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第1章  入試篇

第14話  弁当の驚異

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 皆驚いており、シーラも「えっ?」と呟いていた。

「先ずはこれからの事について、今から説明をします。説明が終わった後、最初に集まった講義場に移り、そこに弁当が置かれているので食べるように」

 皆が騒ぎ出したので静まるのを待っていた

「これより1チームにつき6名のチームを作って貰います。受講者の人数は150名ですから、計算上は25チームが出来ます。よく考えてチームを作るように。条件は異性混合チームにする事のみ。男子だけ、女子だけのチームは認めません。また6名以外の例えば5名の場合はチームとして認めません。今から弁当を完食した者からこの場に戻り、チームの申請を可能とします。期限は今より3時間後とし、例え番号1番や150番の者でも6名が揃わなければ二次試験に進めない事とします。その後、二次試験の課題を発表します。卒業まで今から作るチームで過ごす事になり、成績は全てチームとしての成績で、この後の二次試験はチームで挑んで貰います。上位15チームを合格とします。先の魔法展示の個人成績は合否に関係有りません。短い時間にはなりますがよく考えてチームを作るように。それと寮の部屋は1チーム1部屋になります。卒業までの間に、チーム内で女性が犯された場合はチームの男子全員を去勢し、退学処分とします。権力を振りかざしたり、お金の力で体を求めるのも同じ扱いになります。これは定期的に嘘を見抜く魔道具にて確認しますから隠す事は出来ません。これは学校の中の事に限りません。在学中の事であり、長期休暇中も含むまれます。初夜権も同じです。また、在学中に初夜権を行使する事は許しません」

 ざわめきが激しかった。

 そしてついてくるように指示をされ、皆、講義場に入って行く。好きな場所に座るように言われ、弁当を完食しないと外に出てはならない。荷物を全て確認するのと、床等に捨てるのも禁止。捨てずに全て食べたかを嘘が分かる魔道具に手をかざし、捨てずに食べたと宣言をするとの事だ。捨てたら失格だという。

 各々席に座って行くが、基本的に元々の知り合いや知人が固まっている。中には7人以上集まった所があり、チーム分けの話し合いがなされるのだろうと言う感じだ。

 そして問題は弁当だ。1.5人前分はあり、普通の体格の女子にはきつい量だ。それはつまり、リズのように例外は居るのだろうが、女子が食べきれなかった弁当を男子が食べる必要がある。それに男女混合もハードルが高い。女子の比率が高ければ弁当が食べきれなくなる可能性があまりにも高くなるので、助平心を出したり権力やお金の力で女子5人にしてハーレム状態にすると弁当が食べ切れなくなるからだ。

 とりあえずフォルクス達の所は5人集まっていたが、先ずは弁当を食べ終わろうとなった。リズは余力があるから全部食べるといい、食べきれないカーラの分はフォルクスが、シーラの分はべソンが食べ、更に1名の子の分を何とかしなければならない。フォルクスが外で数えていた魔法学校の二次試験参加者は6対4で女子の方が多かったのだ。厳しくなるチームがかなり出そうだ。この弁当イベントを含めて試験のようだった。

 フォルクスは目を付けていた結界師の女性を見ると、孤立しているのが分かった。シーラは食べられる範囲で半分程を食べ、青髪の子の所に向かっていった。カーラも早々にギブアップし、男二人でパクパクと食べていた。

 男子が多い所は何とかなっていいるが、基本的に男女比は半々が多く、既にチームが組めないと思う者がチラホラといた。

 男女混合となると助平な男子心としては、女子の比率をなるべく増やしたいものなのだ。この世界のように男尊女卑の世界では尚更だ。そう、諸事情が有るとは言え、一夫多妻の世界でもある。

 シーラが向かった青髪の子は必死になって食べていた。先ずは食べきらないとチームに入れてすら貰えないからだろう。

 シーラは早速勧誘を始めたが、そこに辿り着く前に宮廷魔術師の息子に声を掛けられていたが、無視をしていた。暫く様子を見ていると、青髪の子はチラチラとフォルクス達を見ていて驚いていた。

 彼女の番号は42番だったので、例年通りだと不合格になる位置なのに上位者、それも個人1位と3位と実力者がいるチームから誘われているのだから当たり前だ。シーラが涙する彼女を抱き寄せ、ハンカチで涙を拭っていた。

 少しすると落ち着いたようで、食べている最中の弁当を持って二人がフォルクスの所に向かってきた。

 そしてフォルクスの所に6人が集まり、チームが完成したのを見て周りから嘆きのため息が出ていた。

 フォルクスはその女性が持っていた弁当を半ば奪うように強引に受け取り、3分の1程残った弁当をペロリと食べた。まだ行けるとベソンも言っていたが、戻って来たシーラが

「フォルクス、貴方の読み通りよ。彼女のも明日売られ、まず間違いなく権利をその日に行使される所だったわ。それと彼女は今はまだ喋れる状態じゃないから、挨拶は後にしてあげてね」

「うん。そんな事だろうなとは思ったんだよな。えっと、僕じゃなくて俺がリーダーのフォルクスです。宜しくお願いしますね。権利の事はシーラから聞いたよね?それと魔力を測らせて貰うよ」

 フォルクスは簡単な説明をしてから手を差し出し、彼女と握手をした。そして魔力を流し流し返させ、握手を終わる。

「確かに魔力は少ないけど、やはり精霊の加護と魔法は防壁か。カーラ、ちょっとラティスを見てあげて」

 カーラも彼女と握手をした。

「フォルクスさんよりは声が聞こえていますが、まだ姿は見ていない筈ですわ。まだまだ序の口ですわね。ラティスさんは土ですわね。宜しくお願い致します。水の精霊使いのカーラです」

「あっ、あのう、何故カーラ殿とフォルクス殿?ゆうま殿?は私の名前を知っているのでしょうか?まだ名乗っていない気がするのですが。」

「うん。握手をした時に分かったとしか言えないな。ラティスの方もゆうまって俺の名が分かっただろ。それと同じだよ」

「そ、それとあの事は本当なのですか?」

「うん。外で事情を聞こうか。その前にチーム結成の記念に少し稼いでくるよ。ベソン、行けるよな?」

「二人分なら」

 シーラ達は半ば呆れていたが、リズも手を上げ

「アタイは判分なら行けるよ。まだ満腹じゃないからね」

「よし、決まりだ。ヘソンが二人で、俺とリズが各自一人かな。でもリズは無理するなよ。ぽっこりしたお腹を見たらヘソンが悲しむからな」

「分かっているよ。ちゃんと後で追加の腹筋をするさ。べソンはあたいのお腹を褒めてくれるからね」

 そうやってフォルクスとべソン、リズの3人が壇上に向かうのであった。
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