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第74話 ダレンとレイクルの邂逅
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レイクルは自分の部屋にこもっていた。トイレやシャワー、食事以外は外に出ることはなかった。ダレン司令に認められるチャンスだと思っていたからだ。ミズリアに言われたのもあるが、実力を持って尊敬されるのが4人目に入る近道だと。何故か自分は4人目の恋人になる気満々だった。
そんな彼女はほぼプログラムを完成させていた。現在は仮で艦体シュミレーションに組み込んで、AIがひたすら艦隊戦のシュミレーションをしていた。いくつかのバグや不具合をレポートにしてもらい、修正すれば終わりだった。今はやることもなく、別のツールを作っていた。敵艦のハッキングソフトだ。わずかな時間、操艦を遅らせれば良い。プログラムを破壊できれば尚良い。
そんな中、シャワーを浴びようと、シャワールームに向かっていたが、偶々ダレンが通路を歩いてきたのが目に入った。レイクルは思わず抱きつこうとしたが、首根っこを掴まれて分岐通路に引きずり込まれた。
「あんた確かレイクルね。アタイのダレンになにするつもり?」
声をかけたのはミカだった。
ダレンの恋人の1人であり、護衛でもある。
「ご、ごめんなさい。進捗を伝えようとしたんです・・・」
レイクルは必死に弁解したが、ミカは聞く耳を持たなかった。いや、バレバレだ。
「嘘つけ!抱きつこうとしたな!良い度胸だ!ちと格納庫で体に教えてやるよ!きな!」
ミカはレイクルを引きずって格納庫に連れて行った。
「えっ?」
レイクルは困惑したが、ミカは容赦なく格納庫に引きずる。
「いいから黙ってついてこい。貴様も士官学校を出ているなら少しは訓練してんだろ?少し戦闘訓練をしようぜ!」
ミカはレイクルに戦闘姿勢をとらせたが、もちろんレイクルは逆らえずに従った。
レイクルは予測外に強く、レイクルに対してミカは中々攻撃が当たらない。当たるのはガードの腕にだけだ。
最初は少し痛い目にあわせる程度にしようとしたが、本気になった。
ミカはレイクルの隙をついてパンチやキックをこれまでより速く繰り出した。
ミカのスイッチが入ったのが分かりレイクルは必死に防御したが、次第に追い詰められていった。
そんな時ダレンがその様子を見に来た。ダレンはある意味アンテナの感度が妙に高いのだ。
本気の一撃を放とうとしたミカの腕を掴んだ。
「こらこら、俺を差し置いてお楽しみか?ちと代わってもらおうか」
ミカに代われと言ってレイクルに近付いたが、理由は分からないが、このままやらせると確実に相手が大怪我をするだろうからだ。
名前も聞かず、少し組手をしてみようと言った。
レイクルには拒否権はないと言うか、首を縦に何度も振った。
もちろんダレンは本気を出さなかったが、レイクルが緊張していたのもあるが、何手かの後にレイクルがフェイントに引っ掛かり床に背をつけ、直ぐにマウントを取った。
押さえ込まれたレイクルは恥ずかしさと緊張で赤くなったが、ダレンはレイクルの顔を見て笑った。
流石に若い女性の胸に顔を埋めているのは外聞が良くない。
「すぐに解くよ」
ダレンはそう言ってレイクルを解放した。ダレンが油断していたのもあるが、レイクルはすぐに立ち上がる振りをしてダレンに足払いを掛け、押さえ込みに行った。
正確には、何かしようとしているから、
敢えて引っ掛かり、何をしようとしているか見たかったから食らってみた。
そしてレイクルはダレンを組み伏せた。
ダレンの顔を自分の胸を押し付ける形で抑え込んでみたが、騒ぎを聞きつけて見に来ていたノリコに直ぐに引き離された。
そしてノリコはレイクルに睨みをきかせた。
「何をしているの?」
「ミカと彼女が模擬戦をやっていてな、彼女はミカとそこそこやっていたんだよ!だから俺も参加したんだよ」
ダレンはノリコをなだめながら、レイクルに話しかけた。
「君は何と言ったかな?ところでもう飯は食ったか?」
「いえ。これからですが?」
「よし!中々の腕だったな。食堂で上級士官用の飯を一緒に食べようか」
レイクルの腕を掴むとノリコのため息が聞こえたが、そのまま引っ張って食堂に連れて行こうとした。
レイクルは驚いてその手を振りほどこうとしたが、ダレンは強く握っていた。レイクルは彼に抵抗できなかった。
「ダレン、待って!」
ノリコは彼らの後を追って叫んだが、ダレンは後ろ手に手を振り、混乱するレイクルと消えていった。
そんな彼女はほぼプログラムを完成させていた。現在は仮で艦体シュミレーションに組み込んで、AIがひたすら艦隊戦のシュミレーションをしていた。いくつかのバグや不具合をレポートにしてもらい、修正すれば終わりだった。今はやることもなく、別のツールを作っていた。敵艦のハッキングソフトだ。わずかな時間、操艦を遅らせれば良い。プログラムを破壊できれば尚良い。
そんな中、シャワーを浴びようと、シャワールームに向かっていたが、偶々ダレンが通路を歩いてきたのが目に入った。レイクルは思わず抱きつこうとしたが、首根っこを掴まれて分岐通路に引きずり込まれた。
「あんた確かレイクルね。アタイのダレンになにするつもり?」
声をかけたのはミカだった。
ダレンの恋人の1人であり、護衛でもある。
「ご、ごめんなさい。進捗を伝えようとしたんです・・・」
レイクルは必死に弁解したが、ミカは聞く耳を持たなかった。いや、バレバレだ。
「嘘つけ!抱きつこうとしたな!良い度胸だ!ちと格納庫で体に教えてやるよ!きな!」
ミカはレイクルを引きずって格納庫に連れて行った。
「えっ?」
レイクルは困惑したが、ミカは容赦なく格納庫に引きずる。
「いいから黙ってついてこい。貴様も士官学校を出ているなら少しは訓練してんだろ?少し戦闘訓練をしようぜ!」
ミカはレイクルに戦闘姿勢をとらせたが、もちろんレイクルは逆らえずに従った。
レイクルは予測外に強く、レイクルに対してミカは中々攻撃が当たらない。当たるのはガードの腕にだけだ。
最初は少し痛い目にあわせる程度にしようとしたが、本気になった。
ミカはレイクルの隙をついてパンチやキックをこれまでより速く繰り出した。
ミカのスイッチが入ったのが分かりレイクルは必死に防御したが、次第に追い詰められていった。
そんな時ダレンがその様子を見に来た。ダレンはある意味アンテナの感度が妙に高いのだ。
本気の一撃を放とうとしたミカの腕を掴んだ。
「こらこら、俺を差し置いてお楽しみか?ちと代わってもらおうか」
ミカに代われと言ってレイクルに近付いたが、理由は分からないが、このままやらせると確実に相手が大怪我をするだろうからだ。
名前も聞かず、少し組手をしてみようと言った。
レイクルには拒否権はないと言うか、首を縦に何度も振った。
もちろんダレンは本気を出さなかったが、レイクルが緊張していたのもあるが、何手かの後にレイクルがフェイントに引っ掛かり床に背をつけ、直ぐにマウントを取った。
押さえ込まれたレイクルは恥ずかしさと緊張で赤くなったが、ダレンはレイクルの顔を見て笑った。
流石に若い女性の胸に顔を埋めているのは外聞が良くない。
「すぐに解くよ」
ダレンはそう言ってレイクルを解放した。ダレンが油断していたのもあるが、レイクルはすぐに立ち上がる振りをしてダレンに足払いを掛け、押さえ込みに行った。
正確には、何かしようとしているから、
敢えて引っ掛かり、何をしようとしているか見たかったから食らってみた。
そしてレイクルはダレンを組み伏せた。
ダレンの顔を自分の胸を押し付ける形で抑え込んでみたが、騒ぎを聞きつけて見に来ていたノリコに直ぐに引き離された。
そしてノリコはレイクルに睨みをきかせた。
「何をしているの?」
「ミカと彼女が模擬戦をやっていてな、彼女はミカとそこそこやっていたんだよ!だから俺も参加したんだよ」
ダレンはノリコをなだめながら、レイクルに話しかけた。
「君は何と言ったかな?ところでもう飯は食ったか?」
「いえ。これからですが?」
「よし!中々の腕だったな。食堂で上級士官用の飯を一緒に食べようか」
レイクルの腕を掴むとノリコのため息が聞こえたが、そのまま引っ張って食堂に連れて行こうとした。
レイクルは驚いてその手を振りほどこうとしたが、ダレンは強く握っていた。レイクルは彼に抵抗できなかった。
「ダレン、待って!」
ノリコは彼らの後を追って叫んだが、ダレンは後ろ手に手を振り、混乱するレイクルと消えていった。
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