先輩いい加減にしてくださいっ!~意地っ張りな後輩は、エッチな先輩の魅力に負けてます~

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO

文字の大きさ
上 下
10 / 96

十 マッサージ

しおりを挟む


 吉永はぜえぜえと息を切らしながら、顔を朱に染めている。ヒクヒクと震える肉ヒダと、ピクンと跳ねる身体。言い様のない色香が、むわっと立ち上っているように思えて、ゴクリと喉を鳴らす。

 明らかなる挑発。どういうつもりなのかは明白だ。吉永は俺を誘惑している。

 吉永の痴態を見ただけだと言うのに、既に下腹部では硬く主張している。理性を保とうとシーツをグッと握りしめる。

「吉、永……」

 どういうつもりだと、目線で問いかける。吉永は赤い舌を見せてニンマリと嗤う。

「マッサージ、してくれるんだろ?」

「―――」

 思わず、絶句する。

 吉永の手がアナルに伸びる。ここに欲しいと指を這わせて、俺を誘う。

「……痛いのは腰じゃなかったっけ?」

 興奮を悟られぬように、わざと話題を逸らす。だが、目線は外せていない。

「迎え酒みたいなもんよ」

 どういう理屈だ。

「なるほどね」

 敢えて突っ込まずに、興味なさそうにしてみれば、吉永は不満そうに顔を近づける。

「航平」

 嫌なの? そんな風に、瞳が訴えている。甘えた声に、不覚にもぐらついた。くそ。

 無言で吉永の肩を掴み、ベッドに押し倒す。

「……マッサージ。マッサージだからな」

 負け惜しみのようにそう言うと、吉永はくはっと笑った。

 既に準備してあったようで、穴は柔らかく解れている。面倒がないのは良いが、俺にアレコレさせたくないということだろうか。

(俺はアレコレすんの、好きなんだけど……)

 まあ、男相手に何をすれば良いのかは、解ってないんだけどな。吉永は相変わらず、下半身を脱いだだけ、最低限の姿だ。AVを見せてきた時もそうだが、俺に萎えられたくないんだろう。こっちは不思議と萎えないんだが。

 据え膳をお膳立てされた上、散々煽られた後だ。遠慮せずに行くことにする。スエットをずらして半勃ちの性器を取り出し、アナルに押しつける。

「んぁ……」

 期待した顔で、吉永が鳴く。ぬるぬると入り口を尖端で擦ってやると、途端に蕩けた顔をした。

 ゆっくりと、先端を穴に埋める。肉輪を押し拡げ、ぬぷっと肉棒を沈めていく。挿入しているのはこちらなのに、呑み込まれて行くようだ。口を空けた穴が、貪欲に俺に食らいつく。

「っ、く……」

 鈴口を押し込み、そのまま奥へと入っていく。抵抗するように内壁が蠢く。ナカは熱く、気持ちいい。

 グッと最奥まで押し込み、ピタリと尻に腿をくっつける。吉永が小さく痙攣した。

「あ、あ――っ……ん……」

 ドクドクと、繋がった部分が脈打つ。吉永は半開きになった唇から、甘い声を漏らした。

「ぃ、う……、っ……航平……」

「挿入れただけで、良さそうじゃん」

「ぅ、ん……、気持ち、い……」

 惚けた顔でそう言う吉永に、ドキリ心臓が鳴る。普段はムカつくのに、こういう吉永はエロいと思う。

 吉永の脚を掴み、腰を動かす。最初はゆっくりと、内部を味わうように動かしてやる。

「ん……、は、っ……」

 引き抜くと、引き留めるように吉永が吸い付く。また挿入するときは、緩く。

(……わざと、やってんだよな……)

 ゾクゾクと、背筋が粟立つ。無意識かも知れないが、淫靡に動く内部に、興奮して頭がクラクラする。

 ずぷ、ずぷと腰を打ち付ける度に、吉永は全身で快感を味わっているようだった。

「ふ、ぁ……、んっ、あ、あっ……」

 吉永の性器も勃起して、揺さぶる度に前後に動く。ふと、シーツに転がったままのローターに気がついて、手を伸ばした。スイッチを入れると、ヴヴヴと小さく振動する。

「……んぅ?」

 夢中になっていた吉永が、音に気づいて目蓋を開く。

 俺はローターを、吉永の性器に押し当てた。

「ひぁっ!! あっ、あ、航平っ……! なに、す」

「良い声で鳴くじゃん」

「ん、あ、ばかっ……」

 吉永の頬が、赤く染まる。ビクビクと腰を捻りながら、快感に悶える姿に、グリグリとローターを押しつけた。

「あっ、あ、んっ、それっ……、ダメっ……!」

「嫌じゃねーだろ?」

「ひぅっ!」

 白い喉を晒して、吉永が悶える。眦に涙が浮かんでいた。

(……吉永を虐めんの、クセんなる……)

 普段はやられっぱなしだが、ベッドの上では逆転する。その状況が、余計に愉しくなる。

 腰の動きを早くして、何度も突き上げる。吉永の脚がシーツを蹴った。

「っ、吉永……」

「あ、あっ……、あ、ああっ!」

 激しく身体を震わせて、俺と吉永は同時に白濁を吐き出した。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...