤いのを悟られないようにして、吉永を見た。吉永はニヤニヤと笑っている。
(くそ)
主導権を握ったつもりだったのに。吉永の掌で転がされている気分だ。
「なんで」
もう一度、先ほどとは違う意味で発する。吉永は笑いながら、俺の腰に太腿を擦りつける。
「見りゃわかる」
「……」
クソ。足フェチなのバレてた。なんだかメチャクチャ悔しい。
(しかも、吉永の脚、すげえ好みだし)
しなやかで真っ直ぐな脚。余計な肉も筋肉もついていない。綺麗な脚。
「で、どうする? 挟んで欲しい?」
「……お願いします」
もうバレているし、欲望に素直になる。股間に顔を埋め、勃起した性器に舌を伸ばす。先端を口に含むと同時に、吉永の太腿が顔を挟み込んだ。
(うお)
弾力のある脚が、耳や頬を挟み込んでいる。肉感的な感触に、ジワリと熱が疼く。
手のひらで脚を愛でつつ、深く性器を吸い込む。じゅぷ、と呑み込んだ性器が、口の中でビクビク震える。
「ん、は……、あっ…、こうへ、……ん」
我ながら、抵抗などまるで感じずに咥えてしまった。まあ、尻の穴をさんざん弄くっているし、性器も触ってるし。今さらといえば今さらだが。
先端を舌で擽り、唇で陰茎をしごく。ぬるぬるした感触を舌で味わっていると、なんだかこっちまで気持ち良くなってくる。されるのが気持ちいいのは知っていたが、するのもなかなか悪くない。
(これで、本当に吉永の味、全部知ったことになるな……)
ぢゅうっと吸い上げると、既に限界が近かったらしい吉永は、一気に俺の口の中に吐き出した。
「あ、あっ……!」
ビクビクと身体を震わせ、太股でぎゅっと、俺の頭を締め付ける。やがて吐き出しきると、だらりと脚から力が抜けていった。だらしなく脚を開いたまま、荒い息を吐き出す姿が、なんともイヤらしい。
俺は無言で粘液を口に含んだまま、吉永の足首を掴んだ。もう性癖もバレてしまったし、遠慮する必要も取り繕う必要もない。
徐に吉永の足の指に、ぬるぬるした粘液ごと舌を這わせる。
「っ!」
ビクッと、吉永が驚いたように身体を揺らす。俺の方を見て、真っ赤な顔をして戸惑う様子に、少しだけ気分が良くなった。
「航平っ……」
「ん」
れろ、と足の指に舌を伸ばし、丹念に舐めあげる。この脚を、ずっと舐めたかった。精液まみれにしてやりたかった。
(最高の気分だ)
それにしても本当に理想の足だ。足の裏もすべすべで柔らかいし、硬いところなどない。何やったらこんな足になるんだか。
「航平、そこ、は……」
恥ずかしそうな吉永に、指に歯を立てながら視線をやる。
「さっきめっちゃ洗ったから」
「うっ……」
先ほど風呂で念入りに洗ったから、汚いなんてことはない。まあ、触りたかったから洗ったんだが。
ちゅ、ちゅと音を立てて足を愛撫する。爪先も、足首も、踝も。全部良い。
「っ……、は……」
吉永は酷く恥ずかしそうにしていたが、嫌がりはしなかった。俺がしたいことをさせてくれる。
(足でヌいてって言ったら、やってくれそう)
きっとやってくれるだろうが、今日はやめておこう。そんなに一気にやったら、贅沢になってしまう。フルコースも良いけど。
足先から足首。ふくらはぎ、膝。太股は丹念に。しっかりと舐めながらキスしていく。毎回べったり脚にキスマークつけてたしな。バレるのも当然か。魅力的な脚が悪い。
「っ、ん……ぅ」
甘い声が響く。ひくひくと、性器が再び頭をもたげていた。ちゅ、ちゅと音を立ててキスしながら、徐々に上の方へと上がっていく。脚の付け根に舌を這わせると、ビクン、と大きく身体が跳ねた。
「っ……!」
チロチロと、陰茎のすぐ近くを舐める。吉永がまた、物欲しそうな顔をする。
「あ……、は……っ…ん」
「今度は、こっちに欲しいだろ?」
そう言って顔を上げ、アナルに指を這わせる。先ほど風呂で弄ったので、もう準備は万全のはずだ。
「う、ん……っ…、いれ、て……」
色っぽい表情で誘われ、唇を舐める。ローションを手に取り、穴にたっぷりと塗り込める。逸る気持ちを抑えながら、俺はアナルに肉棒を押し当てた。
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