12 / 63
十一 口封じは 3
しおりを挟む「んぅ、う……んっ……」
ふぅ、ふぅと、ベルトの隙間から声が漏れる。唾液が止まらず、顔じゅうがべたべただった。ソファにも、シミが出来ている。
「もう大分、入るようになっちゃったんじゃない?」
ぐちゅぐちゅと、卑猥な音がする。内臓を抉られる感覚が、気持ちいいと覚えてしまった。既に幾つオモチャを挿入されたのか、何度イかされたのか覚えていない。
「う、んう……、む……」
いつの間にか足の拘束を解かれたというのに、岩崎は蹴ることも逃げることも出来ないまま、ただ足を開かされ、好き勝手にアナルを弄られている。
最初は怒っていた様子の鮎川だったが、だんだん表情が和らぎ、逆に楽しそうに岩崎を虐めている。
「こんな太いバイブも挿入できるようになっちゃったし……。お前もしかして、自分で弄ってた?」
「んぅ、う」
そんな訳ない。首を振る。
「ふぅん? 怪しいな……。そんなに簡単に、咥えられるもんじゃないと思うけど――フェラも得意だもんな。お前向いてるのかもな」
(なんでだ)
鮎川を睨むが、涙目で唾液まみれの顔では効果はなかった。
「こっちも、才能あんのかな」
そう言って、鮎川が箱から何かを取り出す。細い、棒のようなものだった。
「……?」
「コレ。こっちに、挿入るみたいだよ?」
鮎川がニマリと笑いながら岩崎の性器を握った。急に触れられ、びくんと身体が揺れる。同時に、どこに挿入するのか解って、ゾッとする。
「ん! ん!」
勢いよく首を振る岩崎に、鮎川が笑う。
(誰だ、そんなもんを置いていった奴……!)
アナルをさんざん弄られ、その上、ブジーだなんて。鮎川は本当にここにある道具全部を試すつもりなんだろうか。まだ一割も使っていない気がする。
ぞくり、背筋が粟立つ。
怖いばかりでない感覚に、自分で戸惑いながら鮎川を見上げた。
「……」
鮎川は岩崎をじっと見下ろし、やがてグイッと岩崎の頭を掴むと、急に口枷となっていたベルトを外した。
「ぷはっ、んっ……!」
「赤くなっちゃったな」
鮎川の指が、岩崎の唇に触れる。
「それ、ヤダっ……」
「ん?」
「ちんこに、入れるヤツ……」
「ああ」
鮎川は手にしていたブジーを、わざとらしく舐めて見せた。そのしぐさに、ゾクゾクする。
「ふ……はっ……、ん」
「嫌って、顔じゃねえな」
「っ……」
真っ赤な顔で、鮎川を睨む。潤んだ瞳で睨んだ岩崎の唇を、鮎川の指がなぞる。
「っ、ん……」
「あ、ゆ……、もぅ、ヤダ……、もうイけない……抜いて」
ぐずぐずと呟く岩崎に、鮎川は喉を鳴らした。
「……」
アナルに挿入されたままのバイブに手を伸ばす。岩崎の下半身はドロドロで、粘液に濡れていた。
「お願い、します……」
「……」
ずるり、予告なくバイブを引き抜かれ、快感にビクビクッっと肩を揺らす。
「あっ! あ、あっ!!」
ずっと挿入されっぱなしだったせいで、急に解放されて肉ヒダがひくひく震えた。
(助か、った……)
ようやく終わった。そう思い、肩の力を抜く。ホッとした岩崎の耳に、鮎川の意地悪な声が響く。
「これ、面白そうなもの見つけたんだけど」
「――っ!」
「ほら、スクリュー見たいになってる」
「やっ、やだ」
逃げようと、脚が空を切る。脚を開きっぱなしだったせいか、筋肉が痛む。腰を捩って逃げをうった岩崎を、鮎川が背後から抱きしめるように掴んだ。
「あっ、あ! ヤダ、挿れんな……!」
「……うるさい」
ぬぷっと、肉輪を押し拡げて質量が入り込んでくる。堅く、熱い。塊のようなものの感覚に、ゾクゾクと全身が震える。先ほどまでさんざん虐められ、もう嫌なのに、身体はたやすく受け入れる。
「あ、あっ、あ――っ……?」
息も絶え絶えに質量を受け入れながら、岩崎は違和感に動揺する。先ほどまでの、無機質な感覚でない、何かもっと生物的な生々しさに、頭が混乱した。腸壁を先端が擦る。ぬるぬるした亀頭が、中を擦る。暖かく、固く。ヌルヌルした感触。
(えっ)
ぞくり、胸がざわめく。背後から抱きしめられ、脚を開かされる。その間に、鮎川がいる。ぴたりと肉を押し付け、背中をあわせる。その身体が、熱い。
「あ、ゆ……」
「っ……」
耳元に聞こえる荒い声が。ずぷずぷと打ち付けられる腰の感覚が。背後から伸びた手が、腹を撫でる。
(――鮎川の、が)
鮎川の性器が、アナルに挿入されていた。突如背後から犯され、動揺して瞳をさ迷わせる。同時に、ドキドキして顔が熱くなる。
本当にそうなのかと、無意識につながった部分に指を伸ばす。ぐちぐちと深くつながった部分を指先に感じ、顔が熱くなった。
(え、何で、俺)
頭での理解が追い付かないままに、鮎川に犯される。やがて腰を打ち付ける速度が速くなり、パンパンと音が鳴り響く。同時に、互いの荒い息が室内に響いた。
「あっ、あ、あ、んっ……!」
激しく揺さぶられながら、鮎川が体制を入れ替える。ぐりんと身体をひっくり返され、今度は向かい合わせになった。前からぐりぐりと中を抉られ、声にならない悲鳴が上がる。
「っ――んっ!」
結んだ唇を、鮎川の舌がこじ開ける。
「んむっ」
鮎川の唇が、岩崎の唇を貪る。舌を吸われ、何度も角度を変え、上口蓋を舐められ、唇を噛まれた。
「んはっ、んっ……、んぁ、あっ、あ……!」
「っ、はっ……」
鮎川の息に、ドクンと心臓が鳴る。
(なんで、鮎川に、抱かれてんだ……俺)
切なげな表情で岩崎を求める鮎川に、ゾクゾクと胸が震えた。追いかけて来た相手である鮎川が、自分を求めている。その感覚に、愉悦のような優越感が沸き起こる。
「――」
やがて、激しく貫かれ、ビクビクッと身体が震える。
「あ、あっ――ああっ!!」
ビュクッと、もうイけないと思っていたのに、精液が吐き出され、腹の上にまき散らす。同時に、鮎川も岩崎の中で、大きく震えて粘液を吐き出した。
11
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
出産は一番の快楽
及川雨音
BL
出産するのが快感の出産フェチな両性具有総受け話。
とにかく出産が好きすぎて出産出産言いまくってます。出産がゲシュタルト崩壊気味。
【注意事項】
*受けは出産したいだけなので、相手や産まれた子どもに興味はないです。
*寝取られ(NTR)属性持ち攻め有りの複数ヤンデレ攻め
*倫理観・道徳観・貞操観が皆無、不謹慎注意
*軽く出産シーン有り
*ボテ腹、母乳、アクメ、授乳、女性器、おっぱい描写有り
続編)
*近親相姦・母子相姦要素有り
*奇形発言注意
*カニバリズム発言有り
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
淫らに壊れる颯太の日常~オフィス調教の性的刺激は蜜の味~
あいだ啓壱(渡辺河童)
BL
~癖になる刺激~の一部として掲載しておりましたが、癖になる刺激の純(痴漢)を今後連載していこうと思うので、別枠として掲載しました。
※R-18作品です。
モブ攻め/快楽堕ち/乳首責め/陰嚢責め/陰茎責め/アナル責め/言葉責め/鈴口責め/3P、等の表現がございます。ご注意ください。
R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉
あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた!
弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる