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五十三 今日は、いっぱい
しおりを挟むちゅくと音を立てて唇を触れあう。舌先で唇を擽られ、舌を絡め合う。二週間ぶりのキスは甘く、蕩けるようだった。
鮎川の手が胸を撫でる。ハーネスの食い込んだ肌は敏感になっていて、触れられるだけでゾクゾクと背筋が粟立つ。
「あ、っ……ん、はっ……」
「岩崎……」
鮎川が太腿に性器を擦りつける。ゴリっと、硬い感触が肌に伝わる。
(本当に――)
本当に、勃ったのだ。実感して、じわじわと熱量があがる。自分の恥態を見て、興奮した。それが、たまらなく嬉しい。
(恥ずかしかったけど……やって良かった……)
シャワーを浴びている間、準備をしている最中はすごく迷った。バスローブを纏って身を縮こませて、死ぬほど後悔した。恥ずかしくて、死んでしまいそうだった。鮎川がシャワーから出て来た時、どうやって誘惑して良いかわからなくて、そのまま身体を隠してしまった。タイミングが解らなくて、でも身体の中にはすでにバイブが挿入されていて。
「っ……、キツ。一回、出しておいた方が良いかも……」
太腿に擦りつけられ、ビクッと皮膚を揺らす。鮎川の性器は今にもはちきれそうだった。
「まっ、ダメ、鮎川……」
「ダメって言われても……」
イヤイヤと首をふる岩崎に、鮎川が頬を撫でて来る。
「じゃあ、どうしたいのさ」
「っ、せっかく、勃ったんだから……、俺のナカでイってよ……」
「っ……」
鮎川の目元に朱が走る。ハァと吐息を吐き出し、顔を寄せる。
「……岩崎は、嫌じゃないの?」
「……ん、嫌だったことなんか、一回もない」
「――っ、ほんとに、お前」
鮎川が言葉を呑み込んだ。唇に噛みつき、腰を寄せる。そのままグイと引き起こされ、鮎川の膝の上に乗せられた。
「……お尻、丸見えじゃん。バイブ咥えてるのも全部見えてる……」
「ん、あっ……、揉むなって……」
尻を両手で掴まれ、びくんと肩を揺らした。ぐにぐにと揉みしだかれ、ナカでバイブが蠢く。
「ここ、ファスナーついてるんだ。エロいな……」
チチ、とショートパンツについているファスナーをゆっくりと外す。と、パンパンに勃起した性器がチラリとはみ出た。
「キツくない?」
「ん、少し、キツい方が、好き」
「これ、自分で挿入れたんだろ?」
カチカチと、バイブのスイッチを入れる。ナカでぐるぐるとバイブが動き出し、腸壁を擦り上げる。
「あっ、あ、んっ……!」
「エッチな身体になっちゃって……」
「んぁ、鮎川ぁ……」
甘い声で名前を呼ぶと、鮎川はちゅうっと首筋にキスをし、腰に手を這わせた。
「ん、バイブじゃ、ヤ……鮎川の……」
「……僕のが、欲しいの?」
鮎川の瞳が「僕で良いのか?」と訴えているように見えた。岩崎は頷き、鮎川の首に腕を回す。
「鮎川のじゃなきゃ、ヤダ……。アンタ以外、要らない……」
鮎川の喉が動いた。鮎川は尻に入ったバイブをずりゅっと抜き取り、肉棒の先端を穴に押し付ける。ベッドの上で、バイブが淫靡に動き回っていた。
「あ、はっ……、ん……」
「岩崎……っ……」
ぬ、と肉輪を割いて、先端が埋まっていく。ずぷぷと中に侵入してくる感覚に、岩崎はゾクゾクと体を震わせた。
「あ、あ――、んっ……」
岩崎の眦から、涙がこぼれる。ぎゅっと鮎川に抱き着き、裸の肩に歯を立てた。
「っ、すげ、柔らか……」
先ほどまでバイブで刺激されていたせいか、挿入されただけでビクビクと身体が震える。きゅっと鮎川を締め付け、岩崎はハアと息を吐いた。
「ん……、硬い……」
「……あんま、締め付けんなって……、すぐイきそ……」
「っん、イって、良いよ……。俺で、気持ちよくなってよ……」
「お、前な……煽るなって……」
甘えるような視線で、岩崎は鮎川を見た。
「さっき、綺麗にしたから……。今日は、いっぱいナカに出してよ……」
誘惑に、鮎川がごくりと喉を鳴らしたのが岩崎にも解った。
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