59 / 85
第59話 救助隊編成
しおりを挟む
情報士が慌てて訂正報告を始めた。
「提督、申し訳ありません。私の誤報だった可能性が高いです。敵の残存艦のうち、離反艦を追い始めた艦と、追っている50艦が転進し合流したうえで我々に攻撃をするようです。そして、それらの艦と残りの100艦は連携せず、別々に動く形になっています」
情報士の新たな報告にダレンは頷くと思案に耽っていった。
「なるほど、やはり各個撃破が可能ということだな。それなら方針を変える必要はない。全艦長に通達だ。全艦、個々に最も接近している敵艦に焦点を当てて攻撃せよ。制御不能になるまで撃ち続けるんだ」
ダレンの命令が艦内に響き渡り、乗組員たちは新たな戦法に応じて即座に行動を開始した。それぞれが標的を捉え、精密な攻撃を開始する準備を整えた。全艦は独立して、そして同時に動き出すことで集団の力を最大限に発揮しようとした。 敵艦が連携していないというのは一概に有利とは言い切れない。しかし、統制された艦隊の力を持つ我々が、各個撃破戦法で戦場を支配できることは間違いない。我々の友軍を救い出す絶好のチャンスが訪れたと、全艦の乗組員は強く感じていた。
数時間後、ダレン率いる艦は中破小が12艦のみ。残りの50艦を迎え撃つ準備をしつつ、一部の艦に漂っている艦の救助に向かわせた。
約100艦からなる敵本体の残存艦隊と数時間に渡る激闘の末、ダレン少将が率いる艦隊は大きな被害を出すこともなく、一方的と言っても良いような勝利を収め、情報士から状況報告を受け取った。
3倍の兵力での戦いだから勝って当たり前ではあるが、一段落すると艦隊内から歓喜の声が湧き上がる
「提督、戦闘の被害結果がまとまりましたので報告します。離反艦を除き我が艦隊の中で中破した艦は12艦のみ。小破は20艦です。現状を維持しながら敵別動隊約50艦を迎撃する準備をしています」
情報士が報告するとダレンは頷き、深呼吸をして必要な指示を出した。
「わかった。それなら、ダメージがある艦は修理に入らせろ。軽微な艦を一部選び輸送艦と損傷した艦の護衛に当たらせろ。また、足の速い艦を中心になるべく早く被害を受けた離反艦の救援に向かわせるように。ノリコ大佐、手配を頼む。我々はまだ戦闘中だが、仲間を見捨てるわけにはいかない。全力で助け、修理して最前線に戻せられる状態にするんだ」
艦隊内には救助チームの動きが活発化し、修理と救助のために選ばれた艦は命と死を分ける戦闘の最中、救援活動へと急いだ。
基本的に軽巡航艦及び駆逐艦を中心としていたが、輸送艦も向かわせる予定だ。
戦艦は新造艦の中に高速機動が可能な艦を同行させた。
ダレン少将の指揮の下、艦隊は脅威に対抗し、同時に味方の被害を最小限に抑えるための行動を展開していた。
距離が開くが、ノリコ大佐に救助隊の指揮を託し、ダレンは残りの敵残存部隊との戦いに向け指示を出していった。
戦闘に向かうのは約200艦となり、4倍の艦数の為に勝敗は既に決していると言っても良い状況も、何故か敵は撤退しない・・・
「提督、申し訳ありません。私の誤報だった可能性が高いです。敵の残存艦のうち、離反艦を追い始めた艦と、追っている50艦が転進し合流したうえで我々に攻撃をするようです。そして、それらの艦と残りの100艦は連携せず、別々に動く形になっています」
情報士の新たな報告にダレンは頷くと思案に耽っていった。
「なるほど、やはり各個撃破が可能ということだな。それなら方針を変える必要はない。全艦長に通達だ。全艦、個々に最も接近している敵艦に焦点を当てて攻撃せよ。制御不能になるまで撃ち続けるんだ」
ダレンの命令が艦内に響き渡り、乗組員たちは新たな戦法に応じて即座に行動を開始した。それぞれが標的を捉え、精密な攻撃を開始する準備を整えた。全艦は独立して、そして同時に動き出すことで集団の力を最大限に発揮しようとした。 敵艦が連携していないというのは一概に有利とは言い切れない。しかし、統制された艦隊の力を持つ我々が、各個撃破戦法で戦場を支配できることは間違いない。我々の友軍を救い出す絶好のチャンスが訪れたと、全艦の乗組員は強く感じていた。
数時間後、ダレン率いる艦は中破小が12艦のみ。残りの50艦を迎え撃つ準備をしつつ、一部の艦に漂っている艦の救助に向かわせた。
約100艦からなる敵本体の残存艦隊と数時間に渡る激闘の末、ダレン少将が率いる艦隊は大きな被害を出すこともなく、一方的と言っても良いような勝利を収め、情報士から状況報告を受け取った。
3倍の兵力での戦いだから勝って当たり前ではあるが、一段落すると艦隊内から歓喜の声が湧き上がる
「提督、戦闘の被害結果がまとまりましたので報告します。離反艦を除き我が艦隊の中で中破した艦は12艦のみ。小破は20艦です。現状を維持しながら敵別動隊約50艦を迎撃する準備をしています」
情報士が報告するとダレンは頷き、深呼吸をして必要な指示を出した。
「わかった。それなら、ダメージがある艦は修理に入らせろ。軽微な艦を一部選び輸送艦と損傷した艦の護衛に当たらせろ。また、足の速い艦を中心になるべく早く被害を受けた離反艦の救援に向かわせるように。ノリコ大佐、手配を頼む。我々はまだ戦闘中だが、仲間を見捨てるわけにはいかない。全力で助け、修理して最前線に戻せられる状態にするんだ」
艦隊内には救助チームの動きが活発化し、修理と救助のために選ばれた艦は命と死を分ける戦闘の最中、救援活動へと急いだ。
基本的に軽巡航艦及び駆逐艦を中心としていたが、輸送艦も向かわせる予定だ。
戦艦は新造艦の中に高速機動が可能な艦を同行させた。
ダレン少将の指揮の下、艦隊は脅威に対抗し、同時に味方の被害を最小限に抑えるための行動を展開していた。
距離が開くが、ノリコ大佐に救助隊の指揮を託し、ダレンは残りの敵残存部隊との戦いに向け指示を出していった。
戦闘に向かうのは約200艦となり、4倍の艦数の為に勝敗は既に決していると言っても良い状況も、何故か敵は撤退しない・・・
10
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる