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第三章 事業発展編

第116話 ガイたちのスライム狩り

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 前書き失礼します。予約投稿ミスりました。
 本話は7日の分。
 本日2話投稿になります。


 ガイとミネア、フィーネ、それと友人の4人はロイの始めた事業に興味を持ち、騎士学校と魔法学園の再会に合わせて王都に戻るまで、ロイのもとにいることになった。
 これはガイがそう告げてきたのだ。
 兄から頼まれて断わることなどできず、部屋も大量にあるので、客間を適当に部屋を使ってもらう。
 もちろんパーティーメンバーは家族と同じ扱いで居室を使ってもらうが、ベリーズ以外の部屋割りは揉めたらしい。珍しいなと思いつつ、間に入ろうとしたら、大事なことだからと怒られたりした。

 今回悪戯要員が1人多かったが、ミネアとフィーナの友人である魔法学園の生徒である、ネリスという準男爵家の長女も一緒だった。

 ロイはその姿を見ると「あれ?」と思った。この子の外観はガイのどストライクの見た目のはずだと。

 そんな中フィーネが彼女がガイにアプローチしても相手にされないと、助けを求めていた。

 そこでまずは4人にスライム狩りを体験することを計画した。

 ガイをリーダーとして4人でパーティを組むことにした。近接戦闘可能なのが1名とバランスが悪いが、まあ何とかなるだろうと判断した。

 最初は通常の手段でスライムを狩らせることにした。
 スライムは初めてのようで、剣で斬るもスライムの粘液が飛び散り、独特の臭いが漂う中、女子3人は半べそ状態になりながらも頑張っていた。

 一方、ガイはあっけらかんとした表情でスライムを次々と倒していった。その姿を見て、ロイは兄のたくましさを改めて実感した。
 ただ、臭いから近寄らないでと思う。

 続いてロイは魔石抜き取りと収納持ちのスキルを駆使した効率的なスライム狩りを披露した。ロイの手際の良さと、スライムの体内から魔石を素早く取り出す技術に4人は感嘆の声を上げた。

 彼らは、その方法がいかに効率的であるかを理解し、自分たちの狩りのやり方を見直す良い機会となった。
 これが外れと世間が見捨てていた魔石抜き取りの凄さだと実感する。

 その後、ロイは4人にスライムの探索を依頼した。ガイがリーダーシップを発揮し、ミネア、フィーナ、ネリスはそれぞれの役割を果たしながら、森を歩き回った。スライムの生息地を見つけ出し、効率的に狩ることができた。
 途中からロイはミネアとフィーネを手元に置き、自身のサポートを無理にさせていた。
 これは強制的にネリスをガイが守る形を取らせるためだ。

 スライム狩りを終えた後、4人はロイの屋敷に戻り、その日の体験をまとめていた。ロイは彼女たちの努力を称賛し、さらに説明を加えた。

「スライム狩りは基本だけど、ここで学んだことは他のモンスター狩りにも応用できるんだ」

「ロイ様、本当に色々なことを知ってるんですね」

 ミネアは感心し、フィーナも意欲を見せた。

「この経験を生かして、もっと強くなりたいです」

「ガイさんのおかげで、私も安心してスライム狩りのお手伝いができました。ガイさんは私を大事にしてくれて、その、お付き合いすることになりましたの」

 感謝の意を表したが、2人きりにしたら交際を申し込んだと聞き驚いていた。
 ロイは数日かかるだろうと思っていたが、まさか初日からこうなるとは思わなかった。

 ネリスの言葉にガイは照れくさそうにしていた。

「いや、みんなのおかげだよ。その、ネリスと付き合うことになったから、よ、よろしく」

 ミネアとフィーネはネリスの手を取り涙を流して喜んだ。
 この体験は、4人にとって単なるスライム狩り以上のものだった。チームワーク、リーダーシップ、そして戦闘後の処理など、多くの貴重なスキルを学ぶ機会となった。

 ロイの指導のもと、彼女たちは今後もさらに成長していくことだろう。ロイもまた、彼らの成長を見守りながら、自身の事業をさらに発展させる決意を新たにした。

 そしてその日の夕方、リックガントとコナリスのもとにスライムの開発について報告を受けに向かうことになった。
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