42 / 59
四十一 溶け合うような
しおりを挟む「ふっ……、んっ……、は……っ」
口から勝手に声が漏れる。じゅぷじゅぷと、風馬が指を抜き差しする。性器を直接刺激するような快感ではなかったが、間違いなく、それは快感で。
(なに、これ……)
指が、肉輪を貫いて奥へと挿入される。その指が、入り口近くまで引き抜かれる。ずるっと、内壁を擦りながら抜け出る感覚が、ぞわぞわする。これが、気持ち良い。これが、アナルセックスの良さなのだと、うっすらと気が付く。
(ま、待って、待って……)
徐々に、穴が解れているのが解る。筋肉は柔軟で、慣れるほどに拡張されていくようだ。それはつまり、今は指一本ではあるが――。
「……二本くらい、入りそうですね」
「っ!」
風馬の言葉に、思わずガシッと腕を掴む。思いのほか、慣れるのが早い。正直に言えば、指一本など、痛くも痒くもない。
「だだだだ、ダメだよ……?」
「……解ってます」
――それ「(解ってない)」だろ! 絶対にダメだからなっ!
ギッと涙目で睨みつけると、風馬は少し残念そうな顔をして溜め息を吐き出した。ホラ! 解ってない!
「まあ、今日は、我慢します。……せっかく、一太さんが許してくれたんだし」
「そ、そうして……」
今日はというところが気になるところだが、今はそれどころじゃない。風馬の長い指が、ぐちぐちと内部を弄る。グッと奥へと押し込まれ、引き抜かれる。甘い快楽が、痺れになって疼き出す。
「ん……、は……っ、ん……」
「前立腺って……、ドコですかね……」
「し、知らんっ……」
風馬の指が、内壁を探すように動き回る。その度に、ハァハァと息を殺して、唇をかみしめる。
「……一太さん、気持ち良い……?」
言いながら、勃起した性器に触れる。みりゃ解るだろと言いたかったので、答えずに無視する。風馬は掌で転がすように俺の性器に軽く触れ、それからまた手を離した。正直、もうイってしまいたかった。けど、もう少しこの焦れるような快感を味わっていたくもあった。それが風馬の手でもたらされていると思うと、酷く背徳的だ。
やがてくちゅくちゅとナカを探っていた指が、僅かにソコをひっかいた。
「んぁっ……!」
「あ――。ここ? なんか、少し……」
「わっ、ばかっ……!」
ひときわ強い快感に、ビクッと身体が揺れる。その一点を擦られると、妙に熱くなってくる感じがした。
「あっ、あ……、あ……!」
「……一太さん、可愛い……」
風馬の唇が、声を漏らす唇を塞ぐ。舌で咥内を弄られながら、アナルを弄られる快感に、つま先が知らずに伸びた。シーツを蹴って、足をばたつかせる俺に、風馬が指を引き抜く。
「あっ……」
急に止められ、物足りなさに思わず風馬を見上げる。アナルのヒダが、収縮しているのが自分でも解った。
「スミマセン、俺も、限界で……」
「あ……」
そう言って、風馬はスラックスの前を寛げ、下着をずらすと、猛った性器を取り出した。何もしていないのに、既にパンパンに膨らんでいる。思わずじっと見てしまう俺に、風馬はクスっと笑った。
「一太さん、四つん這いになって」
「え? ……あの?」
「入れないから、安心して」
「……」
疑っているわけではないけど。何をする気だろうと思いながら、言われた通りに四つん這いになる。無防備な尻をさらけ出すようで、ちょっと恥ずかしい。
「ふ、風馬……?」
風馬は俺の後ろに回ると、脚を僅かに開かせ、脚の間に性器を挟み込んだ。先日と同じように、スマタをするということのようだが――。
「お、おいっ……この体勢……っ!」
「良いでしょ? これくらい」
言いながら、風馬がゆっくりと動き出す。背後から犯されているような姿勢に、カァと顔が熱くなる。
「っ、ん……」
セックスじゃないのに、セックスだ。風馬に、犯されているような錯覚に、背徳感がじわじわと湧きあがる。
「……は、……っん」
「一太さん……」
風馬の指が、ぬぷっとアナルに入り込んでくる。再度挿入され、驚いて振り返る。
「ちょっ……ん!」
じゅぷじゅぷと後ろを弄られながら前を擦りつけられ、快感に身体が震えた。この体勢でアナルまで弄られたら、もう。
「あ、あっ! あ……!」
「一太さん、好きです……、一太さん……」
「んっ……、あ、あ……」
風馬は腰を打ち付けながら、ずっと「好きだ」と繰り返し続けた。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
気弱な暴君~ヤンキー新入社員、憧れの暴走族の元総長にエッチなお仕置きされてます~
藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
新入社員である岩崎は、今年から夕暮れ寮に入寮したピンク色の髪が特徴の青年だ。
岩崎はひょんなことから仲良くなった『仏の鮎川』と呼ばれる男を見る度に、何か妙な違和感を抱いていた。
ある時、岩崎は鮎川が、かつて自分が憧れていた暴走族『死者の行列』の総長だと気が付いて、過去を知られたくない鮎川にエッチな口封じをされてしまって――!
元暴走族総長×ピンク髪ヤンキーのちょっとエッチなラブコメディ
夕暮れ寮シリーズ 第四弾。
「…俺の大好きな恋人が、最近クラスメイトの一人とすげぇ仲が良いんだけど…」『クラスメイトシリーズ番外編1』
そらも
BL
こちらの作品は『「??…クラスメイトのイケメンが、何故かオレの部活のジャージでオナニーしてるんだが…???」』のサッカー部万年補欠の地味メン藤枝いつぐ(ふじえだいつぐ)くんと、彼に何故かゾッコンな学年一の不良系イケメン矢代疾風(やしろはやて)くんが無事にくっつきめでたく恋人同士になったその後のなぜなにスクールラブ話になります♪
タイトル通り、ラブラブなはずの大好きないつぐくんと最近仲が良い人がいて、疾風くんが一人(遼太郎くんともっちーを巻き込んで)やきもきするお話です。
※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。ですがエッチシーンは最後らへんまでないので、どうかご了承くださいませ。
※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!(ちなみに表紙には『地味メンくんとイケメンくんのあれこれ、1』と書いてあります♪)
※ 2020/03/29 無事、番外編完結いたしました! ここまで長々とお付き合いくださり本当に感謝感謝であります♪
俺のパンツが消えた
ルルオカ
BL
名門の水泳部の更衣室でパンツが消えた?
パンツが消えてから、それまで、ほとんど顔を合わせたことがなかった、水泳部のエースと、「ミカケダオシカナヅチ」があだ名の水泳部員が、関係を深めて、すったもんだ青春するBL小説。
百九十の長身でカナヅチな部員×小柄な名門水泳部エース。パンツが消えるだけあって、コメディなR15です。
おまけの「俺のパンツが跳んだ」を吸収しました。
【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎
亜沙美多郎
BL
本編完結!番外編も無事完結しました♡
「私立秀麗学園高校ホスト科」とは、通常の必須科目に加え、顔面偏差値やスタイルまでもが受験合格の要因となる。芸能界を目指す(もしくは既に芸能活動をしている)人が多く在籍している男子校。
そんな煌びやかな高校に、中学生まで虐められっ子だった僕が何故か合格!
更にいきなり生徒会に入るわ、両思いになるわ……一体何が起こってるんでしょう……。
これまでとは真逆の生活を送る事に戸惑いながらも、好きな人の為、自分の為に強くなろうと奮闘する毎日。
友達や恋人に守られながらも、無自覚に周りをキュンキュンさせる二階堂椿に周りもどんどん魅力されていき……
椿の恋と友情の1年間を追ったストーリーです。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
※R-18バージョンはムーンライトノベルズさんに投稿しています。アルファポリスは全年齢対象となっております。
※お気に入り登録、しおり、ありがとうございます!投稿の励みになります。
楽しんで頂けると幸いです(^^)
今後ともどうぞ宜しくお願いします♪
※誤字脱字、見つけ次第コッソリ直しております。すみません(T ^ T)
敵国軍人に惚れられたんだけど、女装がばれたらやばい。
水瀬かずか
BL
ルカは、革命軍を支援していた父親が軍に捕まったせいで、軍から逃亡・潜伏中だった。
どうやって潜伏するかって? 女装である。
そしたら女装が美人過ぎて、イケオジの大佐にめちゃくちゃ口説かれるはめになった。
これってさぁ……、女装がバレたら、ヤバくない……?
ムーンライトノベルズさまにて公開中の物の加筆修正版(ただし性行為抜き)です。
表紙にR18表記がされていますが、作品はR15です。
illustration 吉杜玖美さま
転生した先のBLゲームの学園で私は何をすればいい?
赤蜻蛉
BL
※分かりづらいので、作品紹介文を変えました。
腐女子がこれからプレイするはずだったBLゲームの世界の中で、モブ男子に転生し腐男子ライフを思いっきり楽しむはずが、なぜか攻略者達に追いかけられ迫られ転がされ・・・・BLライフをリアルでしてしまうのか!?という、簡単に言うとこんな内容です。
元女子部分は途中からほとんど出てきませんが、興味を持てましたらどうぞよろしくお願いします!
BLラブは、わりとありますがどこまで全年齢対応で大丈夫なのか挑戦中です。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる