72 / 85
第72話 レイクル伍長
しおりを挟む
レイクル伍長は輸送艦のブリッジクルーとして勤務をしていた。下位卒業で劣等感を抱いていた。いつの日からか自作の画像や動画の加工・生成ソフトにはまり込み、管理が不十分だったためアプリが反逆者に悪用され、ダレンのコラージュ動画を作る道具として使われてしまった。
美人だが腐女子であり、ダレン司令との恋愛や友情を描いた作品を作ったりと妄想に浸っていた。
しかし、ソフトは瞬く間に広がってしまい、作者不明の神アプリとして艦隊内で有名になった。
ダレン司令に迷惑を掛けることになり苦しんでいた。
彼女はダレン司令を尊敬し好意を抱いていた。彼の戦闘訓練や指導する姿に惚れ、艦隊の安全と平和を守るために努力する姿に共感や賛同をした。
彼女は自分の気持ちを隠さず彼に伝えたかったが機会に恵まれなかった。いずれ報われることを願っているだけだった。
彼女はダレン司令の輸送任務に配属されて喜んだ。ひょっとしたら彼に近づけると思い、彼の部下として信頼を得ようとした。彼のすべてを知り、受け入れ愛したかった。何より特別な存在になりたかった。
つまりストーカー予備軍だ。
しかし、彼女は輸送艦勤務中に突如宙兵隊に囲まれ身柄を拘束された。
「レイクル伍長だな。大人しく我々の指示に従いなさい」
「なんですか!私が何をしたと?」
「それは我々の仕事ではない。伍長を旗艦に連行する司令部からの命令を受けており、艦長も承知している」
レイクルが当直士官を見る。
「伍長、艦長より宙兵隊の指示に従い身柄を引き渡す指示が確かに出ているが、理由は知らない。私物はメイル曹長に取りに行かせている。荷物よランチで移送される事になっている」
レイクルは指示に従うしかなく、大人しく旗艦に移送された。
宙兵隊に囲まれた瞬間から自分のソフトがバレたのではないかと恐れた。
いや、それ以外心当たりが・・・なくはないが、旗艦に連行される程ではないので、項垂れていた。
旗艦でノリコという女性に尋問された彼女は、その美女が有名氷の魔女であり、参謀長である事に気が付く余裕がなかった。
これまでに反逆者が使ったソフトが自分が趣味の為に作ったもので、反逆とは関係ないことを説明しようとしたが、臆病な彼女は申告出来ずにいた。
ただ、名乗り出ろと命令があれば名乗り出りでたが、何故かアプリはそのままにさており、一切の規制はされなかった。
ましてや犯人探しはされていなかった。
旗艦の尋問室にてノリコはレイクル伍長に圧力をかけた。
「君は反逆者と共謀しているのか?ダレン司令に敵対したり、艦隊に反逆するつもりなのか?」
レイクルは怯えながらも否定した。
ノリコは美人だが、その口調は冷静で抑揚がなく、クール故怒鳴られるよりも恐ろしさを感じる。
「違います!私は反逆とは関係ありません!もちろんダレン司令に敵対していませんし、艦隊に反逆するつもりもありません!私はただ自分の趣味でアプリを作っただけなんです!それにダレン司令の信奉者です!何よりも尊敬し愛してさえいます!理由がありません!ただ、迷惑を掛けたのは事実です・・・」
ノリコは彼女がダレン司令を愛していると言ったことに驚き冷笑した。
「君はダレン司令を愛していると?君は本当にそう思っているのか?そのそも君はダレン司令に会ったことや司令が君のことを知っているのか?ダレンの何を知っていると言うの?」
レイクルは傷ついたが、以前ダレンに会ったことがあると答えた。
偶々ダレンが士官学校に訪れた時に校長の頼みを断れず、戦闘訓練の指導をしていた時に十把一絡げの士官候補生として稽古をつけられた。直接アドバイスをもらい、その時に握手を求めたことがあると言った。その時のダレンの笑顔や優しい言葉を忘れられず、その時から惹かれていたと言った。
そのうえで彼女はダレン司令が多分自分のことを覚えていないと答えた。そして自分の気持ちが一方的であることを認めた。自分の気持ちが報われないことを悟っているが、それでもダレン司令を愛してやまないことを告白した。
美人だが腐女子であり、ダレン司令との恋愛や友情を描いた作品を作ったりと妄想に浸っていた。
しかし、ソフトは瞬く間に広がってしまい、作者不明の神アプリとして艦隊内で有名になった。
ダレン司令に迷惑を掛けることになり苦しんでいた。
彼女はダレン司令を尊敬し好意を抱いていた。彼の戦闘訓練や指導する姿に惚れ、艦隊の安全と平和を守るために努力する姿に共感や賛同をした。
彼女は自分の気持ちを隠さず彼に伝えたかったが機会に恵まれなかった。いずれ報われることを願っているだけだった。
彼女はダレン司令の輸送任務に配属されて喜んだ。ひょっとしたら彼に近づけると思い、彼の部下として信頼を得ようとした。彼のすべてを知り、受け入れ愛したかった。何より特別な存在になりたかった。
つまりストーカー予備軍だ。
しかし、彼女は輸送艦勤務中に突如宙兵隊に囲まれ身柄を拘束された。
「レイクル伍長だな。大人しく我々の指示に従いなさい」
「なんですか!私が何をしたと?」
「それは我々の仕事ではない。伍長を旗艦に連行する司令部からの命令を受けており、艦長も承知している」
レイクルが当直士官を見る。
「伍長、艦長より宙兵隊の指示に従い身柄を引き渡す指示が確かに出ているが、理由は知らない。私物はメイル曹長に取りに行かせている。荷物よランチで移送される事になっている」
レイクルは指示に従うしかなく、大人しく旗艦に移送された。
宙兵隊に囲まれた瞬間から自分のソフトがバレたのではないかと恐れた。
いや、それ以外心当たりが・・・なくはないが、旗艦に連行される程ではないので、項垂れていた。
旗艦でノリコという女性に尋問された彼女は、その美女が有名氷の魔女であり、参謀長である事に気が付く余裕がなかった。
これまでに反逆者が使ったソフトが自分が趣味の為に作ったもので、反逆とは関係ないことを説明しようとしたが、臆病な彼女は申告出来ずにいた。
ただ、名乗り出ろと命令があれば名乗り出りでたが、何故かアプリはそのままにさており、一切の規制はされなかった。
ましてや犯人探しはされていなかった。
旗艦の尋問室にてノリコはレイクル伍長に圧力をかけた。
「君は反逆者と共謀しているのか?ダレン司令に敵対したり、艦隊に反逆するつもりなのか?」
レイクルは怯えながらも否定した。
ノリコは美人だが、その口調は冷静で抑揚がなく、クール故怒鳴られるよりも恐ろしさを感じる。
「違います!私は反逆とは関係ありません!もちろんダレン司令に敵対していませんし、艦隊に反逆するつもりもありません!私はただ自分の趣味でアプリを作っただけなんです!それにダレン司令の信奉者です!何よりも尊敬し愛してさえいます!理由がありません!ただ、迷惑を掛けたのは事実です・・・」
ノリコは彼女がダレン司令を愛していると言ったことに驚き冷笑した。
「君はダレン司令を愛していると?君は本当にそう思っているのか?そのそも君はダレン司令に会ったことや司令が君のことを知っているのか?ダレンの何を知っていると言うの?」
レイクルは傷ついたが、以前ダレンに会ったことがあると答えた。
偶々ダレンが士官学校に訪れた時に校長の頼みを断れず、戦闘訓練の指導をしていた時に十把一絡げの士官候補生として稽古をつけられた。直接アドバイスをもらい、その時に握手を求めたことがあると言った。その時のダレンの笑顔や優しい言葉を忘れられず、その時から惹かれていたと言った。
そのうえで彼女はダレン司令が多分自分のことを覚えていないと答えた。そして自分の気持ちが一方的であることを認めた。自分の気持ちが報われないことを悟っているが、それでもダレン司令を愛してやまないことを告白した。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる