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第2話 拘束されたさ
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弘美はこれが所謂異世界召喚であるならばステータスか何かがある筈だ。小説のように見えるのではないか?そうしてステータスと呟くと頭にディスプレイのような表示があり、ステータスが見えた。ほらあるじゃないか!と少し希望が見えてきた。
職業は聖女とグレー表示で勇者の卵(男の娘?)と有った。なんだよ卵って!それに俺は男の娘じゃないぞ!男なのに聖女か!と心の中でツッコミを入れていた。それと、勇者召喚される筈がどうやら手違いで聖女にされてしまった!と勝手に解釈していた。自分が異世界召喚される=勇者しかないと解釈したのだ。また、スキルはグレー表示で、*******表示だ。
レベル不足の為、スキル使用不可とあり表示ができないのがいくつかあった。
今あるスキルで使えるのは限定的な異空間収納で、50キロまでと書いてある。それと弓術/特級だ。
スキルとして弓術があったが、ただそれだけで他には見えなかった。だがしかし、特別な能力としてギフトというのがどうやら自分にも有る事が分かった。そのギフトの内容は一日1回限定だが、時間を遡る時間遡行だった。急ぎ能力を確認すると一日1回の制限が有る。正確には一度使うと時間遡行にて30分戻った所から丸1日の間再使用ができないのだ。要は再チャージに丸一日掛かるようだ。
陛下と呼ばれている者が叫んだ。
「この無能者を縛り上げ、即刻放逐して来るのだ!」
指示を受けた神官服を着た者が、更に部下に細かく指示を出していた。
「最低限の武器と言っても既に矢を持っていますが、一応こちらからも短剣、食料、水などを与えねば、処刑したものとみなされてしまいます。武器を与え、山に置き去り、もとい、開放した後に彼がどうなろうが我らの責任は問われません。当然その後の事はこの者の自己責任となります。尤も剣を与えるとはいえ、少なくとも強力な魔物が出る所に一人で置き去りにされれば半日と持たないでしょう。とは言え生きる術を与えねばなりません。ですから準備をしなさい」
部下に放逐と言う名の処刑の準備をさせていた。そして嬲り倒された弘美は組み伏せられ、縛られ始めた。そして迷う事なく時間遡行の能力を使うのであった。召喚される前に戻ればひょっとしてこの窮地を抜け出せるかなと一縷の望みに賭けるのであった
弘美は寝かされていたベッドから徐に起き上がった。
そこは見た事の無い部屋だった。
無機質ではあるが、清潔な部屋だ。隣には無人のベッドがあり、ベッドとベッドの間には見知らぬ女性が何やらコンソールに向かって作業をしていた。
紫のポニーテールのかわいい系の若い女性だ。女子大生くらいだろうか。美人である。
弘美は敢えてキツめに声を掛けた。
「ここは何処で、お前は何者だ?俺を異世界に行かせたのはお前か?」
その女性はぎょっとした。
「えっ!何であんた起きてるのよ!嘘でしょ!」
「時間遡行を即行で使ったからだよ。質問に答えろよ!聖女召喚に俺を送り込んだのはお前か?それとお前に名前はあるのか?」
「お前って失礼ね。私は女神シリウスよ。あんたは勇者召喚に送る手続きをしたけど、どういう事?それともうじき転移が始まるから手短にね」
「なぜ俺が異世界に送られなきゃならないのかを知りたいけど、今は命が掛かっているから聞かないよ。俺は聖女召喚の場に送られ、男だと言うだけで召喚が失敗したとして処刑されようとしているんだ。正確には殺すと呪われるからと、強い魔物が多くいる所に放り出し、魔物に俺を殺させようとしているんだ。ステータスを見たが、大したのがないじゃないか!このままだとすぐに死んじまうだろ。なんか強いスキルとかをくれよ!流石にまだ死にたくないよ」
「なんで?あり得ないんですけど」
「お前は誰をどこに送ろうとしているんだ!?。因みに俺は岡治 弘美だ」
「えっ?それ女性のなまえじゃないの?うそ!聖女召喚に送るのは岡治 弘美って名前よ」
「このバカ女神!ひょっとして性別を名前だけで判断したのか!ふざけんな。弘美は男も女にも使われているんだ!生き延びる術をくれ!お前のミスだろ!なんとかしろ」
貴方の転送が始まるまで後1分だわ。時間がないから、幾つかのスキルを増やすわ。悪いけどもう転移は取り消せないから。ただ、スキルを上げるけど、自力でレベルを一つは上げてね!そうしないとスキルを使えないから。その、ごめんなさい」
「せめて攻撃魔法を使えるのと、回復も頼む。恨みたいがちゃんとしてくれたら恨まないから」
シリウスが時間ギリギリでいくつかスキルと能力を与えていた。基本的に禁止されているが、ミスをリカバーしなければならないのだ。
最低限だが、当面のピンチを乗り切れるだけのスキルを与えた。ただ、弘美の記憶から今のやり取りや、一度時間遡行を使った記憶を消した。少なくとも時間遡行のギフトについてはレベルが上がるまで見えなくしたのであった。
弘美は眩い光が消え去り、辺りが見えるようになると異変を感じていた。そう、また先程召喚された場所にいたのであるが記憶になかった。しかし、それでも何かデジャヴだなと感じていた。先程と同じような事が起こっているが、違いは服装と装備にある。弓と矢は今は持っていない。そう収納の中に入れられているのだ。また服はシリウスの計らいで魔法防御力が高くなる魔法付与などを行っている冒険者用の服になっている。
また宏海の事を最初は心配していたが、2回目の時は彼女も召喚されているというような事を思う事が無く、召喚されたのは自分だけだと何故か思い込んでいたのだ。
その為、彼女も召喚されて辛い目に遭っていないかというような心配をしておらず、二度と彼女と会えないのかな?こんな事になるんだったら好きだと告白しとくんだったな!そんな事を思っていた。
それ以外は前回組み伏せられた時と殆ど同じような状況が続いていた。そして色々確認していくと自分のスキルの中に部分収納があるという事が分かった。いつもはのほほんとしているが、流石にこのままではまずいとは思えており、組み伏せてきた奴の剣だとかお金をこっそり収納の中に入れていた。何故か使い方を理解していたのだ。
結局時間遡行をしたのだが、組み伏せられるまでの展開は何も変わっていなかった。服装が違ったり、弓と矢が収納の中にあったりという位であり、組み伏せられ処刑しようとしている所までは変わっていない。変わっているのはレベル2に上がった時に何やらスキルが開放されるというような事だ。それはスキルの説明の所にレベル2で解放というような文言が前回とは違って記載されている。
ステータスを見るのは何故かやり方も出来るという事も呼吸をするのと同じレベルで自然に行っていた。
もっとも弘美自身は前回とどう違っているのかは当たり前だが気付かない。
また、小さな事だが、違いとして職業に聖女(男の娘W)とありふざけんなと唸っていた。何がWだよ!と。シリウスの嫌がらせである。
そして男だという事を確認された後、あれよあれよという間に縛り上げられ、乱暴に馬車に乗せられた。というより放り投げられていた。放逐する場所まで弘美を連れて行く兵士の一団がおり、合計三台の馬車で移動するようだ。
気絶させられるまで散々悪態をついていた。
「ざけんな!勝手に人を呼んどいて女じゃないからって殺すのかよ!この人でなしめ!」
陛下と呼ばれている者が顔を紅潮させ叫んだ。
「誰かこの痴れ者を黙らせろ」
そういうと弘美の背後にいた兵士の一人が剣の柄で弘美の頭を殴った。あっさりと気絶したのだが、弘美は気絶する前に散々悪態をつきながらも、自分が持っているこの収納のスキルについて既に検証と実証を始めていたのであった。
職業は聖女とグレー表示で勇者の卵(男の娘?)と有った。なんだよ卵って!それに俺は男の娘じゃないぞ!男なのに聖女か!と心の中でツッコミを入れていた。それと、勇者召喚される筈がどうやら手違いで聖女にされてしまった!と勝手に解釈していた。自分が異世界召喚される=勇者しかないと解釈したのだ。また、スキルはグレー表示で、*******表示だ。
レベル不足の為、スキル使用不可とあり表示ができないのがいくつかあった。
今あるスキルで使えるのは限定的な異空間収納で、50キロまでと書いてある。それと弓術/特級だ。
スキルとして弓術があったが、ただそれだけで他には見えなかった。だがしかし、特別な能力としてギフトというのがどうやら自分にも有る事が分かった。そのギフトの内容は一日1回限定だが、時間を遡る時間遡行だった。急ぎ能力を確認すると一日1回の制限が有る。正確には一度使うと時間遡行にて30分戻った所から丸1日の間再使用ができないのだ。要は再チャージに丸一日掛かるようだ。
陛下と呼ばれている者が叫んだ。
「この無能者を縛り上げ、即刻放逐して来るのだ!」
指示を受けた神官服を着た者が、更に部下に細かく指示を出していた。
「最低限の武器と言っても既に矢を持っていますが、一応こちらからも短剣、食料、水などを与えねば、処刑したものとみなされてしまいます。武器を与え、山に置き去り、もとい、開放した後に彼がどうなろうが我らの責任は問われません。当然その後の事はこの者の自己責任となります。尤も剣を与えるとはいえ、少なくとも強力な魔物が出る所に一人で置き去りにされれば半日と持たないでしょう。とは言え生きる術を与えねばなりません。ですから準備をしなさい」
部下に放逐と言う名の処刑の準備をさせていた。そして嬲り倒された弘美は組み伏せられ、縛られ始めた。そして迷う事なく時間遡行の能力を使うのであった。召喚される前に戻ればひょっとしてこの窮地を抜け出せるかなと一縷の望みに賭けるのであった
弘美は寝かされていたベッドから徐に起き上がった。
そこは見た事の無い部屋だった。
無機質ではあるが、清潔な部屋だ。隣には無人のベッドがあり、ベッドとベッドの間には見知らぬ女性が何やらコンソールに向かって作業をしていた。
紫のポニーテールのかわいい系の若い女性だ。女子大生くらいだろうか。美人である。
弘美は敢えてキツめに声を掛けた。
「ここは何処で、お前は何者だ?俺を異世界に行かせたのはお前か?」
その女性はぎょっとした。
「えっ!何であんた起きてるのよ!嘘でしょ!」
「時間遡行を即行で使ったからだよ。質問に答えろよ!聖女召喚に俺を送り込んだのはお前か?それとお前に名前はあるのか?」
「お前って失礼ね。私は女神シリウスよ。あんたは勇者召喚に送る手続きをしたけど、どういう事?それともうじき転移が始まるから手短にね」
「なぜ俺が異世界に送られなきゃならないのかを知りたいけど、今は命が掛かっているから聞かないよ。俺は聖女召喚の場に送られ、男だと言うだけで召喚が失敗したとして処刑されようとしているんだ。正確には殺すと呪われるからと、強い魔物が多くいる所に放り出し、魔物に俺を殺させようとしているんだ。ステータスを見たが、大したのがないじゃないか!このままだとすぐに死んじまうだろ。なんか強いスキルとかをくれよ!流石にまだ死にたくないよ」
「なんで?あり得ないんですけど」
「お前は誰をどこに送ろうとしているんだ!?。因みに俺は岡治 弘美だ」
「えっ?それ女性のなまえじゃないの?うそ!聖女召喚に送るのは岡治 弘美って名前よ」
「このバカ女神!ひょっとして性別を名前だけで判断したのか!ふざけんな。弘美は男も女にも使われているんだ!生き延びる術をくれ!お前のミスだろ!なんとかしろ」
貴方の転送が始まるまで後1分だわ。時間がないから、幾つかのスキルを増やすわ。悪いけどもう転移は取り消せないから。ただ、スキルを上げるけど、自力でレベルを一つは上げてね!そうしないとスキルを使えないから。その、ごめんなさい」
「せめて攻撃魔法を使えるのと、回復も頼む。恨みたいがちゃんとしてくれたら恨まないから」
シリウスが時間ギリギリでいくつかスキルと能力を与えていた。基本的に禁止されているが、ミスをリカバーしなければならないのだ。
最低限だが、当面のピンチを乗り切れるだけのスキルを与えた。ただ、弘美の記憶から今のやり取りや、一度時間遡行を使った記憶を消した。少なくとも時間遡行のギフトについてはレベルが上がるまで見えなくしたのであった。
弘美は眩い光が消え去り、辺りが見えるようになると異変を感じていた。そう、また先程召喚された場所にいたのであるが記憶になかった。しかし、それでも何かデジャヴだなと感じていた。先程と同じような事が起こっているが、違いは服装と装備にある。弓と矢は今は持っていない。そう収納の中に入れられているのだ。また服はシリウスの計らいで魔法防御力が高くなる魔法付与などを行っている冒険者用の服になっている。
また宏海の事を最初は心配していたが、2回目の時は彼女も召喚されているというような事を思う事が無く、召喚されたのは自分だけだと何故か思い込んでいたのだ。
その為、彼女も召喚されて辛い目に遭っていないかというような心配をしておらず、二度と彼女と会えないのかな?こんな事になるんだったら好きだと告白しとくんだったな!そんな事を思っていた。
それ以外は前回組み伏せられた時と殆ど同じような状況が続いていた。そして色々確認していくと自分のスキルの中に部分収納があるという事が分かった。いつもはのほほんとしているが、流石にこのままではまずいとは思えており、組み伏せてきた奴の剣だとかお金をこっそり収納の中に入れていた。何故か使い方を理解していたのだ。
結局時間遡行をしたのだが、組み伏せられるまでの展開は何も変わっていなかった。服装が違ったり、弓と矢が収納の中にあったりという位であり、組み伏せられ処刑しようとしている所までは変わっていない。変わっているのはレベル2に上がった時に何やらスキルが開放されるというような事だ。それはスキルの説明の所にレベル2で解放というような文言が前回とは違って記載されている。
ステータスを見るのは何故かやり方も出来るという事も呼吸をするのと同じレベルで自然に行っていた。
もっとも弘美自身は前回とどう違っているのかは当たり前だが気付かない。
また、小さな事だが、違いとして職業に聖女(男の娘W)とありふざけんなと唸っていた。何がWだよ!と。シリウスの嫌がらせである。
そして男だという事を確認された後、あれよあれよという間に縛り上げられ、乱暴に馬車に乗せられた。というより放り投げられていた。放逐する場所まで弘美を連れて行く兵士の一団がおり、合計三台の馬車で移動するようだ。
気絶させられるまで散々悪態をついていた。
「ざけんな!勝手に人を呼んどいて女じゃないからって殺すのかよ!この人でなしめ!」
陛下と呼ばれている者が顔を紅潮させ叫んだ。
「誰かこの痴れ者を黙らせろ」
そういうと弘美の背後にいた兵士の一人が剣の柄で弘美の頭を殴った。あっさりと気絶したのだが、弘美は気絶する前に散々悪態をつきながらも、自分が持っているこの収納のスキルについて既に検証と実証を始めていたのであった。
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