55 / 63
五十四 素直に
しおりを挟む「あっ、あ、あ! んぁ、んっ……!」
突き上げられる度に甘い声を漏らして、岩崎が腰を捻る。淫靡な動きに鮎川は喉をならし、腰を突き上げて何度も岩崎を貫く。
ずぷ、ずぷと、挿入する度に音が響いた。バイブを挿入するのにローションを使ったせいだった。
「岩崎、気持ち、良い?」
息を荒らげながら、鮎川が問いかける。小さく喘ぎながら、岩崎は頷いた。
「気持ち、イ……。ナカ、擦られんのっ……」
鮎川は喉を鳴らし、手を胸に這わせる。
「じゃあ、こっちは……?」
「んぁ!」
乳首をきゅんっと摘ままれ、ビクッと身体が跳ねる。クニクニと摘まんだり押したりしていると、刺激にツンっと尖端が尖った。
「あっ、あ……んっ」
「こっちは……?」
岩崎がうっすらと瞳を開き、鮎川を見る。熱っぽい視線に、鮎川はドキリとした。
「んっ……ヘン、な感じ、する……。ムズムズして、気持ちい、気……する」
「……」
返答に、鮎川は唇を結んだ。
「今日は、素直だな……」
「……あ、ん……。二人しか、いねーから、かも……。恥ずかしい、けど……」
顔を腕で覆って、岩崎はそう呟いた。腕でかくした向こうから、こちらを見ているのが、可愛いと思う。
「確かに……いつもと違う顔、見られるな……」
「あっ、ん! ソコ……っ!」
「ここ、良い?」
「んっ、あ! あぁっ!」
グリグリと一点を刺激してやると、背中を反らせて岩崎が悶えた。黒い革のベルトが、ギチギチと音を立てて肌に食い込む。
「岩崎…っ、岩崎……っ」
名前を呼びながら、突き上げる速度を早くする。快感に仰け反る首に、何度も吸い付き噛みついた。
「あ、あっ――あああぁ!」
ビクッ、ビクン! 身体を大きく跳ねらせ、白濁を腹に撒き散らす。同時に、鮎川も岩崎の奥へと精液を注いだ。
腹の中に射精され、ひくひくと腸壁が震える。
「あ――……」
岩崎は鮎川の首に腕を回し、キスをねだった。
「鮎川……ん」
「ん、はっ……、岩崎……」
鮎川の手がピンク色の髪を撫でる。慈しむような手付きに、岩崎目蓋を閉じた。
「……鮎川ぁ、足りねえよ」
足を絡めて甘えた声を出す岩崎に、鮎川の肩がビクンと揺れる。
岩崎は鮎川の中心に手を伸ばし、手で擦り始めた。
「あっ、ちょ、岩……っ」
「ん……。ちゃんと、反応する……」
ぐちぐちと粘液に濡れた性器を擦ると、徐々に硬度を増していく。鮎川がくぐもった声とともに息を吐き出した。
「っ……、そんなに、欲しいのか?」
「ん……」
鮎川の手が胸の突起を摘まむ。両乳首を弄くられ、ビクッと身体を震わせた。
「あ、んぁ……っ」
「エッチな服着て、バイブまで嵌めて……。あの鞄に、入れてきたの?」
「っ、ん、そう、だけどっ……あ、あっ……!」
ビクビクと身体を震わせる岩崎に、鮎川は指を離して、すぐそばに置かれていた鞄に手を伸ばす。
「あ……」
「他に何か持ってきたの? まだ入ってるっぽいけど」
「っ、待て、何も……」
赤い顔で岩崎が止めるのを無視して、中を覗く。岩崎は慌てて性器から手を離し、鮎川の手を掴んだ。
「――これ」
「ちがう、から」
「違わないじゃん……これ、使って欲しいんだろ?」
「っ、ちがくて……」
鮎川が鞄からブジーを取り出す。前に挿入したものより、少し太くて長い。節があるブジーだ。
「……前に挿入れたのより凶悪じゃん……。ニップルバイブもあるし、他にも――……」
「っ、鮎川がっ、勃たなかったら……って」
死んでも勃たせるつもりで持ってきたのだと、顔を赤くして視線を背ける。目の前にブジーを突きつけられ、岩崎は首を振った。
「んっ」
「僕はお前が嫌がる顔、好きだけどさ……もう嫌がること、しないって決めたから。岩崎が嫌なら、二度としない」
「――」
岩崎が驚いた顔で鮎川を見た。
「二度、と?」
「うん。二度としない」
岩崎はその言葉に、ぎゅっと唇を噛んで鮎川を見た。
「っ、意地悪、してる……?」
「逆だろ。マジで言ってんの」
岩崎の反応に、鮎川は心臓がざわついた。本気で、岩崎が嫌なら、二度と使わない気だった。だが、この反応は。
「っ、……れて、よ」
「ん?」
「挿入れて、鮎川……っ…。アンタがするのは、全部、好きだから……っ」
「――良いの?」
ぞくり、背筋が粟立つ。全てを受け入れようとする岩崎に、言い知れない背徳感が込み上げる。
「俺は、アンタに虐められんの、好きだから……。いっぱい、虐めてよ」
「――っ、お前……。他のヤツに、言うなよ」
「ん、言うわけ、ない……っ」
革のショートパンツのファスナーを開いて、勃ち上がった性器をやんわりと握る。鮎川は岩崎の先端にブジーの先をあてがった。
「入れる、ぞ」
「う、んっ……」
金属の棒が、ゆっくりと肉棒に埋まっていく。狭い穴を押し広げて、蓋をするように中へと入っていく。
「あ、あ――……」
ゾクゾクと身体を震わせる岩崎の顔は、快楽に染まっていた。
中ほどまで入った棒を、抜いたり入れたりしてやると、岩崎は腰を捻って快感を示す。
「んぁ、ん! はっ……、あ、んぃっ!」
狭い穴をじゅぷじゅぷと弄くられ、快感に喘ぐ。敏感な部分を抉られて、岩崎は眦涙を浮かべてビクビクと腰を揺らした。
「――っ……、はぁ……。岩崎、こっちも欲しい?」
指先でアナルを撫でられ、ビクンと肩が揺れる。
「っ……あ、欲し、い……」
切ない声音でねだられ、鮎川はゴクリと喉をならすと、ブジーから手を離した。ブジーはまだ、尿道に深く突き刺さっている。
「脚、開いて……よく、見せて」
囁きに、岩崎は顔を赤くした。おずおずと、脚を左右に開く。先ほど鮎川を受け入れていたばかりの穴から、僅かに精液が溢れていた。
鮎川はぐっと先端をアナルに押し付けると、一気に奥まで貫く。ブジーが刺さったままの性器が、衝撃にプルンと岩崎の腹に当たった。
「あっ!」
「岩崎、口、開いて」
繋がったまま、舌を貪る。角度を変えて、何度も、何度も唇を重ねた。
汗と精液にまみれて、どろどろになる。二人とも、境目が解らないほどにくっつきあって、肌を重ねた。
「鮎、川……、鮎川っ……」
「――岩崎……っ」
互いに名前を呼びあって、二人は指を絡めあった。二度と、離れられない気がして、岩崎は笑みを浮かべた。
12
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる