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第6話 偵察艦ハイドラ
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時は少し戻る。
ダレンが入れ換えのために老朽艦110艦の引き渡しを受けた頃だ。
哨戒任務についていた偵察艦ハイドラ号は、駐留艦隊の最前線に位置していたが、 艦長のサニー大尉は艦長席で鼻をほじりながら鼻歌を歌っていた。
ここライナン星域は敵の艦隊が多く現れる星系の隣で、重力ジャンプの経由地だ。
数年に1度の威力偵察がある程度で、戦闘は殆どない。
それでも駐屯艦隊を配置しなければならない重要な星域だ。
ハビタブルゾーンに岩石型の惑星はなく、第4惑星であるガス惑星の衛星、つまり月に基地を作り、そこに休暇を過ごすための余暇施設等がある。
整備のためのドックと呼ばれる施設が星系内に点在し、駐留艦隊は第4惑星の第3衛星の軌道上に待機しており、主に新人や若年者の教育をしている。
ハイドラ号のレーダー担当少尉は、レーダーに映った不審な反応に目を凝らしていた。
「あれは何だ?敵か?・・・やめてくれよ!今回やっと国に帰れるのに・・・はあ・・・副長、レーダーに僅かながら異常が見られます!どうしましょうか?」
悪態をつきつつ副官に尋ねた。
「敵艦か?こんなところに海賊船なんていないよな?」
「分かりません。距離は約5000kmです。速度は低く、コースも不規則です。偵察艦の可能性が高い気がします」
少尉の報告に副官は頷き、艦長に報告する。
その報告を艦長は面倒くさそうに頭をボリボリしながら聞いていたが、報告が終わると頬を叩き、気合を入れて副官に命じた。
「旗艦に報告しろ。ハイドラ号はレーダーに映った何かを確認する為、異常が検出されたエリアに接近する。警報を鳴らし、全員に戦闘態勢を取らせろ」
「了解です」
艦長の命令を副長が受理し、旗艦に通信を送るため通信機を手に取る。
「こちらエリア69付近を哨戒任務中の偵察艦ハイドラ。敵と思われる不審な反応をエリア70にて探知しました。ハイドラ号は接近して確認します」
副長が旗艦に連絡したのを確認すると、艦長は操舵手に発進を命じた。
旗艦たる戦艦フレッチルに、哨戒艦から敵と思われる反応を検知した旨の報告が入る。
艦長から司令部の当直である参謀の1人は、文字通り提督を叩き起こして報告を始めた。
この半年そんな事は無かったが、睡眠中の司令官を起こすという事は余程のことがない限りない為、直ぐに報告を聞いた。
「お休みのところ申し訳ありません・・・・」
「敵か・・・」
提督は眠けを払うかのように頭を振りつつ、つぶやいた。
「提督、どうなさいますか?」
「哨戒艦に任せるしかない。敵が攻撃的な動きを見せたら、足の早い艦を支援に向かわせろ。他の宙域にも哨戒部隊を出せ」
「了解しました。第12特別輸送艦隊へ知らせますか?」
「不要だ。無用な混乱を引き起こすだけだ。その分、引き渡しが遅くなるだけだからな。問題児は送ったんだろうな?」
「はっ!配置転換や訓練終了として本国行きに入れました。もちろんあの娘も」
「うむ、なら良い。今回は良さそうなのはおるのか?」
「ふふふ。広報官にあのミズリア嬢を指名し、届いたリストに名前がありました」
「でかしたぞ!よし、動きがあったら報告しろ。下がって良い」
提督の命令を参謀が受理し、敬礼して提督室を去った。
小声で変態野郎め!と悪態をつきつつ・・・
哨戒艦ハイドラは敵と思われる反応に向かって進んでいたが、距離が縮まるにつれ、レーダーに映る反応の形が明確になってきた。
そしてカメラに映し出されたその姿がおぼろげに見えてきた。
「あれが敵艦か・・・」
艦長のサニー大尉は眉をひそめた。 敵艦はオドロオドロした嫌悪感を抱くような形をしていた。
最大望遠で何となく形も見えてきたが、 黒くてギザギザした外殻に、赤くてぬめっとした内部が見え隠れしていた。
そう、まるで生き物のようだった。
「とてもではないが、あれは人間が作り出すような代物とは思えないな。やはり異星人の艦か」
副長が呟いた。
「気持ち悪いわ・・・」
航宙士が顔をしかめた。
「現在敵との距離は約1000kmです。敵の反応、変わりません」
レーダー担当が報告した。
「よし、もう少し近づいてみよう」
「艦長、危険ですよ。敵が攻撃してきたらどうするつもりですか?」
サニー艦長の命令に副長が心配そうに質問した。
「大丈夫だ。ハイドラ号は敵の偵察艦よりも速く、機動力もある。必要ならすぐに逃げられるさ」
サニー大尉は自信満々に言った。
「でも、敵の性能は分かりませんよ。もしかしたらハイドラ号よりも優れているかもしれません」
副長が反論した。
「そんなことはない。敵は小型艦だ。ハイドラ号は全長110mの艦だが、みたところ敵は100mほどだろう。同じ大きさならハイドラ号の方が1割ほど高性能だぞ。艦隊のデータベースとの照合結果から、この50年変わらず使われている小型艦の特徴とほぼ一致している!」
「それでも、油断は禁物ですよ」
副長が忠告した。
「分かっている。でも、これは貴重な機会なんだ。敵の艦を間近で見ることができるんだ。これで敵の戦力や戦術を探ることができる!」
「それは旗艦の仕事ですよ。ハイドラ号は偵察艦であり、出されているのは哨戒任務ですよ。敵を発見して報告するのが任務です」
「そう言うなよ。ハイドラ号も戦闘艦だ。少しは冒険心を持とうよ、ね。この10年でこれだけ敵艦に近づいた艦はいないだろ?」
サニー艦長は笑った。
「距離約500kmです。敵に反応があります!こちらに気がついたようで、どうやら迎撃するようです」
レーダー担当が叫んだ。
「何だと!?気がついたのか?ステルスは最大限働いているはずだぞ!」
サニー艦長はついボヤいた。
「敵艦が急加速を始めました!あっ!ベクトルも変えました!やはりハイドラ号に向かってきます!」
レーダー担当が声を上ずらせながら報告した。
「くそ!やられた!」
サニー艦長は悔しがった。
「全速力で基地方面へ後退しろ!ライバザ、旗艦に緊急連絡だ!」
副長が命令を復唱した。
「了解!」
通信士は返答すると旗艦に報告を始め、航宙士は航路を操舵手に指示していった。
「こちら哨戒中の偵察艦ハイドラ!敵偵察艦と思われる艦にステルス最大で接近中でしたが、距離500キロで発見されました。ハイドラ号に向かって来ているので戦闘は避けられそうにありません。敵の速度は予想以上です!支援を求めます!」
通信士が旗艦に連絡した。
「距離50kmです。敵の砲撃が始まりました!」
レーダー担当が報告した。
「防御システムを起動しろ!手動による回避行動も取れ!」
戦闘指揮担当である副長が命令した。
「防御システムは既に起動中!」
「手動による回避運動開始します!」
航宙士と操舵手が答えた。
哨戒艦ハイドラ号は敵の砲撃をかわしながら後退した。
しかし、敵の砲撃は正確で強力で、主砲は偵察艦ハイドラの装甲に次々と命中した。
データーベースにある主砲より威力が高く、シールドを安々と貫通した。被弾する度に艦体は大きく揺れ、外郭や装甲がめくれ上がる。
「ひ、被弾!被弾しました!」
損傷管理担当がパニックに陥っており叫んだ。
「落ち着け、そう簡単に沈まん。被害状況を報告しろ!」
サニー艦長が叱咤した。
「左舷側前部装甲!及び左舷中部装甲!後部装甲!全て大破です!左舷側は駄目です」
損傷管理担当が答えた。
「くそっ!このままではやられる!主砲と副砲は?」
「はい!主砲は3発、副砲は1度は使えます!」
サニー艦長は了解と返事をしつつ、冷や汗を拭った。
「距離約10kmです。敵の艦影がはっきりと見えます!」
レーダー担当が報告した。
「目視できるか!?」
「はい!敵の艦は黒くてギザギザした形をしています!まるで生き物のようです!」
艦長の質問にレーダー担当が答えた。
「気持ち悪いな・・・」
艦長が呟き、首を振る。
「主砲の準備はできているか!?」
「はい!陽電子加速砲の充填完了です!」
副官の問いに武器管制士が声を震わせながら答えた。
「よし、発射するぞ!目標は敵艦中央だ!」
大尉が命令がブリッジにこだました。
ダレンが入れ換えのために老朽艦110艦の引き渡しを受けた頃だ。
哨戒任務についていた偵察艦ハイドラ号は、駐留艦隊の最前線に位置していたが、 艦長のサニー大尉は艦長席で鼻をほじりながら鼻歌を歌っていた。
ここライナン星域は敵の艦隊が多く現れる星系の隣で、重力ジャンプの経由地だ。
数年に1度の威力偵察がある程度で、戦闘は殆どない。
それでも駐屯艦隊を配置しなければならない重要な星域だ。
ハビタブルゾーンに岩石型の惑星はなく、第4惑星であるガス惑星の衛星、つまり月に基地を作り、そこに休暇を過ごすための余暇施設等がある。
整備のためのドックと呼ばれる施設が星系内に点在し、駐留艦隊は第4惑星の第3衛星の軌道上に待機しており、主に新人や若年者の教育をしている。
ハイドラ号のレーダー担当少尉は、レーダーに映った不審な反応に目を凝らしていた。
「あれは何だ?敵か?・・・やめてくれよ!今回やっと国に帰れるのに・・・はあ・・・副長、レーダーに僅かながら異常が見られます!どうしましょうか?」
悪態をつきつつ副官に尋ねた。
「敵艦か?こんなところに海賊船なんていないよな?」
「分かりません。距離は約5000kmです。速度は低く、コースも不規則です。偵察艦の可能性が高い気がします」
少尉の報告に副官は頷き、艦長に報告する。
その報告を艦長は面倒くさそうに頭をボリボリしながら聞いていたが、報告が終わると頬を叩き、気合を入れて副官に命じた。
「旗艦に報告しろ。ハイドラ号はレーダーに映った何かを確認する為、異常が検出されたエリアに接近する。警報を鳴らし、全員に戦闘態勢を取らせろ」
「了解です」
艦長の命令を副長が受理し、旗艦に通信を送るため通信機を手に取る。
「こちらエリア69付近を哨戒任務中の偵察艦ハイドラ。敵と思われる不審な反応をエリア70にて探知しました。ハイドラ号は接近して確認します」
副長が旗艦に連絡したのを確認すると、艦長は操舵手に発進を命じた。
旗艦たる戦艦フレッチルに、哨戒艦から敵と思われる反応を検知した旨の報告が入る。
艦長から司令部の当直である参謀の1人は、文字通り提督を叩き起こして報告を始めた。
この半年そんな事は無かったが、睡眠中の司令官を起こすという事は余程のことがない限りない為、直ぐに報告を聞いた。
「お休みのところ申し訳ありません・・・・」
「敵か・・・」
提督は眠けを払うかのように頭を振りつつ、つぶやいた。
「提督、どうなさいますか?」
「哨戒艦に任せるしかない。敵が攻撃的な動きを見せたら、足の早い艦を支援に向かわせろ。他の宙域にも哨戒部隊を出せ」
「了解しました。第12特別輸送艦隊へ知らせますか?」
「不要だ。無用な混乱を引き起こすだけだ。その分、引き渡しが遅くなるだけだからな。問題児は送ったんだろうな?」
「はっ!配置転換や訓練終了として本国行きに入れました。もちろんあの娘も」
「うむ、なら良い。今回は良さそうなのはおるのか?」
「ふふふ。広報官にあのミズリア嬢を指名し、届いたリストに名前がありました」
「でかしたぞ!よし、動きがあったら報告しろ。下がって良い」
提督の命令を参謀が受理し、敬礼して提督室を去った。
小声で変態野郎め!と悪態をつきつつ・・・
哨戒艦ハイドラは敵と思われる反応に向かって進んでいたが、距離が縮まるにつれ、レーダーに映る反応の形が明確になってきた。
そしてカメラに映し出されたその姿がおぼろげに見えてきた。
「あれが敵艦か・・・」
艦長のサニー大尉は眉をひそめた。 敵艦はオドロオドロした嫌悪感を抱くような形をしていた。
最大望遠で何となく形も見えてきたが、 黒くてギザギザした外殻に、赤くてぬめっとした内部が見え隠れしていた。
そう、まるで生き物のようだった。
「とてもではないが、あれは人間が作り出すような代物とは思えないな。やはり異星人の艦か」
副長が呟いた。
「気持ち悪いわ・・・」
航宙士が顔をしかめた。
「現在敵との距離は約1000kmです。敵の反応、変わりません」
レーダー担当が報告した。
「よし、もう少し近づいてみよう」
「艦長、危険ですよ。敵が攻撃してきたらどうするつもりですか?」
サニー艦長の命令に副長が心配そうに質問した。
「大丈夫だ。ハイドラ号は敵の偵察艦よりも速く、機動力もある。必要ならすぐに逃げられるさ」
サニー大尉は自信満々に言った。
「でも、敵の性能は分かりませんよ。もしかしたらハイドラ号よりも優れているかもしれません」
副長が反論した。
「そんなことはない。敵は小型艦だ。ハイドラ号は全長110mの艦だが、みたところ敵は100mほどだろう。同じ大きさならハイドラ号の方が1割ほど高性能だぞ。艦隊のデータベースとの照合結果から、この50年変わらず使われている小型艦の特徴とほぼ一致している!」
「それでも、油断は禁物ですよ」
副長が忠告した。
「分かっている。でも、これは貴重な機会なんだ。敵の艦を間近で見ることができるんだ。これで敵の戦力や戦術を探ることができる!」
「それは旗艦の仕事ですよ。ハイドラ号は偵察艦であり、出されているのは哨戒任務ですよ。敵を発見して報告するのが任務です」
「そう言うなよ。ハイドラ号も戦闘艦だ。少しは冒険心を持とうよ、ね。この10年でこれだけ敵艦に近づいた艦はいないだろ?」
サニー艦長は笑った。
「距離約500kmです。敵に反応があります!こちらに気がついたようで、どうやら迎撃するようです」
レーダー担当が叫んだ。
「何だと!?気がついたのか?ステルスは最大限働いているはずだぞ!」
サニー艦長はついボヤいた。
「敵艦が急加速を始めました!あっ!ベクトルも変えました!やはりハイドラ号に向かってきます!」
レーダー担当が声を上ずらせながら報告した。
「くそ!やられた!」
サニー艦長は悔しがった。
「全速力で基地方面へ後退しろ!ライバザ、旗艦に緊急連絡だ!」
副長が命令を復唱した。
「了解!」
通信士は返答すると旗艦に報告を始め、航宙士は航路を操舵手に指示していった。
「こちら哨戒中の偵察艦ハイドラ!敵偵察艦と思われる艦にステルス最大で接近中でしたが、距離500キロで発見されました。ハイドラ号に向かって来ているので戦闘は避けられそうにありません。敵の速度は予想以上です!支援を求めます!」
通信士が旗艦に連絡した。
「距離50kmです。敵の砲撃が始まりました!」
レーダー担当が報告した。
「防御システムを起動しろ!手動による回避行動も取れ!」
戦闘指揮担当である副長が命令した。
「防御システムは既に起動中!」
「手動による回避運動開始します!」
航宙士と操舵手が答えた。
哨戒艦ハイドラ号は敵の砲撃をかわしながら後退した。
しかし、敵の砲撃は正確で強力で、主砲は偵察艦ハイドラの装甲に次々と命中した。
データーベースにある主砲より威力が高く、シールドを安々と貫通した。被弾する度に艦体は大きく揺れ、外郭や装甲がめくれ上がる。
「ひ、被弾!被弾しました!」
損傷管理担当がパニックに陥っており叫んだ。
「落ち着け、そう簡単に沈まん。被害状況を報告しろ!」
サニー艦長が叱咤した。
「左舷側前部装甲!及び左舷中部装甲!後部装甲!全て大破です!左舷側は駄目です」
損傷管理担当が答えた。
「くそっ!このままではやられる!主砲と副砲は?」
「はい!主砲は3発、副砲は1度は使えます!」
サニー艦長は了解と返事をしつつ、冷や汗を拭った。
「距離約10kmです。敵の艦影がはっきりと見えます!」
レーダー担当が報告した。
「目視できるか!?」
「はい!敵の艦は黒くてギザギザした形をしています!まるで生き物のようです!」
艦長の質問にレーダー担当が答えた。
「気持ち悪いな・・・」
艦長が呟き、首を振る。
「主砲の準備はできているか!?」
「はい!陽電子加速砲の充填完了です!」
副官の問いに武器管制士が声を震わせながら答えた。
「よし、発射するぞ!目標は敵艦中央だ!」
大尉が命令がブリッジにこだました。
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