85 / 85
第85話 エピローグ
しおりを挟む
宇宙の深淵でフェニックスクラウンはその最後の一撃を放ち、月サイズの敵要塞を砕いた。
その瞬間、宇宙に漂う敵艦隊は動きを止め、静寂が戦場を覆った。
味方艦隊の半数を撃破したところで動きを止めたのだ。
また、動きの止まった敵の半数を撃破したところで、見方の艦隊が異変に気が付き、戦闘の手を止めた。
調査と救助が優先され、大破した見方の救助とは別に、宙兵隊員が動かなくなった敵艦に乗り込んだ。
抵抗もなく侵入した彼らが見つけたのは、生命の光を失った敵の姿だった。
これまでその片鱗を見せることがなかったが、蜘蛛と蜂を足したような醜悪な生命体の残骸だった。
分岐艦隊を指揮していた准将は、敵の本体がこの要塞であったこと、そして20年も前にそれが確認されていたことを明かした。学者たちの理論が正しく、本体を叩けば勝利するというのだった。
提督が戦死し、指揮を引き継いだのだがまともな指揮官で助かった。
勝利の余韻も束の間、フェニックスクラウンとその乗組員たちや、俺と一緒に戦ってきた仲間は戦争によって変貌した故郷に帰還することになった。
一部の案内役の艦に導かれ、華々しく帰還したのだ。
かつての仲間や家族が眠る墓地への参拝、そして自分たちの知らない新しい世界を学ぶ日々。
英雄として迎えられたものの、社会の変化についていくのは容易ではなかった。
俺は元帥に昇進し、ミズリア、ノリコ、ミカとの幸せな重婚生活を送ることになったが、世間の風当たりは強かった。
やがて、俺は責務として艦隊を再建する任務を完遂し、引き継ぎを行った後に引退することを決意。
33年分の十分な年金を手に、愛する妻たちと共に静かな生活を選んだ。
社会に受け入れられなかったとしても、俺たちにとって大切なのは互いの絆だった。
過去を振り返りながらも、新しい世界に適応することで、俺たちは再び平和を実感することができた。
終わりとは新たな始まりに過ぎない。
フェニックスクラウンの乗組員たちは、新しい時代の中で、小さいながらも確かな幸せを築いていくのであった。
そして、彼らの物語は、未来への希望の光として、永遠に語り継がれるだろう。彼らの勇気と犠牲は、新しい世代に平和の重要性を教え、宇宙の果てまでもがその名を知ることとなる。
フェニックスクラウンの光は、暗闇を照らす灯台となり、希望を失った者たちに方向を示す。
彼らの愛と絆は、時を超え、宇宙を超え、永遠に生き続ける。
これはただの終わりではなく、新たな物語の始まりなのだ。
完
あとがき失礼します。
本作品完了となます。
新作
祈りの力でレベルカンストした件!~無能判定されたアーチャーは無双する~
こちらもよろしくお願いします!
その瞬間、宇宙に漂う敵艦隊は動きを止め、静寂が戦場を覆った。
味方艦隊の半数を撃破したところで動きを止めたのだ。
また、動きの止まった敵の半数を撃破したところで、見方の艦隊が異変に気が付き、戦闘の手を止めた。
調査と救助が優先され、大破した見方の救助とは別に、宙兵隊員が動かなくなった敵艦に乗り込んだ。
抵抗もなく侵入した彼らが見つけたのは、生命の光を失った敵の姿だった。
これまでその片鱗を見せることがなかったが、蜘蛛と蜂を足したような醜悪な生命体の残骸だった。
分岐艦隊を指揮していた准将は、敵の本体がこの要塞であったこと、そして20年も前にそれが確認されていたことを明かした。学者たちの理論が正しく、本体を叩けば勝利するというのだった。
提督が戦死し、指揮を引き継いだのだがまともな指揮官で助かった。
勝利の余韻も束の間、フェニックスクラウンとその乗組員たちや、俺と一緒に戦ってきた仲間は戦争によって変貌した故郷に帰還することになった。
一部の案内役の艦に導かれ、華々しく帰還したのだ。
かつての仲間や家族が眠る墓地への参拝、そして自分たちの知らない新しい世界を学ぶ日々。
英雄として迎えられたものの、社会の変化についていくのは容易ではなかった。
俺は元帥に昇進し、ミズリア、ノリコ、ミカとの幸せな重婚生活を送ることになったが、世間の風当たりは強かった。
やがて、俺は責務として艦隊を再建する任務を完遂し、引き継ぎを行った後に引退することを決意。
33年分の十分な年金を手に、愛する妻たちと共に静かな生活を選んだ。
社会に受け入れられなかったとしても、俺たちにとって大切なのは互いの絆だった。
過去を振り返りながらも、新しい世界に適応することで、俺たちは再び平和を実感することができた。
終わりとは新たな始まりに過ぎない。
フェニックスクラウンの乗組員たちは、新しい時代の中で、小さいながらも確かな幸せを築いていくのであった。
そして、彼らの物語は、未来への希望の光として、永遠に語り継がれるだろう。彼らの勇気と犠牲は、新しい世代に平和の重要性を教え、宇宙の果てまでもがその名を知ることとなる。
フェニックスクラウンの光は、暗闇を照らす灯台となり、希望を失った者たちに方向を示す。
彼らの愛と絆は、時を超え、宇宙を超え、永遠に生き続ける。
これはただの終わりではなく、新たな物語の始まりなのだ。
完
あとがき失礼します。
本作品完了となます。
新作
祈りの力でレベルカンストした件!~無能判定されたアーチャーは無双する~
こちらもよろしくお願いします!
0
お気に入りに追加
81
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる