外れギフト魔石抜き取りの奇跡！〜スライムからの黄金ルート！婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

第三章 事業発展編

第121話 ６人の同類

　ロイの屋敷に新たに集められた6名の若者たちが到着した。彼らは15歳から30歳までの年齢層で、いずれも底辺の生活を送ってきた者たちだ。まずは彼らのことを若い順に紹介しよう。

　1. アーロン（15歳） - 小柄で痩せた少年。両親を早くに亡くし、孤児としてストリートで生き抜いてきた。機敏で頭の回転が早いが、他人を信じることが難しい。

　2. リサ（16歳） - 中性的な雰囲気を持つ少女。貧困家庭で育ち、家計を支えるために幼少期から様々な仕事をしてきた。手先が器用で、繊細な作業が得意。

　3. マーク（20歳） - 力強い体格の青年。かつては農場で働いていたが、家族が破産し、失業。力仕事には慣れているが、心優しく正義感が強い。

　4. エミリー（24歳） - 美しい容姿を持つが、娼婦として生計を立ててきた女性。心に傷を負っているが、本来は聡明で優しい性格。

　5. ジェイク（27歳） - 無口で寡黙な青年。過去に犯罪に手を染めたことがあり、そのために社会から疎外されていた。内に秘めた力を持つが、自分を信用していない。

　6. リーフィア（30歳） - 年長者として他の若者たちを見守る女性。長年、貧困に苦しむ家族を支えてきた経験から、責任感が強く面倒見が良い。

　彼らがロイの屋敷に到着すると、最初は戸惑いと不安でオロオロしていた。まるで『ドナ・ドナ』の歌詞に出てくる子牛のように、彼らの表情には不安が浮かんでいた。

　ロイは彼らを歓迎し、まずは落ち着くように声をかけた。

「皆さん、ここに来てくれてありがとう。私はロイ、この屋敷の主人です。まずは、皆さんに安心してもらいたい。」

　ロイは彼らに、ここでの生活がどのように変わるのかを説明し始めた。

「皆さんの中には、これまで辛い経験をしてきた人も多いでしょう。でもここでは、まともに生活できるように支援します。衣食住の保障はもちろん、技術や知識を身につけて、将来に希望を持てるようにします。」

　6人は驚きと不信感を抱きながらも、ロイの言葉に耳を傾けた。

「なぜ私たちを助けるのですか？私は汚れているのですよ」

　エミリーが尋ねた。

　ロイはソニアと共に微笑みながら答えた。

「私たちもかつては底辺から這い上がってきました。同じ能力を持つ者同士、助け合って成功を目指したいのです。私が魔石抜き取り、このソニアが収納と、皆さん同じギフトを持っています。ソニアはかつて干し草の上で寝ていたし、私は職を得られず、役立たずと門前払いでした。そんな中、冒険者ギルドの解体場のスタッフとして拾ってもらい、そこから劇的に変わったんです。今私がやっている事業に協力してくれるなら嬉しいですが、無理強いはしません。まずは半年間、一緒に過ごしてみてください。その後、残るか去るかは自由です。この半年は皆さんの能力を上げ、例え私の下を去ったとしても良い暮らしができるほどの能力を身につけられますから、何とでもやっていけるでしょう」

　ロイは続けて、エミリーに向かって優しく言った。

「もう体を売る必要はありません。ここにいる限り、安全で安心な生活を送れます。私の配下になれば、誰もあなたに手出しはできません。」

　6人は徐々にロイの温かい言葉に心を開き始めた。ロイは続けて、彼らの最初の任務について説明した。

「まずは解体場で魔物の解体や魔石抜き取りを手伝ってもらいます。これは魔物に慣れてもらうための訓練です。護衛をつけるとはいえ、いきなり森に狩りに行くのは難しいでしょうから、少しずつ慣れていきましょう。いきなり危険なことをさせませんから安心してください。」

　6人はそれぞれの思いを胸に、ロイの提案を受け入れることにした。彼らの新たな生活が、ロイと共に始まろうとしていた。