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六 淫ら
しおりを挟むヒクヒクと肉ヒダが震えている。俺のが欲しいと訴えているような錯覚すら覚える。
一ミリも、躊躇がなかったことに、内心驚きながら、肉棒の先端をアナルに押し付ける。
「っ、ん」
ビクン、吉永の膝が揺れた。先程までバイブを咥えていたせいか、濡れた穴にすんなりと先端が埋まっていく。僅かな抵抗を感じるも、先の太い部分が入りきると、そこからは一気にずるんと奥まで入りきった。
「あ、あっ――、あ……!」
ビクッ、ビクッと、吉永が痙攣する。その様子が、酷くいやらしい。
「っ、く……」
呑み込まれた性器が、吉永の中でドクドクと脈打つ。吉永が息をする度に、全体を揉み込まれているようだ。内部の体温と、腸壁の気持ち良さにゾクゾクと背筋が震える。
「は、はぁ、なんだこれ。スゲー、良い」
内部の収縮する動きが、挿入しているだけで気持ち良い。ナカの温度の高さも相まって、つながった部分から蕩けてしまいそうだ。
「あ……、はっ……、はっ…ん……航、平」
吉永が喘ぐ声が、耳を擽る。組み敷いて見下ろした吉永は、余裕がなさそうな表情で、苦しそうな、切なそうな――快楽に染まっている。
俺はそっと、吉永の頬に触れた。吉永はゆっくりと瞳を閉じて、呼吸を整える。
「……挿入っちゃったけど」
「……動かして、ナカ、擦ってみて」
熱っぽい瞳で強請られ、ぞわと腰が疼いた。ごくり、喉を鳴らし言われるままに腰を動かす。最初は、ゆっくり。ぬっと引き抜く。それから、挿し入れる。
「あっ……、ん……」
「はっ……、吉永っ……」
食いつかれてるみたいだ。狭い器官を擦り上げ、突き上げる。徐々に、動きを早くする。吉永が小さく喘ぐ。
「あ、あっ……、あ、気持ち、イ……、航平っ……、航平っ」
白い喉を仰け反らせながら、吉永が鳴く。普段の態度を思うと、偉い様子が違う。いつも何かと適わない自分勝手な男を、組み敷いて、好きにしている。その事実が、余計に背徳感を齎した。
(ヤバイ……。興奮、する)
快楽ばかりではない興奮に、頭が焼き切れそうだ。ギシギシとベッドが軋み、シーツが乱れる。一心不乱に腰を振り、夢中になって肌を探る。
吉永もまた気持ち良いらしく、触れてもいないのに性器が天井を向き、先端から白濁をこぼしている。突き上げる度にゆらゆらと揺れる様が、少しだけ滑稽だ。
徐に、それを摘まむように指で触れる。吉永がビクッと身体を震わせ俺を見る。
「んあっ!」
「ガチガチじゃん。突っ込まれんの、そんなにイイの?」
他人の――モノなんて、触れたいと思ったことないのに。揶揄うように弄ってやると、面白いほどに反応を見せる。
「あ、あっ、そっち、触ったら……早くイくからっ……!」
「何で、嫌なの?」
「ん、んっ……、イきそうで、イけないの、焦らされてるみたいで、良い、ンだよ……」
「……そうやって、遊んでたんだ」
「あ、あ……そう、だよっ……」
吉永が涙目になって、快楽を訴える。それならばと、俺は吉永の根元をぐっと掴む。
「じゃあ、イかせないようにしてやるよ」
「んっ! んっ!」
ビクン! 身体がしなる。吉永は、はー、はーっと息を吐きながら、潤んだ瞳で俺を見上げた。
「それで、バイブと俺と、どっちが気持ち良いの?」
「……っ、ん……、こう、へい……航平、のが……好き」
俺の方が良いと言われ、溜飲が下がる。ここ最近バイブなんかに負けていたようだが、俺の方が良かったのだ。つい口元が緩む。
吉永の太腿を掴み、ぐっと奥まで押し付ける。吉永が小さく「うっ」と呻いた。
「ひぁっ……、深っ……!」
膝がひく、と震える。腰に手を回し、大きく打ち付ける。ビクビクと、身体が震える。貪るように抽挿を繰り返し、内壁を擦り上げる。
「あ、あっ、ああっ……ん、ぅんっ……!」
「っ、はっ……、はっ……、吉永っ……」
吸い付くように吉永の穴がきゅうっと蠢く。限界が近い。来る。イきそうだ。そう言えばナマでしてしまったと、今更気が付く。せめて外に出そうと思ったのに、どうしても抜きたくない。このまま、繋がっていたくて、ずっとこうしていたくて、腰をぐっと掴む。
「っ―――!!」
ビクビクと、吉永が震える。筋肉の弛緩に促されるように、俺も吉永のナカへと注ぎ込んだ。
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