上 下
21 / 96

二十一 騎乗位

しおりを挟む


 唇が、先端に触れる。キスするように先っぽにふに、と触れ、次いで舌が先端を擽る。

「っ……」

 ぞく、と背筋が粟立つ。気持ち良いと言うよりも、もどかしい。

 吉永はそのまま唇を開き、先端を呑み込んだ。熱い。口の中の熱さが、舌のぬるぬるした感触が、ダイレクトに伝わってくる。ぐっと、呑み込む。殆ど根元まで呑み込まれ、気持ち良さに息を呑んだ。

 狭い穴に突っ込むような感覚とは違う。実際に、吸い付かれ、蠢く舌に愛撫される感触は、たまらなく気持ち良い。

(やば……)

 手を後ろ手にされているせいで、口での愛撫しか出来ない上に、奥まで呑み込む羽目になった吉永の方は、少しだけ苦しそうだ。顎に手をかけ、ゆるゆると前後に動かす。

「クセんなりそう……」

「んぅ、んっ……」

 ローターを手に取り、乳首に当てる。ビクッ、身体が跳ねる。

「んぁ、む……ん」

 俺のを口に含んでいる。吉永が。

(これは、なかなか……)

 視覚情報に、脳を焼き切られる。興奮して、頭がおかしくなりそうだ。

 口淫を、彼女だった女の子にして貰ったことはない。興味はあったけれど、嫌がられるのは面倒だったし、好奇心を見せるのがダサいと思った。

 吉永がちゅうっと、性器を吸う。気持ち良さに、眩暈がした。

「っ……、く……吉永……っ」

 柔らかい髪を撫で、俺のを咥える姿を見下ろす。

(絶景……)

 ローターの与える刺激に、瞳を潤ませる。くぐもった声が漏れ、唾液が喉を伝っていく。

「ん、んぅ……」

「っ……吉永、出そう……」

「っ、ん」

 ぷは、と性器を離す。その唇から、たらりと粘液が伝った。堪らず、ビクビクと身体を震わせ、精を吐き出す。勢いよくはじけた粘液が、吉永の顔に掛かった。

「っ、ん!」

「……っ、く」

 ゼェゼェと息を吐き、解放された感覚をじっとりと味わう。白いものを付着させた顔を、指先で拭う。

(えろ……)

 吉永の潤んだ瞳が、俺を見る。ああ、キスをして欲しい顔だ。顔を寄せ、舌を伸ばす。舌が触れ合う。脳が痺れるような感覚に、ゾクゾクと背筋がざわめく。

「っ、ん……、こうへ……」

 キスをしながら、吉永のスラックスを脱がす。ローターが挟まったままの下着は、先走りのせいで濡れていた。

「航平、おれにも、早く……」

 ハァと吐息を吐き出して、強請る姿に、ぞくりと皮膚が粟立つ。俺はベッドの背もたれにもたれかかり、吉永の濡れた下着を引きはがした。尻から伸びるコードが、ビクビクと震えている。五個挿入れるのとかもやってみたかったけれど、吉永のほうは余裕がなさそうだ。

(今度にしよ)

 太腿を撫でながら、ローターを引き抜く。ぶるぶると震えながら、シーツの上に転がった。

「んっ……」

 ぶるっと、吉永の身体が震える。抜くときが気持ち良かったのだろう。ハァハァと呼吸を荒くして、物欲しそうな顔で俺を見下ろす。

 俺はまだ勃起していない自身を何度か扱き、再び勃たせた。吉永が腰をくねらせ、自分の性器を俺のに押し付ける。いやらしく揺れる腰つきと、ぬるぬるした性器で擦られ、あっという間に硬度を増す。

「騎乗位の経験は?」

「……あるわけねえだろ」

「いや、される方」

「……ない、と思う」

「なるほど」

 良いね。したこともされたこともないらしい。普通のセックスをしてきたようだ。まあ、俺だって似たようなもんだけど。

「あっ……、ん」

 アナルに先端を押し付け、そのまま尻を掴む。ビクンと、腿が震える。

「そのまま、腰を落として」

「あ、あ……、待って……、腕……」

「うん」

 腕を縛ってしまったから、やり難そうだ。まあ、良いだろう。

 ぐっと腰を掴んで、腰を下ろさせる。ずぷっと、肉輪を開いてアナルに突き刺さって行く。

(すげ、丸見え……)

 ゾクゾクと、胸の内がざわめく。興奮して、仕方がない。

「んっ!」

 ずぷん。尻が、俺の腿につく。俺をすべて飲み込んで、吉永はハァと吐息を吐き出した。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜

ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。 高校生×中学生。 1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

淫らに壊れる颯太の日常~オフィス調教の性的刺激は蜜の味~

あいだ啓壱(渡辺河童)
BL
~癖になる刺激~の一部として掲載しておりましたが、癖になる刺激の純(痴漢)を今後連載していこうと思うので、別枠として掲載しました。 ※R-18作品です。 モブ攻め/快楽堕ち/乳首責め/陰嚢責め/陰茎責め/アナル責め/言葉責め/鈴口責め/3P、等の表現がございます。ご注意ください。

出産は一番の快楽

及川雨音
BL
出産するのが快感の出産フェチな両性具有総受け話。 とにかく出産が好きすぎて出産出産言いまくってます。出産がゲシュタルト崩壊気味。 【注意事項】 *受けは出産したいだけなので、相手や産まれた子どもに興味はないです。 *寝取られ(NTR)属性持ち攻め有りの複数ヤンデレ攻め *倫理観・道徳観・貞操観が皆無、不謹慎注意 *軽く出産シーン有り *ボテ腹、母乳、アクメ、授乳、女性器、おっぱい描写有り 続編) *近親相姦・母子相姦要素有り *奇形発言注意 *カニバリズム発言有り

受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店

ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。

SODOM7日間─異世界性奴隷快楽調教─

槇木 五泉(Maki Izumi)
BL
冴えないサラリーマンが、異世界最高の愛玩奴隷として幸せを掴む話。 第11回BL小説大賞51位を頂きました!! お礼の「番外編」スタートいたしました。今しばらくお付き合いくださいませ。(本編シナリオは完結済みです) 上司に無視され、後輩たちにいじめられながら、毎日終電までのブラック労働に明け暮れる気弱な会社員・真治32歳。とある寒い夜、思い余ってプラットホームから回送電車に飛び込んだ真治は、大昔に人間界から切り離された堕落と退廃の街、ソドムへと転送されてしまう。 魔族が支配し、全ての人間は魔族に管理される奴隷であるというソドムの街で偶然にも真治を拾ったのは、絶世の美貌を持つ淫魔の青年・ザラキアだった。 異世界からの貴重な迷い人(ワンダラー)である真治は、最高位性奴隷調教師のザラキアに淫乱の素質を見出され、ソドム最高の『最高級愛玩奴隷・シンジ』になるため、調教されることになる。 7日間で性感帯の全てを開発され、立派な性奴隷(セクシズ)として生まれ変わることになった冴えないサラリーマンは、果たしてこの退廃した異世界で、最高の地位と愛と幸福を掴めるのか…? 美貌攻め×平凡受け。調教・異種姦・前立腺責め・尿道責め・ドライオーガズム多イキ等で最後は溺愛イチャラブ含むハピエン。(ラストにほんの軽度の流血描写あり。) 【キャラ設定】 ●シンジ 165/56/32 人間。お人好しで出世コースから外れ、童顔と気弱な性格から、後輩からも「新人さん」と陰口を叩かれている。押し付けられた仕事を断れないせいで社畜労働に明け暮れ、思い余って回送電車に身を投げたところソドムに異世界転移した。彼女ナシ童貞。 ●ザラキア 195/80/外見年齢25才程度 淫魔。褐色肌で、横に突き出た15センチ位の長い耳と、山羊のようゆるくにカーブした象牙色の角を持ち、藍色の眼に藍色の長髪を後ろで一つに縛っている。絶世の美貌の持ち主。ソドムの街で一番の奴隷調教師。飴と鞭を使い分ける、陽気な性格。

えっちな美形男子〇校生が出会い系ではじめてあった男の人に疑似孕ませっくすされて雌墜ちしてしまう回

朝井染両
BL
タイトルのままです。 男子高校生(16)が欲望のまま大学生と偽り、出会い系に登録してそのまま疑似孕ませっくるする話です。 続き御座います。 『ぞくぞく!えっち祭り』という短編集の二番目に載せてありますので、よろしければそちらもどうぞ。 本作はガバガバスター制度をとっております。別作品と同じ名前の登場人物がおりますが、別人としてお楽しみ下さい。 前回は様々な人に読んで頂けて驚きました。稚拙な文ではありますが、感想、次のシチュのリクエストなど頂けると嬉しいです。

処理中です...